JPH0643538U - 圧力センサ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】内燃機関のシリンダーに装着される主体金具に
軸孔を備え、その軸孔の内部に圧電素子、圧力伝達棒等
の検出要素を収納し、更に前記軸孔の開口端を金属製ダ
イアフラムで密封してなる圧力センサにおいて、圧力伝
達棒の後端面に生ずる削り代による問題点を除去するこ
と。 【構成】 圧力伝達棒９の後端面と、圧電素子１１間に
環状パッキン１０を配設し、環状パッキン１０の肉厚に
より削り代ｘが圧電素子板１１に当接しないようにし
た。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は内燃機関のシリンダー内圧の変化を圧電素子によって検出する圧力セ ンサに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

内燃機関のシリンダーヘッドに設けられたセンサ取付け用螺子孔に装着される 主体金具の内部に圧電素子、圧力伝達棒等よりなる検出要素を収納するとともに シリンダー内に位置する下端面にダイアフラムを封着し、シリンダー内圧を前記 ダイアフラムと圧力伝達棒とを介して圧電素子に伝播し、該素子よりシリンダー 内圧力の大きさに比例した電気信号を取り出すようにした圧力センサは公知であ る。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

圧力伝達棒は、長尺ロッドを回転しながら切断し、これを所定の形状に整形し て形成される。このため、前記圧力伝達棒９の後端面の中央部には、図４で示す ように、削り代ｘがわずかに残る。圧力伝達棒９の後端面には圧電素子１１が直 接又は間接的に当接することとなるが、この削り代ｘをそのままにしておくと、 整一な面接触を確保することができず、該圧電素子１１及びその他の装着部材が 傾斜して偏荷重がかかり、適正な出力を発生することができなかったり、または 集中応力がかかって素子割れを生ずることがある。これを避けるためには、後端 面にラッピング加工や、ドリルで孔開け加工を施す必要があり面倒であった。 本考案は、種々の加工を要することなく、前記削り代による問題点を除去し得 る構成を提供することを目的とするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、内燃機関のシリンダーに装着される主体金具に軸孔を備え、その軸 孔の内部に圧電素子、圧力伝達棒等の検出要素を収納し、更に前記軸孔の開口端 を金属製ダイアフラムで密封してなる圧力センサにおいて、 前記圧力伝達棒の後端面と、圧電素子間に環状パッキンを配設したことを特徴 とするものである。

【０００５】

【作用】

圧力伝達棒の後端面の中央部に削り代が残っても、後端面には環状パッキンが 当接されるから、該削り代を外嵌して環状パッキンが配設されることとなり、削 り代は環状パッキンの肉厚により圧電素子と非接触となる。このため環状パッキ ンを介して圧力伝達棒からの圧力が圧電素子に伝播され、削り代による悪影響が 除去される。

【０００６】

【実施例】

図１は本考案の一実施例を示し、１は下端部１ａの外周にシリンダヘッドに螺 合する雄螺子２と、全長のほぼ中間部１ｂの外周にスパナ等の締付け工具と適合 する六角部３とを形成したボルト構造をなす主体金具であり、その内部には、軸 孔４が形成されている。この軸孔４は主体金具１の中心を上下方向に貫通してな り、挿入孔４ａ，装着孔４ｂ、螺子孔４ｃ及び装着孔４ｄが連成されて構成され る。前記挿入４ａは装着孔４ｂに比して小径となっており、その間に段差部分を 生じている。

【０００７】 径小側の装着孔４ａには圧力伝達棒９が挿入され、その下端を主体金具１の下 端部１ａの端面を気密に封口するように接合された金属製ダイアフラム６にアル ゴン溶接している。この金属ダイアフラム６は耐熱性が必要で、例えばインコネ ル又はSUS630相当の耐熱性金属材料のようなものが良い。さらに主体金具１の装 着孔４ａ，４ｂの段差部分と圧力伝達棒９との間には円板バネ７を設けて圧力伝 達棒９の径大部を支持するようにし、この円板バネ７により各構成体の熱膨張差 及び熱伝達の差から生ずる歪、また雄螺子部での締付けトルクによる伸び等から 生ずる応力を吸収している。

【０００８】 さらには装着孔４ｂには、後述するように圧電素子１１等の検出要素を収納す る。そして、前記六角部３側の装着孔４ｄの口部に形成された段座２５に、鍔２ ７を備えた金属キャップ２６が嵌合され、該鍔２７を段座２５に溶接される。前 記金属キャップ２６の内部には信号搬送用ケーブル３０の一端が挿通固定され、 該ケーブル３０より裸出した芯線と接続されるリード線３１が、圧電素子１１と 接続され、その信号出力が電気的に取り出し可能となる。

【０００９】 次に本考案の要部につき説明する。 前記装着孔４ｂには、装着孔４ａに近いほうから環状パッキン１０（図２参照 ）、端子板、表裏面に電極が形成された圧電素子１１，端子部材１２，１３、環 状パッキン１４，電気絶縁環１５及び当て金１６等が順次積層状に配設され、こ れら積層体８の周囲に被覆した絶縁材１７により主体金具１と絶縁している。ま た前記端子部材１３の上面からは立状舌片１３ａが突成されている。

【００１０】 前記環状パッキン１０は、その内部に透孔が形成される。この環状パッキン１ ０は、平板をエッチングもしくは打ち抜き加工することによって、廉価に形成さ れ、かつ表面の平滑性を容易に生じさせることができる。

【００１１】 前記当て金１６の上端には半球面が形成され、該半球面上に円錐凹面を備えた 押え螺子１８を前記螺子孔４ｃに螺合し、該螺合部に緩み止めとしてポリイミド ワニス等の接着剤で固定して密接させ、その緊締作用により、前記当て金１６等 を介して、圧電素子１１に適正な予圧力を付与するようにしている。前記当て金 １６，押え螺子１８は夫々中心に孔が形成され、その組付け状態で前記電気絶縁 環１５等と共に挿通孔２０を生ずる。そして該挿通孔２０内に絶縁チューブ２１ を嵌着し、該絶縁チューブ２１内に前記立状舌片１３ａを挿通し、信号搬送用ケ ーブル３０の芯線と接続されたリード線３１と立状舌片１３ａとの接続を絶縁チ ューブ２１内で行なっている。また、リード線３１と立状舌片１３ａとの断線を 防ぎ、絶縁チューブ２１が振動等で抜けるのを防止するためにチューブ２１の内 側と外側にシリコンゴム等の耐熱性樹脂を充填する。

【００１２】 かかる構成にあって、圧力伝達棒９はロッドを回転させながら切り出すことに より成形される。このため図３で示すように、圧力伝達棒９の上端面の中央には 削り代ｘが形成されている。しかるに、後端面には環状パッキン１０が当接され るから、該削り代ｘが環状パッキン１０の透孔内に遊嵌され、該パッキン１０の 肉厚により、その突起の影響が除去される。このため圧電素子１１は、この環状 パッキン１０の削り代ｘにより集中応力を受けることはない。而して、圧電素子 １１は圧力伝達棒９からの圧力を整一に受けて、信号出力を発生することとなる 。しかも、該環状パッキン１０により、圧力伝達棒９の端面の面粗度を粗くしも もかまわないから、加工時間を短縮することができる。

【００１３】

【考案の効果】

本考案の圧力センサは、上述のように圧力伝達棒９の後端面と、圧電素子１１ 間に環状パッキン１０を配設したから、圧力伝達棒９の後端面の中央部に削り代 ｘが残っても、環状パッキン１０の肉厚によりその影響を除去され、該圧電素子 １１及びその他の装着部材が傾斜して偏荷重がかかることがなく、さらには、削 り代ｘによって圧電素子１１に集中応力が作用することもない。このため該圧電 素子１１の素子割れや、偏荷重による信号出力のばらつきを防止することができ る。また、圧力伝達棒９の端面への切削加工を要しなから、製造工程数の増加を 招来することもなく、しかも、面粗度を粗くしても差し支えないから、加工時間 を短縮することができる等の優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す圧力センサの縦断側面
図である。

【図２】環状パッキン１０等の分離斜視図である。

【図３】要部の拡大縦断側面図である。

【図４】従来構成の問題点を示す縦断側面図である。

【符号の説明】

１ 主体金具 ９ 圧力伝達棒 １０ 環状パッキン １１ 圧電素子 ｘ 削り代

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 内燃機関のシリンダーに装着される主体
   金具の軸孔の内部に、圧電素子、圧力伝達棒等の検出要
   素を収納し、更に前記軸孔の開口端を金属製ダイアフラ
   ムで密封してなる圧力センサにおいて、 前記圧力伝達棒の後端面と、圧電素子間に環状パッキン
   を配設したことを特徴とする圧力センサ。