JPH0646686A - 農業用遮光フィルム - Google Patents

農業用遮光フィルム

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JPH0646686A
JPH0646686A JP21845192A JP21845192A JPH0646686A JP H0646686 A JPH0646686 A JP H0646686A JP 21845192 A JP21845192 A JP 21845192A JP 21845192 A JP21845192 A JP 21845192A JP H0646686 A JPH0646686 A JP H0646686A
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JP
Japan
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light
film
shielding film
vinyl chloride
black
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JP21845192A
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English (en)
Inventor
Mitsuo Kawauchi
光雄 川内
Shoji Oka
昌二 岡
Shigehiro Koga
重宏 古賀
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JNC Corp
Original Assignee
Chisso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】夏期および気温の高い時期にハウスを利用して
有用野菜、特に栽培の困難である軟弱野菜を成育するの
に適した農業用遮光フィルムを提供することである。 【構成】熱可塑性合成樹脂に黒色系顔料を配合し、波長
400nm〜700nmの範囲における全光線透過率を25
〜85%に調節する事を特徴とする農業用遮光フィル
ム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は農業用遮光フィルムに関
する。更に詳しくは、作業性、生産性に優れ、特に夏期
の強い光線下でホウレン草、チンゲン菜等のような軟弱
野菜を栽培するのに有効な農業用遮光フィルムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、農業においてハウス栽培が広く普
及しており、その被覆資材として、塩化ビニル系樹脂、
エチレン系樹脂、エステル系樹脂等の熱可塑性合成樹脂
を原料としたフィルムが、広く使用されている。これら
の被覆資材は、ハウス内を適温に保って有用野菜、すな
わち収益を目的とした植物の成育を促すものであるが、
夏期の強い日差しを浴びたり、強い日差しによりハウス
内が高温になると、植物によっては成育遅れや枯死を生
じる場合がある。特に、外気の低下する秋から冬にかけ
て栽培されるホウレン草、チンゲン菜等のような軟弱野
菜を夏場に栽培しようとすると苗の立枯れ等の病害が発
生する。
【0003】一般に、このような問題を防止するため、
遮光性や断熱性のある被覆資材をハウスに展張する方法
が用いられている。そして、このような被覆資材には、
塩化ビニル系樹脂やエチレン系樹脂等の熱可塑性合成樹
脂にアルミニウム粉末を練り込んだフィルムや表面に金
属を蒸着したフィルム等がある。このなかでも、塩化ビ
ニル系樹脂にアルミニウム粉末を練り込んだフィルム
は、赤外線を遮断するので、冬期における夜間の保温資
材として、ハウスの内張りカーテンや露地トンネルの霜
よけなどに、シルバービニルと称せられて広く利用され
ている。また、植物の種類によっては、遮光することに
より、花芽分化が促進される植物もあり、開花時期を調
節することを目的として遮光性フィルムを用いる場合も
ある。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】しかし、このような
遮光性および断熱性フィルムは、光線を殆ど透過しない
ので、遮光効果は大きいが、葉の色付きを悪化させると
いう欠点を有している。このため、光合成を必要とする
有用野菜には適さないフィルムであった。本発明の目的
は、これらの問題点を解決し、夏期及び気温の高い時期
にハウスを利用して有用野菜、特に軟弱野菜を栽培する
のに適した農業用遮光フィルムを提供することである。
【0005】
【課題を解決する手段】本発明者らは、上記の問題点を
解決するため鋭意研究の結果、下記の農業用遮光フィル
ムが上記の問題点を解決する事を見出し本発明に到達し
た。本発明の内容は、以下の通りである。 (1)熱可塑性合成樹脂に黒色系顔料を配合し、波長4
00nm〜700nmの範囲における全光線透過率を25〜
85%に調節した農業用遮光フィルム。 (2)熱可塑性合成樹脂に黒色系顔料および紫外線吸収
剤を配合し、波長400nm〜700nmの範囲における全
光線透過率を25〜85%に調節した(1)の農業用遮
光フィルム。 (3)黒色系顔料が、アニリンブラック、無機顔料ヘマ
タイト及びペリレンブラックのうちの1種または2種以
上の混合物である(1)および(2)農業用遮光フィル
ム。
【0006】本発明に使用される熱可塑性合成樹脂とし
ては、塩化ビニル系樹脂、エチレン系樹脂、エステル系
樹脂等が挙げられる。塩化ビニル系樹脂としては。ポリ
塩化ビニル、塩化ビニルを主体とし、これと他のモノマ
ー、例えば酢酸ビニル、エチレン、プロピレン、アルキ
ルビニルエーテル、アクリル酸エステル、メタクリル酸
エステル、アクリロニトリルなどとのコポリマーや、ポ
リ塩化ビニルまたは前記コポリマーと、塩素化ポリエチ
レン、などの塩素を含有するポリマーまたはコポリマー
とのポリマーブレンド等があげられる。塩化ビニル系樹
脂は、重合度が800〜2000の範囲から選ばれたも
のが好ましい。エチレン系樹脂としては、LDPEやE
VAが挙げられる。
【0007】本発明に使用される熱可塑性合成樹脂に
は、本発明の効果を損なわない程度に安定剤、酸化防止
剤、可塑剤、安定化助剤、防曇剤、防霧剤、紫外線吸収
剤、滑剤、着色剤等の添加剤を配合してよい。特に、塩
化ビニル系樹脂を用いる場合、可塑剤の配合量を調節す
ることによって硬質塩化ビニル系樹脂組成物として使用
する方法と軟質塩化ビニル系樹脂組成物として使用する
方法があるが、一般に、農業用フィルムとしては、柔軟
性、保温性、作業性等の良い点から軟質塩化ビニル系樹
脂組成物が推奨されている。
【0008】本発明の農業用遮光フィルムは、熱可塑性
合成樹脂に塩化ビニル系樹脂を用いる場合、通常の農業
用塩化ビニル系フィルムとして使用されている配合処方
に黒色系顔料を配合することによって得ることができる
が、この配合処方によって得られるフィルムは、波長4
00nm〜700nmの範囲における全光線透過率が25〜
85%となるように、黒色系顔料の配合量を適宜調節す
る必要がある。塩化ビニル系樹脂を用いる時の農業用遮
光フィルムの配合処方としては、塩化ビニル系樹脂10
0重量部に対し、可塑剤を30〜70重量部、Ca−Z
n系またはBa−Zn系の複合安定剤、黒色系顔料、紫
外線防止剤を適量配合したものが好ましい。
【0009】本発明に使用される黒色系顔料としては、
アニリンブラック、無機顔料ヘマタイト及びペリレンブ
ラックのうちの1種または2種以上を混合したものが好
ましい。これらの黒色系顔料は、一般に市販されている
黒色系顔料で充分であるが、均一な色調と平滑な表面状
態のフィルムを得るために、10μm以下の粒子径を有
するものが望ましく、アニリンブラックには、アイ・シ
ー・アイ・ジャパン社製のMONOLITE BLAC
K Bが好ましく、同様に無機顔料ヘマタイトには、日
本フェロ社製のヘマタイトV−700、ペリレンブラッ
クには、BASF社製のPaliogen Black
K−0084が好ましい。
【0010】紫外線吸収剤としては、紫外線領域の波長
を遮蔽し、軟弱野菜の成育を良くし、かつ害虫等の発生
を抑えることができれば、一般に市販されている紫外線
吸収剤で充分であるが、好ましくは、2ーヒドロキシー
4ーnーオクトキシベンゾフェノンのようなベンゾフェ
ノン系や2ー(2ーハイドロキシー5ーメチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾールのようなベンゾトリアゾール系
の紫外線吸収剤が好ましい。
【0011】本発明の農業用遮光フィルムに用いる組成
物は、上述の各種添加剤を通常の攪拌混合器、たとえば
ヘンセルミキサー(商品名)、バンバリーミキサー等を
用いて攪拌混合することによって得られ、また、該混合
物を通常の単軸押出機または二軸押出機などで溶融混練
してペレット化することによってペレットとして得るこ
ともできる。本発明の農業用遮光フィルムは、かかる組
成物を通常のカレンダー加工法、Tダイ法、インフレー
ション法といった一般的な熱可塑性合成樹脂フィルムの
製造方法によって得ることができる。カレンダー加工法
は、組成物をL型または逆L型カレンダーロールにて圧
延して、所定の厚みのフィルムに成形する方法である。
Tダイ法やインフレーション法は、組成物を押出機によ
り加熱混練し、ダイを介してフィルムに成形する方法で
ある。
【0012】本発明の農業用遮光フィルムの厚みは、3
0〜250μmであるが、50〜200μmがより一般
的である。本発明の農業用遮光フィルムは、波長400
nm〜700nmの範囲における全光線透過率が25〜85
%でなくてはならない。波長400nm〜700nmの範囲
における全光線透過率が25%未満では、光線不足によ
る栄養成長が妨げられたり、徒長現象を生じたりする。
一方85%を越えると、夏場の強光により幼苗の枯死し
たり、肥大しにくくなる。
【0013】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れらの実施例に限定されるものではない。実施例及び比
較例に用いられる塩ビコンパウンドとは、以下の配合物
を、ヘンセルミキサーに投入し、3分間攪拌混合して得
られた塩化ビニル系樹脂組成物である。 塩化ビニルホモポリマー(重合度1300) 100 (重量部) ジー2ーエチルヘキシルフタレート 45 トリクレジルフォスフェート 5 エポキシ系樹脂 2 Ba−Zn複合安定剤 1.5 ソルビタンモノパルミテート 1.5 メチレンビスステアリン酸アミド 0.5
【0014】(実施例1〜5、比較例1〜4)塩ビコン
パウンドと後述の表1に記載した顔料または/および紫
外線吸収剤をリボンブレンダーに入れ、25分間攪拌し
た後、該混合物を溶融加熱温度200℃のバンバリーミ
キサーにて混練し、溶融加熱温度150℃の逆L型カレ
ンダーロールにて圧延して、厚さ75μmの農業用遮光
フィルムを作成した。得られたフィルムの全光線透過率
を後述の試験法に準じて測定し、その結果をを表1に示
した。次に、得られたフィルムを用いて図1に示す間口
部高さ1.2m、長さ3.0mのトンネル状ハウスを製
造し、後述する実栽培試験法に準じてホウレン草を栽培
し、成育したホウレン草の葉面積指数ならびに葉色を後
述の試験法に準じて測定し、その結果を表1に示した。
【0015】(試験法) 1.フィルムの全光線透過率 日本電色工業(株)製のヘイズメーターを使用し、実施
各例で得られた厚み75μmのフィルムの波長400nm
〜700nmの範囲の全光線透過率を測定したものであ
る。 2.ホウレン草の実栽培試験 試 験 ハ ウ ス:間口部高さ1.2m、長さ3.0
mのトンネル状ハウスである。(ただし、地面から0.
15mは、空気を循環させるため展張していない。) 試 験 場 所 :熊本県水俣市の農場 フィルムの展張期間:平成2年7月〜10月。 栽 培 作 物 :ホウレン草(アトラス)、8月5
日定植〜10月。 3.ホウレン草の葉面積指数 上述2のホウレン草の実栽培試験にて、栽培されたホウ
レン草の成育状態を、葉面積指数をもとに評価した。葉
面積指数とは、ホウレン草の葉の面積を(草丈×葉幅)
/2で表わし、ランダムに採取した20枚の葉面積の平
均値を示した指数である。数値が大きい程、ホウレン草
の成育状態が良好であることを示す。 4.ホウレン草の葉色 上述2のホウレン草の実栽培試験にて、栽培されたホウ
レン草の成育状態を、葉色をもとに評価した。ホウレン
草の葉色は、富士平工業(株)製の葉色カラースケール
によって測定したものである。数値が大きい程、ホウレ
ン草の成育状態がより自然な状態であることを示す。
【0016】
【表1】
【0017】
【発明の効果】本発明の農業用遮光フィルムは、野菜の
成育に適した波長の光線を、野菜の成育に適した量与え
ることができるので、夏期および気温の高い時期にハウ
スを利用して、有用野菜、特に栽培の困難であるホウレ
ン草やチンゲン菜のような軟弱野菜を生産性良く栽培す
ることができる。
【0018】
【図面の簡単な説明】
図1は、実施各例にてホウレン草の実栽培試験を行った
時に用いたハウスを示したものである。 1.農業用遮光フィルム展張部、2.間口部、3.未展
張部
【0019】
【図1】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性合成樹脂に黒色系顔料を配合
    し、波長400nm〜700nmの範囲における全光線透過
    率を25〜85%に調節する事を特徴とする農業用遮光
    フィルム。
  2. 【請求項2】 熱可塑性合成樹脂に黒色系顔料および紫
    外線吸収剤を配合し、波長400nm〜700nmの範囲に
    おける全光線透過率を25〜85%に調節する事を特徴
    とする請求項1記載の農業用遮光フィルム。
  3. 【請求項3】 黒色系顔料が、アニリンブラック、無機
    顔料ヘマタイト及びペリレンブラックのうちの1種また
    は2種以上の混合物である事を特徴とする請求項1およ
    び2記載の農業用遮光フィルム。
JP21845192A 1992-07-24 1992-07-24 農業用遮光フィルム Pending JPH0646686A (ja)

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