JPH0646346U - 圧力センサ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】内燃機関のシリンダーに装着される主体金具に
軸孔を備え、その軸孔の内部に圧電素子、圧力伝達棒等
からなる積層体を収納し、圧電素子に発生した出力信号
を信号取り出し用のリード線により外部に取り出すよう
にした圧力センサにおいて、電気的接続を確保するこ
と。 【構成】 積層体８の上部に形成した挿通孔２０に、電
極板１３の立状舌片１３ａを挿通し、前記挿通孔２０内
で絶縁チューブ２１を立状舌片１３ａに遊嵌して、該絶
縁チューブ２１で立状舌片１３ａと信号取り出し用３０
のリード線３１との接続部を囲繞すると共に、前記絶縁
チューブ２１の内外に絶縁性樹脂材２２を充填した。こ
のため、該絶縁チューブ２１が挿通孔２０内に堅牢に固
着され、かつリード線３１と立状舌片１３ａとの接続部
も絶縁性樹脂材２２で保持されるから、経時使用による
断線が回避され、電気的接続を安定的に確保し得ること
となる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は内燃機関のシリンダー内圧の変化を圧電素子によって検出する圧力セ ンサに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

内燃機関のシリンダーヘッドに設けられたセンサ取付け用螺子孔に装着される 主体金具の軸孔内に圧電素子、圧力伝達棒等からなる積層体を収納するとともに シリンダー内に位置する下端面にダイアフラムを封着し、シリンダー内圧を前記 ダイアフラムと圧力伝達棒とを介して圧電素子に伝播し、該素子よりシリンダー 内圧力の大きさに比例する電気信号を取り出すようにした圧力センサは公知であ る。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来構成にあっては、圧電素子に発生した出力信号を外部に取り出すために、 圧電素子と電気的に接続する電極板に形成した立状舌片を積層体の上部に形成し た挿通孔に挿入し、該挿通孔内で信号取り出し用のリード線と抵抗溶接等の手段 により接続するようにしていた。そしてこの接続部を絶縁するために、該挿通孔 内に絶縁チューブを挿入し、前記絶縁チューブで前記接続部を囲繞するようにし ていた。ところが、かかる手段では、エンジンの振動で立状舌片とリード線との 接続部に応力が集中し、経時使用により該接続部で断線することがあった。また 絶縁チューブの固定は、チューブの外径を積層体の一部を構成する当て金の内径 よりも大きくすることにより、絶縁チューブを圧入して固定するようにしていた が、長期の使用により緩みを生じて、該絶縁チューブが離脱し、電気的絶縁不良 を生ずる場合もあった。 本考案は、かかる従来構成の問題点を除去することを目的とするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】 本考案は、前記積層体の上部中心に上方へ開放する挿通孔を形成して、該挿通 孔に前記圧電素子の電極と電気的に接続する電極板に形成した立状舌片を挿通し 、さらに、前記挿通孔内で絶縁チューブを立状舌片に遊嵌して、該チューブで立 状舌片と信号取り出し用のリード線との接続部を囲繞すると共に、前記絶縁チュ ーブの内外に絶縁材を充填したことを特徴とするものである。

【０００５】

【作用】

絶縁チューブの内外に絶縁材を充填したから、該絶縁チューブが挿通孔内で堅 牢に固着され、かつリード線と立状舌片との接続部も絶縁材で保持されるから、 その経時使用による断線が回避される。

【０００６】

【実施例】

図１は本考案の一実施例を示し、１は下端部１ａの外周にシリンダヘッドに螺 合する雄螺子２と、全長のほぼ中間部１ｂの外周にスパナ等の締付け工具と適合 する六角部３とを形成したボルト構造をなす主体金具で、その内部には、軸孔４ が形成されている。この軸孔４は主体金具を上下方向に貫通してなり、装着孔４ ａ，４ｂ、螺子孔４ｃ及び装着孔４ｄが連成されて構成される。前記装着孔４ａ は装着孔４ｂに比して小径となっており、その間に段差部分を生じている。

【０００７】 径小側の装着孔４ａには圧力伝達棒９の細状杆部９ａが挿入され、その下端を 主体金具１の下端部１ａの端面を気密に封口するように接合された金属製ダイア フラム６に溶接している。このダイアフラム６は耐熱性が必要で、例えばインコ ネル又はSUS630相当の耐熱性金属材料のようなものが良い。さらに主体金具１の 装着孔４ａ，４ｂの段差部分と圧力伝達棒９との間には円板バネ７を設けて圧力 伝達棒９の径大部９ｂを支持するようにし、この円板バネ７により各構成体の熱 膨張差及び熱伝達の差から生ずる歪、また雄螺子部での締付けトルクによる伸び 等から生ずる応力を吸収している。

【０００８】 さらには装着孔４ｂには、図２で拡大して示すように装着孔４ａに近いほうか ら環状パッキン１０、端子部材１２ａ，表裏面に電極が形成された圧電素子１１ ，端子部材１２ｂ，電極板１３、環状パッキン１４、電気絶縁環１５及び当て金 １６が順次積層され、圧力伝達棒９と共に積層体８が構成される。またこの積層 体８の周囲には熱収縮チューブ等からなる絶縁材１７が被着され、これにより積 層体８は主体金具１と絶縁して一体化されている。さらには電極板１３上部の各 積層部材には夫々中心に透孔が形成され、その組付け状態で上方に開口する挿通 孔２０が形成されている。

【０００９】 また前記当て金１６の上端には、次記する接続処理を施した後に、円錐凹面を 備えた押え螺子１８が前記螺子孔４ｃに螺合し、該螺合部に緩み止めとしてポリ イミドワニス等の接着剤で固定して密接することとなり、その緊締作用により、 前記当て金１６等を介して、圧電素子１１に適正な予圧力が付与される。

【００１０】 次に、圧電素子１１から発生する信号出力を外部に取り出す接続手段につき説 明する。 前記電極板１３の上面からは立状舌片１３ａが突成され、前記挿通孔２０内に 挿通している。この立状舌片１３ａには、信号搬送用ケーブル３０より裸出した リード線３１が抵抗溶接等の手段により接続される。そして、あらかじめ前記リ ード線３１に遊嵌しておいた絶縁チューブ２１を前記挿通孔２０内に遊挿する。 次に上述したように前記押え螺子１８を前記螺子孔４ｃに螺合して密接させてか ら、前記挿通孔２０内で、絶縁チューブ２１の内外にシリコン樹脂やシリコンゴ ム等からなる絶縁材２２を充填する。これにより、前記立状舌片１３ａとリード 線３１の接続部が保持され、かつ前記絶縁チューブ２１が挿通孔２０内で固定さ れることとなる。

【００１１】 一方、前記主体金具の上端部側の装着孔４ｄの口部には、段座２５が形成され ており、上述の接続処理の後に、これに座定する鍔２７を備えた金属キャップ２ ６が嵌合され、溶接される。前記金属キャップ２６には信号搬送用ケーブル３０ の一端があらかじめ挿通固定されている。

【００１２】

【考案の効果】

本考案は、圧電素子１１を含む積層体８の上部中心に形成した挿通孔２０に、 電極板１３の立状舌片１３ａを挿通し、前記挿通孔２０内で絶縁チューブ２１を 立状舌片１３ａに遊嵌して、該絶縁チューブ２１で立状舌片１３ａと信号取り出 し用３０のリード線３１との接続部を囲繞し、前記絶縁チューブ２１の内外に絶 縁性樹脂材２２を充填したから、該絶縁チューブ２１が挿通孔２０内に堅牢に固 着され、かつリード線３１と立状舌片１３ａとの接続部も絶縁材２２で保持され るから、経時使用による断線が回避され、電気的接続を安定的に確保し得ること となる等の優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す圧力センサの縦断側面
図である。

【図２】要部の拡大縦断側面図である。

【符号の説明】

１ 主体金具 ５ 積層体 ９ 圧力伝達棒 １１ 圧電素子 １３ 電極板 １３ａ 立状舌片 ２０ 挿通孔 ２１ 絶縁チューブ ２２ 絶縁材 ３０ 信号搬送用ケーブル ３１ リード線

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 内燃機関のシリンダーに装着される主体
   金具の軸孔の内部に、圧電素子、圧力伝達棒等からなる
   積層体を収納し、更に前記軸孔の開口端を金属製ダイア
   フラムで密封してなる圧力センサにおいて、 前記積層体の上部中心に上方へ開放する挿通孔を形成し
   て、該挿通孔に前記圧電素子の電極と電気的に接続する
   電極板に形成した立状舌片を挿通し、さらに、前記挿通
   孔内で絶縁チューブを立状舌片に遊嵌して、該チューブ
   で立状舌片と信号取り出し用のリード線との接続部を囲
   繞すると共に、前記絶縁チューブの内外に絶縁材を充填
   したことを特徴とする圧力センサ。