JPH0645033Y2 - ワイヤ式ウインドレギュレータ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、自動車のウインドガラスを昇降するワイヤ式
ウインドレギュレータ装置に関するものである。

従来の技術 従来より、長尺のガイドレールにウインドガラスを装着
するキャリアプレートを移動自在に設け、ガイドレール
と別体のベースプレートにワイヤを巻着した回転ドラム
を回転自在に配設し、ワイヤの両端をキャリアプレート
にそれぞれ連結し、回転ドラムの回転によりワイヤを介
してキャリアプレートをガイドレールの長手方向に沿っ
て移動し、ウインドガラスを昇降するようにしたワイヤ
式ウインドレギュレータ装置が知られている。

考案が解決しようとする課題 ところが、従来のワイヤ式ウインドレギュレータ装置で
は、ガイドレールとベースプレートとを単一に保管及び
梱包状態とする際に、回転ドラムの外周面に巻着したワ
イヤが緩んで回転ドラムの螺旋溝より外れてしまうおそ
れがあり、ワイヤの回転ドラムの螺旋溝に対する緩みを
防止するために、回転ドラムから上方に向かうワイヤ及
び回転ドラムから下方に向かうワイヤを別々のアウター
チューブに対して挿通すると共に、アウターチューブを
それぞれベースプレートに対して係止する必要があり、
ワイヤのアウターチューブに対する取付け作業が手数を
要して面倒であった。

本考案の目的は、上述する問題点に対処して、ベースプ
レートのワイヤ保持体のワイヤ係止部が回転ドラムから
上方に向かうワイヤと回転ドラムから下方に向かうワイ
ヤとの交点を常に係止し、ガイドレールとベースプレー
トとの保管及び梱包状態において、回転ドラムから上方
に向かうワイヤ及び回転ドラムから下方に向かうワイヤ
がたるんだ状態となっても、ワイヤの回転ドラムに対す
る外れをワイヤ保持体のワイヤ係止部によって確実に防
止し、従来のように回転ドラムから上方に向かうワイヤ
及び回転ドラムから下方に向かうワイヤをアウターチュ
ーブに挿通する必要がなく、コストを低減し、ワイヤ保
持体のベースプレートへの取付け作業も簡単に行うこと
が可能なワイヤ式ウインドレギュレータ装置を提供する
ことにある。

課題を解決するための手段 本考案のワイヤ式ウインドレギュレータ装置は、長尺の
ガイドレールにキャリアプレートを移動自在に設けると
共に、前記ガイドレールと別体のベースプレートにワイ
ヤを巻着した回転ドラムを回転自在に配設し、前記ワイ
ヤの両端を前記キャリアプレートにそれぞれ連結したワ
イヤ式ウインドレギュレータ装置において、前記ベース
プレートの前記回転ドラムの側部にワイヤ保持体を着脱
自在に設け、前記ワイヤ保持体に前記回転ドラムの外周
面に臨んでワイヤ係合部を形成したことを特徴とする構
成を有するものである。

作用 キャリアプレートを移動自在に設けた長尺のガイドレー
ルと別体のベースプレートに回転自在に配設したワイヤ
を巻着した回転ドラムを回転すると、ワイヤの両端をそ
れぞれ連結したキャリアプレートがワイヤを介してガイ
ドレールの長手方向に沿って移動し、ウインドガラスが
ガイドレールに対して昇降する。

ガイドレールとベースプレートとの保管及び梱包状態
で、回転ドラムから上方に向かうワイヤ及び回転ドラム
から下方に向かうワイヤがたるんでも、ベースプレート
の回転ドラムの側部に着脱自在に設けたワイヤ保持体に
回転ドラムの外周面に臨んで形成したワイヤ係止部が回
転ドラムから上方に向かうワイヤと回転ドラムから下方
に向かうワイヤの交点を係止し、ワイヤ保持体のワイヤ
係止部によってワイヤの回転ドラムからの外れを防止す
る。

実施例 以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。

第１図において、１は長尺のガイドレールであり、ガイ
ドレール１にはウインドガラス（図示省略）を装着する
キャリアプレート２がガイドレール１の長手方向に沿っ
て移動自在に設けられると共に、ガイドレール１の側部
にはガイドレール１と別体のベースプレート３が配設さ
れ、ベースプレート３にはワイヤ４を巻着した回転ドラ
ム５が回転自在に設けられ、ワイヤ４の両端がキャリア
プレート２にそれぞれ連結されている。

ベースプレート３の回転ドラム５の側部には係止片６が
ガイドレール１に向かって設けられ、係止片６にはワイ
ヤ保持体７が着脱自在に設けられ、ワイヤ保持体７の先
端には回転ドラム５の外周面に臨んでワイヤ係止部８が
形成され、ガイドレール１の長手方向中央付近にはベー
スプレート３の係止片６を係止する複数の係止膨出部9,
9が切り起こしてそれぞれ並設されている。

ガイドレール１の上端部にはプーリ10が回転自在に設け
られると共に、ガイドレール１の下端部にはワイヤガイ
ド体11が固設され、ガイドレール１の上端縁及び下端縁
にはワイヤ外れ止め12,12がそれぞれ設けられ、回転ド
ラム５に巻着した上方に向かうワイヤ４がプーリ10の外
周面の一部に巻き掛けられて下方に向かって誘導される
と共に、回転ドラム５に巻着した下方に向かうワイヤ４
がワイヤガイド体11の外側面に巻き掛けられて上方に向
かって誘導されている。したがって、上方に誘導される
ワイヤと下方に誘導されるワイヤとはドラム５の面で交
差している。

ベースプレート３には、第２図及び第３図に示すよう
に、本体の中央付近に前方に膨出して軸挿通孔13を有す
る嵌合突出部14が形成され、嵌合突出部14の軸挿通孔13
には回転軸15が回転自在に軸支され、嵌合突出部14の内
部には回転誘導体16が収納され、回転誘導体16には係合
凹部17が形成され、回転誘導体16は回転軸15に一体に固
定されている。

回転軸15の支軸部18には回転誘導体16と連動して回転す
る回転ドラム５が回転自在に設けられ、回転ドラム５の
外周面にはワイヤ４を係合する螺旋溝19が一定のピッチ
で形成され、回転ドラム５の端面には係合突片20を有す
る従動回転体21が一体に設けられ、従動回転体21の係合
突片20が回転誘導体16の係合凹部17に係合され、回転ド
ラム５は誘導回転体16の回転に伴って従動回転体21の係
合突片20を介して誘導回転体16の回転方向と同方向に回
転されるようになっている。

ベースプレート３の裏面には嵌合突出部14に相当する一
に回転ドラム５を収納するドラムカバー22が設けられ、
ドラムカバー22の一部には側方に開口する開口部23が形
成され、ドラムカバー22の開口部23より回転ドラム５の
一部が露出され、ドラムカバー22の支持孔24には回転軸
15の支軸部18の先端が回転自在に軸支され、嵌合突出部
14の軸挿通孔13より突出する回転軸15の端部には図示し
ないハンドルを装着するハンドル取付部25が形成されて
いる。

ベースプレート３の本体の両側には前方に屈曲して側壁
26,27がそれぞれ形成され、側壁26,27の端部には外方に
屈曲してベースプレート取付部28,29がそれぞれ形成さ
れ、ベースプレート取付部28,29にはねじ孔30を有する
突出体31がそれぞれ設けられている。

そして、ベースプレート３は、第１図に示すように、ガ
イドレール１より離れた側方に配置され、ベースプレー
ト３がベースプレート取付部28,29のねじ孔30を利用し
て図示しない車体のドアにボルト32により装着される。

ベースプレート３の本体の嵌合突出部14の側部には後方
に向かって切り起こした支持部33が形成され、支持部33
の端部にはガイドレール１の係止膨出部９に挿通する係
止片６が側壁27に向かって屈曲して形成され、支持部33
には挿通口34が開口して設けられ、支持部33の挿通口34
には回転ドラム５の外周面に臨んでワイヤ保持体７が設
けられている。

また、ベースプレート３の嵌合突出部14内には室外より
ウインドガラスを押し下げることができないように、嵌
合突出部14の内周面と回転誘導体16の外周面との間に逆
転防止機構となるスプリング35が収納され、ウインドガ
ラスを押し下げようとすると、嵌合突出部14内のスプリ
ング35がその内部端面に押付けられてブレーキが働くよ
うになっている。

ベースプレート３の支持部33に装着するワイヤ保持体７
は、第４図及び第５図に示すように、支持部33の側面に
当接する係合壁36の一側面36aに複数の水平壁37及び垂
直壁38が設けられ、水平壁37及び垂直壁38の端部には屈
曲壁39が設けられ、屈曲壁39の外側面の先端にはワイヤ
係止部８が形成され、屈曲壁39のワイヤ係止部８の上部
には回転ドラム５に巻着した上方に向かうワイヤ４の係
合するワイヤ係合面40が形成されると共に、屈曲壁39の
ワイヤ係止部８の下部には回転ドラム５に巻着した下方
に向かうワイヤ４の係合するワイヤ係合面41が形成され
ている。

ワイヤ保持体７の係合壁36の他側面36bにはベースプレ
ート３の支持部33の上端縁及び下端縁に嵌合する嵌合突
部42,42がそれぞれ形成され、嵌合突部42,42間には支持
部33の挿通口34に挿通する差込み片43が屈曲壁39と反対
方向に突出して設けられ、差込み片43の先端には係合壁
36に向かって傾斜した係合片44,44がそれぞれ形成され
ている。

回転ドラム５の外周面とワイヤ保持体７の屈曲壁39先端
のワイヤ係止部８との間の間隙はワイヤ４のドラム外周
面からの突出高さよりも小さくされている。

ワイヤ保持体７のベースプレート３への取付けは、ワイ
ヤ保持体７の差込み片43をベースプレート３の支持部33
の挿通口34に嵌合突出部14側より挿入することにより、
ワイヤ保持体７の係合片44,44の外側面が支持部33の挿
通口34の内端縁に係合しながら、ワイヤ保持体７の係合
片44,44がそれぞれ差込み片43に対して近接する方向に
縮小するように移動する。

次いで、ワイヤ保持体７の係合壁36の他側面36bが、第
２図に示すように、ベースプレート３の支持部33の嵌合
突出部14側の一側面に当接すると共に、ワイヤ保持体７
の嵌合突部42,42が支持部33の上端縁と下端縁とにそれ
ぞれ嵌合すると、ワイヤ保持体７の係合片44,44が支持
部33の挿通口34を通過した状態となり、ワイヤ保持体７
の係合片44,44はそれぞれ差込み片33に対して離間する
方向に広がるように移動して元の状態に復帰し、係合片
44,44の端部が支持部33の他側面に係合し、ワイヤ保持
体７が係合片44,44を介してベースプレート３の支持部3
3に取付けられる。

次いで、ベースプレート３の回転軸15の支軸部18に回転
ドラム５を挿通することにより、ドラム５の面から上方
及び下方に向かうワイヤ４の交点で保持体７がドラムに
対面することになり、回転ドラム５から上方に向かう緊
張状態のワイヤ４が、第２図に示すように、ワイヤ保持
体７の屈曲壁39のワイヤ係合面40に係合すると共に、回
転ドラム５から下方に向かう緊張状態のワイヤ４がワイ
ヤ保持体７の屈曲壁39のワイヤ係合面41に係合し、ワイ
ヤ保持体７の屈曲壁39先端のワイヤ係止部８が回転ドラ
ム５から上方に向かう緊張状態のワイヤ４と回転ドラム
５から下方に向かう緊張状態のワイヤ４との交点を係止
し、回転ドラム５の螺旋溝19からワイヤ４が外れるのを
ワイヤ保持体７のワイヤ係止部８によって防止する。

次に、この実施例の作用を説明する。

車体のドアに取付けたベースプレート３の回転軸15のハ
ンドル取付部25に装着した図示しないハンドルを手で回
転すると、回転軸15がベースプレート３の嵌合突出部14
の軸挿通孔13及びドラムカバー22の支持孔24に対して回
転し、回転軸15に固着した回転誘導体16が回転軸15と共
に回転し、回転ドラム５が従動回転体21を介して回転誘
導体16の回転方向と同方向回転する。

そして、回転ドラム５の螺旋溝19に巻着した回転ドラム
５から上方に向かう緊張状態のワイヤ４がワイヤ保持体
７の屈曲壁39のワイヤ係合面40に係合すると共に、回転
ドラム５から下方に向かう緊張状態のワイヤ４がワイヤ
保持体７の屈曲壁39のワイヤ係合面41に係合しながら、
回転ドラム５の回転に伴ってキャリアプレート２に両端
をそれぞれ連結した鉛直部分のワイヤ４が第１図の図面
矢印ａ方向に移動し、キャリアプレート２がワイヤ４を
介してガイドレール１の長手方向に沿って上下方向に移
動し、キャリアプレート２がガイドレール１に対して昇
降し、ワイヤ保持体７の屈曲壁39先端のワイヤ係止部８
がワイヤ４を回転ドラム５の螺旋溝19に対して係止す
る。

また、ガイドレール１及びベースプレート３を車体のド
アに取付ける前の保管及び梱包状態の時は、第１図及び
第３図の二点鎖線に示すように、ベースプレート３の係
止片６をガイドレール１の係止膨出部9,9の側方に開口
する挿入口に挿入し、ベースプレート３をガイドレール
１に対して係止し、回転ドラム５の螺旋溝19に巻着した
回転ドラム５から上方に向かうワイヤ４及び回転ドラム
５から下方に向かうワイヤ４が、第１図の二点鎖線のよ
うにたるんだ状態となっても、回転ドラム５の外周面に
臨んだワイヤ保持体７の屈曲壁39先端のワイヤ係止部８
が回転ドラム４から上方に向かうワイヤ４と回転ドラム
５から下方に向かうワイヤ４との交点を係止しており、
ワイヤ保持体７のワイヤ係止部８によりワイヤ４の回転
ドラム５の螺旋溝19に対する外れを防止する。

なお、本実施例では、ワイヤ保持体７が支持部33に固定
して取付けられるが、ワイヤ保持体７を支持部に対して
着脱自在に取付けてもよい。

考案の効果 以上に述べたように、本考案のワイヤ式ウインドレギュ
レータ装置によれば、長尺のガイドレールにキャリアプ
レートを移動自在に設けると共に、ガイドレールと別体
のベースプレートにワイヤを巻着した回転ドラムを回転
自在に配設し、ワイヤの両端をキャリアプレートにそれ
ぞれ連結し、ベースプレートの回転ドラムの側部にワイ
ヤ保持体を着脱自在に設け、ワイヤ保持体に回転ドラム
の外周面に臨んでワイヤ係止部を形成したことにより、
ベースプレートのワイヤ係止部が回転ドラムから上方に
向かうワイヤと回転ドラムから下方に向かうワイヤとの
交点を常に係止しているので、ガイドレールとベースプ
レートとの保管及び梱包状態において、回転ドラムから
上方に向かうワイヤ及び回転ドラムから下方に向かうワ
イヤがたるんだ状態となっても、ワイヤの回転ドラムに
対する外れをワイヤ保持体のワイヤ係止部によって確実
に防止することができ、従来のように回転ドラムから上
方に向かうワイヤ及び回転ドラムから下方に向かうワイ
ヤを別々のアウターチューブに対して挿通する必要がな
いので、コストを低減することができ、ワイヤ保持体の
ベースプレートへの取付け作業も簡単に行うことができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の実施例のワイヤ式ウインドレギュレ
ータ装置の正面図、 第２図は、同上のベースプレートの正面図、 第３図は、第２図の要部横断面図、 第４図は、ワイヤ保持体の正面図、 第５図は、第４図の線Ａ−Ａ切断矢視図である。 １……ガイドレール、２……キャリアプレート、３……
ベースプレート、４……ワイヤ、５……回転ドラム、６
……係止片、７……ワイヤ保持体、８……ワイヤ係止
部、９……係止膨出部、10……プーリ、11……ワイヤガ
イド体、12……ワイヤ外れ止め、13……軸挿通孔、14…
…嵌合突出部、15……回転軸、16……回転誘導体、17…
…係合凹部、18……支軸部、19……螺旋溝、20……係合
突片、21……従動回転体、22……ドラムカバー、23……
開口部、24……支持孔、25……ハンドル取付部、26,27
……側壁、28,29……ベースプレート取付部、30……ね
じ孔、31……突出体、32……ボルト、33……支持部、34
……挿通口、35……スプリング、36……係合壁、36a…
…一側面、36b……他側面、37……水平壁、38……垂直
壁、39……屈曲壁、40……ワイヤ係合面、41……ワイヤ
係合面、42……嵌合突部、43……差込み片、44……係合
片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】長尺のガイドレールにキャリアプレートを
   移動自在に設けると共に、前記ガイドレールと別体のベ
   ースプレートにワイヤを巻着した回転ドラムを回転自在
   に配設し、前記ワイヤの両端を前記キャリアプレートに
   それぞれ連結したワイヤ式ウインドレギュレータ装置に
   おいて、前記ベースプレートの前記回転ドラムの側部に
   ワイヤ保持体を着脱自在に設け、前記ワイヤ保持体に前
   記回転ドラムの外周面に臨んでワイヤ係止部を形成した
   ことを特徴とするワイヤ式ウインドレギュレータ装置。