JPH0647419A - 板圧延における板厚制御方法 - Google Patents

板圧延における板厚制御方法

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JPH0647419A
JPH0647419A JP4204003A JP20400392A JPH0647419A JP H0647419 A JPH0647419 A JP H0647419A JP 4204003 A JP4204003 A JP 4204003A JP 20400392 A JP20400392 A JP 20400392A JP H0647419 A JPH0647419 A JP H0647419A
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JP
Japan
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plate thickness
rolling
deviation
mill
plate
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JP4204003A
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English (en)
Inventor
Shigeru Isoyama
茂 磯山
Keitoku Yuge
佳徳 弓削
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Publication date
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Publication of JPH0647419A publication Critical patent/JPH0647419A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動板厚制御においてミル定数を真の値に近
い値に補正して板厚偏差の少ない鋼板を製造する。 【構成】 ロードセル4により圧延中の荷重Fとシリン
ダ5の位置検出器6によりワークロール2のロールギャ
ップSを計測し、これによって圧延荷重偏差ΔFとロー
ルギャップ偏差ΔSとを求め、ミル定数Kを包含するゲ
ージメータ式:Δh=+ΔS+ΔF/Kから板厚偏差Δ
hを演算する。一方、板厚計14によって計測した板厚h
から目標板厚との偏差Δh(γ)を測定し、前記の演算
板厚偏差Δ(Δh)と、測定した板厚偏差Δ{Δh
(γ)}とからミル定数を逆算し、この逆算で求めたミ
ル定数を次パスあるいは次スタンドのミル定数とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は板圧延における板厚制御
方法に関するもので、特に板内厚み偏差低減のための制
御方法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に加熱炉により加熱されたスラブを
熱間圧延機により熱間圧延してスラグから製品に圧延し
にくい場合に、スラブが加熱炉のスキッド部に接する部
分はスキッド間の他の部分よりも温度が低いため圧延時
の変形抵抗が高く、必要な圧延荷重が高くなる分だけ板
厚が厚くなり、圧延方向に板厚偏差が生じることにな
る。
【0003】このような圧延方向の板厚偏差を解決した
のが自動板厚制御(Automatic GaugeControll 略してA
GC制御)と呼ばれるものである。AGCによる板厚制
御では、通常油圧圧下装置を開いてロールによる板圧延
時の圧延荷重を検出して板厚を制御しており、目標板厚
hからの板厚偏差Δhは次のゲージメータ式(1)によ
り求めている。
【0004】Δh=−ΔS+ΔF/K …(1) ここでΔS:設定ロールギャップSo からのロールギャ
ップの変化 ΔF:目標圧延荷重FO からの圧延荷重偏差 K:ロールからハウジングまで全てを総合したミルのバ
ネ定数で、通常ミル定数と称している。
【0005】通常、前記のゲージメータ式(1)を用い
たAGCにより圧延する際に、図2に示すように上位の
プロセスコンピュータ(P/C)12からAGC制御に必
要な予測ミル定数KC 、ロックオン荷重(基準圧延荷
重)FO 、チューニング率Cがコントローラ13を経由し
てAGC制御盤7に入力される。一方、被圧延材1を圧
延するワークロール2およびバックアップロール3に取
り付けられた圧延荷重を検出するロードセル4と、前記
ロールを駆動する油圧圧下シリンダ5に取り付けられた
シリンダ移動量検出器6とを備えており、ロードセル4
の圧延荷重信号Fおよびシリンダ移動量検出器6のロー
ルギャップ信号SとがAGC制御盤7に入力されるよう
になっている。
【0006】AGC制御盤7では、荷重信号Fとロック
オン荷重FO との荷重偏差ΔF=−(F−FO )を演算
し、予測ミル定数KC を用いてミル伸び量ΔF/KC
算出し、式(1)の板厚偏差Δh=0、すなわちΔS=
−(F−FO )/KC =ΔF/Kとなるようなロールギ
ャップ変化量ΔSを求める。このようにして求めたロー
ルギャップ変化量ΔSの信号AGC制御盤7からサーボ
アンプ8に入力した後、サーボアンプ8からの指令によ
りサーボ弁9を制御して油圧源11から前記ミル伸び量Δ
F/KC に基づき油圧配管10を介してシリンダ移動量検
出器6によって移動量を検出しつつ、油圧圧下シリンダ
5への圧力油量を制御することによって板厚偏差Δhが
0になるようにAGC制御するものである。
【0007】このようなAGC制御で最も重要なこと
は、ミル常数KC の精度である。一般的にミル定数KC
は分割モデル等により板厚、板幅、圧延荷重、圧下率等
の圧延条件から求められたゲージメータ式を予測荷重で
微分した形で使用されるが、板幅の異なる冷鋼板を挟ん
で得られたミルの伸びを基礎データとして作成する場合
もある。しかしながら、実際の圧延時のミル常数とこれ
により算出されるミル定数(予測ミル定数)は、誤差を
もっており、この誤差はAGCの真に必要とする動きと
ならないため、スラブのスキッド部が完全につぶせきれ
ず、板厚偏差Δhとして残る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来、鋼板の熱間圧延
機、冷間圧延機のAGC制御には高応答の油圧圧下装置
が導入されているが、いくら応答性がよくてもミル定数
Kに誤差があれば、板厚偏差は取りきれない。従って、
ミル定数Kの精度を向上させることが非常に重要である
が、これにも限界がある。本発明はこのような問題を解
決するものであり、圧延機の出側で板厚偏差を実測し、
予測ミル常数誤差を補償しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、圧延機の出側
に板厚計を設け、当該圧延機のロールによる板圧延中の
圧延荷重とロール開度からミル定数を包含するゲージメ
ータ式を用いて板厚偏差を演算すると共に、前記板厚計
により圧延機の出側における板厚を計測して板厚偏差を
求め、前記演算した板厚偏差と計測により求めた板厚偏
差とからミル定数を逆算して求め、この逆算により求め
たミル定数を次パスあるいは次スタンド以降の予測ミル
定数を補正して自動板厚制御を行うことを特徴とする板
圧延における板厚制御方法である。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。本発明による前記のゲージメータ式を用いたAG
C制御圧延を行うには、図1に示すように上位のプロセ
スコンピュータ12からAGC制御に必要な予測ミル定数
C 、ロックオン荷重(基準圧延荷重)FO 、チューニ
ング率Cがコントローラ13を経由してAGC制御盤7に
入力される。
【0011】一方、被圧延材1を圧延するワークロール
2およびバックアップロール3に取り付けられたロード
セル4によって検出された圧延荷重信号Fと、油圧圧下
シリンダ5に取り付けられたシリンダ移動検出器6によ
って検出されたロールギャップ信号SがそれぞれAGC
制御盤7に入力される。図1に示す本発明のAGC制御
においても図2に示す従来と同様にAGC制御盤7では
荷重信号Fとロックオン荷重FO との荷重偏差ΔF=−
(F−FO )を演算し、予測ミル定数KC を用いてミル
伸び量ΔF/KC を算出し前記ゲージメータ式(1)の
板厚偏差Δh=0、すなわちΔS=−(F−FO )KC
=ΔF/KC になるようなロールギャップ変化量ΔSを
求める。
【0012】このようにして求めたロールギャップ変化
量ΔSの信号をAGC制御盤7からサーボアンプ8に入
力した後、サーボアンプ8からの指令によりサーボ弁9
を制御して油圧源11から前記ミル伸び量ΔF/KC に基
づき油圧配管10を介してシリンダ移動量検出器6によっ
て移動量を検出しつつ油圧圧下シリンダ5への圧力油量
を制御することによって板厚偏差Δhが0になるように
ロールギャップΔSを制御するものであり、このAGC
制御は従来と同じである。
【0013】本発明では、次パスあるいは次スタンド以
降の予測ミル定数KC を補正するため、前述のようにし
てロードセル4およびシリンダ移動量検出器6からAG
C制御盤7に入力された圧延荷重信号Fとロールギャッ
プ信号Sとはコントローラ13を経由して上位のプロセス
コンピュータ12に受信される。それと共にワークロール
2およびワークロール3からなる圧延機の出側に配置さ
れた板厚計14によって被圧延材1の圧延機出側で板厚を
測定し、板厚計14によって計測された板厚信号h(γ)
がコントローラ13を経由して上位のプロセスコンピュー
タ12に受信される。
【0014】加熱炉のスキッド上で加熱されたスラブは
スキッドマーク部が他の部分よりも温度が低いためAG
C制御による圧延中の圧延荷重Fは図3に示すようにロ
ックオン荷重FO に対してスキッドマーク部およびスキ
ッドマーク間に対応する波形をもって経時変化し、圧延
荷重はスキッドマーク部が最大値F1 スキッドマーク間
で最小値F2 となり、その圧延荷重偏差ΔF=F1 −F
2 となる。
【0015】この時のワークロールのギャップSは、前
記の圧延荷重Fとは逆にスキッドマーク部が最小値S、
スキッドマーク間が最大値S2 となる波形をもって経時
変化し、そのロールギャップ偏差ΔS=F1 −F2 とな
る。プロセスコンピュータ12では、図3および図4に示
すように波形変動するAGC制御による圧延中の圧延荷
重FとロールギャップSを用いて、計算上の板厚hを演
算する。この場合、圧延荷重F、ロールギャップSおよ
び予測ミル定数KCとすると計算上の板厚hは下記のゲ
ージメータ式(2)で算出できる。
【0016】h=S+F/KC …(2) 実際に式(2)より算出した計算上の板厚hは図5に示
すような波形をもって経時変化する。ここでプロセスコ
ンピュータによる予測ミル定数の補正手順について説明
する。
【0017】ここで添字1をスキッド部、添字2をスキ
ッド間とすると式(2)による、 スキッド部の板厚h1は h1=S1 +F1 /KC スキッド間の板厚h2は h1=S2 +F2 /KC 従って、スキッド部とスキッド間との板厚偏差は、 h1−h2=(S1 −S2 )+(F1 −F2 )/KC ここで、スキッド部とスキッド間との計算板厚偏差Δh
スキッド=h1−h2、ギャップ差ΔSスキッド=S1
−S2 (通常S1 <S2 )、荷重差ΔFスキッド=F1
−F2 にすると、 Δhスキット=ΔSスキッド+ΔFスキッド/KC …(3) となる。
【0018】一方、板圧計14によって計測した圧延機の
出側における板厚h(γ)は、図6に示すような波形を
もって経時変化するが、プロセスコンピュータ12では、
板厚計14によって計測した圧延機の出側における板厚h
に基づいて板厚偏差Δh(γ)を演算する。この板厚計
から求めた板厚偏差Δh(γ)は前記の式(3)によっ
て計算したΔhスキッドに等しいはずであるから、この
ときのミル定数をKとすると下記の関係が成立する。
【0019】 Δh(γ)=ΔSスキッド+ΔFスキッド/K 従って実測板厚偏差Δh(γ)から求められるミル定数
Kは、 K=ΔFスキッド/−ΔSスキッド+Δh(γ)…(4) となる。このミル定数Kは iパスあるいは iスタンドの
ミル定数である。従って i+1パスあるいは i+1スタ
ンドの制御に使うミル定数Kc'i+1は例えば Kc'i +1=Kci+1・Ki /Kci …(5) ここでKCi+1は i+1パスもしくは i+1スタンドの
予測ミル定数KCiは iパスもしくは iスタンドの予測ミ
ル定数として補正をかけることになる。
【0020】本発明を鋼厚板圧延に適用した場合の具体
例を従来法と比較して説明する。まず、比較のための従
来方法について説明すると図2に示すAGC制御システ
ム構成により上位のプロセスコンピュータ12からAGC
制御に必要な予測ミル定数Kc 、ロックオン荷重(基準
圧延荷重)F0 、チューニング率CがAGC制御盤7に
入力され、ワークロール2に板が噛み込んだ後、ゲージ
メータ式(1)のΔhが0になるようにAGC制御でロ
ールギャップが制御されるのは前述の通りである。
【0021】このような従来のAGCによる圧延制御に
より、スラブサイズ 215×1620×4516から圧延サイズ16
×4026×23735 に全18パスで圧延した場合の従来方式の
結果について説明する。図7および図8はそれぞれ長手
方向の板端部からの距離(m)と圧延荷重偏差およびロ
ールギャップ偏差との関係を示す。これから求まる計算
上の板厚偏差は図9に示すようになり、板厚偏差は少し
しか出ていない。一方、板厚計で計測した板厚偏差を図
10に示すが、かなりの板厚偏差が残っている。この従来
例では、予測ミル定数KC = 863t/mmは小さすぎたも
のと思われる。
【0022】次に本発明の方法について説明すると、図
1に示すAGC制御システム構成では、図2に示す従来
のシステム構成に圧延機の出側に設けた板厚計(γ線厚
み計)14を接続し、板厚偏差を上位のプロセスコンピュ
ータ12で演算できるようにしたものであるのは前述の通
りである。圧延例として従来と同様のサイズのものを圧
延した。図11および図12はそれぞれ17パス(最終パス
前)の圧延荷重偏差およびロールギャップ偏差を板端か
らの距離との関係で示し、図13はこの時の圧延機直近の
γ線板厚計に計測した板厚偏差を示す。
【0023】 予測ミル常数 KC 7 = 860t/mm 実績荷重差 ΔF17 = 280t 実績ギャップ変化 ΔS17 =− 0.24mm γ線実測板厚偏差 Δh(γ)= 0.17mm これから求められる逆算ミル定数Kは K=実績圧延荷重偏差ΔF17/−ΔS17(実績ロールギ
ャップ変化)+実測板厚偏差Δh(γ) = 683t/mm これより最終パスを予測ミル定数 KC 8 = 863t/mm
から修正ミル定数KC'8= 863× 683/860 として制御
した。この結果、最終のγ線板厚計による板厚偏差は図
14のようになり、最大板厚偏差は90μmとなり、従来に
比べて大幅に減少した。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、従
来の予測ミル定数モデルの精度では、AGC制御時の板
厚偏差低減には限界があったが、本発明では実測板厚偏
差からミル定数を同定するものであり、真の値に近いミ
ル定数で板厚制御ができるため、板厚偏差の少ない鋼板
が製造できる。これにより、公差の厳しいオーダへの対
応や歩留り向上による省資源が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のAGC制御システム構成を示すフロー
図である。
【図2】従来のAGC制御システム構成を示すフロー図
である。
【図3】圧延荷重の経時変化を示す線図である。
【図4】ロールギャップの経時変化を示す線図である。
【図5】計算板厚の経時変化を示す線図である。
【図6】板厚計による実測板厚の経時変化を示す線図で
ある。
【図7】従来の板端部からの距離と圧延荷重偏差との関
係を示す線図である。
【図8】従来の板端部からの距離とロールギャップ偏差
との関係を示す線図である。
【図9】従来の板端部からの距離と計算上の板厚偏差と
の関係を示す線図である。
【図10】従来の板端部からの距離と実測板厚偏差との関
係を示す線図である。
【図11】本発明の板端からの距離と圧延荷重の偏差との
関係を示す線図である。
【図12】本発明の板端からの距離とロールギャップ偏差
との関係を示す線図である。
【図13】本発明の板端部からの距離と最終パス前パスの
実測板厚偏差との関係を示す線図である。
【図14】本発明の板端部からの距離と最終パスの実測板
厚偏との関係を示す線図である。
【符号の説明】
1 被圧延材 2 ワークロール 3 バックアップロール 4 ロードセル 5 油圧圧下シリンダ 6 シリンダ移動量検出器 7 AGC制御盤 8 サーボアンプ 9 サーボ弁 10 油圧配管 11 油圧源 12 プロセスコンピュータ 13 コントローラ 14 板厚計
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年8月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 板圧延における板厚制御方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は板圧延における板厚制御
方法に関するもので、特に板内厚み偏差低減のための制
御方法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に加熱炉により加熱されたスラブを
熱間圧延機により熱間圧延してスラブから製品に圧延し
ていく場合に、スラブが加熱炉のスキッド部に接する部
分はスキッド間の他の部分よりも温度が低いため圧延時
の変形抵抗が高く、必要な圧延荷重が高くなる分だけ板
厚が厚くなり、圧延方向に板厚偏差が生じることにな
る。
【0003】このような圧延方向の板厚偏差を解決した
のが自動板厚制御(Automatic Gauge Control 略してA
GC制御)と呼ばれるものである。AGCによる板厚制
御では、通常油圧圧下装置を用いてロールによる板圧延
時の圧延荷重を検出して板厚を制御しており、目標板厚
hからの板厚偏差Δhは次のゲージメータ式(1)によ
り求めている。
【0004】Δh=+ΔS+ΔF/K …(1) ここでΔS:設定ロールギャップSo からのロールギャ
ップの変化 ΔF:目標圧延荷重FO からの圧延荷重偏差 K:ロールからハウジングまで全てを総合したミルのバ
ネ定数で、通常ミル定数と称している。
【0005】通常、前記のゲージメータ式(1)を用い
たAGCにより圧延する際に、図2に示すように上位の
プロセスコンピュータ(P/C)12からAGC制御に必
要な予測ミル定数KC 、ロックオン荷重(基準圧延荷
重)FO 、チューニング率Cがコントローラ13を経由し
てAGC制御盤7に入力される。一方、被圧延材1を圧
延するワークロール2およびバックアップロール3に取
り付けられた圧延荷重を検出するロードセル4と、前記
ロールを駆動する油圧圧下シリンダ5に取り付けられた
シリンダ位置検出器6とを備えており、ロードセル4の
圧延荷重信号Fおよびシリンダ位置検出器6のロールギ
ャップ信号SとがAGC制御盤7に入力されるようにな
っている。
【0006】AGC制御盤7では、荷重信号Fとロック
オン荷重FO との荷重偏差ΔF=(F−FO )を演算
し、予測ミル定数KC を用いてミル伸び量ΔF/KC
算出し、式(1)の板厚偏差Δh=0、すなわちΔS=
−(F−FO )/KC =−ΔF/Kとなるようなロール
ギャップ変化量ΔSを求める。このようにして求めたロ
ールギャップ変化量ΔSの信号AGC制御盤7からサー
ボアンプ8に入力した後、サーボアンプ8からの指令に
よりサーボ弁9を制御して油圧源11から前記ミル伸び量
ΔF/KC に基づき油圧配管10を介してシリンダ位置検
出器6によって移動量を検出しつつ、油圧圧下シリンダ
5への圧力油量を制御することによって板厚偏差Δhが
0になるようにAGC制御するものである。
【0007】このようなAGC制御で最も重要なこと
は、ミル常数KC の精度である。一般的にミル定数KC
は分割モデル等により板厚、板幅、圧延荷重、圧下率等
の圧延条件から求められたゲージメータ式を予測荷重で
微分した形で使用されるが、板幅の異なる冷鋼板を挟ん
で得られたミルの伸びを基礎データとして作成する場合
もある。しかしながら、実際の圧延時のミル常数とこれ
により算出されるミル定数(予測ミル定数)は、誤差を
もっており、この誤差はAGCの真に必要とする動きと
ならないため、スラブのスキッド部が完全につぶせきれ
ず、板厚偏差Δhとして残る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来、鋼板の熱間圧延
機、冷間圧延機のAGC制御には高応答の油圧圧下装置
が導入されているが、いくら応答性がよくてもミル定数
Kに誤差があれば、板厚偏差は取りきれない。従って、
ミル定数Kの精度を向上させることが非常に重要である
が、これにも限界がある。本発明はこのような問題を解
決するものであり、圧延機の出側で板厚偏差を実測し、
予測ミル常数誤差を補償しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、圧延機の出側
に板厚計を設け、当該圧延機のロールによる板圧延中の
圧延荷重とロール開度からミル定数を包含するゲージメ
ータ式を用いて板厚偏差を演算すると共に、前記板厚計
により圧延機の出側における板厚を計測して板厚偏差を
求め、前記演算した板厚偏差と計測により求めた板厚偏
差とからミル定数を逆算して求め、この逆算により求め
たミル定数を次パスあるいは次スタンド以降の予測ミル
定数に反映して自動板厚制御を行うことを特徴とする板
圧延における板厚制御方法である。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。本発明による前記のゲージメータ式を用いたAG
C制御圧延を行うには、図1に示すように上位のプロセ
スコンピュータ12からAGC制御に必要な予測ミル定数
C 、ロックオン荷重(基準圧延荷重)FO 、チューニ
ング率Cがコントローラ13を経由してAGC制御盤7に
入力される。
【0011】一方、被圧延材1を圧延するワークロール
2およびバックアップロール3に取り付けられたロード
セル4によって検出された圧延荷重信号Fと、油圧圧下
シリンダ5に取り付けられたシリンダ位置検出器6によ
って検出されたロールギャップ信号SがそれぞれAGC
制御盤7に入力される。図1に示す本発明のAGC制御
においても図2に示す従来と同様にAGC制御盤7では
荷重信号Fとロックオン荷重FO との荷重偏差ΔF=+
(F−FO )を演算し、予測ミル定数KC を用いてミル
伸び量ΔF/KC を算出し前記ゲージメータ式(1)の
板厚偏差Δh=0、すなわちΔS=−(F−FO )KC
=−ΔF/KC になるようなロールギャップ変化量ΔS
を求める。
【0012】このようにして求めたロールギャップ変化
量ΔSの信号をAGC制御盤7からサーボアンプ8に入
力した後、サーボアンプ8からの指令によりサーボ弁9
を制御して油圧源11から前記ミル伸び量ΔF/KC に基
づき油圧配管10を介してシリンダ位置検出器6によって
移動量を検出しつつ油圧圧下シリンダ5への圧力油量を
制御することによって板厚偏差Δhが0になるようにロ
ールギャップΔSを制御するものであり、このAGC制
御は従来と同じである。
【0013】本発明では、次パスあるいは次スタンド以
降の予測ミル定数KC を補正するため、前述のようにし
てロードセル4およびシリンダ位置検出器6からAGC
制御盤7に入力された圧延荷重信号Fとロールギャップ
信号Sとはコントローラ13を経由して上位のプロセスコ
ンピュータ12に受信される。それと共にワークロール2
およびバックアップロール3からなる圧延機の出側に配
置された板厚計14によって被圧延材1の圧延機出側で板
厚を測定し、板厚計14によって計測された板厚信号h
(γ)がコントローラ13を経由して上位のプロセスコン
ピュータ12に受信される。
【0014】加熱炉のスキッド上で加熱されたスラブは
スキッドマーク部が他の部分よりも温度が低いためAG
C制御による圧延中の圧延荷重Fは図3に示すようにロ
ックオン荷重FO に対してスキッドマーク部およびスキ
ッドマーク間に対応する波形をもって経時変化し、圧延
荷重はスキッドマーク部が最大値F1 スキッドマーク間
で最小値F2 となり、その圧延荷重偏差ΔF=F1 −F
2 となる。
【0015】この時のワークロールのギャップSは、前
記の圧延荷重Fとは逆にスキッドマーク部が最小値S、
スキッドマーク間が最大値S2 となる波形をもって経時
変化し、そのロールギャップ偏差ΔS=S1 −S2 とな
る。プロセスコンピュータ12では、図3および図4に示
すように波形変動するAGC制御による圧延中の圧延荷
重FとロールギャップSを用いて、計算上の板厚hを演
算する。この場合、圧延荷重F、ロールギャップSおよ
び予測ミル定数KCとすると計算上の板厚hは下記のゲ
ージメータ式(2)で算出できる。
【0016】h=S+F/KC …(2) 実際に式(2)より算出した計算上の板厚hは図5に示
すような波形をもって経時変化する。ここでプロセスコ
ンピュータによる予測ミル定数の補正手順について説明
する。
【0017】ここで添字1をスキッド部、添字2をスキ
ッド間とすると式(2)による、 スキッド部の板厚h1は h1=S1 +F1 /KC スキッド間の板厚h2は h2=S2 +F2 /KC 従って、スキッド部とスキッド間との板厚偏差は、 h1−h2=(S1 −S2 )+(F1 −F2 )/KC ここで、スキッド部とスキッド間との計算板厚偏差Δh
スキッド=h1−h2、ギャップ差ΔSスキッド=S1
−S2 (通常S1 <S2 )、荷重差ΔFスキッド=F1
−F2 にすると、 Δhスキッド=ΔSスキッド+ΔFスキッド/KC …(3) となる。
【0018】一方、板厚計14によって計測した圧延機の
出側における板厚h(γ)は、図6に示すような波形を
もって経時変化するが、プロセスコンピュータ12では、
板厚計14によって計測した圧延機の出側における板厚h
に基づいて板厚偏差Δh(γ)を演算する。この板厚計
から求めた板厚偏差Δh(γ)は前記の式(3)によっ
て計算したΔhスキッドに等しいはずであるから、この
ときのミル定数をKとすると下記の関係が成立する。
【0019】 Δh(γ)=ΔSスキッド+ΔFスキッド/K 従って実測板厚偏差Δh(γ)から求められるミル定数
Kは、 K=ΔFスキッド/{−ΔSスキッド+Δh(γ)}…(4) となる。このミル定数Kは iパスあるいは iスタンドの
ミル定数である。従ってi+1パスあるいはi+1スタ
ンドの制御に使うミル定数Kc'i+1 は例えば Kc'i+1 =Kci+1・Ki /Kci…(5) ここでKci+1はi+1パスもしくはi+1スタンドの予
測ミル定数Kciはiパスもしくはiスタンドの予測ミル
定数として補正をかけることになる。
【0020】本発明を厚板圧延に適用した場合の具体例
を従来法と比較して説明する。まず、比較のための従来
方法について説明すると図2に示すAGC制御システム
構成により上位のプロセスコンピュータ12からAGC制
御に必要な予測ミル定数Kc 、ロックオン荷重(基準圧
延荷重)F0 、チューニング率CがAGC制御盤7に入
力され、ワークロール2に板が噛み込んだ後、ゲージメ
ータ式(1)のΔhが0になるようにAGC制御でロー
ルギャップが制御されるのは前述の通りである。
【0021】このような従来のAGCによる圧延制御に
より、スラブサイズ 215×1620×4516から圧延サイズ16
×4026×23735 に全18パスで圧延した場合の従来方式の
結果について説明する。図7および図8はそれぞれ長手
方向の板端部からの距離(m)と圧延荷重偏差およびロ
ールギャップ偏差との関係を示す。これから求まる計算
上の板厚偏差は図9に示すようになり、板厚偏差は少し
しか出ていない。一方、板厚計で計測した板厚偏差を図
10に示すが、かなりの板厚偏差が残っている。この従来
例では、予測ミル定数KC = 863t/mmは大きすぎたも
のと思われる。
【0022】次に本発明の方法について説明すると、図
1に示すAGC制御システム構成では、図2に示す従来
のシステム構成に圧延機の出側に設けた板厚計(γ線厚
み計)14を接続し、板厚偏差を上位のプロセスコンピュ
ータ12で演算できるようにしたものであるのは前述の通
りである。圧延例として従来と同様のサイズのものを圧
延した。図11および図12はそれぞれ17パス(最終1パス
前)の圧延荷重偏差およびロールギャップ偏差を板端か
らの距離との関係で示し、図13はこの時の圧延機直近の
γ線板厚計で計測した板厚偏差を示す。
【0023】 予測ミル常数 KC 17 = 860t/mm 実績荷重差 ΔF17 = 280t 実績ギャップ変化 ΔS17 =− 0.24mm γ線実測板厚偏差 Δh(γ)= 0.17mm これから求められる逆算ミル定数Kは K=実績圧延荷重偏差ΔF17/{−ΔS17(実績ロール
ギャップ変化)+実測板厚偏差Δh(γ)}= 683t/
mm これより最終パスを予測ミル定数 KC 18= 863t/mm
から修正ミル定数KC'18 = 863× 683/860 として制
御した。この結果、最終のγ線板厚計による板偏差は図
14のようになり、最大板厚偏差は90μmとなり、従来に
比べて大幅に減少した。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、従
来の予測ミル定数モデルの精度では、AGC制御時の板
厚偏差低減には限界があったが、本発明では実測板厚偏
差からミル定数を同定するものであり、真の値に近いミ
ル定数で板厚制御ができるため、板厚偏差の少ない鋼板
が製造できる。これにより、公差の厳しいオーダへの対
応や歩留り向上による省資源が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のAGC制御システム構成を示すフロー
図である。
【図2】従来のAGC制御システム構成を示すフロー図
である。
【図3】圧延荷重の経時変化を示す線図である。
【図4】ロールギャップの経時変化を示す線図である。
【図5】計算板厚の経時変化を示す線図である。
【図6】板厚計による実測板厚の経時変化を示す線図で
ある。
【図7】従来の板端部からの距離と圧延荷重偏差との関
係を示す線図である。
【図8】従来の板端部からの距離とロールギャップ偏差
との関係を示す線図である。
【図9】従来の板端部からの距離と計算上の板厚偏差と
の関係を示す線図である。
【図10】従来の板端部からの距離と実測板厚偏差との関
係を示す線図である。
【図11】本発明の板端からの距離と圧延荷重の偏差との
関係を示す線図である。
【図12】本発明の板端からの距離とロールギャップ偏差
との関係を示す線図である。
【図13】本発明の板端部からの距離と最終1パス前の実
測板厚偏差との関係を示す線図である。
【図14】本発明の板端部からの距離と最終パスの実測板
厚偏との関係を示す線図である。
【符号の説明】 1 被圧延材 2 ワークロール 3 バックアップロール 4 ロードセル 5 油圧圧下シリンダ 6 シリンダ移動量検出器 7 AGC制御盤 8 サーボアンプ 9 サーボ弁 10 油圧配管 11 油圧源 12 プロセスコンピュータ 13 コントローラ 14 板厚計 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年8月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図13
【補正方法】変更
【補正内容】
【図13】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図14
【補正方法】変更
【補正内容】
【図14】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧延機の出側に板厚計を設け、当該圧延
    機のロールによる板圧延中の圧延荷重とロール開度から
    ミル定数を包含するゲージメータ式を用いて板厚偏差を
    演算すると共に、前記板厚計により圧延機の出側におけ
    る板厚を計測して板厚偏差を求め、前記演算した板厚偏
    差と計測により求めた板厚偏差とからミル定数を逆算し
    て求め、この逆算により求めたミル定数を次パスあるい
    は次スタンド以降の予測ミル定数を補正して自動板厚制
    御を行うことを特徴とする板圧延における板厚制御方
    法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020051522A (ko) * 2000-12-22 2002-06-29 이구택 압연기의 롤갭 보정방법
KR100431843B1 (ko) * 1999-12-24 2004-05-20 주식회사 포스코 냉간압연기 롤갭 제어방법
WO2009075441A1 (en) * 2007-12-10 2009-06-18 Posco Device and method for welding metal sandwich plates and sheets by the resistance welding of many spots using the electrode mode of roller
JP2012045616A (ja) * 2010-08-30 2012-03-08 Jfe Steel Corp 圧延機の板厚制御方法

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