JP2623200B2 - 型枠装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は建築、土木工事におい
て、壁、柱、梁、床等の躯体の成形時に打設されたコン
クリートを支える型枠装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、建築、土木工事では壁、柱、
梁、床等の躯体を成形する場合、例えば壁成形用の型枠
パネルと床成形用の型枠パネルを所定位置に配置する
が、これらの型枠パネルの組立、解体の為に足場を組み
付け、支保工用の支柱を起立させ、各型枠パネルは緊締
金具で締め付けると共に縦端太や横端太で支えている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように型枠パネルと足場と支保工用支柱を独立して設け
ることは部品点数が多くなり、各型枠パネルと足場と支
柱とを独立して移送し、組付け、解体することは作業性
が悪く、経済性も良くない。

【０００４】又、型枠パネルを支持し、コンクリートか
らの荷重を担持するために端太材を使用することは部品
点数が多くなり、その組付け、解体作業が煩雑となり、
作業性、経済性に劣る。

【０００５】更に躯体の成形面積が大きい時には型枠パ
ネルを横方向、縦方向に連設するが、この場合、隣接す
る二つの型枠パネル間の接合部が水平とならず、若干ず
れていわゆる目違いが生じる場合がある。

【０００６】そこで、本発明の目的は型枠パネルと足場
とを同時に組付け、解体でき、型枠パネルを支える端太
材を必要とせず、作業性、経済性にすぐれた型枠装置を
提供することである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の構成は、鋼板製の相対向する一対の型枠パ
ネルと、各型枠パネルの背部に支持材を介して一体に結
合した地上に起立する足場枠と、各足場枠の上部に一体
に設けた足場と、各型枠パネルの上部に設けられて各型
枠パネル間の巾を調整するシザースとからなり、型枠パ
ネルは矩形の箱状に形成され、この型枠パネル内にポリ
ウレタン等の断熱材が内蔵され、型枠パネルの背部左側
にナットを設け、右側にボルトを回転方向及び軸方向移
動自在に設け、横方向に隣接する二つの型枠パネルをボ
ルトとナットとで結合させていることを特徴とするもの
である。

【０００８】型枠パネルを箱状に形成してポリウレタン
等の断熱材が内蔵されているのが好ましい。

【０００９】型枠パネルは左右背部にナットとボルトと
が設けられている。

【００１０】

【作用】型枠パネルと足場枠とが結合されているからク
レーン等で一緒に移送でき、所定の場所に同時に組付け
られ、又は撤去される。

【００１１】足場枠は型枠パネルを起立して保持し、足
場枠上の足場でコンクリートの打設や、天井側の型枠の
組付け、解体、その他必要な建築、土木工事も行なえ
る。

【００１２】

【実施例】以下本発明の実施例を図にもとづいて説明す
る。

【００１３】本発明の型枠装置が図２、図３に略して記
載されている。

【００１４】これは、図２に示すように、型枠パネル
１，１と型枠パネル１，１の背部に結合された足場枠
２，２とからなり、型枠パネル１，１と足場枠２，２と
はクレーン等で吊り下げられて所定の位置に移送され
る。

【００１５】この時上方に設けたシザースを介して両サ
イドの型枠パネル１，１と足場枠２，２とが躯体４の厚
さに相当する分互いに近寄る方向に寄せられる。

【００１６】次いで、緊締部材５を装着し、上方の足場
６を利用してコンクリートを打設し、柱、壁等の躯体４
を成形する。

【００１７】次に図３に示すように、緊締部材５を撤去
し、シザース３を介して互いに離れる方向に型枠パネル
１，１と足場枠２，２を移動させ、更にクレーン等で全
体を矢印Ａで示すように上方に吊り上げ、躯体４をその
まま残すようにしている。

【００１８】

【００１９】型枠装置は鋼板製の相対向する一対の矩形
型枠パネル１，１と、各型枠パネル１，１の背部に支持
材を介して一体に結合した地上に起立する足場枠２，２
と、各足場枠２，２の上部に一体に設けた足場６，６
と、各型枠パネル１，１の上部に設けられて各型枠パネ
ル１，１間の巾を調整するシザース３とで構成されてい
る。

【００２０】型枠パネル１は鋼板で成形され、内部を中
空にした矩形の箱状に成形され、この内部にポリウレタ
ン等からなる断面材が注入されている。

【００２１】但し、型枠パネル１は一枚の金属性の平板
で成形してもよい。

【００２２】型枠パネル１は一枚でも使用できるが、躯
体の成形面積に応じて、縦方向、横方向に連設できる。

【００２３】図１の実施例では、型枠パネル１の背部左
側端部にナット７を設け、背部右側端部にボルト８が設
けられ、型枠パネル１を横方向に並べた時、これらの隣
接するボルト８とナット７とを結合し、目違いを生じさ
せることなく水平に連設するものである。

【００２４】足場枠２は地上に起立する枠体９，１０と
で構成され、枠体９の上部には足場板１１と手摺１２と
からなる足場６が設けられている。

【００２５】足場６には梯子が下方に向けて連設され、
足場板６上でコンクリートの打設作業を行ない、必要に
応じて周辺の作業、例えば上方の天井、床の型枠の組付
け、解体、その他の作業も行なう。

【００２６】足場枠２の枠体９と型枠パネル１は支持材
たる斜め方向のブレース１４と水平方向の支持桿１３を
介して型枠パネル１の背面に設けた取り付け金具１５に
結合され、これにより型枠パネル１と足場枠２とが一体
に結合され、同時に組立、撤去、移送される。

【００２７】型枠パネル１の背面にはフランジ等の引掛
金具１６が設けられ、この引掛金具１６とブレースを介
して他の支保工用の支柱に接続できる。

【００２８】図４は型枠パネル１の左右、上下にボルト
８とナット７とを設け、上下、左右に連設した各型枠パ
ネル１を連設する状態を示している。

【００２９】ボルト８と、ナット７とが図５、図６に示
されている。

【００３０】ナット７は型枠パネル１の端部フレーム１
ａに固定した円筒部１７と円筒部１７内に回転自在に嵌
合したソケット１８と、ソケット１８内に形成したメネ
ジ１９とを備えている。

【００３１】円筒部１７にはテーパを形成した円錐状内
周面２０が形成され、この内周面２０内にソケット１８
の外周に形成した円錐状外周面２１が嵌合している。

【００３２】ソケット１８の背部には十字方向に係止孔
２２を形成したフランジ部２３と支持桿２４とが突設さ
れ、支持桿２４で支持されながらシノ等の工具２５を係
止孔２２に差し込んでソケット１８を回転するようにな
っている。

【００３３】ボルト８はフレーム１ａに固定した円筒部
２３とねじ桿２９とからなる。

【００３４】円筒部２３の内周には円錐状のテーパ面２
５が形成されている。

【００３５】ねじ桿２９は先端部外周にオネジが形成さ
れ、後部と中間に角柱状の支持桿２７と円錐胴部２８と
からなり、支持桿２７はフレーム１ｂに対して軸方向移
動自在に挿入され、円錐胴部２８は円筒部２３のテーパ
面２５と軸方向移動自在に嵌合している。

【００３６】相対向するする型枠パネル１，１のうち、
例えば一方の左側端面と他方の右側端面を当接する場合
には、一方の型枠パネル１のボルト８におけるねじ桿２
９を他方の型枠パネル１のナット７におけるソケット１
８に差し込む。

【００３７】次に係止孔２２に工具２５を差し込んでソ
ケット１８を回転するとねじ桿２９がオネジとメネジを
介して螺着され、ボルト８は支持桿２７に案内されて軸
方向に進入してソケット１８内に嵌合する。

【００３８】ボルト８とナット７に嵌合すると隣接する
型枠パネル１，１同志が近づき、両者の端面Ｐ（図６）
が密接する。

【００３９】この際、ボルト８とナット７はテーパ面２
５，２０に案内されるから、締め付けに応じて軸心が一
致し、端面Ｐの接合には目違いが生じない。

【００４０】

【発明の効果】本発明によれば、次の効果がある。

【００４１】１）一対の相対向する各型枠パネルの背部
には一体に地上に起立する足場枠が結合され、足場枠の
上部には一体に足場が設けられ、各型枠パネルの上部に
はシザースが設けられているから、型枠装置全体が一体
となってクレーン等で同時に吊り下げ、吊り上げること
が可能であり、クレーン等で吊り下げながら型枠装置全
体の配置、撤去ができ、その組立、撤去作業が著しく向
上する。更に相対向する一対の型枠パネルには、その上
部にシザースが設けられているから、シザースを介して
二つの型枠パネルを平行に近寄らせたり、離れさせたり
することが可能であり、二つの型枠パネル間の巾を成形
される躯体の厚さに対応する巾に自動的に調整できる。

【００４２】

【００４３】２）足場枠には足場が設けられているか
ら、この足場上でコンクリートの打設、その他の型枠の
組立、解体等が行なえる。

【００４４】３）型枠パネルは足場枠で支持されている
から、別に端太材を設ける必要がなく、部品点数が少な
く、その組付、解体作業が不要で経済性、作業性にすぐ
れている。

【００４５】４）型枠パネルが鋼板製であるから、コン
クリートの表面がスムースであり、付着したコンクリー
トは簡単に除去できる。

【００４６】５）型枠パネル内に断熱材が内蔵されてい
るから寒い時期、寒い地域でのコンクリートの打設が可
能で、コンクリートの品質も維持できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る型枠装置の斜視図であ
る。

【図２】型枠装置の組立状態の略示側面図である。

【図３】型枠装置の撤去状態を示す略示側面図である。

【図４】型枠パネルの接合状態を示す略示斜視図であ
る。

【図５】ボルトとナットの断面図である。

【図６】ボルトとナットの分解斜視図である。

【図７】ボルトとナットの分解斜視図である。

【符号の説明】

１ 型枠パネル ６ 足場 ７ ナット ８ ボルト ９ 足場枠 １３，１４ ブレース

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−141608（ＪＰ，Ａ) 実開 昭58−145944（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭48−106634（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭58−13345（ＪＰ，Ｕ) 特公 昭62−8575（ＪＰ，Ｂ２) 実公 昭45−22841（ＪＰ，Ｙ１)

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 鋼板製の相対向する一対の型枠パネル
   と、各型枠パネルの背部に支持材を介して一体に結合し
   た地上に起立する足場枠と、各足場枠の上部に一体に設
   けた足場と、各型枠パネルの上部に設けられて各型枠パ
   ネル間の巾を調整するシザースとからなり、型枠パネル
   は矩形の箱状に形成され、この型枠パネル内にポリウレ
   タン等の断熱材が内蔵され、型枠パネルの背部左側にナ
   ットを設け、右側にボルトを回転方向及び軸方向移動自
   在に設け、横方向に隣接する二つの型枠パネルをボルト
   とナットとで結合させている型枠装置。