JP2009255652A - サンバイザー - Google Patents

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【課題】吸音構造体が、音波を振動に変換して、音波エネルギーを機械エネルギーとして消費して吸音を行う。例えば、吸音構造体が吸音する周波数を低い値に設定した場合には、例えば走行音のような低周波数の音を効率良く吸音することができる。
【解決手段】サンバイザー130は、支持軸150によって支持される遮光部140を有する。この遮光部140は、基台となる芯材141と、この芯材141の表面を被覆する表面材160とからなる。芯材141には、板吸音体10を取り付けるための矩形状の貫通孔142が形成される。この板吸音体10は、車室105内にこもる音が音圧透過部161を通して振動板13に伝達され、この振動板13を振動させる。この振動により、車室105内の音波エネルギーが機械エネルギーとして消費されて吸音を行う。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えば、ロードノイズ等の比較的低い周波数の車室内騒音を吸音することが可能なサンバイザーに関する。
従来、車両のフロントガラス沿いの天井部には、遮光用のサンバイザーが設けられている。この種のサンバイザーは、遮光部となる板状芯材と、この板状芯材を天井部に回動可能に軸支する支持軸とを有する。サンバイザーは、非使用時には、板状芯材を天井に当接させて収納させるとともに、使用時には、支持軸の周りに板状芯材を回動させて乗員とフロントウインド(サイドウインド)の間の使用位置まで移動させて、乗員の視界を一部遮蔽して防眩具として用いられる。
板状芯材は、その表面をファブリックやレザー等の表面材で被覆することによって内装材としての意匠性を与えている。
一方、サンバイザーは、乗員の頭部に非常に近い位置に配置されることから、サンバイザーが乗員に対する音場環境を改善する吸音材として好適に機能するであろうことに着目し、サンバイザーに吸音機能を与えた技術がある。例えば、吸音体として連通した空隙を有する樹脂発泡体を用いたもの(特許文献1)、フェルト等の多孔質の吸音材を用いたもの(特許文献2)等がある。
特開2004− 90829号公報 特開2005−104196号公報
しかし、いずれの技術も、粒子速度駆動に基づく吸音機構を利用しているため、低周波数領域における音に対しては、大きな背後空気層が必要であり、エンジン音、走行中の風切り音、タイヤや路面からひろうロードノイズ等のように、比較的低い周波数領域における音に対しては減衰することができなかった。即ち、連通した空隙を有する樹脂発泡体やフェルト等の多孔質材は、音波の粒子速度が最大となる位置に、その速度が最大となる方向と垂直に配設されたときに、吸音効率が最大となる。このため、室境界(壁面)から、対象周波数のλ/4程度の空間を背後に有する必要があり、低音域を吸音するためには、大きな空気層(例えば、315Hzの場合には27cm)が必要となり、現実的には車室内に設置することは不可能となる。言い換えれば、背後空気層が少ない多孔質吸音構造では、低周波数を吸音することはできず、低周波波の音響エネルギーを消散させることはできなかった。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、低周波領域における音を効率良く吸音する吸音構造体を有するサンバイザーを提供することにある。
上述した課題を解決するために、本発明が採用するサンバイザーは、車室に設けられ、遮光用に用いられるサンバイザーであって、音圧駆動によって吸音を行う吸音構造体を当該サンバイザーに具備することを特徴とする。
上記構成において、前記吸音構造体は、振動板と、この振動板によって画成される空気層と、を有する板吸音体であることが望ましい。
上記構成において、前記吸音構造体は、閉空間と、この閉空間と前記車室の空間とを連通する管状部材と、を有するヘルムホルツ吸音体であることが望ましい。
上記構成において、前記吸音構造体は、振動板と、この振動板の背後に画成される空気層と、を有する板吸音体、閉空間と、この閉空間と外部とを連通する管状部材と、を有するヘルムホルツ吸音体、前記各吸音体の組み合わせによって構成されることが望ましい。
上記構成において、当該サンバイザーの基台をなす板状の芯材を有し、前記芯材に前記吸音構造体を設けることが望ましい。
上記構成において、当該サンバイザーの基台をなす板状の芯材を有し、前記芯材によって当該吸音構造体の一部を構成することが望ましい。
上記構成において、当該サンバイザーは、音圧透過部を有することが望ましい。
上記構成において、当該サンバイザーは、その表面を通気性を有する表面材で覆われることが望ましい。
本発明によれば、サンバイザーに設けられた吸音構造体が、音波を振動に変換して、音波エネルギーを機械エネルギーとして消費して吸音を行う。例えば、吸音構造体が吸音する周波数を低い値に設定した場合には、ロードノイズのような低周波数の音を効率良く吸音することができる。
以下、吸音構造体を備えた車体構造体について説明する。
<第1実施形態>
本発明者達は、車室内にこもる音に着目して、車室内における種々の場所における音圧を測定した。その結果、ルーフ(屋根)のフロント側で、音圧が比較的大きくなっていることを検知した。そこで、このフロント側のルーフに配置されるサンバイザーに吸音構造体を設けることに着目した。
一般に、車室の境界面においては、音波の粒子速度が大きな値をとらないのに対し、音圧は高いところと低いところが生じる(所謂、音圧分布)。そこで、上記構成のように、音圧駆動による吸音機構を有する吸音構造体は、吸音される音響エネルギーが、吸音効率とそこに入射する音響エネルギーの積で決まるため、高音圧の部位に前記音圧駆動の吸音構造を優先的に配置することで、効率的に車室内の音響エネルギーを消散することが可能となる。また、音圧駆動に基づく吸音構造体では、λ/4の背後空気層を構成することなく実現できるため、壁面近傍での吸音を可能とし、低周波数領域における音に対しても大きな背後空気層を必要としないという利点がある。
(1)構成
(1−1)車両
図1は、本発明の実施形態に係る4ドアセダン形の車両100を示す模式図である。車両100のシャーシ110は、ベース111と、このベース111から上側に延びる一対のフロントピラー112・センタピラー113・リアピラー114と、ピラー112,113,114によって支えられるルーフ120と、車両100内を車室105とエンジン室106とに分けるエンジン仕切隔壁115と、車室105と荷室107とに分けるトランク仕切隔壁116とを有する。ルーフ120のフロント側にはサンバイザー130が設けられる。
(1−2)サンバイザー
本実施形態の特徴は、箱形の板吸音体10をサンバイザー130に設けたことにある。図2は、サンバイザー130を展開図を示している。図3は図2中の矢視III−III方向から見た断面図である。
サンバイザー130は、板状の遮光部140と、この遮光部140を回動可能に支持するL字状に折曲した支持軸150とを具備する。
遮光部140は、遮光部140の基台となる、例えばABS樹脂(エンジニアプラスチック)によって形成された芯材141と、この芯材141の表面を上下から覆うように被覆する、音圧透過性を有する不織布によって形成された表面材160とで大略構成される。表面材160は、芯材141を上下面から覆うようにして、上下の各辺を合わせて接着することによって、芯材141を被覆する。
芯材141には支持軸150が挿入される支持管149が固着され、支持軸150を支持管149に挿入することにより、支持軸150に対して支持管149(芯材141)を回動可能にする。
支持軸150の起端側にはルーフ120に取り付けるための取付ブラケット151が一体形成され、この取付ブラケット151には一対のネジ孔152が穿設される。そして、取付ブラケット151をルーフ120の所定位置にネジ止めすることによって、サンバイザー130がルーフ120に固定される。
一方、芯材141には、後述する板吸音体10を取り付けるための矩形状の貫通孔142が形成され、表面材160のうちこの貫通孔142の位置が音圧透過部161となる。
(1−3)板吸音体
次に、板吸音体10の構造について説明する。
板吸音体10は、開口部12を有する矩形状の筐体11と、開口部12を閉塞する振動板13と、筐体11内に画成される空気層14と、を具備する。筐体11は合成樹脂材料(例えば、ABS樹脂)によって形成され、振動板13は高分子化合物(例えば、無機充填材を含むポリオレフィン系シート)によって形成される。本発明においては、振動板13は、弾性を有する素材を膜状に形成してもよい。
この板吸音体10は、サンバイザー130の非使用時においては、振動板13が車室105側を向き、使用時においては、フロントガラス側を向くようになる。
板吸音体10は、後述する条件に設定することで、音圧透過部161を通して振動板13に伝わる車室105側の音圧と、空気層14内に圧力との差によって振動板13が振動される。これにより、当該板吸音体10に到達する音波のエネルギーは、この振動板13の振動により消費されて音が吸音されることになる。
(1−4)板吸音体の設定条件
ここで、板吸音体10の設定条件について説明する。
一般に、板状または膜状の振動体と空気層により音を吸収する吸音構造について、減衰させる周波数は、振動体の質量成分(マス成分)と空気層のバネ成分とによるバネマス系の共振周波数によって設定される。空気の密度をρ[kg/m3]、音速をc[m/s]、振動体の密度をρ[kg/m3]、振動体の厚さをt[m]、空気層の厚さをL[m]とすると、バネマス系の共振周波数は数1の式で表される。
Figure 2009255652
また、板・膜振動型吸音構造において振動体が弾性を有して弾性振動をする場合には、弾性振動による屈曲系の性質が加わる。建築音響の分野においては、振動体の形状が長方形で一辺の長さをa[m]、もう一辺の長さをb[m]、振動体のヤング率をE[Pa]、振動体のポアソン比をσ[−]、p,qを正の整数とすると、以下の数2の式で板・膜振動型吸音構造の共振周波数を求め、求めた共振周波数を音響設計に利用することも行われている(周辺支持の場合)。
Figure 2009255652
そして、本実施形態においては、上記数式から160〜315Hzバンド(1/3オクターブ中心周波数)を吸音するよう、以下のようにパラメータが設定される。
Figure 2009255652
一方、上記数2において、バネマス系の項(ρ /ρtL)と屈曲系の項(バネマス系の項の後に直列に加えられている項)とが加算される。このため、上記式で得られる共振周波数は、バネマス系の共振周波数より高いものとなり、吸音のピークとなる周波数を低く設定することが難しい場合がある。
このような吸音体においては、バネマス系による共振周波数と、板の弾性による弾性振動による屈曲系の共振周波数との関連性は十分に解明されておらず、低音域で高い吸音力を発揮する板吸音体の構造が確立されていないのが実情である。
そこで、発明者達は鋭意実験を行った結果、屈曲系の基本振動周波数の値をfa、バネマス系の共振周波数の値をfbとし場合、以下の数3の関係を満足するように、上記パラメータを設定する。これにより、屈曲系の基本振動が背後の空気層のバネ成分と連成して、バネマス系の共振周波数と屈曲系の基本周波数との間の帯域に振幅の大きな振動が励振されて(屈曲系共振周波数fa<吸音ピーク周波数f<バネマス系基本周波数fb)、吸音率が高くなるという事実を検証した。
Figure 2009255652
さらに、以下の数4に設定する場合、吸音ピークの周波数がバネマス系の共振周波数より十分に小さくなる。この場合、低次の弾性振動のモードにより屈曲系の基本周波数がバネマス系の共振周波数より十分に小さく、300[Hz]以下の周波数の音を吸音する吸音構造として適していることも検証した。
Figure 2009255652

このように、上記した数3,4の条件を満足するように各種パラメータを設定することにより、吸音のピークとなる周波数を低くした吸音体が構成できる。
(1−5)第1実施形態の作用・効果
本実施例による板吸音体10においては、車室105内にこもる音が音圧透過部161を通して振動板13に伝達され、この振動板13を振動させる。この振動により、車室105内の音波エネルギーが機械エネルギーとして消費されて吸音を行う。例えば、板吸音体10の設定を上記パラメータの数値に設定することにより、ロードノイズのような低周波数の音(車室105内の固有振動に対応した音圧が局所的に高くなる音の周波数(約500Hz以下))を効率良く吸音することができる。ここで、低周波数の音とは、車室内の固有振動のうちその振動数が最も低い周波数である基本振動の周波数(通常の車室では約80Hz)と、当該車室が拡散音場とみなせる周波数帯域(通常の車室では約500Hz以上の帯域)との間の周波数帯域であって、当該車室において離散的にモードがあるとみなせる周波数をいう。
一方、本実施形態においては、特に車室105内において音圧の高い位置、即ちルーフ120のフロント側に位置したサンバイザー130に箱形の板吸音体10を設けている。荷室107からトランク仕切隔壁116を抜けて車室105内に伝わった比較的周波数の低いロードノイズは、サンバイザー130に設けられた板吸音体10に効率良く吸音される。
ここで、板吸音体10をサンバイザー130に設けた実験を行った。
具体的には、2個の板吸音体10をサンバイザー130に設けた。その筐体11の大きさは以下のようになる。
板吸音体10の筐体:120mm×120mm×10mm
そして、実験結果は、図4のようになった。このグラフは、運転席における音圧を示した周波数特性であり、実線が吸音構造体なし、点線が吸音構造体有りを示している。
この図4に示すように、周波数160〜315Hzの範囲において、騒音レベルが1〜1.5dB低減され、騒音(ロードノイズ等)が集中する低い周波数における音を吸音できる結果が得られた。
この結果、本実施形態におけるサンバイザー130は、このサンバイザー130に設けられた板吸音体10によって、例えばロードノイズ等を効率良く吸音させることができ、車室105内の静粛感を高めることができる。
また、サンバイザー130は、簡単な取付構造となっているため、吸音機能を有するサンバイザー130に交換することで、上記の効果を簡単に得ることができる。
さらに、サンバイザー130は使用時と非使用時において、適宜回動されるため、サンバイザー130の非使用時においては、振動板13が車室105側を向き、使用時においては、フロントガラス側を向くようになる。振動板13が車室105側に向く際には、車室105内の音を吸音し、振動板13がフロントガラス側に向く際には、フロントガラスを伝わる音(例えば、エンジン音)を吸音することになる。
乗員は、遮光に関係なくサンバイザー130適宜回動させて、気になる音を吸音する最適な位置での使用を可能にする。
(1−6)変形例
本発明は、前述した実施形態の構成に限らず、種々の対応が可能である。以下の変形例では、板吸音体10の取付構造について説明している。
(1−6−1)
この変形例による構成は、芯材141の一部を板吸音体とする例である。具体的には、図5に示すように、芯材141に形成した矩形状の凹部143の開口部143Aに直接振動板13を固着する。そして、凹部143と、振動板13と、凹部143および振動板13によって画成される空気層14とによって板吸音体10´を構成する。
(1−6−2)
この変形例による構成は、芯材141に板吸音体10を設ける一例であり、図6に示すように、芯材141に矩形状の貫通孔142を形成し、この貫通孔142の段部142Aに係合する鍔部11Aを板吸音体10の筐体11に形成する。鍔部11Aを段部142Aに位置決めすることで、板吸音体10を芯材141に固定する。
(1−6−3)
本発明による構成は、上記実施形態および変形例に限らず、遮光部140に設ける構成であればよい。例えば、芯材141をなくして、板吸音体10のみで芯材の代わりを構成してもよい。
<第2実施形態>
次に、本発明による第2実施形態について説明する。本実施形態の特徴は、サンバイザー130に設けられる吸音構造体にヘルムホルツ吸音体を用いた点にある。なお、前述した第1実施形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図7は、サンバイザー130の芯材141にヘルムホルツ吸音体40を設けた第2実施形態を示した図である。
本実施形態に用いられるヘルムホルツ吸音体40は、内部に空間が形成された直方体状の筐体41と、この筐体41の下部側に穿設された挿入孔42に挿入された管状部材43と、を有している。筐体41の内側には密閉空間44が画成され、管状部材43の内側には密閉空間44と車室105とを連通する開口45が形成されている。
筐体41は、例えばFRP(繊維強化プラスチック)によって直方体状に形成されている。管状部材43は、例えば塩化ビニール製のパイプを使用でき、空気との摩擦が生じやすいように、内面を粗くしておく。このヘルムホルツ吸音体40は、寸法の小さい空洞である密閉空間44の中の空気がバネとして働くことにより、車室105内に発生した音を減衰するように作用する。
このとき、密閉空間44に設けられた小さな開口45が車室105に通じているため、開口45内の空気の塊をマスとして1質点系バネ・マスモデルが形成される。そして、この系の共振周波数においては、開口45内の空気の塊が車室105の音圧によって振動し、開口45の周壁と空気の塊との摩擦によって、音のエネルギーが熱エネルギーに変換される。つまり、音が減衰される。
いま、開口45の長さをL、開口45の横断面積をS(合計)、密閉空間44の容積をV、音速をC、開口45の有効長さをLe(Le≒L+0.8・S1/2)とすると、ヘルムホルツ吸音体40の共鳴周波数f0は、f0=1/2π(C2 S/Le・V)1/2となる。
この式から、開口45の横断面積S又は有効長さLe、即ち、管状部材43の内径d又は長さLを変えることによって、共鳴周波数f0を調整でき、これにより、周波数の異なる音を減音できることが分かる。
このように、サンバイザー130にヘルムホルツ吸音体40を設けることにより、天井120とフロントガラスとの間に籠もる音のうち、タイヤ音等の比較的周波数の低いロードノイズは、ヘルムホルツ吸音体40によって効率良く吸音される。
なお、ヘルムホルツ吸音体40のサンバイザー130への取付構成は、前述した第2実施形態の構成に限らず、種々の対応が可能である。例えば、筐体41をサンバイザー130の芯材141に一体形成しておいたり、種々の組み付け構造がある。
また、ヘルムホルツ吸音体40の筐体41の形状は、直方体に限らず、円柱状等、他の形状であってもよい。
さらに、ヘルムホルツ吸音体40では、管状部材43を1本とした場合を例示したが、本発明はこれに限らず、2本以上であってもよい。要は、ヘルムホルツ吸音体40は、管状部材43の内径d又は長さLによって吸音する周波数が設定されるため、周波数に応じて適宜設定されればよい。
<第3実施形態>
次に、本発明による第3実施形態について説明する。本実施形態の特徴は、サンバイザーに設けられる吸音構造体に板吸音体およびヘルムホルツ吸音体を用いた点にある。なお、前述した第1実施形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図8は、第3実施形態に係るサンバイザー130を示した断面図であり、芯材141に板吸音体10とヘルムホルツ吸音体40とが設けられる。
このように、芯材141の貫通孔142Bに板吸音体10、貫通孔142Cにヘルムホルツ吸音体40とを設けることにより、第1実施形態および第2実施形態で述べたように、板吸音体10およびヘルムホルツ吸音体40によって、例えばロードノイズ等を効率良く吸音させることができ、車室105内の静粛感を高めることができる。
しかも、2種類の吸音体10,40を用いることにより、吸音効率を前記各実施形態よりも高めることができる。
<変形例>
なお、前記第1実施形態では、板吸音体10の振動板13が車室105側に向くように形成したが、本発明はこれに限らず、図9に示すように、筐体11に対向する開口部12A,12Bを形成し、この開口部12A,12Bに振動板13A,13Bを設けるようにして、板吸音体10Aを構成してもよい。
また、図10に示すように、筐体41の対向する面に挿入孔42A,42Bを穿設し、この挿入孔42A,42Bに管状部材43A,43Bを挿入してヘルムホルツ吸音体40を構成してもよい。
さらに、図11および図12に示すような板吸音体20のように構成してもよい。
この板吸音体20は、図11に示すように、サンバイザー130の基台となる芯材141に形成された矩形状の貫通孔142D内に挿入される。
この板吸音体20は、図12に示すように、2個の吸音部21A,21Bを有する。また、板吸音体20は、2枚の振動板22A,22Bによって構成される。
一方の振動板22Aには、2個の膨出部23A,24Aが形成され、他方の振動板22Bには、2個の膨出部23B,24Bを形成される。膨出部23Aと23B、24Aと24Bとが重なるように、振動板22A,22Bを重ね、膨出部の外周部分を固定する。これにより、一方の吸音部23Aには、膨出部23Aと23Bによって空気層25Aが画成され、他方の吸音部23Bには、膨出部24Aと24Bによって空気層25Bが画成される。
このように構成される板吸音体20にあっては、両側に位置した振動板22A,22Bの膨出部23A,23B,24Aおよび24Bが振動部分となって、両面にて音圧の吸収を行う。これにより、前述した板吸音体10と同様に、車室105内に伝わった比較的周波数の低いノイズを、吸収することができる。
また、図13に示すように、2枚の振動板の間に画成される空気層25A,25B内に、グラスウールやフェルトやポリエステル等の多孔質材26A,26Bを設けるようにしてもよい。
この変形例では、板吸音体20は、2個の吸音部21A,21Bを備える構成を例示したが、1個或いは3個以上の吸音部を備える構成であってもよい。
さらに、板吸音体の表面に、音圧透過性の表面材を貼着させたり、板吸音体と表面材の隙間に発泡体等の充填材を設けるようにしてもよい。
また、2枚の振動板の間に画成される空気層に、グラスウールやフェルトやポリエステル等の多孔質材を設けるようにしてもよい。
これにより、サンバイザー130の表面材160のうち、両側面に音圧透過部161が形成されることになり、より効率的な吸音動作を行うことができる。
また、前記各実施形態では、芯材141をABS樹脂によって形成した場合を例示したが、本発明はこれに限らず、芯材141は、発泡形成したスポンジ材であっても、表面材160は、クッション材を下面に貼着した布材であってもよい。
さらに、板吸音体10の筐体11、およびヘルムホルツ吸音体40の筐体41は矩形状に形成した場合を例示したが、本発明による筐体の形状は矩形状に限らず、円形状、多角形状であってもよい。
さらにまた、前記各実施形態では、サンバイザー130の芯材141に吸音構造体を設ける構成としたが、サンバイザー130の遮光部140自体を吸音構造体としてもよい。
本発明の第1実施形態に係る車両のシャーシを模式的に示す図である。 サンバイザーを展開した状態を示す図である。 図2中の矢視III−III方向から見た断面図である。 サンバイザーに板吸音体を設けた実験結果を示す図である。 変形例(1−6−1)を示す図である。 変形例(1−6−2)を示す図である。 第2実施形態による図3と同様位置から見た断面図である。 第3実施形態による図3と同様位置から見た断面図である。 変形例による図3と同様位置から見た断面図である。 他の変形例による図3と同様位置から見た断面図である。 別の変形例によるサンバイザーを展開した状態を示す図である。 図11中の矢視XII-XII方向から見た断面図である。 別の例を示す図12と同様位置から見た断面図である。
符号の説明
10,10´,10A・・・板吸音体、11・・・筐体、12,12A,12B・・・開口部、13,13A,13B・・・振動板、14・・・空気層、40,40A・・・ヘルムホルツ吸音体、41・・・筐体、42,42A,42B・・・挿入孔、43,43A,43B・・・管状部材、110・・・シャーシ、120・・・ルーフ、130・・・サンバイザー、140・・・遮光部、141・・・芯材、160・・・表面材、161・・・音圧透過部。

Claims (8)

  1. 車室に設けられ、遮光用に用いられるサンバイザーであって、
    音圧駆動によって吸音を行う吸音構造体を当該サンバイザーに具備する
    ことを特徴とするサンバイザー。
  2. 請求項1記載のサンバイザーにおいて、
    前記吸音構造体は、
    振動板と、この振動板によって画成される空気層と、を有する板吸音体である
    ことを特徴とするサンバイザー。
  3. 請求項1記載のサンバイザーにおいて、
    前記吸音構造体は、
    閉空間と、この閉空間と前記車室の空間とを連通する管状部材と、を有するヘルムホルツ吸音体である
    ことを特徴とするサンバイザー。
  4. 請求項1記載のサンバイザーにおいて、
    前記吸音構造体は、
    振動板と、この振動板の背後に画成される空気層と、を有する板吸音体、
    閉空間と、この閉空間と外部とを連通する管状部材と、を有するヘルムホルツ吸音体、
    前記各吸音体の組み合わせによって構成される
    ことを特徴とするサンバイザー。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載のサンバイザーにおいて、
    当該サンバイザーの基台をなす板状の芯材を有し、前記芯材に前記吸音構造体を設ける
    ことを特徴とするサンバイザー。
  6. 請求項1乃至4のいずれかに記載のサンバイザーにおいて、
    当該サンバイザーの基台をなす板状の芯材を有し、前記芯材によって当該吸音構造体の一部を構成する
    ことを特徴とするサンバイザー。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載のサンバイザーにおいて、
    当該サンバイザーは、音圧透過部を有する
    ことを特徴とするサンバイザー。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載のサンバイザーにおいて、
    当該サンバイザーは、その表面を通気性を有する表面材で覆われる
    ことを特徴とするサンバイザー。
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