JPH0515029Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、ウインドガラスの昇降をワイヤによ
り行うようにしたワイヤ式ウインドレギユレータ
装置に関するものである。

従来の技術 従来からの長尺のガイドレールにウインドガラ
スを装着するキヤリアプレートを移動自在に係合
し、前記ガイドレールと別体に設けたベースプレ
ートの回転体にワイヤを巻着し、前記キヤリアプ
レートに前記ワイヤの両端をそれぞれ連結すると
共に、前記ガイドレールの端部に設けたプーリー
に前記ワイヤを係合し、前記回転体の回転により
前記ワイヤを介して前記キヤリアプレートをガイ
ドレールに沿つてて移動し、ウインドガラスを昇
降するワイヤ式ウインドレギユレータ装置が知ら
れている。

しかし、このものは、ガイドレールとベースプ
レートとが別々のため、梱包及び保管が面倒であ
り、保管時にワイヤがたるんでベースプレートの
回転体やガイドレールのプーリーより外れ、ガイ
ドレールより予めプーリーとキヤリアプレートを
取外し、各ユニツトを分解状態で保管するので、
車体のドアへの取付け作業に手数を要した。

考案が解決しようとする問題点 本考案の目的は、上記欠点を解消して、保管状
態においてベースプレートをガイドレールに取付
けて梱包及び保管が簡単に行え、ワイヤをガイド
レールに沿つて緊張状態にすることができ、ワイ
ヤかたるんでベースプレートの回転体やガイドレ
ールのワイヤ係合体より外れることがなく、ワイ
ヤが邪魔とならず、ガイドレールよりワイヤ係合
体を取外さずに保管することができ、車体のドア
への取付け作業を容易に行うことが可能なワイヤ
式ウインドレギユレータ装置を提供することにあ
る。

問題点を解決するための手段 本考案のワイヤ式ウインドレギユレータ装置
は、ウインドガラスを装着するキヤリアプレート
と、長尺で端部にワイヤ係合体を有し、前記キヤ
リアプレートを移動自在に係合したガイドレール
と、前記ワイヤ係合体に係合すると共に、前記キ
ヤリアプレートに両端をそれぞれ連結したワイヤ
と、前記ワイヤを巻着する回転体を有するベース
プレートとからなるワイヤ式ウインドレギユレー
タ装置において、前記ガイドレールにベースプレ
ート係止部を設けと共に、前記ベースプレートに
前記ベースプレート係止部に着脱自在に係合する
係合部を設け、前記キヤリアプレートにはワイヤ
を係合する複数の係合溝を設け、前記係合溝の端
部にワイヤ係止凹部を形成したことを特徴とする
構成を有するものである。

作 用 ワイヤを巻着したベースプレートの回転体を回
転すると長尺のガイドレールの端部のワイヤ係合
体に係合した前記ワイヤが移動し、前記ワイヤの
両端をそれぞれ連結したキヤリアプレートがガイ
ドレールに沿つて上下に移動し、前記キヤリアプ
レートに装着したウインドガラスが昇降する。保
管状態では、前記ガイドレールに設けたベースプ
レート係止部に、前記ベースプレートに設けた係
合部を係合し、前記キヤリアプレートに設けたワ
イヤを係合する複数の係合溝にたるんだ状態のワ
イヤの余分な部分をそれぞれ係合し、前記係合溝
の端部に形成したワイヤ係止凹部に前記ワイヤの
端部を係止し、前記ワイヤをガイドレールに沿つ
て緊張状態とする。

実施例 以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に
説明する。

第１図において、１はワイヤ式ウインドレギユ
レータ装置で、前記ワイヤ式ウインドレギユレー
タ装置１は、図示しないウインドガラスが装着さ
れるキヤリアプレート２と、長尺で両端部にワイ
ヤ係合体となるプーリー３とワイヤガイド体４を
それぞれ有し、前記キヤリアプレート２が移動自
在に係合されたガイドレール５と、前記プーリー
３とワイヤガイド体４に係合されると共に、前記
キヤリアプレート２に両端がそれぞれ連結された
ワイヤ６と、前記ワイヤ６が巻着される回転体７
を有するベースプレート８とからなり、前記ガイ
ドレール５にはベースプレート係止部となる舌片
挿通部９が設けられている。ベースプレート８に
は舌片挿通部９に着脱自在に係合する係合部とな
る舌片１０が設けられ、キヤリアプレート２には
ワイヤ６を係合する複数のワイヤ係合溝１１，１
２が設けられ、前記ワイヤ係合溝１１，１２の端
部にはワイヤ係止凹部１３，１４がそれぞれ形成
されている。

次に、キヤリアプレート２は第２図に示すよう
に、ウインドガラスを取付ける板金よりなるウイ
ンドガスラ取付部材１５の裏面にガイドレール係
合体１６とワイヤ連結体１７とが装着され、前記
ウインドガラス取付部材１５には上部両側寄りに
にウインドガラスを取付ける際に利用する長孔１
８が穿設され、前記ガイドレール係合体１６とワ
イヤ連結体１７はプラスチツク等の合成樹脂材料
よりなり、前記ガイドレール係合体１６とワイヤ
連結体１７とにより、前記キヤリアプレート２が
ガイドレール５に摺動自在に装着される。

そして、ワイヤ連結体１７には、前面より縦方
向に複数のワイヤ係合溝１１，１２が設けられ、
前記ワイヤ係合溝１１，１２は長手方向中央付近
で交差しており、一方のワイヤ係合溝１１の下端
部にはワイヤ係止凹部１３が形成され、他方のワ
イヤ係合溝１２の上端部にはワイヤ係止凹部１４
が形成されている。

また、ガイドレール係合体１６には第３図に示
すように、内方に屈曲したレール係合部１９が形
成され、ワイヤ連結体１７の裏面にはレール嵌入
溝２０が形成され、前記レール嵌入溝２０の側部
には後方に突出して先端を内方に屈曲したレール
係合部２１が一体に形成され、ワイヤ連結体１７
の前面下端部には第４図に示すように、保管、梱
包時においてワイヤの端部を係止する係止突部２
２が形成されている。

次に、ガイドレール５は第５図、第６図及び第
７図に示すように、長尺の曲板の両側に直角に側
板２５，２５が曲折して形成され、一方の側板２
５を外方に直角に屈折して側部係合体２６が形成
され、他方の側板２５を２重に折り返して側部支
持体２７が形成され、長手方向中央付近には第８
図に示すように、裏面一側寄りに膨出体２８が切
起こして設けられ、前記膨出体２８には側方に連
通する舌片挿通部９が形成されている。

そして、ガイドレール５の上端部には第９図に
示すように、曲板前面にプーリー３が回動自在に
装着され、その上端には上部外れ止２９が装着さ
れ、その下端部には第１０図に示すように、曲板
前面にワイヤガイド体４が装着され、その下端に
は下部外れ止３０が装着されている。前記ガイド
レール５の曲板裏面には上端寄りと下端寄りにガ
イドレール５を車体のドアに装着するためのガイ
ドレール取付部材３１がねじ等により一体に取付
けられ、前記ガイドレール取付部材３１には両側
にねじ孔３２，３２が設けられている。

次に、キヤリアプレート２のガイドレール５へ
の取付けは、第１１図に示すように、キヤリアプ
レート２のガイドレール係合体１６に形成したレ
ール係合部１９がガイドレール５の側部係合体２
６に係合し、キヤリアプレート２のワイヤ連結体
１７に形成したレール嵌入溝２０にガイドレール
５の側部支持体２７を嵌入すると共に、前記ワイ
ヤ連結体１７のレール係合部２１がガイドレール
５の裏面に係合するようにして、前記キヤリアプ
レート２をガイドレール５の端部より挿通するこ
とにより、前記キヤリアプレート２がガイドレー
ル５の端部より挿通することにより、前記キヤリ
アプレート２がガイドレール５に上下方向に移動
自在に取付けられる。そして、ガイドレール５に
キヤリアプレート２を取付けた後、ガイドレール
５上端部にプーリー３を装着し、前記ガイドレー
ル５の下端部にワイヤガイド体４を装着し、前記
プーリー３とワイヤガイド体４にキヤリアプレー
ト２に連結したワイヤを係合した後、前記ガイド
レール５の上端に上部外れ止２９を装着し、前記
ガイドレール５の下端部に下部外れ止３０を装着
する。

次に、ベースプレート８は第１２図及び第１３
図に示すように、本体の中央付近に前方に膨出し
て軸挿通孔３５を有する嵌合突出部３６が形成さ
れ、前記嵌合突出部３６の側部には本体の裏面に
膨出してガイドレール５の舌片挿通部９に挿通す
る舌片１０が側方に向かつて切起こされて設けら
れ、前記本体の裏面には前記嵌合突出部３６の周
囲に通孔３７を有するケース支持体３８が複数突
出して設けられている。

また、ベースプレート８の本体の両端には前方
に屈折して側壁３９，４０が形成され、前記側壁
３９，４０をそれぞれ外方に屈折してベースプレ
ート取付部４１，４２が形成され、前記ベースプ
レート取付部４１，４２の裏面には突出体４３が
形成され、前記突出体４３にはねじ孔４４が設け
られ、ベースプレート８は車体のドアにねじ孔４
４を利用してねじにより装着される。

４５はベースプレート８の裏面に形成された回
転体７に巻着されたワイヤ６を挿通するワイヤ係
止体である。そして、ベースプレート８には第１
４図に示すように、軸挿通孔３５に本体の裏面側
より支軸４６が挿通され、前記支軸４６の端部に
は回転体７が一体に取付けられ、前記回転体７の
外周面には一定のピツチで螺溝４７が形成され、
前記支軸４６の先端には図示しないハンドルを装
着するハンドル取付部４８が形成され、前記支軸
４６の他端がケース４９に形成した支持孔５０に
挿通され、前記支軸４６は軸挿通孔３５と支持孔
５０により回動自在に軸支される。前記ケース４
９はその嵌合孔５１にベースプレート８のケース
支持体３８を挿通した後、前記ケース支持体３８
の先端をかしめることにより、前記ケース４９が
ベースプレート８の裏面に係止され、回転体７の
一部が前記ケース４９により外覆される（第１図
参照）。

ベースプレート８の嵌合突出部３６内には室外
よりウインドガラス５２を押し下げたりすること
ができないように逆転防止機構５２が支軸４６に
設けられ、ウインドガラスを押し下げようとする
と、前記嵌合突出部３６内のスプリング５３がそ
の内部端面に押し付けられてブレーキが働くよう
に構成されている。

ベースプレート８は第１図に示すように、ガイ
ドレール５より離れた側方にねじ孔４４を利用し
てねじ等により車体のドアに装着される。ワイヤ
６のキヤリアプレート２への連結は、ベースプレ
ート８の回転体７に巻着れさた上方に向うワイヤ
６が前記ガイドレール５の上端部に装着されたプ
ーリー３に係合された後、下方に向けられ、この
下方に向けられたワイヤ６がキヤリアプレート２
のワイヤ連結体１７に設けた一方のワイヤ係合溝
１１に係合され、第１５図に示すように、前記ワ
イヤ６の一端に固着した係止体５５がワイヤ連結
体１７に形成した係止突部２２に係止されてい
る。

また、ベースプレート８の回転体７に巻着され
た下方に向うワイヤ６は、ベースプレート８の下
端に巻着されたワイヤガイド体４に係合された
後、上方に向けられ、この上方に向けられたワイ
ヤ６がキヤリアプレート２のワイヤ連結体１７に
設けた他方のワイヤ係合溝１２に係合され、第１
６図に示すように、前記ワイヤ６の他端に固着さ
れた係止体５６がスプリング５７を介してワイヤ
係止凹部１４に係止され、ワイヤ６は前記係止体
５６がスプリング５７により上方に付勢されて緊
張状態を確保されている。

５８はスプリング５７の両端に装着された嵌合
体で、前記嵌合体５８内に設けられた通孔５９に
ワイヤ６が挿通される。

次に、この実施例の作用を説明すると、車体の
ドアに取付けられたワイヤ式ウインドレギユレー
タ装置１のベースプレート８に装着した支軸４６
のハンドル取付部４８に取付けた図示しないハン
ドルを手で回転することにより、前記支軸４６に
軸止した回転体７を回動すると、前記回転体７の
外周面に形成した螺溝４７に巻着したワイヤ６が
移動し、ガイドレール５の端部に巻着したプーリ
ー３とワイヤガイド体４に係合すると共に、前記
ワイヤ６の両端の係止体５５，５６をワイヤ係止
凹部１３，１４内に係止することにより、ワイヤ
６をワイヤ連結体１７を連結したキヤリアプレー
ト２がガイドレール５に沿つて上下に移動し、前
記キヤリアプレート２のウインドガラス取付部材
１５に取付けられたウインドガラスが昇降する。

そして、ワイヤ式ウインドレギユレータ装置１
が車体のドアに取付けられる前の保管及び梱包時
には、第１図及び第１４図の仮想線に示すように
ベースプレート８の舌片１０をガイドレール５の
舌片挿通部９に側方より挿通し、前記ベースプレ
ート８を前記ガイドレール５に係合し、ワイヤ６
の端部に設けた係止体５５をワイヤ係止凹部１３
から引出し、その部分を第１５図に示すように、
キヤリアプレート２に設けた係止突部２２に係止
することにより、前記ワイヤ６をガイドレール５
に沿つて緊張状態とする。

なお、ガイドレールにベースプレート係止部と
なる舌片を設け、ベースプレートに係合部となる
舌片挿通部を設けることも可能である。

考案の効果 以上に述べたように、本考案のワイヤ式ウイン
ドレギユレータ装置によれば、長尺で端部にワイ
ヤ係合体を有し、ウインドガラスを装着するキヤ
リアプレートを移動自在に係合したガイドレール
にベースプレート係止部を設け、前記ワイヤ係合
体に係合すると共に、前記キヤリアプレートに両
端をそれぞれ連結したワイヤを巻着する回転体を
有するベースプレートに前記ベースプレート係止
部に着脱自在に係合する係合部を設けたことによ
り、保管及び梱包状態では前記ベースプレートの
係合部を前記ガイドレールのベースプレート係止
部に係合し、前記ベースプレートをガイドレール
に取付けて一体とすることができ、保管及び梱包
が簡単に行なえる。

また、キヤリアプレートにワイヤを係合する複
数の係合溝を設け、前記係合溝の端部にワイヤ係
止凹部を形成したことにより、保管及び梱包時に
はワイヤ端部をワイヤ係止凹部から抜き出し、ワ
イヤの余分な部分を前記複数の係合溝に係合する
と共に、前記ワイヤの端部をキヤリアプレートに
係止すれば、ワイヤをガイドレールに沿つて緊張
状態にすることができ、ワイヤがたるんでベース
プレートの回転体やガイドレールのワイヤ係合体
より外れることがなく、ワイヤが邪魔とならず、
ガイドレールよりワイヤ係合体を取外す必要がな
く、保管及び梱包することができ、車体のドアへ
の取付けはベースプレートをガイドレールから取
外して適当な位置に固定するのみで取付け作業を
容易に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の実施例のワイヤ式ウインド
レギユレータ装置の正面図、第２図は、同上のキ
ヤリアプレートの正面図、第３図は、キヤリアプ
レートの平面図、第４図は、キヤリアプレートの
要部側面図、第５図は、ガイドレールの正面図、
第６図は、ガイドレールの左側面図、第７図は、
ガイドレールの要部横断面図、第８図は、ガイド
レールの要部縦断面図、第９図は、ガイドレール
上端の要部側断面図、第１０図は、ガイドレール
下端の要部側断面図、第１１図は、ガイドレール
へのキヤリアプレートの取付けを示す平面図、第
１２図は、ベースプレートの正面図、第１３図
は、ベースプレートの要部横断面図、第１４図
は、ベースプレートへの回転体の取付けを示す要
部横断面図、第１５図は、ワイヤのキヤリアプレ
ートへの連結を示す要部側面図、第１６図は、ワ
イヤのキヤリアプレートへの連結を示す要部断面
図である。 １……ワイヤ式ウインドレギユレータ装置、２
……キヤリアプレート、３……プーリー、４……
ワイヤガイド体、５……ガイドレール、６……ワ
イヤ、７……回転体、８……ベースプレート、９
……舌片挿通部、１０……舌片、１１，１２……
ワイヤ係合溝、１３，１４……ワイヤ係止凹部、
１５……ウインドガラス取付部材、１６……ガイ
ドレール係合体、１７……ワイヤ連結体、１８…
…長孔、１９……レール係合部、２０……レール
嵌入溝、２１……レール係合部、２２……係止突
部、２５……側板、２６……側部係合体、２７…
…側部支持体、２８……膨出部、２９……上部外
れ止、３０……下部外れ止、３１……ガイドレー
ル取付部材、３２……ねじ孔、３５……軸挿通
孔、３６……嵌合突出部、３７……通孔、３８…
…ケース支持体、３９，４０……側壁、４１，４
２……ベースプレート取付部、４３……突出体、
４４……ねじ孔、４５……ワイヤ係止体、４６…
…支軸、４７……螺溝、４８……ハンドル取付
部、４９……ケース、５０……支持孔、５１……
嵌合孔、５２……逆転防止機構、５３……スプリ
ング、５５……係止体、５６……係止体、５７…
…スプリング、５８……嵌合体、５９……通孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ウインドガラスを装着するキヤリアプレート
   と、長尺で端部にワイヤ係合体を有し、前記キヤ
   リアプレートを移動自在に係合したガイドレール
   と、前記ワイヤ係合体に係合すると共に、前記キ
   ヤリアプレートに両端をそれぞれ連結したワイヤ
   と、前記ワイヤを巻着する回転体を有するベース
   プレートとからなるワイヤ式ウインドレギユレー
   タ装置において、前記ガイドレールにベースプレ
   ート係止部を設けると共に、前記ベースプレート
   に前記ベースプレート係止部に着脱自在に係合す
   る係合部を設け、前記キヤリアプレートにはワイ
   ヤを係合する複数の係合溝を設け、前記係合溝の
   端部にワイヤ係止凹部を形成したことを特徴とす
   るワイヤ式ウインドレギユレータ装置。