JP2564273B2 - 注型用光学樹脂材料 - Google Patents

注型用光学樹脂材料

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JP2564273B2
JP2564273B2 JP61074565A JP7456586A JP2564273B2 JP 2564273 B2 JP2564273 B2 JP 2564273B2 JP 61074565 A JP61074565 A JP 61074565A JP 7456586 A JP7456586 A JP 7456586A JP 2564273 B2 JP2564273 B2 JP 2564273B2
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清三 菅原
文明 金賀
宏政 河合
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  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,注型成形に適した光学樹脂材料に関する。
(従来の技術) 従来,プラスチツク光学用素子はポリスチレン系樹脂
やポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂等の汎用樹脂
を光学用樹脂として成型作成されており,軽量で大量生
産が容易であることから,近年その需要が増大してい
る。
しかし,従来の汎用プラスチツク光学用素子は,たと
えばポリメチルメタクリレート系樹脂の場合,その樹脂
特性として吸湿性が大きいため環境条件変化によつて光
学用素子の面精度のくるいや屈折率変化が現われて,光
学系としては不安定である。また,ポリスチレン系樹
脂,ポリカーボネート樹脂の場合は用いる樹脂素材の結
晶性や分子配向性から,光学的な複屈折,色収差,散乱
光の発生,また経時変化による透明度の低下等の欠点を
有している。
しかしながら、その中でもPMMA樹脂を用いた光学素子
が吸湿による変形という欠点を除けば最も優れている。
そこで最近は,PMMAと同等の光学特性を有しつつ吸湿性
の改善を試みた新しい透明樹脂による,プラスチツク光
学素子が種々検討されつつある。例えば,特開昭58-125
742号公報には,ポリシクロヘキシルメタクリレート(P
CHMA)による光学素子の試みが記載されている。PCHMA
はPMMA樹脂と同等の光学的特性を有しつつ吸湿性が小さ
いという特長を有するが,耐熱性・耐衝撃性に劣るとい
う欠点を有する。そこで,この欠点を改良する目的で,
シクロヘキシルメタクリレートとメチルメタクリレート
あるいはエチレンなどとの共重合樹脂による光学素子の
検討も種々行なわれている。(特開昭58-162614号公
報,特開昭58-5318号公報,特開昭58-113214号公報) また,同様にMMAの吸湿性改善のため,イソボルニル
メタクリレートとの共重合(特開昭58-162651号公
報),ベンジルメタクリレートおよびエステル部の炭素
数の大きなアクリレートとの共重合(特開昭58-5354号
公報,特開昭58-11515号公報,特開昭58-13652号公報,
特開昭59-122509号公報)が行なわれている。
さらに,MMAの耐熱性向上のためメタクリル酸との共重
合(特開昭58-101104号公報)やメタクリルアミドや無
水マレイン酸との共重合(特開58-113214号公報,特開
昭58-183714号公報)が行なわれている。
しかしながら,いずれの場合も,光学的特性,吸湿
性,耐熱性及び耐衝撃性のいずれかに問題を残してい
る。
一方,立体的に極めてリジツド(rigid)な環状脂肪
族炭化水素として,トリシクロデシル基を有するメタク
リレートであるトリシクロ〔5,2,1,02,6〕デカ−8−イ
ルメタクリレート(TCD-MA)の重合体が,光学的特性,
低吸湿性及び耐熱性に特に優れていることがわかつてい
る。
(発明が解決しようとする問題点) しかし,TCD-MA重合体は耐衝撃性に劣るという欠点を
有する。
更に,メタクリレート系の直鎖状高分子の場合,一般
的に,低吸湿性が向上すると耐衝撃性が低下する性質が
ある。
この様に,低吸湿化を行なうと,強度的に脆くなると
いう問題があり,耐熱性や光学的特性の面からも直鎖状
の高分子では限界がある。
また,注型成形の場合,モノマーがポリマーに転換す
る際の重合体積収縮率が問題となる。すなわち,重合体
積収縮率が大きいとポリマーが所要形状で得られなかつ
たり,ポリマー中に顕著な内部歪が存在し,光学特性に
支障をきたす。
本発明は,このような問題点を解決し,光学特性,耐
吸湿性,耐熱性及び耐衝撃性に優れたプラスチツク光学
素子用として注型成形に適した光学樹脂材料を提供する
ものである。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、トリシクロ(5,2,1,02,6)デカ−8−イル
メタクリレート(以下、TCD-MAと略称する)30〜80重量
%,一般式(I) R−(A)n (ただし、式中、Rは2〜4価の脂肪族炭化水素基又は
オキシアルキレン基、Aはアクリロイル基又はメタクリ
ロイル基及びnはAの結合数で2〜4の整数を示す)で
表される架橋性多官能モノマー2〜20重量%及び他の共
重合可能なビニル系モノマー0〜68重量%を全体が100
重量%になるように含有する組成物(以下、組成物Iと
いう)又は該組成物を配合し予備重合した組成物を含有
してなる注型用光学樹脂材料に関する。
本願発明の好ましい実施態様を次に示す。
すなわち、本願発明の好ましい注型用光学樹脂材料
は、上記の組成物がTCD-MA30〜80重量%,一般式(I)
で表される架橋性多官能モノマー2〜20重量%、スチレ
ン20〜50重量%及び他の共重合可能なビニル系モノマー
0〜48重量%を全体が100重量%になるように含有する
ものである。また、本願発明の好ましい注型用光学樹脂
材料は、上記の組成物がTCD-MA30〜80重量%,一般式
(I)で表される架橋性多官能モノマー5〜15重量%及
び他の共重合可能なビニル系モノマー5〜65重量%を全
体が100重量%になるように含有するものである。さら
に、本願発明の好ましい注型用光学樹脂材料は、上記の
組成物がTCD-MA30〜80重量%,一般式(I)で表される
架橋性多官能モノマー5〜15重量%、スチレン20〜50重
量%及び他の共重合可能なビニル系モノマー0〜45重量
%を全体が100重量%になるように含有するものであ
る。
本発明において,TCD-MAは,注型成形に適したモノマ
ーである。すなわち,TCD-MAは,重合体積収縮率が,他
のモノマーに比し小さく,成形品の内部歪等を小さくす
ることができる。また,TCD-MAの使用により,成形品
に,低吸湿性及び耐熱性を付与することができる。TCD-
MA等のモノマーの重合体積収縮率を表1に示す。なお,
重合体積収縮率は,モノマーの比重と重合体の比重の比
率から求めた。
TCD-MAは,組成物I中に,30〜80重量%使用される。
TCD-MAは,成形品の耐熱性及び低吸湿性の面で30重量
%以上必要であり,80重量%を超えると成形品が強度的
に脆くなり実用に供しない。
また,架橋性多官能モノマーは成形品の強度的な面で
組成物I中2重量%以上必要となり,20重量%を超えて
も強度的な改善効果は小さい。
他の共重合可能なビニル系モノマーは組成物I中に68
重量%を超えると,光学的特性,低吸湿性及び高耐熱性
のいずれかに問題があり実用に供しない。
本発明に用いる架橋性多官能モノマーとしては重合体
の透明性を損わないものであれば,特に限定されない。
たとえば,エチレングリコールジアクリレート,ジエ
チレングリコールジアクリレート,トリエチレングリコ
ールジアクリレート,テトラエチレングリコールジアク
リレート,トリプロピレングリコールジアクリレート,
1,3ブチレングリコールジアクリレート,1,4ブタンジオ
ールジアクリレート,1,5ペンタジオールジアクリレー
ト,1,6ヘキサンジオールジアクリレート,ネオペンチル
グリコールジアクリレート,ヒドロキシピバリン酸ネオ
ペンチルグリコールエステルジアクリレート,オリゴエ
ステルジアクリレート,ポリブタジエンジアクリレート
等のジアクリレート,これらと同様のジメタクリレー
ト,のような二官能性の架橋性モノマーあるいは,トリ
メチロールエタントリアクリレート,トリメチロールプ
ロパンアクリレート,ペンタエリストールトリアクリレ
ート等のトリアクリレート,これらと同様のトリメタク
リレート,のような三官能性の架橋性モノマーあるいは
ペンタエリストールテトラアクリレート,ペンタエリス
リトールテトラメタクリレートのような四官能性の架橋
性モノマーなどが挙げられる。また,比較的高分子量の
主鎖を有するジアクリレート又はジメタクリレートも使
用できる。
これらのうち、特に好ましくは、,1,4−ブタンジオー
ルジアクリレート,1,6−ヘキサンジオールジアクリレー
ト,ジエチレングリコールジアクリレート,トリエチレ
ングリコールジアクリレート,トリメチロールプロパン
トリアクリレート等及びこれらと同様のジメタクリレー
ト又はトリメタクリレートなどがある。
本発明に用いられる他の共重合可能なビニル系単量体
は,基本的に重合体の透明性を損わないものであれば,
特に限定されず,例えば,不飽和脂肪酸エステル,芳香
族ビニル化合物,シアン化ビニル化合物,不飽和二塩基
酸及びその誘導体,不飽和脂肪酸及びその誘導体などが
ある。不飽和脂肪酸エステルとしては,アクリル酸メチ
ル,アクリル酸エチル,アクリル酸ブチル,アクリル酸
2−エチルヘキシル,アクリル酸オクチル,アクリル酸
ドデシル,アクリル酸オクタデシル等のアクリル酸アル
キルエステル,アクリル酸シクロヘキシル,アクリル酸
メチルシクロヘキシル,アクリル酸(イソ)ボルニル,
アクリル酸アダマンチル等のアクリル酸シクロアルキル
エステル,アクリル酸フエニル,アクリル酸ベンジル,
アクリル酸ナフチル等のアクリル酸芳香族エステル,ア
クリル酸フルオロフエニル,アクリル酸クロロフエニ
ル,アクリル酸ブロモフエニル,アクリル酸フルオロベ
ンジル,アクリル酸クロロベンジル,アクリル酸ブロモ
ベンジル等のアクリル酸置換芳香族エステル,アクリル
酸フルオロメチル,アクリル酸フルオロエチル,アクリ
ル酸クロロエチル,アクリル酸ブロモエチル等のアクリ
ル酸ハロゲン化アルキルエステル,アクリル酸2−ヒド
ロキシエチル,アクリル酸ポリエチレングリコールエス
テル等のアクリル酸ヒドロキシアルキルエステル,アク
リル酸グリシジル,アクリル酸アルキルアミノアルキル
エステル,アクリル酸シアノアルキルエステルなどのア
クリル酸エステル,メタクリル酸メチル,メタクリル酸
エチル,メタクリル酸ブチル,メタクリル酸2−エチル
ヘキシル,メタクリル酸オクチル,メタクリル酸ドデシ
ル,メタクリル酸オクタデシル等のメタクリル酸アルキ
ルエステル,メタクリル酸シクロヘキシル,メタクリル
酸メチルシクロヘキシル,メタクリル酸(イソ)ボルニ
ル,メタクリル酸アダマンチル等のメタクリル酸シクロ
アルキルエステル,メタクリル酸フエニル,メタクリル
酸ベンジル,メタクリル酸ナフチル等のメタクリル酸芳
香族エステル,メタクリル酸フルオロフエニル,メタク
リル酸クロロフエニル,メタクリル酸ブロモフエニル,
メタクリル酸フルオロベンジル,メタクリル酸クロロベ
ンジル,メタクリル酸ブロモベンジル等のメタクリル酸
置換芳香族エステル,メタクリル酸フルオロメチル,メ
タクリル酸フルオロエチル,メタクリル酸クロロエチ
ル、メタクリル酸ブロモエチル等のメタクリル酸ハロゲ
ン化アルキルエステル,メタクリル酸ポリエチレングリ
コールエステル,メタクリル酸2−ヒドロキシエチル等
のメタクリル酸ヒドロキシアルキルエステル,メタクリ
ル酸グリシジル,メタクリル酸アルキルアミノアルキル
エステル,メタクリル酸シアノアルキルエステルなどの
メタクリル酸エステル,α−フルオロアクリル酸エステ
ル,α−クロロアクリル酸エステル,α−シアノアクリ
ル酸エステルなどのα−置換アクリル酸エステルなどが
ある。
芳香族ビニル化合物としては,スチレン又はα−メチ
ルスチレン,α−エチルスチレン,α−フルオロスチレ
ン,α−クロルスチレン等のα−置換スチレン,フルオ
ロスチレン,クロルスチレン,ブロモスチレン,メチル
スチレン,ブチルスチレン,メトキシスチレン等の核置
換スチレンがある。シアン化ビニル化合物としてはアク
リロニトリル,メタクリロニトリル等がある。
不飽和二塩基酸及びその誘導体としては,N−メチルマ
レイミド,N−エチルマレイミド,N−プロピルマレイミ
ド,N−ブチルマレイミド,N−シクロヘキシルマレイミ
ド,N−フエニルマレイミド,N−メチルフエニルマレイミ
ド,N−クロロフエニルマレイミド,N−メトキシフエニル
マレイミド,N−カルボキシフエニルマレイミド等のN−
置換マレイミド,マレイン酸,無水マレイン酸,フマル
酸等がある。
不飽和脂肪酸及びその誘導体としては,アクリルアミ
ド,メタクリルアミド,N−ジメチルアクリルアミド,N−
ジエチルアクリルアミド,N−ジメチルメタクリルアミ
ド,N−ジエチルメタクリルアミド等の(メタ)アクリル
アミド類,アクリル酸カルシウム,メタクリル酸カルシ
ウム,アクリル酸バリウム,メタクリル酸バリウム,ア
クリル酸鉛,メタクリル酸鉛,アクリル酸すず,メタク
リル酸すず,アクリル酸亜鉛,メタクリル酸亜鉛などの
(メタ)アクリル酸金属塩,アクリル酸,メタクリル酸
などがある。
組成物Iには,さらに,重合開始剤を含有させる。重
合開始剤としては,1,1ビス(t−ブチルペルオキシ)3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン,t−ブチルハイドロパ
ーオキサイド,ジ−t−ブチルパーオキサイド,2,5ジメ
チル2−5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン,イ
ソブチリルパーオキサイド,ラウロイルパーオキサイ
ド,ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート,t−ブ
チルペルオキシ−2−エチルヘキサノネート,1,1ジ−t
−ブチルペルオキシ−3,3,5−トリメチルシクロ,シク
ロヘキサン,ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロ
テレフタレート等の有機過酸化物で,好ましくは芳香環
を有しない過酸化物がよい。
また,2,2′−アゾビスイソブチルニトリル,2,2′−ア
ゾビス(2,4ジメチルバレロニトリル),1,1′アゾビス
(1−シクロヘキサンカルボニトリル),2,2′アゾビス
(2,4,4−トリメチルペンタン)等のアゾ系重合開始剤
を用いてもよい。
重合開始剤はモノマーに対して0.01〜5重量%の範囲
で使用されるのが好ましい。
特に,10時間半減期が60〜80℃の開始剤,90〜110℃の
開始剤,120〜140℃の開始剤の3種類を併用することに
よりポリマー中に残存する揮発物(モノマー)を著しく
低減できるので,これらの開始剤の併用が特に好まし
い。
組成物Iは,そのまま,注型成形に供してもよいが,
予備重合したのち注型成形に供するのが,仕込み量に対
する収縮率をより小さくすることができるので好まし
い。また,成形物の曲げ強度をより向上させることがで
きる。この予備重合は,モノマーの重合率が15重量%ま
での範囲で行なうのが好ましい。この重合率が15重量%
を越えると粘度が高くなり注型しにくくなる。
予備重合は,組成物Iを重合開始剤の存在下に,50〜7
0℃でゲル化しないように反応を進めることによつて行
なうのが好ましく,予備重合して得られる組成物(以
下,組成物IIという)がシロツプ状になるように行なう
のが好ましい。
組成物I又は組成物IIは,注型成形に供する前に,脱
気処理を施すのが好ましい。
注型成形は,ガラスセル等の適当なセルに,組成物I
又は組成物IIを注型し,加熱することにより行なうこと
ができる。加熱温度は,50〜160℃で,初期はより低温で
行ない,重合後期にはより高温で行なうのが好ましい。
組成物I又は組成物IIは耐光性向上のために光安定剤
を含有させてもよい。光安定剤として,2−(5−メチル
−2ヒドロキシフエニル)ベンゾトリアゾール,2−〔2
−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジ
ル)フエニル〕−2H−ベンゾトリアゾール等のベンゾト
リアゾール系化合物,2−エトキシ−2′−エチルオキザ
リツクアシツドビスアニリド,2−エトキシ−5−t−ブ
チル−2′−エチルオキザリツクアシツドアニリド等の
オキザリツクアシツドアニリド系化合物,ビス(2,2,6,
6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート,ビス
(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケ
ート等のヒンダードアミン系化合物,2−ヒドロキシ−4
−n−オクトトキシベンゾフエノン等のベンゾフエノン
系化合物及びその他にシアノアクリレート系化合物等を
用いることができる。これらは,光学用樹脂材料中に0
〜0.2重量%含まれるのが好ましい。
組成物I又は組成物IIには,トリエチレングリコール
−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒド
ロキシフエニル)プロピオネート〕,1,6ヘキサンジオー
ルビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フエニル)プロピオネート〕等のヒンダーフエノール系
化合物, 等のフオスフアイト系化合物,ジラウリルチオジプロピ
オネート,ジステアリルチオジプロピオネート等のチオ
エーテル系化合物等の抗酸化剤を含有させてもよい。こ
れらは,光学用樹脂材料中に0〜0.5重量%含まれるの
が好ましい。
また本発明に係る光学用樹脂材料の成形品表面に静電
防止,防量,反射防止,保護などの目的に応じ樹脂およ
び無機物などのコーテイングをほどこしてもよい。
樹脂コーテイングの例としては,モノマーあるいはプ
レポリマーを塗布した後,熱重合放射線重合,電子線重
合等により重合硬化させる方法,ポリマー溶液をスピレ
ーコートする方法やプラズマ重合による方法など一般公
知の方法が挙げられる。
また,無機物をコーテイングする例としては蒸着,ス
パツタリング,イオンプレーテイングなどの一般公知の
例が挙げられる。
本発明に係る光学用樹脂材料を成型することによつて
得られる光学素子は,吸湿変形が少なく耐熱性にも優
れ,従来のプラスチツク光学用素子では得られなかつた
物性を示す。
その様な光学用素子としては一般カメラ,ビデオカメ
ラ,望遠鏡,眼鏡,コンタクトレンズ,レーザ用レン
ズ,太陽集光用レンズ,投影機用レンズ,光フアイバー
用レンズなどの光学レンズ類,ペンタプリズムなどのプ
リズム類、光フアイバー,光導波路などの光伝送用素子
類、ビデオデイスク,文書デイスク,メモリーデイスク
など光デイスク等が挙げられる。
(実施例) 以下,本発明の実施例を示す。
実施例1〜9及び比較例1〜5 表2に示すモノマー組成のモノマー混合物 200g ラウロイルパーオキサイド(L.P.O.) 0.6g 1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)3,3,5−トリメチル
シクロヘキサン 0.4g 及び 2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキ
サン 0.2g を加えて三つ口の500mlフラスコ内で攪拌し溶解する。
次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後,60℃恒温水槽
中に浸し窒素気流下で30〜40分間重合させた。この予備
重合物を一度20℃まで冷却した後,20cm×20cm×0.3cmの
ガラスセル中に注入し60℃の温水中で6時間次にエアオ
ーブン中で90℃で2時間,120℃で8時間,150℃で2時間
で重合させ,200mm×200mm×3mmの透明キヤスト板を得
た。
この重合したプラスチツク板の全光線透過率,屈折
率,複屈折性,飽和吸湿率,熱変形温度,ガラス転移温
度,アイゾツト衝撃強度(ノツチ無し)を測定し表2に
まとめて示した。
各特性の測定は全光線透過率は分光光度計により,屈
折率はアツベ屈折計により、複屈折性はポーラロメータ
を用いて行なつた。
飽和吸湿性は,30mm×60mm×3mmの試験片をエアーオー
ブン中に90℃で48hr放置後の重量と,その後60℃温水中
へ1週間浸漬後の重量との差により求めた。
熱変形温度,アイゾツト衝撃値はASTM-D-648-56,ASTM
-D-256に従い測定した。
また,ガラス転移温度はスペクトロメータにより求め
た。
表2よりモノマー混合物中,TCD-MAが30重量%以上に
なると熱変形温度が110℃以上になることがわかる。ま
た実施例1〜6及び比較例4〜5に示した様に,架橋性
多官能モノマーの量が2重量%以上になると強度的改善
および耐熱性の改善効果があらわれ,また20重量%を超
えた場合,強度的改善効果が見られず逆に低下する傾向
が現われ,また複屈折性も低下する。また,表2に示す
例では,全ての組成域で飽和吸湿性が0.5重量%以下で
あつた。
特に実施例2,3及び5に示した様に架橋性多官能性モ
ノマーの量としては5〜15重量%が耐衝撃性の面で好ま
しい。
また,STCを共重合モノマーとして用いる場合は,実施
例2,3,5,7及び8に示すように特に20〜50重量%が種々
の特性上好ましい。
比較例3からわかるように,STCが多くなると複屈折性
が悪くなりやすい。
なお,実施例1,2,3,7及び8における予備重合物の重
合率(予備重合率)を,重合時間(予備重合時間)と共
に,表3に示す。
なお,予備重合率は,60℃で所定時間重合後のシロツ
プを注射器によりサンプリング,そのサンプリング液を
秤量後,ドライアイス−メタノール液中へ滴下させ,ポ
リマーを沈殿させる。沈殿ポリマーを過乾燥後,秤量
し重量比から求めた。
実施例10〜14及び比較例6〜7 表4に示すモノマー組成のモノマー混合物を使用する
こと以外,実施例1〜9及び比較例1〜5と同様に行な
つた。試験結果を表4に示す。
表4から,TCD-MAがモノマー混合物中30重量%以上で
あると耐吸湿性に優れ,比較例6及び実施例10〜11から
わかるように,架橋性多官能性モノマーがふえると耐衝
撃性が向上することがわかる。
実施例15〜20 表5に示すモノマー組成のモノマー混合物を使用する
こと以外,実施例1〜9及び比較例1〜5と同様に行な
つた。試験結果を表5に示す。
実施例21 モノマー混合物として TCD-MA 108g STC 72g 及び 1,4ヘキサンジオールジメタクリレート 20g からなる混合物を用いた以外は,実施例1〜9及び比較
例1〜5と同様に行なつた。結果を表6に示した。
実施例22 実施例21中の架橋性多官能モノマーをジエチレングリ
コールジメタクリレートに変えた以外は実施例21と同様
に行なつた。
実施例23 実施例21中の架橋性多官能モノマーをトリエチレング
リコールジメタクリレートに変えた以外は実施例21と同
様に行なつた。
実施例24 実施例21中の架橋性多官能モノマーをポリ1,2−ブタ
ジエン鎖含有ジアクリレート(TE-2000,日本曹達(株)
商品名)に変えた以外は実施例21と同様に行なつた。
実施例25 実施例21中の架橋性多官能モノマーをトリメチルプロ
パントリアクリレートに変えた以外は実施例21と同様に
行なつた。
比較例12 モノマー混合物としてジブロムトリシクロ(5,2,1,0
2,6)デカ−8−イルメタタリレート160g及び1,6−ヘキ
サンジオールジアクリレート40gからなる混合物を使用
すること以外、実施例1〜9及び比較例1〜5と同様に
行った。結果は次のとおりである。
全光線透過率:89% 屈折率(nd):1.537 複屈折性:○(良好) 飽和吸湿率:0.40% 熱変形温度:119℃ ガラス転移温度:141℃ アイゾット衝撃値ノッチ無し:3kg・cm/cm 比較例13 モノマー混合物としてジブロムトリシクロ(5,2,1,0
2,6)デカ−8−イルメタタリレート90g、スチレン90g
及び1,6−ヘキサンジオールジアクリレート20gからなる
混合物を使用すること以外、実施例1〜9及び比較例1
〜5と同様に行った。結果は次のとおりである。
全光線透過率:90% 屈折率(nd):1.560 複屈折性:○(良好) 飽和吸湿率:0.38% 熱変形温度:107℃ ガラス転移温度:129℃ アイゾット衝撃値ノッチ無し:15kg・cm/cm 比較例14 モノマー混合物の代わりにジブロムトリシクロ(5,2,
1,02,6)デカ−8−イルメタタリレート200gを使用する
こと以外、実施例1〜9及び比較例1〜5と同様に行っ
た。結果は次のとおりである。
全光線透過率:88% 屈折率(nd):1.570 複屈折性:○(良好) 飽和吸湿率:0.34% ガラス転移温度:153℃ アイゾット衝撃値ノッチ無し:1kg・cm/cm (発明の効果) 本発明に係る注型用光学樹脂材料から得られる成形物
が,光学的特性,低吸湿性,耐熱性および耐衝撃性のす
ぐれたものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河合 宏政 市原市五井南海岸14番地 日立化成工業 株式会社五井工場内 (72)発明者 加藤 芳明 市原市五井南海岸14番地 日立化成工業 株式会社五井工場内 (56)参考文献 特開 昭60−124605(JP,A) 特開 昭60−99111(JP,A) 特開 昭60−115609(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トリシクロ(5,2,1,02,6)デカ−8−イル
    メタタリレート30〜80重量%,一般式(I) R−(A)n (ただし、式中、Rは2〜4価の脂肪族炭化水素基又は
    オキシアルキレン基、Aはアクリロイル基又はメタクリ
    ロイル基、nはAの結合数で2〜4の整数を示す)で表
    される架橋性多官能モノマー2〜20重量%及び他の共重
    合可能なビニル系モノマー0〜68重量%を全体が100重
    量%になるように含有する組成物又は該組成物を配合し
    予備重合した組成物を含有してなる注型用光学樹脂材
    料。
  2. 【請求項2】組成物がトリシクロ(5,2,1,02,6)デカ−
    8−イルメタタリレート30〜80重量%,一般式(I) R−(A)n (ただし、式中、Rは2〜4価の脂肪族炭化水素基又は
    オキシアルキレン基、Aはアクリロイル基又はメタクリ
    ロイル基、nはAの結合数で2〜4の整数を示す)で表
    される架橋性多官能モノマー2〜20重量%、スチレン20
    〜50重量%及び他の共重合可能なビニル系モノマー0〜
    48重量%を全体が100重量%になるように含有するもの
    である特許請求の範囲第1項記載の注型用光学樹脂材
    料。
  3. 【請求項3】組成物がトリシクロ(5,2,1,02,6)デカ−
    8−イルメタタリレート30〜80重量%,一般式(I) R−(A)n (ただし、式中、Rは2〜4価の脂肪族炭化水素基又は
    オキシアルキレン基、Aはアクリロイル基又はメタクリ
    ロイル基、nはAの結合数で2〜4の整数を示す)で表
    される架橋性多官能モノマー5〜15重量%及び他の共重
    合可能なビニル系モノマー5〜65重量%を全体が100重
    量%になるように含有するものである特許請求の範囲第
    1項記載の注型用光学樹脂材料。
  4. 【請求項4】組成物がトリシクロ(5,2,1,02,6)デカ−
    8−イルメタタリレート30〜80重量%,一般式(I) R−(A)n (ただし、式中、Rは2〜4価の脂肪族炭化水素基又は
    オキシアルキレン基、Aはアクリロイル基又はメタクリ
    ロイル基及びnはAの結合数で2〜4の整数を示す)で
    表される架橋性多官能モノマー5〜15重量%、スチレン
    20〜50重量%及び他の共重合可能なビニル系モノマー0
    〜45重量%を全体が100重量%になるように含有するも
    のである特許請求の範囲第1項記載の注型用光学樹脂材
    料。
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