JPH0645869Y2 - ベルト走行路用荷重支持装置 - Google Patents

ベルト走行路用荷重支持装置

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JPH0645869Y2
JPH0645869Y2 JP3966989U JP3966989U JPH0645869Y2 JP H0645869 Y2 JPH0645869 Y2 JP H0645869Y2 JP 3966989 U JP3966989 U JP 3966989U JP 3966989 U JP3966989 U JP 3966989U JP H0645869 Y2 JPH0645869 Y2 JP H0645869Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 A.産業上の利用分野 この考案は、自動車用タイヤ、又はシャーシダイナモメ
ータの如き自動車の性能の試験に使用される路面を模擬
したベルト走行路用の荷重支持装置に関する。
B.考案の概要 本考案は、液体を使用した荷重支持装置のベルトとの対
向面側にベルトの走行方向およびこれと直角な方向に矩
形状のポートを任意間隔をもって縦列および横列に配設
したものにおいて、ポートをベルト走行方向に一列おき
に列をずらして設け、プレート面をベルト走行方向から
みて両端部を除き、どの位置にもポートが存在するよう
にしたものである。
C.従来の技術 自動車用タイヤの走行試験や、又は自動車の走行性能試
験用として、平坦な路面を模擬した無端ベルトが使用さ
れている。この無端ベルト(以下、ベルトと略称する)
は、その中央部でタイヤに加わる荷重を支える必要があ
り、タイヤ載置部分に荷重支持装置が設けられている。
この荷重支持装置は、ベルトの走行を円滑に支持するた
め、一般には、水又は油等の液体をベルトの接触面に供
給して支持する機能を備えている。
第2図はこの基本構成を示すもので、2つのローラ30,3
1と、このローラ30と31間に張設された薄い鋼帯による
可撓性のベルト32と、このベルト32の略中間で、タイヤ
35が載置される部位のベルトの裏側に設置され、タイヤ
35に加わる荷重を支えるベルト走行路用の荷重支持装置
34とを備え、自動車等のタイヤを試験する場合は、その
駆動輪のタイヤ35をベルト32上に載置し、タイヤに荷重
を加えて路面を模擬したベルト走行路に圧縮し、その変
形又はスリップ角或はキャンバー角を与えて圧縮した場
合の変形およびローラの駆動トルク等を計測して対路面
タイヤの試験を行う。
また、シャーシダイナモメータ用として自動車等の走行
性能を測定する場合は、全駆動輪を路面を模擬したベル
ト上に乗せ、ローラ30,31の回転軸33にトルクメータ,
フライホイール,直流式ダイナモメータ等を連結して、
ベルト上で自動車を走らせ、実際に道路上を走る時に発
生する負荷を自動車に与え、様々な運転パターンによる
エンジンの燃費や動力性能、耐久試験等を行う。
上記の荷重支持装置34は、駆動輪のタイヤ35に加わる荷
重を支え、しかもベルト32の走行を円滑に行う必要があ
り、試験装置の重要な部分であるため、これに適した種
々の装置が提案されている。
一般的には、ベルトとの接触面側に、水又は油の液体
(以下、水を使用した例について説明)を供給して、こ
の水の動力又は静圧を利用してベルトの円滑な走行を行
わせる方法が採られている。
動圧によるものとしては、特開昭56-129836号公報に開
示されている。その概略を第3図により説明すると、荷
重支持装置34のベルト32と対向するプレート板P上に、
ベルトの走行方向と直角な方向に複数の長溝36が設けら
れ、この角長溝36の中央部に給水孔37が穿設され、この
給水孔37に図示省略した給水路から水を供給するように
している。
なお、図中39は水回収溝、40は溝に嵌入されたフエルト
シールを示している。
タイヤの荷重は、ベルト32を介して荷重支持装置34に与
えられる。このとき、給水路(図示省略)から給水孔37
に水を供給し、長溝36に噴出させて、ベルト32を走行さ
せると、長溝36の溝間の水平面のランド部38には、水力
学的に生起された液膜上の動圧が生じ、この動圧により
ベルトが支えられる。
また、ベルトを静圧により支持するものとしては、特開
昭55-128140号公報に開示されている。
このものは、第3図の長溝に代えて多数の区画された円
形の噴水孔を設けて、この噴水孔より高圧水を噴出させ
てベルトを浮上させて支持する。
D.考案が解決しようとする課題 動圧による第3図のものは、少量の水で足りる利点があ
るが、しかし、ベルトが運動して後に、剪断作用が働
き、ベルトを支持するに必要な圧力が生起されるので、
ベルトの始動開始時には、ベルトとプレート板間には、
動圧は発生しないため、ベルトとプレート板とが強く圧
接摺動されて損傷する。また長溝は、ベルトの走行方向
と直角な方向に延びた1条の溝から成るので、ベルトに
荷重の偏りがあってベルトが傾くと、ベルトの荷重の少
ない方の端縁側が浮き、ここから水が漏れ、ベルトを支
持する圧力が低下して、円滑な支持か損なわれる。
また、静圧によるものは上述の課題はないが水の圧力で
ベルトを浮上させ、ベルト32とプレート板Pの間に隙間
を作ってベルトを走行させるので、高圧力の水を大量に
供給する必要があり、水供給設備も大きなものとなり、
また定常時に大量の水を循環させるので、水温の調節に
も大きな設備が必要とする。
更に、供給される水が高圧であるため、荷重支持装置の
外部に水が飛散するので、これを防止する完全なシール
機構を備える必要がある。
そこで、本願の出願人は、複数の区画した矩形状のポー
トを縦列および横列に配設して、動圧と静圧の両方を利
用してベルトを支持するようにして従来の課題を解決す
るものを提案した。
第4図はそのプレート板Pの平面図、第5図は第4図の
A-A断面図で、テフロン等の滑動部材より成るプレート
板Pの表面に開口した矩形状のポート1を、ベルト32の
走行方向X(以下、X方向と称す)に任意間隔をもって
縦列に配設され、この縦列配設されたものが、ベルト走
行方向と直角な方向Y(以下、Y方向と称す)に任意間
隔をもって横列に配設され、このポート1はX方向に円
弧状に窪んだポケット部を有し、その中央に噴出孔2が
穿設されている。この噴出孔2は、基板Bに設けられて
いる給水路3に連通され、図示省略した給水源から水又
は油の液体が供給される。
なお、ポート1は、X方向に窪ませることなく、第6図
に示すように矩形状のポケットとし、そのY方向の開口
端縁を欠除した流出面5を設けてポートからベルト走行
方向に水に流出がしやすいようにしてもよい。
プレート板Pをこの様に形成し、ベルトの停止状態から
始動(スタート)させるときは、ポート1に高圧水を供
給してベルト32を浮上させ、ベルトとプレート板Pを離
してスタートさせ、スタート時のベルトとプレート板と
の摩耗および測定誤差となる摩擦損を無くし、また、ベ
ルトがスタートしてある程度走行速度が上昇したとき
に、水の供給圧力を下げて、ポートから流出する水の水
膜で支持するようにして、動圧および静圧支持の各課題
を解決した。
しかし、この場合、第4図の斜線を施した部分、即ち、
縦列間の平面部4には水膜が生じ難いので、プレートP
の全体での動圧支持に限界があることが判明した。
そこで、本考案は、この動圧支持での支持力を更に印加
させることを目的としてなされたものである。
E.課題を解決するための手段 2つの回転ドラム間に張設されて走行する無端ベルト
を、その中間部でベルトの上面に加わる荷重をベルトの
下面で支える支持装置であって、そのベルトとの対向面
に複数のポートを設け、このポートに液体を供給してベ
ルトの走行を円滑に支持する荷重支持装置において、前
記ポートの開口部を矩形状となし、該ポートをベルト走
行方向と直角な方向に任意間隔をもって複数個横列に配
設し、この横列配設されたものをベルト走行方向に任意
間隔をもって複数列配置するとともに列上のポートが1
列おきに位置をずらして、ベルト走行方向からみて両端
部を除きどの位置にもポートが存在するように配設す
る。
F.作用 ベルト走行路では、停止から低速度,高速度領域までベ
ルトの走行速度制御が行われ、各領域での試験が行われ
る。この考案では、停止から低速域までは、ポートに高
圧水を供給してベルトを浮上させ、ベルトとプレート板
Pを離す。即ち静圧で支持し、スタート時のベルトとプ
レート板の摩耗および摩擦損を減少させる。
ベルトの走行速度が上昇し、液体の剪断による応力が発
生する速度域に達した後は、液体の供給圧力を下げ、供
給量を減らす。このときベルト走行方向からみて両端を
除きどの位置にもポートが存在するので、両端部を除き
プレート板全面に動圧を生じてベルトが円滑に支持され
る。
G.実施例 以下、本考案を図面に示す一実施例に基づいて説明す
る。
第1図は、本考案の一実施例たるプレート板の平面図を
示し、第2図〜第6図と同一機能又は同じ名称の部分に
はこれらの図と同じ記号を付して説明を省略する。
しかして1はポートで、第5図および第6図と同様にプ
レート板Pの表面に矩形状に開口し、厚み方向に円弧状
又は矩形状に窪んだポケット部を有し、中央部には噴出
孔2が穿設されている。本考案は、このポート1の配列
に特徴を有する。即ち、ポート1は、Y方向に任意間隔
hをもって複数個(第1図では3個)横列に配設され、
また、この横列配設されたものがX方向に間隔Hをもっ
て複数列(第1図では5列)配設され、更にこの列上の
ポート1の位置が1列おきにずらしてポート1がX方向
からみて両端部を除きどの部分にも存在するようにす
る。即ち、第4図の平面部4の部分にも1列おきにポー
トを設ける。
従ってベルト走行方向からみたとき、両端部以外は、ど
の位置からみてもポートが存在することになり、プレー
ト板Pの表面に形成される水膜部分が増大し、動圧での
支持力が増し、円滑なベルトの支持が可能となる。
H.考案の効果 本考案は、以上のように、液体の静圧と動圧を利用する
ことができるようになし、且つポートの配置をX方向か
らみて両端部を除き全面に存在するように配設したの
で、次の効果を発揮する。
(1)ベルトのスタート時に加圧水を供給して静圧でベ
ルトを支持することができるので、スタート時のベルト
とプレート板との摺動接触が無く、従ってベルトとプレ
ート板の摩耗が生じないため、この部分のメンテナンス
の必要がなくなる。
また、スタートトルクのロスが発生しないので、測定の
誤差を生じない。
(2)ベルトに荷重の偏りがあってベルトが傾いても矩
形状の出水口は区画されていて個々に給水されるので、
水漏れによる支持力の低下はきたさない。
(3)ベルトのスタート時か低速度にのみ加圧水を供給
し、速度上昇後は、低圧水として動圧でベルトを支持す
るので、全体的に使用水量を少なくできるため、水タン
ク又はポンプ等の水供給設備を小さくでき、また外部へ
の水漏れを防止するシール機構も比較的簡単なもので済
む。
(4)循環水量が少ないので、水温管理の温度調整装置
を小さくできる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例たるプレート板の平面図、第
2図は試験装置の全体の概略図、第3図は従来例の支持
装置の要部切截平面図、第4図は従来例のプレート板の
平面図、第5図は第4図のA-A線における断面図、第6
図は他の例における要部断面図である。 1……ポート、2……噴出孔、3……給水路、P……プ
レート板、B……基板。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】2つの回転ドラム間に張設されて走行する
    無端ベルトを、その中間部でベルトの上面に加わる荷重
    をベルトの下面で支える支持装置であって、そのベルト
    との対向面に複数のポートを設け、このポートに液体を
    供給してベルトの走行を円滑に支持する荷重支持装置に
    おいて、前記ポートの開口部を矩形状となし、該ポート
    をベルト走行方向と直角な方向に任意間隔をもって複数
    個横列に配設し、この横列配設されたものをベルト走行
    方向に任意間隔を持って複数列配置するとともに、列上
    のポートが1列おきに位置をずらしてベルト走行方向か
    らみて両端部を除きどの位置にもポートが存在するよう
    に配設したことを特徴としたベルト走行路用荷重支持装
    置。
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