JPH0647572Y2 - 液体射出装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、シャンプー液等の収納液を水柱状に射出する
手動操作形の液体射出装置に関する。

「従来の技術」 この種液体射出装置は周知のように、容器体の口部に内
設したシリンダーから上方外部に立ち上げたステム上端
にノズル管付き押下げヘッドを連通固定し、この押下げ
ヘッドを復帰ばねに抗し押下げ操作することにより、ス
テム下端の筒状ピストンによりシリンダー内の液体を加
圧し、この加圧液を、液自身でステム内の吐出弁を開弁
させてノズル管から外部に射出させるものである。

液体射出が終了すると、筒状ピストン、ステム、押下げ
ヘッドの可動部が復帰ばねにより上方に復帰し、この復
帰でシリンダー内が負圧化することを利用し、シリンダ
ー下部の吸込み弁を開弁してシリンダー内に容器体内か
ら液体を吸上げる。この吸上げで容器体内が負圧化する
が、外気がステムまわりの空気通流用隙間から常時は筒
状ピストンで閉塞されているシリンダー上部に設けた通
気孔を経て容器体内に吸気され、負圧化を防止する。

「考案が解決しようとする課題」 この種液体射出装置をボディシャンプー容器とし、浴室
やシャワールームで使用すると、前述の容器体の負圧化
防止の吸気時、容器外面に付着した不要な水分が吸気通
路を経て空気と一緒に容器体内に入り込む。この吸気通
路は押下げ開始直後から復帰するまでの間開通するの
で、相当量の水分が容器体に入り込む可能性がある。

本考案は、容器体の負圧化防止の吸気時、空気と一緒に
容器体内に入り込もうとする水分を可及的に低減できる
構造とした液体射出装置を得るにある。

「課題を解決するための手段」 本考案の液体射出装置は、容器体１と、上部に通気孔５
を開孔し、底部開口に吸込み弁６を内装して前記容器体
１の口頸部７部分に内設されたシリンダー２と、下端を
前記シリンダー２に内嵌した筒状ピストン８に連通固定
して上方外部に突出し、上端にノズル管９付き押下げヘ
ッド10を連通固定し、吐出路に吐出弁11を内装し、かつ
上部外面に通気用溝12を凹設し、復帰ばね13で常時上方
に押上げ付勢されたステム３と、このステム３下部外面
を囲繞するよう前記シリンダー２頂部に固定され、下部
内面からステム３外面に密接するスカート状のシール弁
14を内方に突設した押下げロック機構用のナット部材４
とを備えた構造のものである。

「作用」 上記において、常時は図示のように筒状ピストン８がシ
リンダー２上部の通気孔５を塞ぎ、またシール弁14がス
テム３のまわりの空気通流用隙間をシールするので、容
器体１の負圧化防止用の吸気通路は閉塞されている。

ここで、液射出のため押下げヘッド10を復帰ばね13に抗
し押下げるとシリンダー２内の液は加圧され、吐出弁11
を開弁してノズル管９から外部に射出され、射出終了で
押下げを停止すると、筒状ピストン8,ステム３、押下げ
ヘッド10の可動部が復帰ばね13により上方に復帰し、こ
の復帰でシリンダー２内が負圧化することを利用し、吸
込み弁６を閉弁してシリンダー２内に容器体１内から液
体を吸上げる。

この動作において、容器体１の負圧化防止の吸気通路
は、ステム３が略下限位置まで押込まれ、従って筒状ピ
ストン８が通気孔５を開放し、そしてステム３上部の通
気用溝12がシール弁14部に位置し、このシール弁14とス
テム３間に隙間が形成されたとき開通する。しかし、こ
の時点ではシリンダー２が容器体１内から液の吸上げを
開始しておらず、従って容器体１内は負圧化するに至っ
ておらず、容器体１は吸気作用はしない。

この後、可動部の復帰によりシリンダー２が液の吸込み
作用をするのに応じ容器体１内が負圧になってゆくが、
しかし、この時点では既に通気用溝12がシール弁14から
離れ、このため吸気通路はシールされ、容器体１内の負
圧は解消されない。

しかし、次回の押下げ操作時、この押上げの下限位置で
容器体１の吸気通路が開通するので、前回そのままであ
った容器体１内の負圧は解消され、シリンダー２の液吸
上げには何ら支障がない。即ち、本考案の液体射出装置
では、容器体１の負圧は次回の押下げ操作時に解消され
ることになる。

しかして、吸気通路はステム３の通気用溝12がシール弁
14部に位置している間のみ開通し、この開通時間は従来
に比べ著しく短縮されるので、容器体１内への水分の流
入は大幅に低減される。

「実施例」 以下図面を参照して一実施例を説明するに、本考案で
は、容器体１の負圧化防止の吸気通路を押下げヘッド10
の押上げ操作の下限位置の時点でのみ開通させる構造と
し、空気と一緒に入り込む水分を可及的に低減させるよ
うにした点に特徴を有する。

容器体１は、上部の口頸部７外面にねじを形成してい
る。

シリンダー２は縦形筒状のもので、上部に通気孔５を開
孔し、ま上端部に外向きフランジ15を有し、このフラン
ジ15をパッキング16を介して前記口頸部７口頂面に掛け
てこの口頸部７部に内設され、口頸部７外面に螺合装着
した装着部材17により押え固定されており、また底部開
口には吸込み弁６を内装し、またこの底部開口には容器
体１内下方に垂下する吸上げパイプ18が連通固定してお
り、そして内部には筒状ピストン８を上下摺動可能に内
嵌している。19は調整棒である。

ステム３は、下端を前記筒状ピストン８に連通固定して
上方外部に突出し、その上端にノズル管９付き押下げヘ
ッド10を連通固定し、また上端内部に吐出弁11を設け、
上部外面をやや細身とし、この部分を通気用溝12に形成
している。20は押下げロック機構用のねじで、押下げヘ
ッド10を押下げた状態でこのねじ20をナット部材４に螺
着することにより、押下げ最下限位置に固定でき、主と
して流通過程時におけるいたずらやうっかりした押下げ
操作がロックできる。13は筒状ピストン８、ステム３、
押上げヘッド10の可動部を図示上方限まで押上げている
復帰ばねである。

ナット部材４は、一部断面が逆Ｕ字状の２重筒状の形状
のもので、内部筒内面に前記ねじ20が螺合されるねじ溝
を形成し、外部筒内面に係合突条21を突設し、この外部
筒を前記シリンダー２の頂部から立設した取付け筒22に
外嵌し、係合突条21を取付け筒22外面の係合突条23に係
合してステム３下部外面を囲繞するように配設されてお
り、そして内部筒下部内面からステム３外面に密接する
斜め内下方向のスカート状のシール弁14を突設してい
る。

前記シール弁14はステム３外面に密接してこのステム３
まわりの空気通流用隙間をシールするが、押下げ操作で
ステム３が押下げられ、通気用溝12部分がこのシール弁
14部に位置すると、シール弁14とこの通気用溝12間には
隙間が生じ、この通気用溝12部分で吸気通路が開通す
る。

従って、既に詳述しているように、当該射出時における
容器体１の負圧化は解消できないが、次回操作時前回の
負圧が解消される。そして吸気通路の開通時間は従来に
比べ著しく短縮されるので、容器体１内への水分の流入
は大幅に低減される。

上記各部は、復帰ばね13を除き合成樹脂材で成形製作す
る。また通気用溝12は、この部分の外径をステム３の他
部分と同外径とし、この通気用溝12部分において周方向
とびとびに多数の縦溝を形成し、これら縦溝群を通気用
溝とすることもできる。

「考案の効果」 上記したように、本考案では、ステム３下部を囲繞する
ように配設される押下げロック機構のナット部材４か
ら、ステム３外面に密接してこのステム３まわりの容器
体１内への吸気通路用隙間をシールするシール弁14を設
け、一方ステム３上部に、このシール弁14との間に隙間
を形成する通気用溝12を形成し、液射出操作の下限位置
の時点でのみ吸気通路を開通させ、この開通時間を短縮
させるようにしたので、空気と一緒に入り込む水分を大
幅に低減することが可能となり、浴室やシャワールーム
等で使用しても支障のない液体射出装置が提供できる。

【図面の簡単な説明】

添付図面は本考案液体射出装置の一実施例を示す半部縦
断正面図である。 １…容器体、２…シリンダー ３…ステム、４…ナット部材、 12…通気用溝、14…シール弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】容器体１と、上部に通気孔５を開孔し、底
   部開口に吸込み弁６を内装して前記容器体１の口頚部７
   部分に内設されたシリンダー２と、下端を前記シリンダ
   ー２に内嵌した筒状ピストン８に連通固定して上方外部
   に突出し、上端にノズル管９付き押下げヘッド10を連通
   固定し、吐出路に吐出弁11を内装し、かつ上部外面に通
   気用溝12を凹設し、復帰ばね13で常時上方に押上げ付勢
   されたステム３と、このステム３下部外面を囲繞するよ
   う前記シリンダー２頂部に固定され、下部内面からステ
   ム３外面に密接するスカート状のシール弁14を内方に突
   設した押下げロック機構用のナット部材４とを備えた液
   体射出装置。