JPH0646766A - ゼリー様菓子の製造方法 - Google Patents

ゼリー様菓子の製造方法

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JPH0646766A
JPH0646766A JP4225129A JP22512992A JPH0646766A JP H0646766 A JPH0646766 A JP H0646766A JP 4225129 A JP4225129 A JP 4225129A JP 22512992 A JP22512992 A JP 22512992A JP H0646766 A JPH0646766 A JP H0646766A
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秀喜 鈴木
Sei Itakura
板倉  聖
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Abstract

(57)【要約】 【構成】カルシウムイオンと接触してゼリー化するゲル
化剤を含むゼリー用粉末((A)成分)を水に溶解して
ゼリー用溶液((A)成分溶液)とする工程、カルシウ
ム塩類を含むカルシウム溶液用粉末成分((B)成分)
を水に溶解して、上記ゼリー用溶液との比重比が1.3
未満のカルシウム溶液((B)成分溶液)とする工程、
上記ゼリー用溶液上に上記カルシウム溶液を載置、積層
する工程、上記ゼリー用溶液中に引き上げ用治具を挿入
する工程および上記ゼリー用溶液とカルシウム溶液との
界面に生成した薄膜状ゼリー様菓子を、上記引き上げ用
治具によって、上方に徐々に引き上げる工程からなる。 【効果】喫食者自身が、手作りで瞬時にひも状のゼリー
様菓子を作ることができ、なおかつ、作る過程での視覚
的変化や創造的面白さを、簡単な治具を用いて簡便に楽
しむことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ゼリー用粉末成分を
溶解したゼリー用溶液と、カルシウム溶液用粉末成分を
溶解したカルシウム溶液とを接触させ、その界面に薄膜
状のゼリー様菓子を生成せしめ、この薄膜状ゼリー様菓
子を引き上げることによって、ひも状のゼリー様菓子を
製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ゼリー菓子は、カラギナン、ゼラ
チン等のゲル化剤を用い、これを、糖類、色素等他の原
料と共に熱湯で溶解し、型に流し込んで冷却し、ゲル化
させることにより製造されていた。また、加熱を要しな
いゼリー菓子の製法としては、低メトキシルペクチンや
アルギン酸ナトリウム等のゲル化剤を用い、これとカル
シウムイオンとの反応によってゲル化させる製法も知ら
れており、この製法を用いて製造したゼリー菓子も市販
されている。これらの製法によって得られるゼリー菓子
は、いずれも予め決められたモールド内に充填される
か、あるいは、容器に直接充填され、ゲル化されるもの
である。
【0003】しかしながら、最近のように飲食物が豊富
に出回っている世の中においては、従来のモールド成形
ゼリー、容器入りゼリー等のような定形のゼリー菓子だ
けでは飽き足らず、新規な形態のゼリー菓子の提供が望
まれている。また、単に味覚を満足させるのみでなく、
喫食者自身が手作りできる楽しさと、作っているときの
変化の多様性、意外性等の視覚的な面白さとを満足させ
得るようなものの提供が望まれている。
【0004】そこで、本発明者らは、モールドを用いて
喫食者自身が手作りで瞬時にゼリー菓子を作ることがで
きるゼリー用溶液と粉末成分とからなる組合せ菓子を発
明し、既に出願している(特開昭62−146572号
公報)。この組合せ菓子は、モールド内に、まず、カル
シウムイオンを含む粉末成分を略均一に振り入れ、その
上にカルシウムイオンと接触してゼリー化するゲル化剤
を含むゼリー用溶液を滴下することによって、瞬時にモ
ールドの形状に応じたゼリー菓子を形成させるものであ
る。
【0005】この組合せ菓子によれば、粉末上に液体を
滴下するだけの簡単な操作によって、ゼリー菓子が得ら
れるので、喫食者自身が手作りの楽しさと粉末がゼリー
菓子に変化する面白さとを同時に味わうことができる。
【0006】しかしながら、この組合せ菓子によって得
られるゼリー菓子は、予め、モールドによって形が決め
られているので、喫食者自身が形状を作る創造的な面白
さに欠ける。また、粉末成分がゼリー菓子化する過程で
の立体的変化がなく、視覚的変化に乏しい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、カルシ
ウムイオンと接触してゼリー化するゲル化剤とカルシウ
ムイオンとの反応を利用し、従来とは異なる態様のゼリ
ー様菓子を作ることはできないかと想起し、検討を行な
った。
【0008】その結果、まず、カルシウムイオンと接触
してゲル化するゲル化剤からなる、ゼリー用溶液を下層
にし、その上に、上記ゼリー用溶液より比重の低いカル
シウム溶液を注ぎ2層にすると、その界面に薄膜状のゼ
リーが形成されること、そしてこれを箸のようなもので
つまんで上方に引き上げると、この薄膜状のゼリーが引
き寄せられてストローのような筒状のひも状ゼリーとな
り、それにともなって界面に新しい薄膜状のゼリーが逐
次形成されることがわかった。更に、このようなひも状
ゼリーは、カルシウム溶液を下層にして上層に上記ゼリ
ー溶液を戴置しても得られない性質があることも分かっ
た。
【0009】そこで、さらに検討を行った結果、上記ゼ
リー用溶液のゲル化剤濃度、上記カルシウム溶液のカル
シウム濃度、及びこれらの溶液の比重等を適宜調整する
ことにより、途切れる事なく細長い強度のあるひも状に
ゼリーが形成され、あたかも液体中からひも状のゼリー
が連続的に繰り出されているような意外性に富んだ面白
さを楽しめることを見出し本発明を完成した。
【0010】本発明の目的は、喫食者自身が手作りで瞬
時にゼリー様菓子を作ることができ、なおかつ、作る過
程での視覚的変化や創造的面白さを、簡便に楽しむこと
ができるゼリー様菓子の製造方法を提供するにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、下記の工
程を順次備えてなることを特徴とするゼリー様菓子の製
造方法によって達成される。 (1)下記(A)成分を水に溶解して(A)成分溶液と
する工程。 (A)カルシウムイオンと接触してゼリー化するゲル化
剤を含むゼリー用粉末成分。 (2)下記(B)成分を水に溶解して、上記(A)成分
溶液との比重比が1.3未満の(B)成分溶液とする工
程。 (B)カルシウム塩類を含むカルシウム溶液用粉末成
分。 (3)上記(A)成分溶液上に上記(B)成分溶液を載
置、積層する工程。 (4)上記(A)成分溶液中に引き上げ用治具を挿入す
る工程。 (5)上記(A)成分溶液と(B)成分溶液との界面に
生成したゼリー様菓子を、上記引き上げ用治具を用いて
上方に引き上げる工程。
【0012】次に、本発明を詳しく説明する。この発明
のゼリー様菓子の製造においては、上記(A)成分と
(B)成分とを用いる。
【0013】まず、(A)成分は、カルシウムイオンと
接触してゼリー化するゲル化剤を含むゼリー用粉末成分
である。このようなゲル化剤の代表例としては、アルギ
ン酸ナトリウム、低メトキシルペクチン等が挙げられ
る。これらは単独で、もしくは併せて使用すればよい。
【0014】これらのうち、特に、アルギン酸ナトリウ
ムは、得られるゼリー様菓子の強度が高くなるので、ひ
も状ゼリー様菓子とするとき、切れにくく、より長く引
き上げることができ好適である。
【0015】また、ゼリー用粉末成分には、溶液とした
ときの比重を調整する目的で、上記ゲル化剤の他に、グ
ラニュー糖やブドウ糖等の糖類を適宜添加する。その
他、必要に応じて、色素香料等を適宜配合してもよい。
【0016】ゼリー用粉末成分は、通常、混合機で粉体
混合して調製されるが、溶解性を向上させるために、造
粒することが好ましい。
【0017】本発明の製造方法を実施する際には、上記
ゼリー用粉末成分を、水に溶解して使用するが、ゼリー
様菓子を製造するための組合せ菓子として製品化するに
当たっては、上記ゼリー用粉末成分をポリエチレン等の
軟質なプラスチックの容器,袋等に詰め、密封して添付
し、喫食時、喫食者が水に溶解してゼリー用溶液とする
ようにしてもよいし、予め水溶してゼリー用溶液とし、
ポリエチレン等の軟質なプラスチックの容器に充填、密
封し、加熱殺菌したものを添付してもよい。ゼリー用溶
液を充填する容器の形状をスポイド状にすると、喫食
時、製造用容器に注入しやすいので好適である。
【0018】上記ゼリー用粉末成分をゼリー用溶液にし
たとき、ゲル化剤の濃度は、ゼリー用溶液全体重量中、
0.5〜2.0重量%(以下「%」と記す)に設定する
ことが好ましい。ゲル化剤の濃度が0.5%未満だと、
得られるゼリー様菓子の強度が低く、引き上げたときに
切れ易くなる傾向にある。逆に、ゲル化剤の濃度が2.
0%を超えると、ゼリー用溶液の粘度が高くなりすぎ
て、流動性が悪くなり、逐次新しい薄膜状ゼリー様菓子
が形成されにくい。また、粘度が高いため、引き上げら
れるひも状ゼリー様菓子が太くなり、ゼリー様菓子自体
の重さ(自重)で切れやすくなって長く引き上げられな
い傾向にある。
【0019】また、ゼリー用溶液の固形分(糖度)は、
5〜20%になるように調整することが望ましい。固形
分が20%を超えると、引き上げられるひも状ゼリー様
菓子の粘度が高くなると同時に、自重が重くなり、引き
上げる際に切れやすくなる傾向にある。また、5%未満
で、かつ、カルシウム溶液より比重が軽い場合、ゼリー
用溶液がカルシウム溶液上に浮いてしまう傾向にあり、
ゼリー用溶液上部に薄膜状ゼリー様菓子が形成されず、
ゼリー様菓子はひも状に引き上がらなくなる傾向にあ
る。
【0020】また、ゼリー用溶液のpHは、好ましくは
4.5以下、より好ましくは3.5〜4.5になるよう
に調整することが好適である。pHを4.5以下に調整
することにより、予めゼリー用溶液として製品化する場
合、ゼリー用溶液に対する加熱殺菌等の条件(85℃2
5分程度)を緩和することができ、それによって、ゲル
化剤の安定性を保持し得ると共に、香料等の変質を防止
することができる。
【0021】また、pHが3.5未満になると、ゼリー
用溶液の粘度が高くなりすぎて、流動性が悪くなり、逐
次新しい薄膜状ゼリー様菓子が形成されにくなったり、
引き上げられるひも状ゼリー様菓子が太くなり、ゼリー
様菓子自体の重さ(自重)で切れやすくなって長く引き
上げられない傾向にある。また、ゼリー用溶液に沈澱物
が生じ、外観を損ったりする傾向にある。
【0022】一方、上記(A)成分と組み合わされる
(B)成分は、カルシウム塩類を含むカルシウム溶液用
粉末成分である。
【0023】カルシウム塩類としては、乳酸カルシウ
ム、塩化カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウ
ム、グルコン酸カルシウム、水酸化カルシウム等が挙げ
られ、これらは単独でも2種以上組み合わせて用いても
よい。
【0024】特に、乳酸カルシウムは、水への溶解性が
良く、上記ゼリー様菓子用溶液との反応性が良好とな
り、ゼリー様菓子を生成する速度が速く、得られるゼリ
ー様菓子の強度が強いので好適である。
【0025】また、カルシウム溶液用粉末成分には、比
重を調整するために糖質甘味料等の固形分を適宜添加す
る。また、必要に応じて、酸味料、粉末色素、香料等を
適宜配合してもよい。
【0026】上記(A)成分と同様に、本発明の製造方
法を実施する際には、上記カルシウム溶液用粉末成分
を、水に溶解して使用するが、ゼリー様菓子を製造する
ための組合せ菓子として製品化するに当たっては、上記
カルシウム溶液用粉末成分をポリエチレン等の軟質なプ
ラスチックの容器,袋等に詰め、密封して添付し、喫食
時、喫食者が水に溶解してカルシウム溶液とするように
してもよいし、予め水溶してカルシウム溶液とし、ポリ
エチレン等の軟質なプラスチックの容器に充填、密封
し、加熱殺菌したものを添付してもよい。カルシウム溶
液を充填する、容器の形状をスポイド状にすると、喫食
時、製造用容器に注入しやすいので好適である。
【0027】上記カルシウム溶液用粉末成分を、カルシ
ウム溶液にしたときのカルシウム濃度は、カルシウム溶
液全体重量中、0.09〜0.9%の範囲になるように
することが望ましい。上記カルシウム濃度が0.5%未
満だと、得られるゼリー様菓子の強度が低くなり、引き
上げたときに切れ易くなる傾向にある。逆に、5%を超
えると、カルシウム塩類の味が強く出るようになり、得
られるゼリー様菓子の風味が悪くなる傾向にある。
【0028】また、カルシウム溶液((B)成分溶液)
の比重は、上記ゼリー用溶液((A)成分溶液)との比
重比((B)成分溶液比重/(A)成分溶液比重)が
1.3未満となるよう設定する必要がある。上記比重比
が1.3以上の場合、ゼリー用溶液がカルシウム溶液上
に浮いてしまう傾向にあり、うまくゼリー用溶液上部に
薄膜状ゼリー様菓子が形成されず、ゼリー様菓子はひも
状に引き上がらない。
【0029】次に、上記ゼリー用粉末成分((A)成
分)とカルシウム溶液用粉末成分((B)成分)とを用
いて、本発明のゼリー様菓子の製造方法は、例えば、次
のようにして行われる。すなわち、まず、図1に示すよ
うな、製造用容器(1)と引き上げ用の治具(2)とを
用意する。
【0030】この製造用容器(1)の一方の容器(1
a)に、所定量の水(10)を入れ、袋詰めされたゼリ
ー用粉末成分(3)を添加、溶解し、ゼリー用溶液
(6)を調製する。次に、容器(1)のもう一方の容器
(1b)に所定量の水(10)を入れ、袋詰めされたカ
ルシウム溶液用粉末成分(4)を添加、溶解し、カルシ
ウム溶液(5)を調製する。
【0031】次に、図2に示すように、容器(1)の略
中心部を折り曲げて、カルシウム溶液(5)を、ゼリー
用溶液(6)上に静かに注ぎ込み、上層にカルシウム溶
液(5)、下層にゼリー用溶液(6)の2層となるよう
に載置、積層する。なお、積層の順番を逆にしてゼリー
様菓子用溶液(6)を、カルシウム溶液(5)上に戴置
しても、本発明のようにひも状のゼリー様菓子は得られ
ない。
【0032】上記のようにして積層された2層の界面に
は、図3に示すように、カルシウム溶液(5)と、ゼリ
ー様菓子用溶液(6)とが反応して薄膜状のゼリー様菓
子(7)が形成される。次に、この薄膜状のゼリー様菓
子を引き上げ用治具(2)を用いてつまみあげ、ゆっく
りと垂直に引き上げると、図4に示すように、逐次ゼリ
ー用溶液がカルシウム溶液と接触して薄膜状ゼリー様菓
子が形成し、ひも状に連続的に引き上がり、あたかも液
体成分中からひも状のゼリー様菓子が繰り出されている
かのような視覚的変化を楽しむことができる。
【0033】また、ひも状ゼリー様菓子は、ゼリー用溶
液(6)が、ほぼ全量消費される迄連続的に生成する。
また、各溶液は、製造用容器(1)とは別の容器で溶解
した溶液を、製造用容器(1)に収納するようにしても
よい。
【0034】上記製造用容器(1)は、ゼリー用粉末成
分とカルシウム溶液用粉末成分とをそれぞれ別個に溶解
し、これらを接触させるための容器であり、ゼリー用溶
液とカルシウム溶液とを適量収納できるものであればよ
いが、カルシウム溶液をゼリー用溶液上に2層になるよ
うに静かに注ぐ必要があるため、図2に示すように中心
にヒンジを有し、折れ曲がるような構造になっている容
器を用いると好適である。また、上記製造用容器(1)
は、ゼリー様菓子を生成させるために特に用意されたも
のである必要はなく、例えば、喫食者が茶碗等適当な食
器を利用するようにしてもよい。
【0035】また、引き上げ用治具(2)は、ゼリー溶
液とカルシウム溶液との接触によって得られる薄膜状ゼ
リー様菓子を引き上げ、ひも状のゼリー様菓子を得るた
めのものであり、薄膜状のゼリー様菓子を引き上げ易い
形状のものであればよい。
【0036】特に、図1に示す箸状の挟持可能な形態の
ものは、ゼリー様菓子をつまんで引き上げることができ
るので、引き上げている途中でゼリー様菓子が滑り落ち
ることなく、また、ひも状にしやすいので好適である。
その他、ピンセット状やフォーク状の形態のものでもよ
い。また、材質はポリプロピレン、スチロール等の合成
樹脂や、木材等が挙げられ、特に限定されないが、つま
んだ薄膜状ゼリー様菓子が滑り落ちないように、先端の
表面が粗く加工されていることが好ましい。
【0037】また、この引き上げ用治具(2)は、特に
用意されたものである必要はなく、例えば、喫食者が、
家庭にある箸、フォーク、フック、針金、ピンセット等
を利用してもよい。
【0038】また、ゼリー様菓子を製造するための組合
せ菓子として製品化するに際しては、別々に容器詰めさ
れたゼリー用粉末成分とカルシウム溶液用粉末成分とを
1つの箱、袋等に収容して製品とする他、ゼリー様菓子
を製造する際に使用する製造用容器(1)や引き上げ用
治具(2)を添付して製品としてもよい。また、前述し
たように、各粉末成分を水溶液の状態としておいてもよ
い。
【0039】また、ゼリー用溶液あるいはカルシウム溶
液中にカラフルシュガーやチョコチップ等適当な固形物
を配合しておくと、ゼリー様菓子と共にこの固形物も同
時に引き上げられ、更に視覚的変化を大きくすることが
できる。また、生成したゼリー様菓子に、トッピングや
別の調味粉末、もしくはこれを溶かしたシロップ、ジュ
ース等をつけて食すると、風味上、更に好適である。
【0040】あるいは、予めゼリー用粉末成分かカルシ
ウム溶液用粉末成分中に、pHによって発色が異なる色
素や水溶化した時に発色する色素を添加しておき、ゼリ
ー様菓子化したあと、pHの異なるシロップ、水溶液等
につけて色変わりするようにしてもよい。
【0041】
【発明の効果】以上のように、本発明のゼリー様菓子の
製造方法は、喫食者が単にゼリー様菓子の食感、風味を
楽しむだけでなく、ゼリー用溶液上にカルシウム溶液を
載置し、ゼリー用溶液とカルシウム溶液とを接触させ、
その界面に生成した薄膜状のゼリー様菓子を引き上げ用
治具を用いて引き上げるという簡単な操作によって、瞬
時にひも状のゼリー様菓子が得られ、あたかも液体の中
から細長いひも状ゼリー様菓子が繰り出されているかの
ような意外性や動きの視覚的面白さや手作りの楽しさを
同時に楽しむことができるものである。
【0042】また、シロップやトッピング等を付加する
ことによって色調、風味、外観に変化を持たせることが
できる。
【0043】次に、本発明の組み合わせ菓子を実施例を
挙げて具体的に説明する。 (実施例1〜7、 比較例)表1に示す成分を混合し、ゼ
リー用粉末((A)成分)を得た。一方、カルシウム溶
液用粉末成分として、表1に示す成分を混合し、カルシ
ウム溶液用粉末((B)成分)を得た。上記のゼリー用
粉末成分とカルシウム溶液用粉末とを、それぞれ表1に
示す分量と水量の割合にて溶解し、ゼリー用溶液
((A)成分溶液)とカルシウム溶液((B)成分溶
液)とを得た。
【0044】上記のゼリー用溶液30gを椀状の容器に
入れ、この上に上記のカルシウム溶液20gを静かに流
し入れ、2層に積層した。上記2層の界面に生成した薄
膜状ゼリー様菓子を、割り箸を用いてつまみながら引き
上げてひも状ゼリー様菓子を得た。
【0045】上記実施例1〜7、比較例で得られたひも
状ゼリー様菓子の長さを測定し、また、下記に基づいて
風味及び食感を評価した。その結果を表1にあわせて示
す。風味・・・50名のパネルによる官能検査により、
得られたゼリー様菓子の風味について、非常においしい
(5点)、おいしい(4点)、普通(3点)、まずい
(2点)、非常にまずい(1点)の評価で判定し、その
平均値を示した。食感・・・50名のパネルによる官能
検査により、得られたゼリー様菓子の食感について、非
常に良い(5点)、良い(4点)、普通(3点)、悪い
(2点)、非常に悪い(1点)の評価で判定し、その平
均値を示した。
【0046】
【表1】
【0047】表1の結果より、実施例のゼリー様菓子
は、いずれも強度が十分で、引き上げた時にひも状に長
く引き上げることができ、視覚的面白さに富んでいた。
更に、風味及び食感に優れていた。これに対し、比較例
は、カルシウム溶液の比重が重すぎて積層したときに層
が逆転してしまい、界面に生成した薄膜状のゼリー様菓
子を治具で引き上げようとしても途中で切れてしまい、
ひも状にすることが出来なかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のゼリー様菓子を製造する方法の一工程
の様子を示す説明図。
【図2】本発明のゼリー様菓子を製造する方法の一工程
の様子を示す説明図。
【図3】本発明のゼリー様菓子製造時の一工程の断面の
様子を示す説明図。
【図4】本発明のゼリー様菓子を製造する方法の一工程
の様子を示す説明図。
【符号の説明】
1 製造用容器 2 引き上げ用治具 3 ゼリー用粉末成分 4 カルシウム溶液用粉末成分 5 カルシウム溶液 6 ゼリー用溶液 7 薄膜状ゼリー様菓子 8 ひも状ゼリー様菓子 10 水
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年10月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】また、ゼリー用粉末成分には、溶液とした
ときの比重を調整する目的で、上記ゲル化剤の他に、グ
ラニュー糖やブドウ糖等の糖類を適宜添加する。その
他、必要に応じて、色素香料等を適宜配合してもよい。
但し、ゲル化剤の溶解性の低下を防止する点で、2価の
カルシウム塩類及び酸は、なるべく添加しないことが望
ましい。また、ゼリーのゲル強度の低下を防止する点
で、1価のナトリウム塩類は添加しないことが望まし
い。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】また、ゼリー用成分を、予め水溶してゼリ
ー用溶液とし、容器に充填、殺菌する際、ゼリー用溶液
のpHは、好ましくは4.5以下、より好ましくは3.
5〜4.5になるように調整することが好適である。p
Hを4.5以下に調整することにより、ゼリー用溶液に
対する加熱殺菌等の条件(85℃25分程度)を緩和す
ることができ、それによって、ゲル化剤の安定性を保持
し得ると共に、香料等の変質を防止することができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】上記カルシウム溶液用粉末成分を、カルシ
ウム溶液にしたときのカルシウム濃度は、カルシウム溶
液全体重量中、0.09〜0.9%の範囲になるように
することが望ましい。上記カルシウム濃度が0.09
未満だと、得られるゼリー様菓子の強度が低くなり、引
き上げたときに切れ易くなる傾向にある。逆に、0.9
%を超えると、カルシウム塩類の味が強く出るようにな
り、得られるゼリー様菓子の風味が悪くなる傾向にあ
る。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正内容】
【0046】
【表1】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の工程を順次備えてなることを特徴
    とするゼリー様菓子の製造方法。 (1)下記(A)成分を水に溶解して(A)成分溶液と
    する工程。 (A)カルシウムイオンと接触してゼリー化するゲル化
    剤を含むゼリー用粉末成分。 (2)下記(B)成分を水に溶解して、上記(A)成分
    溶液との比重比が1.3未満の(B)成分溶液とする工
    程。 (B)カルシウム塩類を含むカルシウム溶液用粉末成
    分。 (3)上記(A)成分溶液上に上記(B)成分溶液を載
    置、積層する工程。 (4)上記(A)成分溶液中に引き上げ用治具を挿入す
    る工程。 (5)上記(A)成分溶液と(B)成分溶液との界面に
    生成したゼリー様菓子を、上記引き上げ用治具を用いて
    上方に引き上げる工程。
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JP2011055747A (ja) * 2009-09-08 2011-03-24 Kokuritsu Iyakuhin Shokuhin Eisei Kenkyusho マイコトキシンの体内への吸収を抑制する効果のある食品または飼料用添加剤
JP2020137504A (ja) * 2019-03-01 2020-09-03 クラシエフーズ株式会社 ゼリー菓子形成用トレイ及びそれを用いる組合せ菓子
WO2023026862A1 (ja) * 2021-08-23 2023-03-02 サントリーホールディングス株式会社 パターン入り液体の製造方法及びパターン入り液体の製造システム

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