JPH0644681U - 車室内こもり音低減装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両走行時のエンジンの回転振動に起因して
車室内に発生する低周波の音、すなわちこもり音を低減
すべき装置に関する。 【構成】 車室構造体の天井部を構成するル−フパネル
に形成した前後方向の補強用ビ−ド間の隙間を利用し
て、吸気レゾネ−タを構成し、この吸気レゾネ−タから
導出される吸気レゾネ−タパイプを、車室構造体のバツ
クパネル付近で開口させてなる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、車両走行時のエンジンの回転振動に起因して車室内に発生する低 周波の音、すなわちこもり音を低減すべき装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、車室内に発生するこもり音の低減には、車室構造体支持部及びエンジン 支持部におけるバネ常数の変更による振動絶縁や、こもり音と周波数が同じで逆 位相の音をスピ−カで発生して、消音するアクテイブノイズコントロ−ル等があ る。

【０００３】 また実開平２−１４４８８９号公報には、運転室の構造体の外部に、空気室用 箱体を突出して設け、前記キヤブ構造体とこの箱体との境界面開口部に蓋体を設 け、その蓋体の板厚方向に基板、吸音材及び緩衝材を積層接着するとともに、前 記基板に吸音用窓孔部を穿設した運転室の消音装置が提案されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来の技術において、バネ常数の変更による振動絶縁は、車室構造体やエ ンジンの支持部において考慮を要する問題であると共に効果が十分ではなく、ア クテイブノイズコントロ−ルは高価なため実用的ではない。また上記実開平２− １４４８８９号公報に記載された装置は、車室外への突出部を設ける必要がある と共に、吸音の作用が得られることを企図するものである。これに対してこの考 案は、車室の構造自体には殆んど変改を加えることなく、こもり音の低減を可能 とする装置を提供しようとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

すなわちこの考案は、車室構造体の天井部を構成するル−フパネルに形成した 前後方向の補強用ビ−ド間の隙間を利用して、吸気レゾネ−タを構成し、この吸 気レゾネ−タから導出される吸気レゾネ−タパイプを、車室構造体のバツクパネ ル付近で開口させてなる、車室内こもり音低減装置を提案するものである。

【０００６】

【作用】

車両走行時に、エンジン回転振動によつて車室構造体が加振されると、空洞共 鳴により、車室内に定在波ができ、こもり音が発生するが、この定在波のモ−ド は、車室構造体の特性により、フロントパネルとバツクパネルとの間に発生し、 音圧レベルはバツクパネル付近が最も大きいが、この際バツクパネル付近に設置 した吸気レゾネ−タパイプ部の空気は、上記音圧レベルの大きい空気に加振され て振動し、こもり音のエネルギを消費し、このようにして、吸気レゾネ−タでこ もり音のエネルギを消費するため、こもり音が低減するのである。

【０００７】

【実施例】

次にこの考案の一実施例を、図１及びこの図１のＡ−Ａ断面図である図２によ つて、詳細に説明する。 車室構造体１の天井部を構成するル−フパネル２には、前後方向に複数の補強 用ビ−ド３が形成されている。

【０００８】 前記補強用ビ−ド３の間には隙間４が存在するが、この隙間４に吸気レゾネ− タ５を構成し、共鳴周波数を２００Ｈｚに設定したこの吸気レゾネ−タ５から導 出される吸気レゾネ−タパイプ６を、車室構造体１のバツクパネル７の付近にお いて、車室８内に開口させるのである。なお図において、９はル−フライニング を示す。

【０００９】 前記車室構造体１が、エンジン回転振動により加振されると、空洞共鳴により 、車室８内に定在波（２００Ｈｚ）ができ、こもり音が発生するがこの定在波の モ−ドは、車室構造体１の特性により、フロントパネル１０とバツクパネル７と の間に図２に点線で示すように発生し、音圧レベルは、バツクパネル７付近が最 も大きい。

【００１０】 この際、このバツクパネル７付近に開口する吸気レゾネ−タ６の部分の空気は 、上記音圧レベルの大きい空気に加振されて振動し、エネルギを消費する。この ようにして吸気レゾネ−タ５でこもり音のエネルギを消費するため、こもり音が 低減するのである。

【００１１】

【考案の効果】

この考案の上述の構成からなる車室内こもり音低減装置によれば、車室内に発 生するこもり音を、吸気レゾネ−タにより低減させることができるので、車室内 のこもり音によつて運転者に不快感から、耳鳴り、めまい等の種々の障害を与え ることをなくし、延いては安全運転に寄与させるものであつて、しかもこのよう な効果を、車室構造物に対する変改が殆んどない状態で達成しうるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例の斜視図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線に沿う断面図である。

【符号の説明】 １ 車室構造体 ２ ル−フパネル ３ 補強用ビ−ド ４ 隙間 ５ 吸気レゾネ−タ ６ 吸気レゾネ−タパイプ ７ バツクパネル ８ 車室 ９ ル−フライニング １０ フロントパネル

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 車室構造体の天井部を構成するル−フパ
   ネルに形成した前後方向の補強用ビ−ド間の隙間を利用
   して、吸気レゾネ−タを構成し、この吸気レゾネ−タか
   ら導出される吸気レゾネ−タパイプを、車室構造体のバ
   ツクパネル付近で開口させてなる、車室内こもり音低減
   装置。