JPH0644794Y2 - ディスクブレーキのカバー取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、車両例えば二輪車に取付けられたディスクブ
レーキのカバー取付構造に関する。

（従来の技術） 車両の制動装置の１つであるディスクブレーキは、車輪
と一体に回転するディスクの両面を摩擦材であるパッド
で挟み、その摩擦力によって車両を制動させるものであ
る。このようなディスクブレーキは、ディスクのほとん
どが露出しているため、放熱作用が非常に優れているな
ど多くの長所があるが、その反面、砂利、泥等が付着し
やすく、この付着等によってディスクに損傷が発生しや
すいという問題があった。

そこで、このような欠点をなくために、露出したディス
クを覆うカバーが考案され、このカバーによってディス
クを保護している。このカバーは、第４図に示すように
車輪１のディスク２と同軸に設けられるキャリパ３を支
持するキャリパ・ブラケット４の下部にディスク２を覆
うカバー５を固定したものである。ディスク２をこのカ
バー５で覆えば、このカバー５によってディスク２への
泥、砂利等の付着は防止される。また、同じ先行技術と
してディスクブレーキのカバー取付構造が、実開昭61−
113088号公報に開示されている。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、上記従来のディスク用のカバーは、キャ
リパが固定された固定式キャリパ用に製作されているの
で、キャリパ自体が左右にスライドする浮動式キャリパ
で、さらにトルクリンクを有する構造のものに、このカ
バーを取付けようとすると、キャリパ３やキャリパ・ブ
ラケット４の構造が異るため、その取付けが困難であっ
た。したがって、浮動式キャリパでトルクリンクを有す
るディスクブレーキには、取付けるカバーがなく、泥、
砂利付着の防止ができなかった。そのため、このような
泥、砂利の付着を防止するカバーが望まれていた。

また、実開昭61−113088号公報のディスクブレーキのカ
バー取付構造のものは、上記と同じようにトルクリンク
があるものには使用できない問題がある。

本考案は、上記従来の問題点を解決することを課題とし
てなされたものである。

（課題を解決するための手段） 上記課題を解決するために、本考案は二輪車６の後輪７
のディスク９近傍に、該ディスク９を挟むキャリパ11が
取付けられたディスクブレーキ８において、前記キャリ
パ11を、該キャリパ11を支持するキャリパ・ブラケット
10の一端に取付け、該キャリパ・ブラケット10の他端
に、制動時にキャリパ11の回転方向への動きを防止する
一側が車体フレーム16に取付けられたトルクリンク12の
他端を結合すると共に、前記キャリパ・ブラケット10と
前記トルクリンク12の接続部に、ディスク９の下部側を
覆うカバー17を取付けた構成としたものである。

（作用） 以上のように構成したので、浮動式キャリパでトルクリ
ンク有するディスクブレーキにこのカバーを取付けれ
ば、ディスクの車両進行方向前方はこのカバーによって
覆われ、ディスクに砂利、泥等が付着することはない。

（実施例） 次に本考案の一実施例を第１図乃至第３図にもとづいて
説明する。

第１図は、第２図に示す二輪車６の後輪７のディスクブ
レーキ８の取付け近傍を拡大して示したものである。図
において、９は後輪７と同軸に取付けられるディスク
で、10はディスク９と同様に後輪７の軸芯に取付けられ
るキャリパ・ブラケットである。キャリパ・ブラケット
10の上部一端にはキャリパ自体が左右にスライドする浮
動型のキャリパ11が固定され、下部他端にはトルクリン
ク12の一端が接続している。

このキャリパ・ブラケット10とトルクリンク12とはピロ
ボール13とボルト14・ナット14aとによって回動自在に
接続されている（第３図参照）。トルクリンク12は制動
時におけるキャリパ11の回転方向への動きを防止するも
のであり、スイグアーム15と平行に、その他端は車体フ
レーム16に取付けられている（第２図参照）。このキャ
リパ・ブラケット10とトルクリンク12との接続部には、
下部外部側から接続部を覆うようにディスク９用のカバ
ー17が取付けられ、スクリュ18によって、トルクリンク
12の２箇所に固定されている。このディスク９用のカバ
ー17は、断面ほゞコ字状したもので車両前方方向部分が
ディスク９の外周に沿って高くされている。これは特
に、前輪によって跳ねあげられた土砂がディスク９に当
たるのを防御している。図中、19はスペーサ、20はブレ
ーキホースである。

以上のように構成されたこのカバー17をキャリパ・ブラ
ケット10と、トルクリンク12との接続部に嵌めてから、
これをスクリュウ18によってトルクリンク12に固定す
る。そしてキャリパ・ブラケット10を後輪７のリヤアク
セル軸（図示せず）に嵌合させれば、ディスク９はこの
カバー17によってディスク９の車両進行方向の前方の下
半分が覆われ、このカバーによってディスク９に砂利、
泥が付着するのを防止することができる。

（考案の効果） 以上詳細に説明したように本考案によれば、キャリパブ
ラケットとトルクリンクとの接続部に取付けられるカバ
ーによって、浮動型のキャリパでトルクリンクを有する
ディスクブレーキのディスクもこのカバーで覆うことが
できる。したがって、土砂及び泥等の付着を防止するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す分解斜視図、第２図は
本考案のカバーを取付けた二輪車の側面図、第３図は第
１図のIII−III線に沿う断面図、第４図は従来のものの
分解斜視図である。 ６…二輪車、７…後輪 ８…ディスクブレーキ、９…ディスク 10…キャリパ・ブラケット 11…キャリパ 12…トルクリンク 16…車体フレーム、17…カバー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】二輪車の後輪のディスク近傍に、該ディス
   クを挟むキャリパが取付けられたディスクブレーキにお
   いて、前記キャリパを、該キャリパを支持するキャリパ
   ・ブラケットの一端に取付け、該キャリパ・ブラケット
   の他端に、制動時にキャリパの回転方向への動きを防止
   する一側が車体フレームに取付けられたトルクリンクの
   他側を結合すると共に、前記キャリパ・ブラケットと前
   記トルクリンクの接続部に、ディスクの下部側を覆うカ
   バーを取付けたことを特徴とするディスクブレーキのカ
   バー取付構造。