JPH064491U - 内面樹脂ライニング金属管の接続部構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】被接続管の端部内面に水密に接触されるコア部
を有する合成樹脂成形体を継手本体内に設けた管継手に
より内面樹脂ライニング金属管を接続する場合、コア部
に起因する圧力損失の増加をよく回避でき、しかも、コ
ア部外面と管端部内面との接触圧を充分に保持してその
接触界面のシ−ル性をよく保障できる内面樹脂ライニン
グ金属管の接続部構造を提供する。 【構成】コア部の内径を上記内面樹脂ライニング金属管
の樹脂ライニング層内径にほぼ等しくし、同管端部内面
の樹脂ライニング層にコア嵌合用溝を設け、該溝に上記
コア部を嵌合したことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は内面樹脂ライニング金属管の接続部構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

金属管（例えば、鋼管）の内面に、管内通水に対する防食層として樹脂ライニ ング層を被覆した内面樹脂ライニング金属管においては、管端防食のために、管 端端面を管内通水から止水する必要がある。

【０００３】 このため、従来、例えばねじ込み式管継手により上記の内面樹脂ライニング金 属管を接続する場合、図５に示すように、コア部２１’を有する合成樹脂成形体 ２’をねじ込み式継手本体１’内に射出成形し、かかる管継手に管端部３’をね じ込み接続し、管端部内面をコア部外面に緊圧し、管端端面を管内通水から遮水 することが公知である。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記の接続部構造では、コア部内径ｄが管内面の樹脂ライニン グ層内径Ｄよりもコア部２１’の厚み分だけ小さくなり、コア部２１’のために 、ある程度の圧力損失の増加が避けられない。

【０００５】 かかる不具合を軽減するために、コア部の厚さを薄くすることが考えられるが 、コア部と樹脂ライニング層内面との接触界面での圧力がコア部の厚みにほぼ比 例するから、コア部の厚さを薄くすると、その接触圧力の減少による接触界面の シ−ル性低下が問題となる。

【０００６】 本考案の目的は、被接続管の端部内面に水密に接触されるコア部を有する合成 樹脂成形体を継手本体内に設けた管継手により内面樹脂ライニング金属管を接続 する場合、コア部に起因する圧力損失の増加をよく回避でき、しかも、コア部外 面と管端部内面との接触圧を充分に保持してその接触界面のシ−ル性をよく保障 できる内面樹脂ライニング金属管の接続部構造を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案の内面樹脂ライニング金属管の接続部構造は、被接続管の端部内面に水 密に接触されるコア部を有する合成樹脂成形体を継手本体内に設けた管継手によ り内面樹脂ライニング金属管を接続する接続部構造において、上記コア部の内径 を上記内面樹脂ライニング金属管の樹脂ライニング層内径にほぼ等しくし、同管 端部内面の樹脂ライニング層にコア嵌合用溝を設け、該溝に上記コア部を嵌合し たことを特徴とする構造である。

【０００８】

【作用】

コア部の内径を管内径にほぼ等しくしているから、コア部での圧力損失を管部 分での圧力損失と同程度に抑えることができる。

【０００９】 また、管端部内面の樹脂ライニング層にコア嵌合用溝を設け、この溝にコア部 を受容させているから、コア部内径を管内計にほぼ等しくしても、コア部管壁に 充分な厚みを付与でき、コア部外面と管端部内面との間の接触圧を充分に保持で き、その接触界面の水密性をよく保障できる。

【００１０】

【実施例】

以下、図面により本考案の実施例を説明する。 図１は本考案の実施例を示す縦断面図である。

【００１１】 図１において、Ａは管継手であり、両端部内面に雌ねじ溝１１を設けた金属製 の継手本体１内に、コア部２１を有する合成樹脂成形体２を射出成形してある。 Ｂは内面樹脂ライニング金属管、例えば、鋼管の内面にプラスチック管を接着剤 により固着した複合管であり、管端部３外面の金属管部分に雄ねじ溝３１を刻設 し、管端部内面の樹脂ライニング層３２にコア嵌合用溝３３を設けてある。

【００１２】 この内面樹脂ライニング金属管Ｂの内径と上記合成樹脂成形体２のコア部２１ の内径を実質上等しくし、また、樹脂ライニング層３２のコア嵌合溝３３の深さ をコア部２１の厚さよりも僅かの厚みΔｔだけ浅くしてある。

【００１３】 而して、管端部外面の雄ねじ溝３１と管継手端部内面の雌ねじ溝１１との螺合 により、管継手内合成樹脂成形体２のコア部２１が管端部内面樹脂ライニング層 ３２の溝３３に緊密に受容され、該コア部内面211と管の樹脂ライニング層内面 ｂとが実質上面一とされる。したがって、管接続部におけるコア部２１内の通水 圧力損失を管内通水圧力損失と同程度に抑えることができ、当該コア部２１に起 因する圧力損失の増加を回避できる。

【００１４】 上記において、コア部２１の厚みをｔ，コア部２１の半径をｒ，合成樹脂成形 体２のヤング率をＥとすると、コア部外面と管端部内面との間に作用する接触圧 Ｐは、上記した溝深さとコア部厚さとの差Δｔのもとで、ほぼ Ｐ＝Ｅ・Δｔ・ｔ／ｒ² で与えられる。而るに、コア部の厚みｔを管内面樹脂ライニング層の厚みの範囲 内で充分に厚くできるから、接触圧Ｐを充分に大きくでき、その接触界面に良好 なシ−ル性を付与できる。従って、内面樹脂ライニング金属管の管端防食を良好 に行い得る。

【００１５】 本考案において、管継手Ａには、内面樹脂ライニング金属管の管端防食を行う ためにコア部２１を有する合成樹脂成形体を内部に設けたものであれば適宜のも のを使用でき、上記のねじ込み式のみに限定されない。

【００１６】 例えば、図２に示すように、コア部２１とスリ−ブ部２２とを有する合成樹脂 成形体２を管継手本体１内に射出成形し、この成形時、スリ−ブ部２２の端部に ゴムリング収容溝221を成形し、該溝221にゴムリング４を収容したうえで、内面 に止めリング収容溝５１を有する押え金具５を継手本体端部１１内に螺合してゴ ムリング４を挾持し、押え金具５の止めリング収容溝５１に止めリング６を収容 して成る管継手Ａを用い、内面樹脂ライニング金属管Ｂの端部内面の樹脂ライニ ング層にコア嵌合用溝３３を設け、当該管端部をその管継手Ａで差し込み方式に より接続することもできる。

【００１７】 また、図３に示すように、コア部２１を有する分割型合成樹脂成形体２を予め 射出成形し、この分割型合成樹脂成形体２，２を、その成形体２のゴムリング収 容用溝221並びに止めリング収容用溝５１にそれぞれゴムリング４並びに止めリ ング６を収容したうえで継手本体１内に螺合して成る管継手Ａを用いることもで きる。図３において、７は継手本体１の中間部内面に被覆した防食層であり、合 成樹脂成形分割体の先端端面を密着させる場合、またはその先端端面間にパッキ ングを介在させる場合は、省略できる。

【００１８】 上記において、管継手本体には、例えば、可鍛鋳鉄製のものを使用できる。 また、合成樹脂成形体には耐熱性樹脂、例えば架橋ポリエチレン、ポリプデン 、塩素化塩化ビニル等を使用できる。

【００１９】 上記において、管継手内合成樹脂成形体のコア部と内面樹脂ライニング金属管 端部内面との接触面には、シ−ラント等のシ−ル剤を塗布することが好ましい。 また、図４の（イ）に示すように、管継手内合成樹脂成形体２のコア部２１の 先端にパッキング材としての弾性体201を固着し、更にまた、図４の（ロ）に示 すように、伸縮自在のリップ部202を形成して、コア部先端を管端部内面樹脂ラ イニング層のコア嵌合溝端に間隙を残すことなく緊圧状態で納めることも可能で ある。

【００２０】

【考案の効果】

本考案の内面樹脂ライニング金属管の接続部構造は上述した通りの構成であり 、内面樹脂ライニング金属管の管端防食のためにコア部を有する合成樹脂成形体 を管継手内に設けているが、この合成樹脂成形体のコア部の内径を被接続内面樹 脂ライニング金属管の内径に実質上等しくできるから、そのコア部での通水圧力 損失を管での通水圧力損失に等しくでき、当該コア部に起因する圧力損失の増加 をよく回避できる。また、上記コア部の管壁厚さを充分に厚くでき、コア部外面 と管端部内面との接触圧を充分に大きくしてその接触界面の水密性を良く保障で きるから、内面樹脂ライニング金属管の管端防食を良好に行い得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す断面図である。

【図２】本考案において使用する管継手の別例を示す断
面図である。

【図３】本考案において使用する管継手の他の別例を示
す断面図である。

【図４】本考案において使用する管継手のコア部の異な
る先端部構造を示す一部断面図である。

【図５】従来例を示す一部断面図である。

【符号の説明】

Ａ 管継手 ２ 合成樹脂成形体 ２１ コア部 Ｂ 内面樹脂ライニング金属管 ３２ 樹脂ランニング層 ３３ コア嵌合用溝

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】被接続管の端部内面に水密に接触されるコ
   ア部を有する合成樹脂成形体を継手本体内に設けた管継
   手により内面樹脂ライニング金属管を接続する接続部構
   造において、上記コア部の内径を上記内面樹脂ライニン
   グ金属管の樹脂ライニング層内径にほぼ等しくし、同管
   端部内面の樹脂ライニング層にコア嵌合用溝を設け、該
   溝に上記コア部を嵌合したことを特徴とする内面樹脂ラ
   イニング金属管の接続部構造。