JPH0645535B2 - 歯槽骨代謝治療用組成物 - Google Patents

歯槽骨代謝治療用組成物

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JPH0645535B2
JPH0645535B2 JP62124180A JP12418087A JPH0645535B2 JP H0645535 B2 JPH0645535 B2 JP H0645535B2 JP 62124180 A JP62124180 A JP 62124180A JP 12418087 A JP12418087 A JP 12418087A JP H0645535 B2 JPH0645535 B2 JP H0645535B2
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昌宏 松浦
健二 長谷川
誠一 飯田
義之 石倉
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サンスタ−株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、骨代謝治療薬を配合した歯槽骨代謝治療用組
成物に関する。さらに詳しくは、本発明は骨代謝治療薬
が長時間にわたり投与部位に滞留し、かつ持続的に骨代
謝調節作用を発揮する歯槽骨代謝治療用組成物に関す
る。
従来技術およびその問題点 歯科、口腔外科の分野において、歯を保持する歯槽骨や
顎骨などの骨組織が問題となる疾患は非常に多く、これ
らに対する治療も種々行われている。すなわち、歯周疾
患における歯槽骨の吸収、義床における歯槽の消失、技
歯に伴う歯槽骨の吸収、口腔腫瘍における顎骨の病的吸
収、顎嚢胞、矯正治療における歯根吸収や歯槽骨の吸収
と再形成、骨補填材や人工歯根埋入時における歯槽骨の
再生、口蓋裂患者における顎骨の保定などである。これ
らに対しては従来より数多くの試みがなされているが、
いずれも効果的な解決手段を得るには至っていない。
一方、骨祖そう症などの全身性骨代謝疾患に対しては近
年の研究の成果より種々の骨代謝治療薬が検討されてお
り、これらの薬物の多くは注射剤あるいは経口剤として
全身的投与を通して治療の目的に使用されるのが一般的
である。しかしながら、かかる従来の骨代謝治療剤は歯
科、口腔外科治療に応用するにあたり様々な問題点を有
する。すなわち、注射剤の場合は投与時に疼痛を伴うと
ともに有効成分の持続性に乏しい。また経口剤の場合、
有効成分の疾患部位への到達に時間を要し、かつ全身の
骨組織にも同時に作用する為、歯槽骨のような局所の骨
組織の治療の場合には副作用の面からも好ましくない。
またこれらの骨代謝治療薬を外用的に投与する方法に関
しての開示(特開昭58-43908号、59-48409号、61-11503
0号、61-222452号)もあるが徐放性についての記載は全
くなく効果の持続性に乏しい。
本発明は、薬理的に有用な骨代謝治療薬を歯槽骨のよう
な局所の骨組織に対して有効に作用させうる組成物を提
供することを目的とする。
問題点を解決するための手段 本発明者らは、かかる事情に鑑み、取り扱いが容易で、
かつ湿潤面に適用した場合に充分な付着性、局所滞留性
を発揮し、有効成分を持続的に放出する骨代謝治療薬、
とくに歯槽骨代謝治療用組成物を得るべく鋭意検討を行
なった結果、すでに出願中の軟膏基剤(特願昭60−2
63314号)に特定の骨代謝治療薬を配合したとこ
ろ、かかる組成物は長時間にわたり投与部位に滞留し、
持続的効果を発揮し得ることを見いだし本発明を完成す
るに至った。
すなわち、本発明は、 (a)水溶性高分子物質と、多価アルコールとから形成
されるヒドロゲル、 (b)アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE、
アミノアルキルメタアクリレートコポリマーRS、また
はこれらの混合物から選ばれるメタアクリル酸系コポリ
マー、 (c)該メタアクリル酸系コポリマーを溶解するが、多
価アルコールとは相溶性のない可溶化剤、および (d)骨代謝治療薬、またはその医薬上許容される塩か
らなる群より選ばれる活性成分 からなり、該メタアクリル酸系コポリマー;可溶化剤の
重量比が1:2〜1:25であることを特徴とする歯槽
骨代謝治療用組成物を提供するものである。
本発明は、活性成分である骨代謝治療薬またはその医薬
上許容される塩を、特定の混合物からなる基剤、すなわ
ちヒドロゲル、メタアクリル酸系コポリマーおよび可溶
化剤からなる混合物に配合する点に特徴を有する。
したがって、本発明の歯槽骨代謝治療用組成物は疾患部
位への付着性に優れ、しかも活性成分である骨代謝治療
薬がメタアクリル酸系コポリマー被膜により徐放化され
るため、疾患部位に対し長期間にわたり持続的効果を示
す。
そして前記の特異的組成物は、口腔内局所、例えば、歯
周ポケットや歯肉に直接投与することができ、長期にわ
たりその効果を発揮することにより歯槽骨のような局所
の骨組織に対して効果的な治療を行いうる。
つぎに、本発明の歯槽骨代謝治療用組成物についてさら
に詳しく説明する。
本発明組成物の成分であるヒドロゲルを構成する水溶性
高分子物質は、該ヒドロゲルの他の構成成分である多価
アルコールに溶解するものが好ましい。かかる水溶性高
分子物質としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポ
リビニルピロリドン、カラギーナン、ローカストビーン
ガム、グアーガム、ヒドロキシエチルセルロース、キサ
ンタンガム、トラガカントガム、デンプンおよびスクシ
ノグルカンなどが挙げられる。これらは、単独もしくは
2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの
うち、ヒドロキシエチルセルロースが特に好ましく、骨
代謝治療薬に対し優れた徐放性を示す。
また水溶性高分子の配合量は組成物全量に対して0.2
〜10重量%程度であるのが好ましい。
次に本発明にて用いられるヒドロゲルの他の成分である
多価アルコールとしては、グリセリン、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、
ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、1,
5−ペンタンジオールおよび1,3ブチレングリコール
などが挙げられる。これらは、単独もしくは2種以上を
組み合わせて用いることができる。これらのうち、特に
口腔粘膜に対する刺激性の少ないグリセリン、プロピレ
ングリコール、1,3−ブチレングリコールが好まし
い。
また多価アルコールの配合量は、組成物全量に対して5
0〜85重量%であるのが好ましい。
なお、前記水溶性高分子物質と多価アルコールとのヒド
ロゲル中における配合比は、1:9〜1:400である
のが好ましい。水溶性高分子物質の配合比がこれより少
ないと製剤上の安定性を保つことが困難であり、一方、
この範囲を越えると粘度が高くなりすぎ製法上、練合が
困難である。
また前記ヒドロゲルの組成物全量に対する配合量は、5
5〜90重量%であるのが好ましい。配合量が、この範
囲をはずれると製剤上の安定性を保つことが困難であ
る。
つぎに、本発明組成物に用いられるメタアクリル酸系コ
ポリマーとしては、アミノアルキルメタアクリレートコ
ポリマーE(メタアクリル酸メチルとメタアクリル酸ブ
チルおよびメタアクリル酸ジメチルアミノエチルの共重
合体、以下、オイドラギッドEという)、あるいはアミ
ノアルキルメタアクリレートコポリマーRS(アクリル
酸エチルとメタアクリル酸メチルおよびメタアクリル酸
塩化トリメチルアンモニウムエチルの共重合体、以下、
オイドラギットRSという)、およびこれらの混合物が
用いられる。
該メタアクリル酸系コポリマーの配合量は、組成物全量
に対して、0.5〜10重量%であるのが好ましい。配
合量が0.5重量%未満であると、有効成分の徐放的効
果を得ることが困難であり、一方、10重量%を越える
と、粘性が高くなるため製法上、練合が困難である。
つぎに、本発明で用いられる可溶化剤は、前記メタアク
リル酸系コポリマーを溶解するが、多価アルコールとは
相溶性のないものが用いられる。かかる可溶化剤により
組成物中でヒドロゲルが粒子状にて均一に分散する。
かかる可溶化剤としては、トリアセチン、トリブチリ
ン、ジアセチルエチレングリコール等の低級多価アルコ
ールと低級脂肪酸とのエステル、あるいはセバシン酸ジ
エチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、アジピ
ン酸ジイソプロピルおよびコハク酸ジブチル等の低級ア
ルコールとジカルボン酸とのエステルが挙げられる。こ
れらは、単独で用いてもよく、また2種以上を併用して
もよい。これらのうち、トリアセチンは安全性、使用感
に優れており、特に好ましい。
前記可溶化剤の組成物全量に対する配合量は、5〜25
重量%であるのが好ましい。可溶化剤の配合量が、この
範囲をはずれると有効成分の徐放性を得ることは困難で
ある。
また、組成物に配合されるメタアクリル酸コポリマー:
可溶化剤の重量比は、1:2〜1:25である。可溶化
剤の配合割合が前記の範囲より少ないと製剤上不安定で
あり、また骨代謝治療薬の徐放的効果が得られない。一
方、可溶化剤の配合割合がこれより多いと、骨代謝治療
薬が速やかに溶出し所望の徐放性が得られない。
すなわち、組成物に配合されるメタアクリル酸コポリマ
ーと可溶化剤との割合について、つぎのとおり検討し
た。日本薬局方の溶出試験法に規定された試験装置の回
転軸下部に金属性平板(50×50mm)を溶接し、こ
れにハムスターから摘出した頬袋粘膜を延展、固定し
た。この粘膜上に軟膏剤〔組成:オイドラギットRSの
配合量;0.1、0.5、2.0、5.0、10.0、20.0重量%に対し
てトリアセチンの配合量;2.5、5.0、10.0、25.0、50.
0、75.0重量%、ヒドロキシエチルセルロース:2.0
重量%、残部はグリセリン〕1gを塗布し、人工唾液
中、37℃において100 rpm にて回転を行ない、粘
膜への付着性、滞留性を肉眼で判定した。その結果、ト
リアセチン:オイドラギットRSの重量比が1:2〜
1:25の範囲で良好な滞留性が得られた。
なお、本発明組成物は、数%程度までの水を含有させる
ことが可能である。
つぎに、本発明組成物中の活性成分である骨代謝治療薬
は、遊離の形態のものであっても、また医薬上許容され
る塩のいずれの形態であって良く、例えば、メタンジホ
スホネート、1−ヒドロキシメタンジホスホネート、1
−ヒドロキシエタン−1,1−ジスホネート、1−ヒド
ロキシプロパン−1,1−ジホスホネート、1−ヒドロ
キシブタン−1,1−ジスホネート、ペンタン−1,1
−ジホスホネート、1−ヒドロキシペンタン−1,1−
ジホスホネート、1−ヒドロキシオクタン−1,1−ジ
ホスホネート、ノナン−1,1−ジホスホネート、1−
ヒドロキシノナン−1,1−ジホスホネート、1−ヒド
ロキシドデカン−1,1−ジスホネート、ジクロロメタ
ンジホスホネート、ジブロモメタンジホスホネート、3
−アミノ−1−ヒドロキシプロパン−1,1−ジスホネ
ートなどのジホスホネート類化合物;レチノール、レチ
ノイン酸などのビタミンA類化合物;ビタミンK,ビタ
ミンK2、ビタミンK3などのビタミンK類化合物;コレ
カルシフェロール、25−ヒドロキシコレカルシフェロ
ール、1α−ヒドロキシコレカルシフェロール、1α−
25−ジヒドロキシコレカルシフェロール、1α−24
−ジヒドロキシコレカルシフェロール、5,6−トラン
ス−25−ヒドロキシコレカルシフェロール、1α−2
2−ジヒドロキシコレカルシフェロール、24−25−
ジヒドロキシコレカルシフェロール、ジヒドロタキステ
ロールなどのビタミンD類化合物;プロスタグランジン
1,プロスタグランジンE2、プロスタグランジンF
2αなどのプロスタグランジン類、カルシトニン、副甲
状腺ホルモン、ステロイドホルモン、テストステロン、
アンドロゲン、エストロゲン、インシュリン、コルヒチ
ン、成長ホルモンなどのホルモン類;オウロチオマレイ
ン酸ナトリウム、酢酸ガリウム、硝酸ガリウム、フッ化
ガリウム、シス−ジアミンジクロロ白金(II)、シス−
ジアミン1,1−シクロブタンジカルボキシル白金(I
I)、スピロゲルマニウムなどの金属化合物;ソマトメ
ジン、上皮成長因子(EGF)、神経成長因子(NG
F)、軟骨由来因子(CDF)、BDGF(bone-deriv
ed growth factor)、BMP(bone morphogenetic pro
tein)、血小板由来成長因子(PDGF)、オステオネ
クチン、オステオカルシン、フィブロネクチン、ラミニ
ンなど成長因子類;インターロイキン1(IL−1)、
インターロイキン2(IL−2)、インターロイキン3
(IL−3)、破骨細胞活性化因子(OAF)などのサ
イトカインまたはリンホカイン類;ヘパリン、硫酸ポリ
サッカライド、塩酸プロメタジン、フルオロ酢酸、コン
ドロイチン硫酸カルシウム、L−カルノシン、コラーゲ
ン、グリコプロテイン、プロテオグリカン、シアロプロ
テイン等が挙げられ、これらを単独もしくは2種以上を
組み合わせて用いることができる。
また、これらの配合量は、薬効上の観点からビタミンA
類、ビタミンD類、ビタミンK類の場合は組成物全量に
対して10-16〜10-7重量%程度、またジホスホネー
ト類、プロスタグランジン類、ホルモン類、成長因子
類、金属類化合物、サイトカインまたはリンホカイン類
およびその他の薬物の場合、組成物全体に対して0.0
1〜10重量%程度が好ましい。配合量がこれより少な
いと効果がなく、一方この範囲を越えると毒性が現れた
り、あるいは異常な石灰化などの副作用が生じ好ましく
ない。したがって、本発明の歯槽骨代謝治療用組成物の
好ましい処方は、つぎのとおりである。
骨代謝治療薬 10-16〜10-7重量% またはその塩 または0.01〜10.0量% 水溶性高分子物質 0.2〜10.0重量% 可溶化剤 5.0〜25.0重量% メタアクリル酸系 コポリマー 0.5〜10.0重量% 多価アルコール 残部 本発明の歯槽骨代謝治療用組成物の調製は、従来公知の
製剤化技術により行なうことができる。
例えば、多価アルコールに所定量の水溶性高分子物質を
添加し、適宜加温して充分に混合溶解し、ついで冷却し
てヒドロゲルを得る。このヒドロゲルに骨代謝治療薬ま
たはその医薬上許容される塩を添加し、混合物を得る。
一方、前記メタアクリル酸系コポリマーを可溶化剤に溶
解して溶解液を調製し、これを前記の骨代謝治療薬また
はその医薬上許容される塩を含有する混合物中に混合
し、目的の組成物を得る。なお、骨代謝治療薬は単独も
しくは2種以上を併用して、多価アルコール、可溶化剤
の一方あるいは双方に溶解、あるいは懸濁させ、要すれ
ば薬剤の安定性を損なわない範囲で加熱を行なってもよ
い。
本発明組成物の調製にあたっては、所定の成分を適宜他
の順序で配合してもよく、所望により、エタノールやイ
ソプロパノール、あるいは非イオン界面活性剤を適当量
添加してもよい。また、使用感を改善するために、d、
l−メントール、チモール等の芳香剤を適当量添加して
もよい。
このようにして得られた組成物は、粘稠な液状ないしは
ペースト状を呈する。
実施例 さらに、本発明を実施例および試験例にもとづき、さら
に詳しく説明する。
実施例1 つぎの組成にて骨代謝性組成物を製造した。
成 分 重量% 1α,25−ジヒドロキシ 10-15 コレカルシフェロール ヒドロキシエチルセルロース 4.0 グリセリン 77.0 トリアセチン 17.0 オイドラギットRS 2.0 グリセリンを135℃に加温後、ヒドロキシエチルセル
ロースを加えて溶解した。溶解後冷却して、1α,25
−ジヒドロキシコレカルシフェロールを含んだエタノー
ル10μlを添加、混合した。一方、オイドラギットR
Sをトリアセチンに溶解し、得られた液を前記混合物に
加え、均一に混合して所望の組成物を得た。
実施例2 つぎの組成にて骨代謝性組成物を製造した。
成 分 重量% 25,25−ジヒドロキシ 10-5 コレカルシフェロール ヒドロキシエチルセルロース 2.0 グリセリン 84.0 トリアセチン 12.0 オイドラギットRS 2.0 実施例1と同様にグリセリンをヒドロキシエチルセルロ
ースに溶解し、これに1α−ヒドロキシコレカルシフェ
ロールを含んだエタノール10μlを加え混合した。一
方、オイドラギットRSをトリアセチンに溶解し、得ら
れた液を前記混合物に加え、均一に混合して所望の組成
物を得た。
実施例3 つぎの組成にて骨代謝性組成物を製造した。
成 分 重量% プロスタグランジンE2 0.5 キサンタンガム 0.5 グリセリン 83.0 セバシン酸ジエチル 14.0 オイドラギットRS 2.0 グリセリンを120℃に加温後、キサンタンガムを加え
て溶解した。一方、オイドラギッドRSをセバシン酸ジ
エチルに溶解し、ついでプロスタグラジンE2を加え、
得られた液を前記混合物に加え、均一に混合して所望の
組成物を得た。
実施例4 つぎの組成にて骨代謝性組成物を製造した。
成 分 重量% 1-ヒドロキシエチリデン 1.0 -1,1-ジホスホネート ヒドロキシエチルセルロース 2.0 グリセリン 81.0 トリアセチン 14.0 オイドラギットRS 2.0 前記実施例1と同様にしてグリセリンにヒドロキシエチ
ルセルロースを溶解した。溶解後、冷却して、1−ヒド
ロキシエチリデン−1,1−ジホスホネートを添加、混
合した。一方、オイドラギットRSをトリアセチンに溶
解し、得られた液を前記混合物に加え、均一に混合して
所望の組成物を得た。
実施例5 つぎの組成にて骨代謝性組成物を製造した。
成 分 重量% ジクロロメチレン 5.0 ジホスホネート ポリビニルピロリドン 2.0 プロピレングリコール 71.0 フタル酸ジブチル 18.0 オイドラギットE 4.0 プロピレングリコールを65℃に加温後、ポリビニルピ
ロリドンを加えて溶解した。溶解後、40℃に冷却して
ジクロロメチレンジホスホネートを添加、混合した。一
方、オイドラギットEをフタル酸ジブチルに溶解し、得
られたに液を前記混合物に加え均一に混合して所望の組
成物を得た。
試験例1(付着性試験) 前記実施例にて得られた骨代謝組成物の付着性を測定し
た。
日本薬局方の溶出試験法に規定された試験装置の回転軸
下部に金属性平板(50×50mm)を溶接し、これに
ハムスターから摘出した頬袋粘膜を延展、固定した。こ
の粘膜上に実施例1〜5にて得られた各試験サンプル1
gを塗布し、人工唾液中、37℃において100 rpm
にて回転を行ない、粘膜への付着時間を測定した。
なお、対照として、つぎの処方の組成物を用い、同様に
試験を行なった。
なお、上記親水軟膏(第11改正日本薬局方解説書に収
載)は下記の配合組成を有する。
成 分 配合量 白色ワセリン 250g ステアリルアルコール 200g プロピレングリコール 120g ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60 40g モノステアリン酸グリセリン 10g パラオキシ安息香酸メチル 1g パラオキシ安息香酸プロピル 1g精製水 適量 全 量 1000g 結果をつぎの第1表に示す。
第1表から明らかなごとく本発明の組成物は、優れた付
着性を有し、長時間にわたり粘膜に付着することがわか
った。
試験例2(組成物の放出性試験) 前記実施例1〜5、および対照例1〜5の組成物それぞ
れ200mgを水20ml中37℃にてインキュベート
し、下記の分析方法により、所定時間における試験液中
への薬剤溶出率(%)を算出した。なお、薬物が高濃度
にて放出されている場合は、適度の希釈を行なった。ま
た必要に応じ0.45μmのフィルターで濾過後定量した。
結果を第2表に示す。
第2表より明らかなごとく、本発明の歯槽骨代謝治療用
組成物は、骨代謝治療薬を持続的に徐々に溶出している
(徐放性を有する)ことがわかる。
試験例3(組成物の使用試験I) つぎに本発明の歯槽骨代謝治療用組成物を用いた結果に
ついて述べる。
歯科矯正治療においては、従来より持続的な物理的矯正
力により歯牙移動が行われているが、骨の吸収機転を活
性化し歯牙移動速度を促進することが期待される骨代謝
治療薬の1つであるプロスタグランジンE2(PGE2
を配合した歯槽骨代謝治療用組成物を用いて、動物実験
により歯槽骨吸収促進効果を試験した。
本発明の組成物の使用試験は、Yamazakiらの方法(J.
Dent. Res. 59, 1635, 1980)に準じ、ラットによる人
為的歯牙移動モデル(Waldo法)により行った。体重洛
300gの Wistar系雄ラットの上顎第1−第2大臼歯
間に矯正用のゴムバンドを挿入し、無投与群と試験サン
プル投与群に区分して行った。なおモデルは1群8匹の
ラット3群を使用した。
コントロール群には、矯正用ゴムバンドを臼歯間に挿入
しただけとする。
試験群には実施例3および対照例3の組成物を1日1回
50mg、ラットの上顎臼歯部歯肉に塗布した。この作業
は矯正用ゴムバンド挿入直後から3回連続で実施した。
(判定基準) 矯正用ゴムバンド挿入後、3日目にラットをと殺した。
常法にもとづき上顎臼歯部の標本を、固定、脱灰後、
H.E染色標本とした。鏡見下、歯槽骨の一定面積内の
破骨細胞数を計測して歯槽骨吸収活性の指標とした。結
果をつぎの第3表に示す。
第 3 表 試験群 破骨細胞数(個) コントロール群 4.8 実施例 3群 22.1 対 照 3群 7.5 第3表の結果から明らかなごとく、骨代謝性薬物の一つ
であるところのPGEを配合した、本発明の歯槽骨代
謝治療用組成物は歯槽骨吸収を著明に促進し、歯牙移動
に対し良好な治療効果があることが判明した。
試験例4(組成物の使用試験II) つぎに本発明の歯槽骨代謝治療用組成物の他の使用例に
ついて記載する。
従来より歯周疾患、いわゆる歯槽膿漏は細菌の感染に起
因する疾患であると考えられている。すなわち、歯牙に
おける細菌の堆積物である歯垢、歯石の沈着に端を発
し、これに起因する歯肉の炎症の進展に伴って、歯肉上
皮や結合織の破壊あるいは歯槽骨の吸収を引き起こす。
かかる歯周疾患における歯槽骨吸収を阻害する効果が期
待される骨代謝性薬物であるジホスホネート化合物(日
歯周誌., 27, 51,1985)を配合した歯槽骨代謝治療用組
成物を用いて動物実験により歯槽骨の吸収阻害に対する
治療効果を検討した。
本発明の組成物の使用試験は、J. Periodontal Researc
h 18,1110-117(1983)に記載の方法に準じ、ハムスター
のモデルを使用して12週間で行った。該期間のうち、
ソフトフードを与え歯槽骨の吸収を起こさせる前半6週
間と試験サンプルを与える後半6週間とに区分した。な
お、モデルは1群6匹のハムスター6群を使用した。そ
の結果を第4表に示す。
コントロール群には12週間、通常の固形飼料を与え
た。また、未処理群には12週間粉末飼料(Diet2000)
を与えた。
一方、各試験群には12週間未処理群と同様の粉末飼料
を与えるとともに実施例4および5並びに対照例4およ
び5の組成物各50mgを1日1回、後半6週間にわたり
ハムスターの下顎臼歯部歯肉に塗布した。
(判定基準) 下顎骨標本におけるセメント質とエナメル質の境界(C
EJ)から歯槽骨頂(AM)までの距離を指標とした。
結果をつぎの第4表に示す。
第4表より明らかなごとく、ジホスホネート化合物を配
合した本発明の歯槽骨代謝治療用組成物は、歯槽骨の吸
収に対し、良好な治療効果があることが判明した。
発明の効果 以上述べたごとく、本発明の歯槽骨代謝治療用組成物は
疾患部位への付着性に優れ、しかも活性成分である骨代
謝治療薬がメタアクリル酸系コポリマー被膜により徐放
化されるため、疾患部位に対し長期にわたり持続的な薬
物の放出が行なわれる。したがって、本発明組成物は、
骨組織、特に歯槽骨に対する治療を目的とし、口腔内局
所、例えば歯周ポケットや歯肉に直接投与することがで
き、歯槽骨に対し長期にわたり優れた効果を発揮するも
のである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯田 誠一 大阪府高槻市別所本町17−10−182 (72)発明者 石倉 義之 大阪府高槻市古曽部3−3−38

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)水溶性高分子物質と、多価アルコー
    ルとから形成されるヒドロゲル、 (b)アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE、
    アミノアルキルメタアクリレートコポリマーRS、また
    はこれらの混合物から選ばれるメタアクリル酸系コポリ
    マー、 (c)該メタアクリル酸系コポリマーを溶解するが、多
    価アルコールとは相溶性のない可溶化剤、および (d)骨代謝治療薬、またはその医薬上許容される塩か
    らなる群より選ばれる活性成分 からなり、該メタアクリル酸系コポリマー:可溶化剤の
    重量比が1:2〜1:25であることを特徴とする歯槽
    骨代謝治療用組成物。
  2. 【請求項2】ヒドロゲル中の水溶性高分子物質の配合量
    が、組成物全体に対して0.2〜10重量%である前記
    第(1)項の歯槽骨代謝治療用組成物。
  3. 【請求項3】ヒドロゲル中の水溶性高分子物質と多価ア
    ルコールとの重量配合比が1:9〜1:400である前
    記第(1)項の歯槽骨代謝治療用組成物。
  4. 【請求項4】水溶性高分子物質が、ポリビニルアルコー
    ル、ポリビニルピロリドン、カラギーナン、ローカスト
    ビーンガム、グアーガム、ヒドロキシエチルセルロー
    ス、キサンタンガム、トラガカントガム、デンプンおよ
    びスクシノグルカンからなる群より選ばれた1種または
    2種以上の水溶性高分子物質である前記第(1)項の歯
    槽骨代謝治療用組成物。
  5. 【請求項5】水溶性高分子物質が、ヒドロキシエチルセ
    ルロースである前記第(1)項の歯槽骨代謝治療用組成
    物。
  6. 【請求項6】多価アルコールが、グリセリン、エチレン
    グリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコ
    ール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコー
    ル、1,5−ペンタジオールおよび1,3ブチレングリ
    コールからなる群から選ばれた1種または2種以上の多
    価アルコールである前記第(1)項の歯槽骨代謝治療用
    組成物。
  7. 【請求項7】多価アルコールが、グリセリン、プロピレ
    ングリコール、または1,3−ブチレングリコールであ
    る前記第(1)項の歯槽骨代謝治療用組成物。
  8. 【請求項8】メタアクリル酸系コポリマーの配合量が、
    組成物全体に対して0.5〜10重量%である前記第
    (1)項の歯槽骨代謝治療用組成物。
  9. 【請求項9】可溶化剤の配合量が、組成物全体に対して
    5〜25重量%である前記第(1)項の歯槽骨代謝治療
    用組成物。
  10. 【請求項10】可溶化剤が低級多価アルコールと低級脂
    肪酸とのエステル、および低級アルコールとジカルボン
    酸とのエステルからなる群より選ばれる前記第(1)項
    の歯槽骨代謝治療用組成物。
  11. 【請求項11】可溶化剤が、トリアセチン、トリブチリ
    ン、ジアセチルエチレングリコール、セバシン酸ジエチ
    ル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、アジピン酸
    ジイソプロピルおよびコハク酸ジブチルからなる群より
    選ばれる前記第(10)項の歯槽骨代謝治療用組成物。
  12. 【請求項12】骨代謝治療薬がジホスホネート類、ビタ
    ミンA類、ビタミンD類、ビタミンK類、プロスタグラ
    ンジン類、ホルモン類、成長因子類、金属類化合物、サ
    イトカインまたはリンホカイン類である前記第(1)項
    の歯槽骨代謝治療用組成物。
  13. 【請求項13】ビタミンA類、ビタミンD類、ビタミン
    K類を組成物全体に対して1×10-18〜10-7重量%
    含有する前記第(12)項の歯槽骨代謝治療用組成物。
  14. 【請求項14】ジホスホネート類、プロスタグランジン
    類、ホルモン類、成長因子類、金属類化合物、サイトカ
    インまたはリンホカイン類を組成物全体に対して0.0
    1〜10重量%含有する前記第(12)項の歯槽骨代謝治療
    用組成物。
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