JPH0645548Y2 - 作業用ステージ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ この考案は足場用ステージに関し、より詳しくは、工事
現場等で使用する移動可能な作業台であって、特に建物
の高所における内装や外装工事に有用な足場用ステージ
に関する。

＜従来技術と、考案が解決しようとする課題＞ 従来より、天井工事等における内装足場は、脚立等を支
柱がわりに使用し、その上に道板を敷き詰めて足場を組
んでいる。こうした足場では、作業が完了して次の作業
場所に移動する際には、一旦組み上げた足場を資材単位
にまで解体しなければならず、足場の組み替えや移動に
多大な時間と労力を必要としていた。しかも、移動先で
天井の高さが変われば、それに応じた高さの脚立を用意
するか、脚立の踏み板部に道板を受ける鋼管を差し替え
てその高さ位置を調製しなければならない。天井の高さ
に応じた脚立を用意する場合には、資材点数が増加し、
また、道板を受ける鋼管を差し替えてその高さ位置を調
製する場合には、脚立頭部が足場床面より突出し作業性
を悪くすると共に、多大な危険を伴うものであった。

そこで、近時、組立・分解が容易であって、且つ高さ位
置も簡単に調整ができる足場用作業台が提案されている
（実開昭59−186338号公報参照）。

ところが、この公報に開示の足場用作業台にあっては、
一対の脚体が連杆により作業台の長手方向（縦方向）に
対設される構造を採り、連杆が脚体の脚柱に対し脱着可
能に取り付けられていることから、作業台同士を連結す
る場合には、この連杆の脱着時に縦方向でしか連結でき
ないという問題があった。これでは、作業台の配置等に
おいてはその方向性に制限が加わり、作業性が悪くなる
と共に、横方向に対する止定手段がないことから作業台
の横ズレが起こり、危険ですらある。なお、結束線など
により作業台同士を縛って係留しておくことも考えられ
るが、結束線の掛け外しに手間がかかり実用性に欠け
る。

＜考案の目的＞ この考案は上記問題点に鑑みてなされたものであり、容
易に組立・分解が行なえるとともに高さの調節が簡単に
でき且つ、配置における方向性の制限をなくして設置の
作業性を良くすると共に、安全に作業を行うことができ
る作業用ステージを提供することを目的とする。

＜課題を解決するための手段＞ 上記目的を達成するためのこの考案の成形型は、足場板
を載置するステージ枠組を具備し、ステージ枠組は、連
結バー及び、その両端にそれぞれ結合される筒状の脚柱
よりなる脚部材と、一対の脚部材を所定間隔を隔てて対
設する連結杆と、横バー及び、その両端に上記脚柱に対
向してそれぞれ結合され且つ高さ位置調製可能に脚柱内
に挿入される支持杆よりなる上枠部材とを備えてなる作
業用ステージにおいて、脚部材及び上枠部材に、これら
と平行に配置される横継杆を結合する連結手段を設けて
あり、脚部材側の連結手段は、脚部材間に渡した横継杆
に対するボルトと締付けナットからなり、上枠部材側の
連結手段は単管パイプによる横継杆に対するクランプか
らなることを特徴とする作業用ステージ。

＜作用＞ 上記構成によれば、一対の脚部材を所定間隔を隔てて対
設する連接杆を設けてあり、これを脚部材の脚柱に対し
脱着可能に取り付けていることから、従来のものと同様
に作業台同士をいわゆるその縦方向で連結できると共
に、脚部材及び上枠部材にそれぞれ適応させて、これら
と平行に配置される横継杆を結合する連結手段を設けて
あるので、作業用ステージ同士のいわゆる横方向での連
結・止定を脚部材側と上枠部材側の双方で可能にし、ま
た、安全面においては、作業用ステージの横ズレを防止
することができる。

＜実施例＞ 次いで、この考案の実施例について図を参照しながら以
下に説明する。第１図はこの考案の一実施例にかかる作
業用ステージの斜視図である。

第１図において、作業用ステージは、ほぼ矩形の足場板
（13）を高さ位置調整可能に載置するステージ枠組
（Ａ）を具備している。このようなステージ枠組（Ａ）
は、例えば、全体が金属棒又は金属パイプよりなるもの
であって、組立・分解可能に組み付けられており、主と
して、下部枠部材を構成する一対の脚部材（４）と、こ
れら一対の脚部材（４）を所定間隔を隔てて対設する連
接杆（５）と、上記脚部材（４）に高さ位置調整可能に
取り付けられる上枠部材（10）とからなっている。

脚部材（４）は、第２図から分かるように、設置面
（Ｅ）に対して上下に水平配備される一対の連結バー
（１）（１）と、これら一対の連結バー（１）（１）の
左右両端に夫々一体に結合される中空筒状の脚柱（２）
（２）とよりなっている。この場合、脚柱（２）の上端
は、後述する支持杆（７）を上方より挿通容易に導入す
るために開口されており、また、脚柱（２）の側面に
は、上方より導入した支持杆（７）を所定高さ位置に止
定する止めピン（12）挿通用の孔（11）が穿設されてい
る（第４図参照）。なお、脚柱（２）の下端には、車輪
（14）に圧接可能なブレーキ（15）を有するストッパー
付きキャスター（16）が装着されている。第２図中、符
号（18）はブレーキ（15）のブレーキペダルである。

次いで、第１図及び第４図から分かるように、一対の上
記脚部材（４）（４）を所定間隔を隔てて対峙させた状
態で、これら脚部材（４）（４）の一方側（右側）又は
他方側（左側）の脚柱（２）（２）同士には、ボルト
（30）及び締付けナット（31）により連接杆（５）が取
り外し自在に螺着されている。連接杆（５）は、互いの
中央部で交差して回動可能に軸着（ｂ）された２本１組
の竿（5a）（5b）により構成されており、強度的に優れ
るいわゆる筋違いに設けられている（第１図参照）。こ
の連接杆（５）としては連結バー（１）よりも長尺に設
けられており、ステージ枠組（Ａ）が一方向（第１図で
見て縦方向）に伸びて長尺体となるように、上記一対の
脚部材（４）（４）を対設するものである。なお、この
他、上記２本１組の竿をステージ枠組（Ａ）の下部に水
平に取り付けて、ステージ枠組（Ａ）の水平方向におけ
る補強用の筋かいとして用いることも好適である。

また、上記上枠部材（10）は、第２図から分かるよう
に、連結バー（１）の上方に対応配置される横バー
（９）と、横バー（９）の両端に上記脚柱（２）（２）
に対向してそれぞれ一体に結合される支持杆（７）
（７）とよりなっている。この場合、支持杆（７）とし
ては、上記脚柱（２）に上方より挿脱可能に挿入できる
ように設けられており、しかもその側面には、脚柱
（２）に上方より挿入された状態で、脚柱（２）に穿設
されてある孔（11）に所定高さ位置で合致して挿通する
複数の通孔（６）が形成されている。通孔（６）は、第
４図に示すように、孔（11）に合致した状態で、孔（1
1）に挿入される止めピン（12）を連通可能に導入する
ものであり、この止めピン（12）は、孔（11）と通孔
（６）とに挿脱可能に貫通して支持杆（７）を脚柱
（２）の所定高さ位置に固定するものである。なお、止
めピン（12）には、脚柱（２）に係止される係止リング
（32）を設けた鎖（33）が装着されており、孔（11）か
ら外された止めピン（12）が脚柱（２）より離反しない
ように設けられている。また、一定間隔に対設された横
バー（９）（９）には、横バー（９）（９）間の距離に
ほぼ等しい長さの板状の足場板（13）が公知の係合手段
によりその長手方向に係止されている。

即ち、足場板（13）の両端部には、第３図に示すよう
に、横バー（９）に係合する係止鉤（21）が突設されて
おり、この係止鉤（21）には、上下に摺動可能な係合板
（23）が取り付けられている。係合板（23）の係止鉤
（21）への取付け状態としては、係止鉤（21）の側面下
部に突設された突起（22）が係合板（23）に形成されて
ある円弧状の摺動孔（23a）に遊嵌されていて、係合板
（23）の下部が横バー（９）の下側に回り込み、係止鉤
（21）が横バー（９）より外れないように設けられてい
る。なお、係合板（23）を上に回せば、横バー（９）よ
り係止鉤（21）を外すことができ、容易に足場板（13）
を取り外すことができる。

そして、この考案の特徴的構成要素としては、脚部材
（４）の脚柱（２）、及び上枠部材（10）の支持杆
（７）のそれぞれに、これらと平行に、即ちステージ枠
組（Ａ）の横方向に差し渡し配置される横継杆（17）、
及び（19）を結合する連結手段が設けられてあることで
ある。

脚柱（２）に設けられる連結手段としては、第２図及び
第４図に示すように、横継杆（17）を脚柱（２）に取り
付けるボルト（40）と締付けナット（41）である。ボル
ト（40）は、上記連接杆（５）の脚柱（２）への取り付
けに用いたボルト（30）と同様に、脚柱（２）の側面に
取外し可能に上下に２個捩じ込まれている。横継杆（1
7）は、竿状或いは板状のものであれば何でもよいが、
その両端にはボルト（40）等により止定されるためのね
じ孔が形成されてあり、特に、強度的に優れる筋違い状
に設けられてあるのが好適である。

支持杆（７）に設けられる連結手段としては、第２図及
び第３図に示すように、ステージ枠組（Ａ）のその横方
向に差し渡された横継杆（19）を支持杆（７）に結合す
る単管パイプ用のクランプ（45）である。この横継杆
（19）としては、単管パイプが選ばれる。

クランプ（45）は、第３図から分かるように、支持杆
（７）の上端部に全方位回動可能に取り付けられる下部
受部（46）と、下部受部（46）に水平設置された横継杆
（19）の上部側に当接し、下部受部（46）と協働して横
継杆（19）を挾持固定する上部押部（47）とよりなって
いる。このクランプ（45）では、上部押部（47）が下部
受部（46）にヒンジ部（48）を介して上下に開閉可能に
取り付けられてあり、しかも上部押部（47）の回動先端
部から内側に切り込まれてある凹溝（49）に、下部受部
（46）の先端に起伏可能に軸着されてあるボルト（50）
を差し入れて、上部押部（47）を下部受部（46）にナッ
ト（51）で締付け固定できるように設けられている。

本考案は以上に述べたような構成を有しているので、連
結バー（１）及び脚柱（２）（２）を有する脚部材
（４）と、一対の脚部材（４）（４）を所定間隔を隔て
て対設する連接杆（５）と、横バー（９）及び支持杆
（７）（７）を有する上枠部材（10）と、足場板（13）
とを組立てることにより、止めピン（12）によって高さ
調節が可能な作業用ステージを形成することができる。

そして、それに加えて、上記特徴的構成要素の１つであ
るボルト（40）と締付けナット（41）により、第２図に
示すように、横継杆（17）をステージ枠組（Ａ）の脚柱
（２）と相隣るステージ枠組（Ａ′）の脚柱（２）に取
り付けて、これらステージ枠組（Ａ）（Ａ′）が互いに
横方向に連結されるように設けることができる。また、
上記特徴的構成要素の１つであるクランプ（45）によ
り、横継杆（19）をステージ枠組（Ａ）の支持杆（７）
と相隣るステージ枠組（Ａ′）の支持杆（７）に取り付
けて、これらステージ枠組（Ａ）（Ａ′）が互いに横方
向に連結されるように設けることができる。これによれ
ば、作業用ステージ（Ａ）（Ａ′）同士の横方向での連
結・止定を脚部材側と上枠部材側の双方で可能にし、ま
た、安全面においては、作業用ステージの横ズレをでき
るだけ防止することができる。なお、ステージ枠組
（Ａ）の横方向に差し渡されて取り付けられる横継杆
（17）（19）としては、その他端（17a）（19a）におい
て、適宜ステージ枠組（Ａ）の横側方に立設されている
壁面や鉄骨（Ｂ）に止定されるように設けられてあって
もよい。こうしておけば、作業用ステージ（Ａ）の横方
向での連結・止定をより一層確実に行うことができ、且
つ作業用ステージの横ズレを完全に防止することができ
る。

なお、上記実施例では、ステージ枠組（Ａ）と相隣るス
テージ枠組（Ａ′）とを互いに横方向に連結する横継杆
（17）を結合するものとして、ボルト（40）と締付けナ
ット（41）を脚柱（２）に、また横継杆（19）を結合す
るものとして、クランプ（45）を支持杆（７）に設けて
ある場合について説明したが、その他この考案の要旨を
変更しない範囲で種々の設計変更を施すことができる。

＜考案の効果＞ 以上のように、この考案の作業用ステージによれば、容
易に組立て分解が行なえるとともに高さの調節が簡単に
でき且つ作業用ステージ同士を縦方向で連結できること
に加えて、その作業用ステージ同士の横方向での連結・
止定を脚部材側と上枠部材側の双方で横継杆に対する簡
易な構造の連結手段によって可能にしているので、配置
における方向性の制限をなくして設置の作業性を良くす
ることができる。また、作業用ステージの横ズレを防止
することができることから、安全に作業を行うことがで
きるという特有の実用的効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例にかかる作業用ステージの
斜視図、 第２図は、作業用ステージの連結状態等を示す説明図、 第３図及び第４図は作業用ステージの要部拡大斜視図で
ある。 （１）…連結バー、（２）…脚柱 （４）…脚部材、（５）…連接杆 （７）…支持杆、（９）…横バー （10）…上枠部材、（13）…足場板 （17）（19）…横継杆、（30）（40）（50）…ボルト （31）（41）（51）…ナット （45）…クランプ、（Ａ）…ステージ枠組

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実願昭58−81731号（実開昭59−186338 号）の願書に添付した明細書及び図面の内 容を撮影したマイクロフィルム（ＪＰ, Ｕ) 実願昭57−109251号（実開昭59−13529 号）の願書に添付した明細書及び図面の内 容を撮影したマイクロフィルム（ＪＰ, Ｕ)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】足場板を載置するステージ枠組を具備し、
   ステージ枠組は、連結バー及び、その両端にそれぞれ結
   合される筒状の脚柱よりなる脚部材と、一対の脚部材を
   所定間隔を隔てて対設する連接杆と、横バー及び、その
   両端に上記脚柱に対向してそれぞれ結合され且つ高さ位
   置調整可能に脚柱内に挿入される支持杆よりなる上枠部
   材とを備えてなる作業用ステージにおいて、脚部材及び
   上枠部材に、これらと平行に配置される横継杆を結合す
   る連結手段を設けてあり、脚部材側の連結手段は、脚部
   材間に渡した横継杆に対するボルトと締付けナットから
   なり、上枠部材側の連結手段は単管パイプによる横継杆
   に対するクランプからなることを特徴とする作業用ステ
   ージ。