JPH064689B2 - 重合体 - Google Patents

重合体

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JPH064689B2
JPH064689B2 JP58205601A JP20560183A JPH064689B2 JP H064689 B2 JPH064689 B2 JP H064689B2 JP 58205601 A JP58205601 A JP 58205601A JP 20560183 A JP20560183 A JP 20560183A JP H064689 B2 JPH064689 B2 JP H064689B2
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豊 細井
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敏夫 秋間
光晴 加藤
弘 宮嶋
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は透明性、低吸湿性および耐熱性に優れた新規な
重合体に関する。
従来、透明樹脂としてはポリメチルメタクリレート樹
脂,ポリカーボネート樹脂,ポリスチレン樹脂,メチル
メタクリレート−スチレン共重合体樹脂等が知られてい
る。これらは透明性、熱可塑成形性等を生かして,成形
材料あるいはシート材料として電気機器部品,自動車部
品,照明機器部品,雑貨などに使われており,最近では
新しい用途として各種光学レンズ,光ファイバー,光コ
ネクター,光学ディスク,光回路などの光学素子材料と
しても応用されつつある。これらの用途分野の拡大に伴
い、透明樹脂に要求される諸特性も多様化,高度化しつ
つあり,本来の透明性に加えて低吸湿性,耐熱性,成形
転写性,成形品の低複屈折性などが新たに又はより高度
に求められている。
しかしながら,これらの要求をすべて満足しうるような
新素材の開発は未だ未解決の問題である。例えば,ポリ
メチルメタクリレート樹脂は透明性,低複屈折性等の光
学的性質において優れた性能を有するが,吸湿性に致命
的欠点を有する。ポリスチレン樹脂は優れた低吸湿性を
有するが,複屈折性が非常に大きく,耐熱性にも劣ると
いう欠点がある。ポリカーボネート樹脂は優れた耐熱性
を有するが,ポリスチレン樹脂と同様に複屈折性が非常
に大きいという欠点がある。これらはいずれも分子構造
に起因する根本的な問題である。
本発明者らは,これらの問題を解決し,光学的性質,低
吸湿性,耐熱性をすべて満足しうるような新しい透明ポ
リマーを開発すべく鋭意研究を積み重ねた結果,立体的
にきわめてバルキーで,化学的に安定で,排除容積が大
きく疎水性の強い環状構造のアルキル基としてトリシク
ロ〔5,2,1,02,6〕デカ−8−イル基を側鎖に有するポリ
アクリル酸エステルまたはポリメタクリル酸エステル構
造の重合体が基本的にポリメチルメタクリレート樹脂と
同等の優れた光学的性質を有しつつ,優れた耐熱性と低
吸湿性を有し,更にこれと特定のN−置換マレイミド構
造とを組み合わせた分子構造をとる場合には透明性を維
持しつつ一層,耐熱性が向上した新規な透明性重合体が
得られることを見出し,本発明に至った。
すなわち、本発明は、一般式(I) (ただし、式中、RIは水素又はメチル基である)で示さ
れる主鎖単位Iを含み、 一般式(II) (ただし、式中、R2は水素又はメチル基であり、R3は炭
素数1〜8のアルキル基、シクロアルキル基又は芳香族
基である)で示される主鎖単位11と一般式(111) (ただし、式中、R4は炭素数1〜6のアルキル基又はシ
クロアルキル基である)で示される主鎖単位IIIのうち
少なくとも一方を含み、しかも、主鎖単位I 3モル%
以上、主鎖単位II 0〜97モル%および主鎖単位III
0〜30モル%を全体が100モル%になるように含
み、分解開始温度が260℃以上である重合体に関す
る。
本発明に係る重合体には、アクリル酸トリシクロ〔5,2,
1,02,6〕デカ−8−イルまたはメタクリル酸トリシクロ
〔5,2,1,02,6〕デカ−8−イル (以下、これらを「モノマーI」という)とアクリル酸
アルキルエステル,メタクリル酸アルキルエステル,ア
クリル酸シクロアルキルエステル,メタクリル酸シクロ
アルキルエステル,アクリル酸芳香族エステルおよびメ
タクリル酸芳香族エステルからなる群から選ばれた少な
くとも一種の化合物(以下,これを「モノマーII」とい
う)との共重合体,N−アルキルマレイミドおよびN−
シクロアルキルマレイミドからなる群から選ばれた少な
くとも一種の化合物(以下,これを「モノマーIII」と
いう)と上記モノマーIとの共重合体並びに上記モノマ
ーI,モノマーIIおよびモノマーIIIの共重合体があ
る。
モノマーIとモノマーIIの共重合体は主鎖単位Iおよび
IIを含む共重合体,モノマーIとモノマーIIIとの共重
合体は主鎖単位IおよびIIIを含む共重合体並びにモノ
マーI,モノマーIIおよびモノマーIIIの共重合体は主
鎖単位I,IIおよびIIIを含む共重合体である。
本発明に係る重合体は、主鎖単位Iを含むことを第1の
特徴としており,これにより,優れた耐熱性,低吸湿性
および透明性を有する。主鎖単位Iの特徴は、側鎖に立
体的にバルキーき排除容積の大きなトリシクロ〔5,2,1,
02,6〕デカ−8−イル基を有することである。これによ
り,耐熱性および低吸湿性について優れた効果を示すも
のと考えられる。また,この性質だけでなく,透明性に
も優れている。このような効果を奏するために,本発明
に係る重合体は、主鎖単位Iを3モル%以上含むもので
ある。主鎖単位Iが3モル%未満になると耐熱性および
低吸湿性が十分ではない。
本発明に係る重合体には、主鎖単位IIを含むことができ
る。主鎖単位IIが含まれることにより,機械強度を向上
させるこができ,このとき,重合体の透明性を良好なま
まに保つことができる。主鎖単位IIは、本発明に係る重
合体中に0〜97モル%含まれる。97モル%を越える
と主鎖単位Iの割合が低下し、主鎖単位Iによる効果
(特に耐熱性,耐吸湿性)が低下する。主鎖単位II中の
R3がアルキル基のとき、その炭素数は1〜8である。
本発明に係る重合体は,また,主鎖単位IIIを含むこと
ができる。主鎖単位IIIを含ませることにより,重合体
の耐熱性は向上される。しかし,主鎖単位IIIの割合が
増大すると重合体の透明性,耐吸湿性が低下するので,
重合体中に0〜30モル%の割合で含むようにされる。
主鎖単位III中のR4がアルキル基のとき,その炭素数は
1〜6である。
主鎖単位I,IIおよびIIIは、これらの総計が100モ
ル%になるようにされる。主鎖単位I,IIおよびIII,
それぞれ10モル%以上、0〜90モル%および0〜3
0モル%で全体が100モル%になるのが好ましい。主
鎖単位Iが少なくなると耐熱性および低吸湿性が不充分
になりやすい。また,同様の理由により,主鎖単位I,
IIおよびIIIは,それぞれ,20モル%以上,0〜80
モル%および0〜30モル%が好ましい。
本発明に係る重合体は、例えば次のようにして製造され
る。
すなわち,上記モノマーI3モル%以上、上記モノマー
II0〜97%および上記モノマーIII0〜30モル%を
全体が100モル%になるように配合して重合させるこ
とにより得られる。
ここで,モノマーIは,上記したものが使用される。モ
ノマーIIとしては,メタクリル酸メチル,メタクリル酸
エチル,メタクリル酸i−プロピル,メタクリル酸n−
ブチル,メタクリル酸t−ブチル,メタクリル酸ヘキシ
ル,メタクリル酸2−エチルヘキシル等のメタクリル酸
アルキルエステル,メタクリル酸シクロヘキシル等のメ
タクリル酸シクロアルキルエステル,メタクリル酸フエ
ニル,メタクリル酸ベンジン等のメタクリル酸芳香族エ
ステル,アクリル酸メチル,アクリル酸エチル,アクリ
ル酸n−ブチル,アクリル酸t−ブチル,アクリル酸ヘ
キシル,アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸
アルキルエステル,アクリル酸シクロヘキシル等のアク
リル酸シクロアルキルエステルおよびアクリル酸フエニ
ル,アクリル酸ベンジル等のアクリル酸芳香族エステル
がある。
モノマーIIを使用する場合、低吸湿性の低下をできるだ
け防止するために、メタクリル酸ブチル,メタクリル酸
ヘキシル,メタクリル酸2−エチルヘキシル,メタクリ
ル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フエニル,メタクリ
ル酸ベンジル,アクリル酸ブチル,アクリル酸ヘキシ
ル,アクリル酸2−エチルヘキシル,アクリル酸シクロ
ヘキシル,アクリル酸フエニル,アクリル酸ベンジル等
の比較的大きな炭素数の側鎖を有するモノマーを使用す
るのが好ましい。
また、モノマーIIIとしては、N−メチルマレイミド,
N−エチルマレイミド,N−プロピルマレイミド,N−
ブチルマレイミド等のN−アルキルマレイミドおよびN
−シクロヘキシルマレイミド等のN−シクロアルキルマ
レイミドがある。
N−フエニルマレイミド等のN−芳香族基置換マレイミ
ドが本発明における重合体に構成成分として含まれると
重合体の全光線透過率が低下し好ましくない。
重合方法としては,ラジカル重合やイオン重合等の一般
公知の方法を適用できる。特に工業的にはラジカル重合
が好適である。例えば、重合触媒の存在下,重合温度0
〜200℃,好ましくは50〜120℃で,塊状重合,
溶液重合,懸濁重合,乳化重合など一般に公知の重合方
法で重合して製造する方法が挙げられる。重合触媒とし
ては,過酸化ベンゾイル,過酸化ラウロイル,ジーt−
ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート,t−ブ
チルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート,1,1−ジ
−t−ブチルパーオキシ−3,35−トリメチルシクロヘ
キサンなどの有機過酸化物,アゾビスイソブチロニトリ
ル,アゾビスシクロヘキサン−1−カルボニトリル、ア
ゾジベンゾイルなどのアゾ化合物,エチルリチウム,ブ
チルリチウム,ナフタリンナトリウム,ナトリウムメト
キシド,ナトリウムブトキシドなどの有機アルカリ化合
物などのラジカル重合又はアニオン重合させうるものが
ある。重合触媒は,モノマーの総量に対して0.01重量
%〜10重量%の範囲で使用する方法を好適な方法とし
て挙げることができる。なお,前記の重合反応において
は必要であればドデシルメルカプタン,オクチルメルカ
プタン,チオグリコール,α−メチルスチレンダイマー
などの連鎖移動剤を使用して重合体の分子量調節を行な
ってもよい。
溶液重合における溶媒としては、ベンゼン,トルエン,
キシレン,メチルエチルケトン,メチルイソブチルケト
ン,酢酸エチル,酢酸ブチル,ジクロルエチレン等が使
用できる。
懸濁重合は,水性媒体中で行なわれ,懸濁剤および必要
に応じ懸濁助剤が添加される。懸濁剤としては,ポリビ
ニルアルコール,メチルセルロース,ポリアクリルアミ
ド等の水溶性高分子,燐酸カルシウム,ピロ燐酸マグネ
シウム等の難溶性無機物質等があり,水溶性高分子はモ
ノマーの総量に対して0.03〜1重量%及び難溶性無機
物質はモノマーの総量に対して0.05〜0,5重量%使用
するのが好ましい。懸濁助剤としては,ドデシルベンゼ
ンスルホン酸ソーダ等の陰イオン界面活性剤があり,懸
濁剤として難溶性無機物質を使用する場合は,併用する
方が好ましい。懸濁助剤は,モノマーの総量に対して0.
001〜0.02重量%使用するのが好ましい。
なお,モノマーIはジシクロペンタジエンにH2Oを付加
してジシクロペンテニル・アルコールとし,続いて接触
水素添加反応によりトリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカ−8
−オールを得,このアルコールとアクリル酸またはメタ
クリル酸を縮合反応させるかアクリル酸低級アルキルエ
ステルまたはメタクリル酸低級アルキルエステルとのエ
ステル交換反応させることにより得ることができる。
本発明の重合体は,その分子量について特に限定するも
のではないが,耐熱性,機械物性の観点から,重量平均
分子量(ポリスチレン換算)が10,000〜1,000,0
00の範囲のものが好ましく,この範囲のものは特に、
成形材料として使用する場合に好ましい。
また、本発明に係る重合体は,特に優れた低吸湿性を維
持する観点からは,重合体の元素分析による分子中の炭
素原子の比率が60重量%以上であることが好ましい。
本発明に係わる重合体は、その分解開始点が260℃以
上である。分解開始点が260%未満では、耐熱性成形
材料としての使用が困難になり、例えば、ポリメチルメ
タクリレートよりも耐熱性が劣り、好ましくない。ガラ
ス転移点は120℃以上が好ましく、特に135℃以上
が好ましい。ガラス転移点が低すぎると用途により耐熱
性が十分とは言えない。
本発明に係る重合体は,一般の成形材料の他に,光学デ
ィスク,光ファイバー,光コネクター,光導波回路など
の光学素子用の成形材料に好適である。
本発明に係る重合体は,その使用にあたって,劣化防
止,熱的安定性,成形性,加工性等の観点から,フェノ
ール系,ホスファイト系,チオエーテル系などの抗酸化
剤、脂肪族アルコール,脂肪酸エステル,フタル酸エス
テル,トリグリセライド類,フッ素系界面活性剤,高級
脂肪酸金属塩などの離型剤,その他滑剤,可塑剤,帯電
防止剤,紫外線吸収剤,難燃剤,重金属不活化性化剤な
どを添加して使用してもよい。
以下,本発明の実施例を示す。
合成例1 攪拌機,コンデンサーおよび水分離器を備えた10セ
パラブルフラスコに,トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカ−
8−オール(白色結晶粉末)2700g,メタクリル酸18
96g,トルエン2700g,p−トルエンスルホン酸
135gおよびハイドロキノンモノメチルエーテル0.6
4gを加え溶解・混合し,攪拌しつつ115℃で発生す
る水を系内から除去しつつ2時間反応させた。反応終了
液をとり出し,低沸成分を留去した後、これにハイドロ
キノンモノメチルエーテルを15g加えて,更に減圧蒸
留を行ない,0.7mmHg下,90〜95℃留分を単離し
た。これを水酸化カリウム2%水溶液でアルカリ洗浄
し,続いて水洗,脱水・過してメタクリル酸トリシク
ロ〔5.2.1.02,6〕デカ−8−イルを得た(収率80%,
純度99.5%)。
合成例2 攪拌機,コンデンサーおよび水分離器を備えた10セ
パラブルフラスコに,トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカ−
8−オール2700g,アクリル酸1588g,トリエ
ン2700g,p−トルエンスルホン酸135gおよび
ハイドロキノンモノメチルエーテル0.64gを加え溶解
・混合し,攪拌しつつ115℃で発生する水を系内から
除去しつつ2時間反応させた。反応終了液をとり出し低
沸成分を留去した後,これにハイドロキノンモノメチル
エーテルを15g加えて,更に減圧蒸留を行ない,0.7
mmHg下,87〜92℃留分を単離した。これを水酸化カ
リウム2%水溶液でアルカリ洗浄し,続いて水洗・脱水
・過してアクリル酸トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカ−
8−イルを得た(収率70%,純度99.5%)。
比較例1 三方活栓を備えた500cc三角フラスコに,合成例1で
得たメタクリル酸トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカ−8−
イル200g,過酸化ラウロイル0.8gおよびn−ドデ
シルメルカプタン0.4gを加え混合・溶液し,フラスコ
内を窒素ガスで置換した後,攪拌振とうしつつ60℃恒
温水槽中に浸し,窒素気流下で30分間重合させ部分重
合物を得た。続いて,この部分重合物をガラスセル中に
注入し,60℃で2時間重合させてその後100℃で2
時間重合させ,透明なシート状の重合体を得た。この重
合体の全光線透過率,吸水率を測定した。
この重合体100gをテトラヒドロフラン200gに溶
解せしめた後,この溶解液をメタノール5中に攪拌
下,投入し,重合体を沈殿,析出させて別・乾燥し,
白色粉末状の重合体を得た。本重合体の元素分析値,主
鎖単位比率,ガラス転移点,分解開始点および重量平均
分子量,また赤外吸収スペクトル(IR),核磁気共鳴ス
ペクトル(NMR)および高速液体クロマトグラフィー(H
LC)分析による分子量分布を測定した。
比較例2〜5及び実施例1 アクリル酸トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカ−8−イルと
しては合成例2で得たものを用いて表1に示すモノマー
配合により,実施例1と同様の方法にて重合させ,透明
なシート状の重合体および白色粉末状の重合体を得た。
比較例1〜5及び実施例1において,配合および粉末状
重合体の収量並びに赤外吸収スペクトル,核磁気共鳴ス
ペクトルおよび分子量分布(プロット)の図面番号を表
1に,元素分析値,主鎖単位比率,ガラス転移点,分解
開始点および重量平均分子量を表3に,全光線透過率お
よび吸水率を表4に示す。
赤外吸収スペクトルはKBr法による。
分子量分布図は,HLC分析機(日立635A型,日立
製作所製)によりHLC測定し,この結果を積算プロッ
ター(クロマトグラフプロセッサー8000A型,シス
テム・インストラメンツ社製)を用い,溶出時間0.5分
毎に積算して求めた結果をプロットしたものである。縦
軸に重量分率,横軸に分子量Mの対数値logMを目盛
る。なお,分子量はポリスチレン換算による。
図面について説明する。
(1)比較例1 第1図の赤外吸収スペクトルチャートにおいて,173
0cm-1付近のピークはポリメタクリル酸エステルのカル
ボニル基に係るものである。
第2図の核磁気共鳴スペクトルチャートにおいて,1〜
2.1ppm付近のピークは主鎖単位中のメチル基,メチレ
ン基およびトリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカ−8−イル基
に係るものであり,4.4ppm付近の小ピークはメタクリ
ル酸エステルのカルボニル基に隣接するトリシクロ〔5.
2.1.02,6〕デカ−8−イル基中の のプロトンに係るものである。
(2)比較例4 第11図の核磁気共鳴スペクトルチャートにおいて,1.
2ppm付近のピークはカルボニル基に隣接するエチル基
中の のプロトンに係るものであり,4ppm付近の小ピークは
−O−CH2−のプロトンに係るものである。
(3)比較例5 第14図の核磁気共鳴スペクトルチャートにおいて,4.
7ppm付近に重なってある小ピークはカルボニル基に隣
接するシクロヘキシル基中の のプロトンに係るものである。
(4)実施例1 第16図の赤外吸収スペクトルチャートにおいて170
5cm-1,1780cm-1付近のピークはイミド基に係るも
のである。
第17図の核磁気共鳴スペクトルチャートにおいて,2.
9ppm付近の小ピークはイミド基に隣接するN−メチル
基のプロトンに係るものである。
実施例2 攪拌機およびコンデンサーを備えた5セパラブルフラ
スコに分散剤として塩基性リン酸カルシウム10wt%懸
濁液100g,ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
0.005gおよび硫酸ナトリウム1gを純水2900g
と共に加え,攪拌・混合して懸濁媒体とした。これにメ
タクリル酸トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカ−8−イル7
50g,アクリル酸n−ブチル150g,N−メチルマ
レイミド100g,過酸化ラウロイル4gおよびn−ド
デシルメルカプタン1gよりなるモノマー,触媒,連鎖
移動剤の混合溶解液を加え,攪拌回転数200ppmと
し,窒素雰囲気下にて60℃で3時間,続いて98℃で
4時間重合させた。得られた重合体粒子を別し,酸
洗,水洗し乾燥した。この重合体粒子100gをテトラ
ヒドロフラン200gに溶解せしめた後,この溶解液を
メタノール5中に攪拌下,投入し,重合体を沈殿析出
させて別,乾燥し,粉末状の重合体を得た。
実施例3〜9及び比較例6〜10 表2に示すモノマー,解媒およびn−ドデシルメルカプ
タンの配合により,他は実施例2と同様の方法にて重
合,処理し,粉末状の重合体を得た。
実施例3〜9及び比較例6〜10で得た重合体につい
て,元素分析値,主鎖単位比率,ガラス転移点,分解開
始点および重量平均分子量,赤外吸収スペクトル,核磁
気共鳴スペクトルおよび高速液体クロマトグラフィー分
析による分子量分布を比較例1と同様にして測定した。
実施例2〜9及び比較例6〜10の配合および粉末状重
合体の収量並びに赤外吸収スペクトル,核磁気共鳴スペ
クトルおよび分子量分布(プロット)の図面番号を表2
に,元素分析値,主鎖単位比率,ガラス転移点,分解開
始点および重量平均分子量を表3に,全光線透過率およ
び吸水率を表4に示す。
図面について説明する。
(5)実施例2 第20図の核磁気共鳴スペクトルチャートにおいて,4
0.0ppm付近の小ピークはカルボニル基に隣接するn−
ブチル基中の−O−CH2−プロトンに係るものである。
(6)比較例6 第32図に核磁気共鳴スペクトルチャートにおいて,1.
4ppm付近のピークはt−ブチル基に係るものである。
(7)比較例8 第41図の核磁気共鳴スペクトルチャートにおいて,3.
6ppm付近のピークはカルボニル基に隣接するメチル基
に係るものである。
(8)比較例9 第52図の赤外線吸収スペクトルチャートにおいて,3
000cm-1,1500cm-1,1470cm-1,1445cm
-1および1200cm-1付近の吸収はベンジル基に係るも
のである。
なお,主鎖単位比率とは,元素分析値から算出した各主
鎖単位のモル%値である。ガラス転移点は,示差走査熱
量計(DSC)を用いて,ガラス転移領域における吸熱
時のピーク温度で示した。分解開始点は,示差熱重量天
秤(TG−DTA)を用いて,加熱重量減少の開始温度
で示した。重量平均分子量は,第3図を用いて計算した
ものである。
なお,全光線透過率はASTM−D−1003に,吸水
率はASTM−D−570に準じて測定した。
ポイメチルメタクリレートは三菱レイヨン(株)商品
名,アクリペットVHを使用した。
比較例11〜14 下記表5の配合で実施例1に準じて重合させ重合体粉末
を得た。得られた重合体の全光線透過率及び着色状態を
表5に示す。なお、全光線透過率はASTM−D−10
03に準じて測定した。
比較例15〜16 下記表6の配合で実施例1に準じて重合させ重合体粉末
を得た。得られた重合体のガラス転移点及び熱分解開始
点、全光線透過率及び吸水率を表6に示す。なお、ガラ
ス転移点及び熱分解開始点は前記した方法で測定し、全
光線透過率はASTM−D−1003、吸水率はAST
M−D−570に準じて測定した。
試験例1 実施例4で得られた重合体粒子について,高化式フロー
テスターにより,押出;成形時の流動性を測定した。測
定は圧力20Kg/cm2にて温度を200℃,205℃,
210℃,215℃,220℃と変えて,1分間当りの
流出樹脂体積(cm3/min)を測定し片対数プロットした。
比較例としポリメチルメタクリレート(三菱レイヨン製
アクリペットVH,ペレット)について同様の測定を行
なった。これらの結果を第54図に示した。第54図よ
り本重合体粒子は良好な流動性を示し,押出,射出成形
等に好適であることがわかる。また,フローテスターに
より押出されたストランドは,いずれも透明性に優れて
おり,着色,発泡等の現象は全くみられなかった。
本発明に係る重合体は,透明、耐吸湿性及び耐熱性に優
れる新規な重合体である。
【図面の簡単な説明】
第1図は比較例1の重合体の赤外線吸収スペクトル、 第2図は比較例1の重合体の核磁気共鳴スペクトル、 第3図は比較例1の重合体の分子量分布、 第4図は比較例2の重合体の赤外線吸収スペクトル、 第5図は比較例2の重合体の核磁気共鳴スペクトル、第
6図は比較例2の重合体の分子量分布、第7図は比較例
3の重合体の赤外線吸収スペクトル、第8図は比較例3
の重合体の核磁気共鳴スペクトル、第9図は比較例3の
重合体の分子量分布、第10図は比較例4の重合体の赤
外線吸収スペクトル、第11図は比較例4の重合体の核
磁気共鳴スペクトル、第12図は比較例4の重合体の分
子量分布、 第13図は比較例5の重合体の赤外線吸収スペクトル、
第14図は比較例5の重合体の核磁気共鳴スペクトル、
第15図は比較例5の重合体の分子量分布、 第16図は実施例1の重合体の赤外線吸収スペクトル、
第17図は実施例1の重合体の核磁気共鳴スペクトル、
第18図は実施例1の重合体の分子量分布、 第19図は実施例2の重合体の赤外線吸収スペクトル、
第20図は実施例2の重合体の核磁気共鳴スペクトル、
第21図は実施例2の重合体の分子量分布、 第22図は実施例3の重合体の赤外線吸収スペクトル、
第23図は実施例3の重合体の核磁気共鳴スペクトル、
第24図は実施例3の重合体の分子量分布、 第25図は実施例4の重合体の赤外線吸収スペクトル、
第26図は実施例4の重合体の核磁気共鳴スペクトル、
第27図は実施例4の重合体の分子量分布、 第28図は実施例5の重合体の赤外線吸収スペクトル、
第29図は実施例5の重合体の核磁気共鳴スペクトル、
第30図は実施例5の重合体の分子量分布、 第31図は比較例6の重合体の赤外線吸収スペクトル、
第32図は比較例6の重合体の核磁気共鳴スペクトル、
第33図は比較例6の重合体の分子量分布、 第34図は実施例6の重合体の赤外線吸収スペクトル、
第35図は実施例6の重合体の核磁気共鳴スペクトル、
第36図は実施例6の重合体の分子量分布、 第37図は比較例7の重合体の赤外線吸収スペクトル、
第38図は比較例7の重合体の核磁気共鳴スペクトル、
第39図は比較例7の重合体の分子量分布、 第40図は比較例8の重合体の赤外線吸収スペクトル、
第41図は比較例8の重合体の核磁気共鳴スペクトル、
第42図は比較例8の重合体の分子量分布、 第43図は実施例7の重合体の赤外線吸収スペクトル、
第44図は実施例7の重合体の核磁気共鳴スペクトル、
第45図は実施例7の重合体の分子量分布、 第46図は実施例8の重合体の赤外線吸収スペクトル、
第47図は実施例8の重合体の核磁気共鳴スペクトル、
第48図は実施例8の重合体の分子量分布、 第49図は実施例9の重合体の赤外線吸収スペクトル、
第50図は実施例9の重合体の核磁気共鳴スペクトル、
第51図は実施例9の重合体の分子量分布、 第52図は比較例9の重合体の赤外線吸収スペクトル、 第53図は比較例10の重合体の赤外線吸収スペクトル
を示し、 第54図は試験例1の結果(流動性)を示すグラフであ
る。 符号の説明 1…実施例4の重合体の流動性を示すグラフ、 2…ポリメチルメタクリレートの流動性を示すグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 秋間 敏夫 千葉県市原市五井南海岸14番地 日立化成 工業株式会社五井工場内 (72)発明者 加藤 光晴 千葉県市原市五井南海岸14番地 日立化成 工業株式会社五井工場内 (72)発明者 宮嶋 弘 千葉県市原市五井南海岸14番地 日立化成 工業株式会社五井工場内 (56)参考文献 特開 昭56−32518(JP,A) 特開 昭59−227909(JP,A) 特開 昭52−112632(JP,A) 特公 昭51−2519(JP,B2) 特公 昭51−25746(JP,B2)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) (ただし、式中、R1は水素又はメチル基である)で示さ
    れる主鎖単位Iを含み、 一般式(II) (ただし、式中、R2は水素又はメチル基であり、R3は炭
    素数1〜8のアルキル基、シクロアルキル基又は芳香族
    基である)で示される主鎖単位IIと一般式(III) (ただし、式中、R4は炭素数1〜6のアルキル基又はシ
    クロアルキル基である)で示される主鎖単位IIIのうち
    少なくとも一方を含み、しかも、主査単位I 3モル%
    以上、主査単位II 0〜97モル%および主鎖単位III
    0〜30モル%を全体が100モル%になるように含
    み、分解開始温度が260℃以上である重合体。
  2. 【請求項2】一般式(I)で示される主鎖単位、一般式
    (II)で示される主鎖単位II及び一般式(III)
    で示される主鎖単位IIIを必須の構成単位として含む
    特許請求の範囲第1項記載の重合体。
  3. 【請求項3】重量平均分子量が10,000〜1,00
    0,000である特許請求の範囲第1項又は第2項記載
    の重合体。
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