JPH0645450Y2

JPH0645450Y2 - 車止め用標柱

Info

Publication number: JPH0645450Y2
Application number: JP1987106646U
Authority: JP
Inventors: 栄司島
Original assignee: Toyo Tire and Rubber Co Ltd
Current assignee: Toyo Tire Corp
Priority date: 1987-07-10
Filing date: 1987-07-10
Publication date: 1994-11-24
Anticipated expiration: 2002-07-10
Also published as: JPS6414216U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕この考案は、上下車道の分離線又は車道と歩道の境界線
標示用、その他公園、街路等の車止め仕切り等の標示用
として使用する車止め用標柱の改良に関するものであ
る。

〔従来の技術〕

従来のこの系統の車止め用標柱としては、一般に石柱、
コンクリート柱等が使用されている。

このような大きな剛性を有する柱状体の場合、自動車の
追突等の大きな衝撃を受けると折れたり、破損された
り、破片の飛散等による危害を受ける危険性を有し、ま
た自動車側の衝撃も大きく、操縦者も危害を受ける等の
材質的欠陥を有するものである。また、人が突き当たっ
た場合にも障害を受けやすい存在である。

また、材質的に色彩の鮮明度が劣るため、すぐれた標示
性効果が得られないばかりでなく、設置場所の環境との
柔和な調和的色彩を得ることが困難であり、都市の環境
を損うものである。

また、天然の石材、コンクリート、鉄製等は、外観が限
定され、所要の標示色彩を得ることは不可能であり、特
に天然の石材は高価である。さらに、これらの材料の柱
状体は高重量であるため設置上の取り扱いも困難であ
り、特に、一時的に通路を開く車止め用標柱の場合は移
動が困難である。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記従来例の大きな剛性による材質的欠陥を、一部剛性
的利点を生かし、充分な支持性を有し且つ緩衝性、復元
性を有する構成によって解消する必要がある。すなわ
ち、自動車の追突によって容易に倒れない高度の安定固
定の得られる構成で、しかも折損したり、飛散したりす
る危険性の波及が防止できる構成であると共に、追突の
際、標柱の傾きや移動により歩行者に接触した場合に
も、人体への接触衝撃力を緩和し危害の及ばないような
構成で、常に復元性にすぐれ、変形歪を生起することな
く初期の形状を長期に保持する構成が必要である。ま
た、標柱間を車いすにて通過するような場合にもソフト
な接触が必要である。

また、標柱である以上、勿論すぐれた標示性効果が必要
であり、塗料的感覚でなく、標柱材そのものに自由な鮮
明な色彩が得られ、すぐれた標示性の得られる材質で、
設置場所の環境との柔和な調和的色彩が容易に形成さ
れ、風雨下においても長期に美観の保持性にすぐれた構
成が必要である。

なお、標柱は、用途に応じて定着性または一時的遮断を
する移動性固定が必要で、可及的軽量な構成とする必要
がある。

そこで、この考案の目的とするところは、支持性、緩衝
性、復元性にすぐれ、軽量で取扱い易く、かつ色彩性、
標示性に富み、安全性に優れた車止め用標柱を提供する
ことにある。

〔問題点を解決するための手段〕

しかして、この考案は、上記の目的を達成すべく鋭意探
究の結果得られたものであって、その要旨とするところ
は、金属パイプの上にコイルばねを接合してなる内層体
とその外側を覆ったエラストマー製の中空外装部との組
み合わせからなる安全標柱部であって、該標柱部は、上
部を内部が中空であるエラストマー緩衝部、中間部を上
記内層体のコイルばねが配置された屈曲復元性緩衝部、
その下部を同内層体の金属パイプが配置された非屈曲性
緩衝部とした上中下の３層の緩衝部に構成されており、
該標柱部の下部には、前記金属パイプを延長して固定部
を設け、該固定部に倒れ止め棒挿入用貫通孔が形成され
ていることを特徴とする車止め用標柱に係る。

この考案においては、標柱を可及的軽量となし、かつ人
体への接触衝撃力を緩和するため、全てを中空体から構
成し、上から順にそれぞれ機能の異なる３層の緩衝部を
配置して安全標柱部を構成する。

しかして、上部に配置されたエラストマー緩衝部は内部
が中空のエラストマーのみからなり、柔軟でソフトな接
触感を有し、従って歩行者、特に子供や身障者等が誤っ
て衝突しても柔らかくソフトに受け止めるので、例え壊
れる位大きな力が加わった場合でも、破壊強度の弱いこ
のエラストマー緩衝部の破壊が優先的に生じ、コイルば
ねや金属パイプが外に飛び出すことがなく安全性が確保
される。

また、中間部に配置された屈曲復元性緩衝部はエラスト
マー製中空外装部の内面にコイルばねを配置した構成な
ので、エラストマーの可塑的変形がなく、優れた屈曲復
元性を備え、長期に初期の形状を保持することができ
る。

この中間部の下部に配置された非屈曲性緩衝部は同じく
エラストマー製中空外装部の内面に金属パイプを配置し
た構成なので、エラストマー外装部の緩衝作用と金属パ
イプの剛性により、自動車が追突した場合に位置の変
動、破損、変形等が発生して、車が乗り越えてきて周囲
に危害が及ぶという危険性を効果的に抑制することがで
きる。

固定部は金属パイプの延長部分からなり、この固定部の
周面には少なくとも２組の倒れ止め棒を挿入し得る貫通
孔が設けられている。この貫通孔に倒れ止め棒を装着す
れば定着性固定部が形成され、また、これを外して用い
れば移動性固定部とすることもできて取扱い易く、地面
への安定固定が得られるように構成されている。

中空外装部には耐候性、耐老化性にすぐれ、靱性の大な
るエラストマーが適宜に選定使用される。例えば、EPT
（エチレン・プロピレン・ジエンモノマー３元共重合
体）、ポリウレタンゴム等が使用されるものである。ま
た、その形状としては、丸型、角型、多角形等、要望に
応じて各種の形状が形成される。

また、上記のエラストマーは着色剤の配合によってエラ
ストマー全体が所要の各種の鮮明な色彩に着色されうる
ので、多彩なマーブル模様の形成等色彩、模様に変化を
持たせることができ、また、中空外装部を頭部と下部等
で任意に色分けして色彩変化を与える等、より一層環境
に適合した標示性、視覚性を付与させることができる。

また、この中空外装部には、色彩の外に、必要に応じて
一層すぐれた標示性が得られるように、光線を反射する
反射板や蛍光板などが適宜取り付けられる。また、移動
性固定の場合は、容易に抜き差しが出来るように、手掛
け溝を２か所に設けた中空外装部を形成すると抜き差し
に非常に便利である。

この考案において、金属パイプにコイルばねを接合して
なる内層体とエラストマー製の中空外装部とを組み合わ
せるには、内部の内層体とその外側を覆う中空外装部と
を接着結合させるか、或いは非接着の嵌合固定にする方
法が適宜採用される。接着結合の具体例としては、例え
ば金属パイプにコイルばねを接合してなる内層体を成形
用の中芯に通し、外型と中芯との間のキャビティにエラ
ストマーを充填して外郭をなす中空外装部を加硫成形す
ることにより、内層体と中空外装部とを接着結合させた
安全標柱部が構成される。非接着の嵌合固定の場合は、
予め中空外装部を成形型にて加硫成形しておき、これを
金属パイプとコイルばねを接合してなる内層体に外装す
ることにより、内層体と中空外装部とを非接着状態で嵌
合固定させた安全標柱部が構成される。しかして、この
際使用する金属パイプの延長からなる固定部に、予め倒
れ止め棒挿入用貫通孔を形成しておけば、安全標柱部と
固定部が同時一体的に成形された車止め用標柱を得るこ
とができる。

〔作用〕

上記のとおり、この考案は、地上に設置される標柱部を
それぞれ異なる構造の３層からなる緩衝部で構成してい
るので、上方部ほど柔軟でソフトな接触感を有し、中間
部はコイルばねとエラストマーとの複合体に特有の衝撃
緩衝性と屈曲復元性を備え、外力を受けると撓むが、す
ぐ元の形状に回復し、エラストマーの可塑的変形が防止
されるので、車等が頻繁に接触しても容易に美観を損う
ことなく長期に初期の形状を保持することが出来る。ま
た、該中間部の下部はエラストマー外装部の緩衝作用と
金属パイプの剛性により、支持性、保形性が高く、車が
乗り越えてきて周囲に危害を及ぼす危険性が少ない。

かかる安全標柱部の下部に設けられた固定部は、地面へ
の固定に際し、倒れ止め棒を着脱できるよう構成されて
いるので、定着、移動の両固定間に互換性があり、製造
並びに取扱いが簡略である。

中空外装部を構成するエラストマーは優れた色彩性を有
するため、標柱としての美観とすぐれた視覚作用が得ら
れると共に、標柱全体が中空体のため軽量で取り扱いが
容易である。

〔実施例〕

図面は、この考案に係る車止め用標柱の一実施例を示す
もので、金属パイプ２の上にコイルばね３を接合してな
る内層体４とその外側を覆ったエラストマー製の中空外
装部１との組み合せからなる安全標柱部SPを基本とし、
その下部に金属パイプ２の延長からなる固定部FPを設け
て構成されている。

安全標柱部SPは、第１図に示すとおり、上から順に内部
が中空のエラストマー緩衝部Ｅ、ついで、中空外装部１
の中間部内面に内層体４の金属コイルばね３を配置して
なる屈曲復元性緩衝部Ｒ、更に同下部内面に内層体４の
金属パイプ２を配置してなる非屈曲性緩衝部Ｎの３層の
緩衝部で構成されている。

固定部FPは、金属パイプ２の延長部2Eからなり、該固定
部FPには予め貫通孔５、５が設けられている。

本例では、安全標柱部SP全体に占めるエラストマー緩衝
部Ｅ、屈曲復元性緩衝部Ｒ及び非屈曲性緩衝部Ｎの割合
は、それぞれＥ＝12％、Ｒ＝53％、Ｎ＝35％に設定され
ているが、これらの具体的数値は本考案の要旨を逸脱し
ない限り、標柱の高さや設置環境等の変化に応じて適宜
変更し得ることはいうまでもない。

この標柱は、前記固定部FPを路面に設けられた嵌合穴あ
るいは剛性体からなる所要の長さの嵌合部に嵌合させる
ことにより、移動性標柱として用いることができる。こ
の移動性固定の場合、第４図及び第５図に示すように、
中空外装部に手掛け溝８を設けると抜き差しの移動に好
適である。

また一方、第２図及び第３図に示すように、その固定部
FPにある貫通孔５、５に２本の倒れ止め棒６、６（共に
割ピン７で脱出止めされている）を十字状に挿入して地
面Ｇに埋設固定すれば定着性標柱とすることもできる。

なお、金属パイプ２、コイルばね３は発錆を防止するた
め、エラストマー等にて被覆する等の対策が考慮され
る。

［考案の効果］上述のとおり、この考案に係る車止め用標柱は、前記作
用項にて記述のような機能を有するため、位置の変動、
倒壊、破損、飛散のおそれがなく、歩行者並びに周辺物
体に対する高度の安全性が保持され、かつエラストマー
にて形成されているにもかかわらず長期に初期の形状を
保持すると共に、すぐれた色彩標示性が保持されるとい
う優れた効果を発揮するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の車止め用標柱の一実施例を示す縦
断面図、第２図は、同車止め用標柱を定着性標柱として使用する
状態を示す側面図、第３図は、同固定部底面図、第４図は、この考案の車止め用標柱を移動性標柱として
使用する状態を示す側面図、第５図は、手掛け溝の一例を示す手掛け溝付近の部分断
面図である。１……中空外装部、２……金属パイプ 2E……金属パイプの延長部３……コイルばね、４……内層体５……貫通孔、６……倒れ止め棒７……割りピン、８……手掛け溝Ｅ……エラストマー緩衝部Ｒ……屈曲復元性緩衝部Ｎ……非屈曲性緩衝部 SP……安全標柱部、FP……固定部

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】金属パイプの上にコイルばねを接合してな
る内層体とその外側を覆ったエラストマー製の中空外装
部との組み合わせからなる安全標柱部であって、該標柱
部は、上部を内部が中空であるエラストマー緩衝部、中
間部を上記内層体のコイルばねが配置された屈曲復元性
緩衝部、その下部を同内層体の金属パイプが配置された
非屈曲性緩衝部とした上中下の３層の緩衝部に構成され
ており、該標柱部の下部には、前記金属パイプを延長し
て固定部を設け、該固定部に倒れ止め棒挿入用貫通孔が
形成されていることを特徴とする車止め用標柱。
【請求項２】内層体と中空外装部との組合せが接着結合
である実用新案登録請求の範囲第１項記載の車止め用標
柱。
【請求項３】内層体と中空外装部との組合せが非接着の
嵌合固定である実用新案登録請求の範囲第１項記載の車
止め用標柱。