JPH0647170Y2 - 変速機の集塵装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は変速機ケースの内部に貯留されている潤滑油中
に混入した金属粉等の塵埃を効率よく収集，排除できる
変速機の集塵装置に関するものである。

〔従来の技術〕

従来、実開昭62-163658号公報に記載のように、２室を
分割する隔壁の下部に連通孔を設け、この連通孔より大
径で、変速機ケースの外部から連通孔に直行して貫通す
るドレン孔を設け、このドレン孔にドレンプラグを装着
することにより、連通孔を塞ぐようにしたものが提案さ
れている。

上記の場合、ドレンプラグの先端部に永久磁石が取り付
けられ、潤滑油の交換のためにドレンプラグを取り外し
たとき、この磁石に吸着された塵埃も同時に排出できる
ようになっている。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところが、上記の集塵装置の場合には、ドレンプラグの
先端に永久磁石を取り付けたに過ぎないため、永久磁石
の吸着面積が小さく、吸着した塵埃により永久磁石の吸
着力が直ぐに低下してしまうという欠点がある。

そこで、本考案の目的は、変速機ケース内の塵埃を効率
よくかつ長期間にわたって吸着できる変速機の集塵装置
を提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するため、本考案は、変速機ケースの下
部にドレン孔を設け、該ドレン孔に先端部に永久磁石を
有するドレンプラグを装着してなる変速機において、上
記変速機ケース内部のドレン孔の近傍に、保磁力の小さ
い磁性体よりなる補助プレートを上記永久磁石と接触ま
たは近接状態で固定したものである。

〔作用〕

即ち、ドレンプラグを変速機ケースに装着すると、その
先端部に取り付けた永久磁石が補助プレートに近接ある
いは接触する。そのため、補助プレートも磁化され、潤
滑油内の金属粉等が永久磁石と補助プレートとに吸着さ
れる。オイル交換時にドレンプラグを取り外すと、補助
プレートの磁力が大きく低下し、ドレン孔より流出する
オイルによって補助プレートに吸着された金属粉も押し
流される。

〔実施例〕

第１図，第２図は本考案にかかる集塵装置の第１実施例
を示す。

変速機ケース１の下部にはネジ孔よりなるドレン孔２が
形成されており、このドレン孔２にボルト形状のドレン
プラグ３が着脱可能に装着されている。ドレンプラグ３
の変速機ケース１内に突入した先端部には丸棒状の永久
磁石４が一体に固定されている。

変速機ケース１の内部の上記ドレン孔２の近傍には、突
起部５が突設されており、この突起部５の先端には取付
ネジ６によって補助プレート７が固定されている。補助
プレート７は保磁力を有しないか又は小さい磁性体より
なり、表面積を大きくするため多数の孔7aが設けられて
いる。上記補助プレート７は取付ネジ６によってその一
端部を固定した状態では、第２図二点鎖線に示すように
ドレン孔２方向へやや傾いた状態にあり、ドレン孔２に
ドレンプラグ３を装着すると、永久磁石４の先端面で補
助プレート７が上方へ撓められ、補助プレート７と永久
磁石４とが確実に接触する。その結果、補助プレート７
も磁化され、永久磁石４とともに潤滑油中の金属粉等の
塵埃を効果的に吸着することができる。

オイル交換のためにドレンプラグ３を取り外すと、潤滑
油はドレン孔２より流出するが、このとき補助プレート
７はドレン孔２の近傍に設置されかつ永久磁石４から離
れると同時にその保磁力が殆ど無くなるので、補助プレ
ート７に吸着された塵埃も潤滑油と一緒に押し流され
る。つまり、オイル交換の度に補助プレート７も掃除さ
れることになる。したがって、常に優れた集塵効果を保
持することができる。

第３図は本考案にかかる集塵装置の第２実施例を示し、
第１実施例と同一部品には同一符号を付して説明を省略
する。

変速機ケース１の内面には、ドレン孔２を挟んで両側に
略Ｌ字形の磁性板よりなる補助プレート10,11が取付ネ
ジ12,13にて固定されており、ドレン孔２にドレンプラ
グ３を装着すると、その先端部に設けた永久磁石４が補
助プレート10,11の側面に接触する。特に、補助プレー
ト10,11は第３図二点鎖線で示すように互いに対向方向
に傾いており、ドレンプラグ３を装着するに従って補助
プレート10,11が押し広げられるので、永久磁石４と補
助プレート10,11とを確実に接触させることができる。

この場合も、補助プレート10,11が永久磁石４と接触す
ることにより磁化され、塵埃の吸着面積を増大させるこ
とができるとともに、ドレンプラグ３を取り外すと、補
助プレート10,11の保磁力が無くなるので、補助プレー
ト10,11に吸着された塵埃を潤滑油とともに押し流すこ
とができる。

なお、補助プレートの形状は上記実施例に限るものでは
なく、例えばドレン孔を内側から覆うように網状の補助
プレートを設けてもよい。また、補助プレートを永久磁
石に接触させるものの他、永久磁石に近接させるだけで
も補助プレートを磁化させることが可能である。

〔考案の効果〕

以上の説明で明らかなように、本考案によれば、変速機
ケースの内部に固定した補助プレートをドレンプラグの
永久磁石に近接また接触させ、補助プレートを磁化させ
るようにしたので、塵埃の吸着面積が大幅に増大し、吸
着効率が向上する。また、ドレンプラグを取り外すとと
もに、補助プレートの磁力が無くなるので、潤滑油とと
もに補助プレートに吸着された塵埃を排出することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかる集塵装置の第１実施例の断面
図、第２図はドレンプラグと補助プレートとの斜視図、
第３図は第２実施例の断面図である。 １……変速機ケース、２……ドレン孔、３……ドレンプ
ラグ、４……永久磁石、7,10,11……補助プレート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】変速機ケースの下部にドレン孔を設け、該
   ドレン孔に先端部に永久磁石を有するドレンプラグを装
   着してなる変速機において、 上記変速機ケース内部のドレン孔の近傍に、保磁力の小
   さい磁性体よりなる補助プレートを上記永久磁石と接触
   または近接状態で固定したことを特徴とする変速機の集
   塵装置。