JPH0644333U - 空ダクト口用止水栓の構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 止水栓の取付け，取外し作業を短時間に、し
かも大きな力を必要とせずに簡単に行うことが出来、ま
た狭い場所でも容易に施工作業を行うことが出来る空ダ
クト口用止水栓の構造を提供することを目的とする。 【構成】 ダクト口１２の挿入端１２ａの内部には、止
水用ゴムパッキン１４を装着する凹部１５が形成してあ
り、止水用ゴムパッキン１４は、先端に内側に向かって
フランジ１４ａを設けた略円筒状に形成され、内面に止
水栓１３の先端外周面に形成した断面球状の突部１３ａ
が係合する環状凹部１４ｂが形成してある。止水用ゴム
パッキン１４の先端に形成されたフランジ１４ａの内側
に嵌合する突部１３ｂを備え、先端外周面には、止水用
ゴムパッキン１４の環状凹部１４ｂに係合する断面球状
の突部１３ａが一体的に形成されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、空ダクト口用止水栓の構造に係わり、更に詳しくは地下に埋設す る電線，通信線等を中継とするダクトの側壁に形成された空ダクト口に、着脱作 業が容易で、かつ水密的に装着することを可能とした空ダクト口用止水栓の構造 に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、地下Ｇに埋設する電線，通信線等の複数の配線Ｑは、図４に示すように 地上から埋設したダクト１を中継点として連続的に接続されている。 前記ダクト１の側壁には、複数本の配線Ｑを挿通させるために、予めダクト口 ２が複数形成されており、このダクト口２は、後に配線Ｑが増えた場合にも適用 出来るように余分に形成されている。しかし、現在使用していないダクト口２は 地下水等がダクト１内に浸入しないように止水栓３を取付ける必要があり、この 止水栓３の構造として、従来、種々のものが提案されていた。

【０００３】 例えば、ダクト口２にパテを埋め込んで止水する方法、図５に示すようにダク ト口２に木栓４を小槌５等で打ち込んで止水する方法、図６に示すようにダクト 口２にゴム栓６を小槌５等で打ち込んで止水する方法等があったが、いずれの方 法も、止水作業を行っても、次にダクト口２を使用するには、止水栓を取外す作 業に多くの手間と時間を要し、作業者から改良の要望が出ていた。

【０００４】

【考案が解決しようとする問題点】

これらの止水方法の改良として、図７に示すようにチューブ状のゴムパッキン ７をスパナ８等を介してネジ９で締付け、チューブ状のゴムパッキン７の外径を 膨出させてダクト口２の管路壁１０に圧着して止水する方法が提案されている。 然しながら、上記のようなチューブ状のゴムパッキン７を使用する方法は、ネ ジ９を締め込むのに強い力と時間が必要であり、また狭い場所ではゴムパッキン ７の取付け，取外し作業が極めて難いと言う問題があった。

【０００５】 この考案は、かかる従来の課題に着目して案出されたもので、止水栓の取付け ，取外し作業を短時間に、しかも大きな力を必要とせずに簡単に行うことが出来 、また狭い場所でも容易に施工作業を行うことが出来る空ダクト口用止水栓の構 造を提供することを目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

この考案は上記目的を達成するため、ダクトの側壁に形成された空ダクト口に 水密的に着脱可能に装着する空ダクト口用の止水栓であって、前記空ダクト口の 内壁面に、略円筒状に形成された止水用ゴムパッキンを嵌着させる凹部を形成し 、前記空ダクト口に、止水用ゴムパッキンを介して止水栓を着脱可能に挿着し、 前記止水用ゴムパッキンの先端に、内側に向かってフランジを設けると共に、内 壁面に凹部を設け、前記止水栓の外面に、止水用ゴムパッキンの内壁面に設けた 凹部と嵌合する突部を設けたことを要旨とするものである。

【０００７】 また、前記止水用ゴムパッキンとして、ゴム硬度 JIS A 40 〜60のもの、また は水膨潤樹脂を含有させたゴム系、または可撓性を有する樹脂系の材料により構 成し、更に前記止水栓として、ゴム硬度 JIS A 70 〜90のもの、または硬質プラ スチック樹脂を材料として構成するものである。

【０００８】

【考案の作用】

この考案は上記のように構成され、予め空ダクト口の内壁面に形成した凹部に 、略円筒状に形成された止水用ゴムパッキンを嵌着させておき、そして空ダクト 口に、止水用ゴムパッキンを介してゴム状弾性材料からなる止水栓を挿着するこ とで簡単に止水作業の施工が出来、また空ダクト口を使用する場合には、止水栓 の内壁面に形成したネジ部に、ネジ棒等を螺嵌させて挿入し、ネジ棒と共に止水 栓を引き抜くことにより、簡単に取外すことが出来るものである。

【０００９】

【考案の実施例】

以下、添付図面に基づき、この考案の実施例を説明する。 なお、従来例と同一構成要素は、同一符号を付して説明は省略する。 図１は、この考案を実施した第１実施例のダクト口１２と、止水栓１３との関係 を示す斜視図、図２はダクト口１２に止水栓１３を装着した拡大断面図を示し、 前記ダクト口１２の挿入端１２ａの内部には、止水用ゴムパッキン１４を装着す る凹部１５が形成してあり、この止水用ゴムパッキン１４は、先端に内側に向か ってフランジ１４ａを設けた略円筒状に形成され、内面に止水栓１３の先端外周 面に形成した断面球状の突部１３ａが係合する環状凹部１４ｂが形成してある。

【００１０】 前記止水用ゴムパッキン１４にフランジ１４ａを設けることにより、フランジ １４ａが止水栓１３に密着し、止水効果を上げることが出来る。 また、この止水用ゴムパッキン１４は、シール性を向上させるため、ゴム硬度 JIS A 40 〜60のもの、または水膨潤樹脂を含有させたゴム系、または可撓性を 有する樹脂系の材料により一体的に形成されている。

【００１１】 また、前記ダクト口１２に止水用ゴムパッキン１４を介して挿着する止水栓１ ３は、ゴム硬度 JIS A 70 〜90のもの、または硬質プラスチック樹脂を材料とし て断面略Ｕ字状に形成され、その先端には止水用ゴムパッキン１４の先端に形成 されたフランジ１４ａの内側に嵌合する突部１３ｂを備え、先端外周面には、上 述したように止水用ゴムパッキン１４の環状凹部１４ｂに係合する断面球状の突 部１３ａが一体的に形成されている。この環状凹部１４ｂと突部１３ａとが嵌合 することにより、止水効果が大きくなり、水圧による止水栓１３の抜けを防止す るものである。

【００１２】 また、止水栓１３の内壁面には、ネジ１６が形成してあり、止水栓１３をダク ト口１２から抜き取る際に、図２の一点鎖線に示すように、ネジ棒１７等を挿入 して螺嵌させ、ダクト口１２から止水栓１３を抜き取るようにしている。 ダクト１の空ダクト口１２に、止水栓１３を挿着させる場合には、空ダクト口１ ２の挿入端１２ａから止水栓１３を挿入すると、止水栓１３の突部１３ａが止水 用ゴムパッキン１４の内面を外側に押圧させながら侵入し、止水用ゴムパッキン １４の先端に形成されたフランジ１４ａの内側に止水栓１３の段状の突部１３ｂ が嵌合すると共に、止水用ゴムパッキン１４の環状凹部１４ｂに、止水栓１３の 突部１３ａが嵌合して停止する。

【００１３】 前記止水栓１３が止水用ゴムパッキン１４を介して空ダクト口１２に嵌合する と、空ダクト口１２の凹部１５の内壁面に、止水用ゴムパッキン１４が密着し、 Ｘ部分でシールされることになる。 また、空ダクト口１２を使用する場合に、空ダクト口１２から止水栓１３を取 り外す場合には、止水栓１３の内壁面に形成されたネジ１６に、ネジ棒１７等を 挿入して螺嵌させ、ネジ棒１７を引き抜くことで、ダクト口１２から止水栓１３ を簡単に抜き取ることが出来るものである。

【００１４】 図３は、この考案の第２実施例を示し、止水用ゴムパッキン１４の内周面に凹 凸部１４ｃを設けることによって、止水効果の向上と、止水栓１３の抜けを防止 することが出来るものである。なお、止水栓１３の内面に実施例１と同様にネジ １６を設けても良い。

【００１５】

【考案の効果】

この考案は、上記のようにダクトの側壁に形成された空ダクト口に水密的に着 脱可能に装着する空ダクト口用の止水栓であって、前記空ダクト口の内壁面に、 略円筒状に形成された止水用ゴムパッキンを嵌着させる凹部を形成し、前記空ダ クト口に、止水用ゴムパッキンを介して止水栓を着脱可能に挿着し、前記止水用 ゴムパッキンの先端に、内側に向かってフランジを設けると共に、内壁面に凹部 を設け、前記止水栓の外面に、止水用ゴムパッキンの内壁面に設けた凹部と嵌合 する突部を設けたので、止水栓の取付け，取外し作業を短時間に、しかも大きな 力を必要とせずに簡単に行うことが出来、また狭い場所でも容易に施工作業を行 うことが出来る効果があり、また構成が簡単であるため、安価に製作出来る効果 がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案を実施したダクト口と、止水栓との関
係を示す斜視図である。

【図２】この考案の第１実施例を示すダクト口に止水栓
を装着した拡大断面図である。

【図３】この考案の第２実施例を示すダクト口に止水栓
を装着した拡大断面図である。

【図４】従来のダクトと、ダクト口の構成を示す説明図
である。

【図５】図４のＡ部におけるダクト口に木栓から成る止
水栓を施工した場合の説明図である。

【図６】図４のＡ部におけるダクト口にゴム栓から成る
止水栓を施工した場合の説明図である。

【図７】図４のＡ部におけるダクト口に環状のゴム栓か
ら成る止水栓を施工した場合の説明図である。

【符号の説明】

１ ダクト １２ ダクト口 １２ａ 挿入端 １３ 止水栓 １３ａ 突部 １４ 止水用
ゴムパッキン １４ａ フランジ １４ｂ 環状凹
部 １５ 凹部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ダクトの側壁に形成された空ダクト口に
   水密的に着脱可能に装着する空ダクト口用の止水栓であ
   って、前記空ダクト口の内壁面に、略円筒状に形成され
   た止水用ゴムパッキンを嵌着させる凹部を形成し、前記
   空ダクト口に、止水用ゴムパッキンを介して止水栓を着
   脱可能に挿着し、前記止水用ゴムパッキンの先端に、内
   側に向かってフランジを設けると共に、内壁面に凹部を
   設け、前記止水栓の外面に、止水用ゴムパッキンの内壁
   面に設けた凹部と嵌合する突部を設けたことを特徴とす
   る空ダクト口用止水栓の構造。