JPH0338675Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は、内燃機関のシリンダー内の、燃料噴
射、燃焼、ノツキング等に伴う圧力変化を、圧電
素子板の圧縮歪に伴つて生ずる信号出力により検
出する圧力センサーに関する。

＜従来技術＞ この種の圧力センサーとして、内燃機関のシリ
ンダーに装着される取付金具の装着孔内に、圧電
素子板、圧力伝達杆等の検出部材を積層状に収納
して該圧力伝達杆の検知端を取付金具から突出
し、該検知端を取付金具の先端を覆う金属製ダイ
アフラムと連接して構成し、圧力伝達杆の検出端
に作用する圧力変動により、圧電素子板に圧縮歪
を生じさせて、電荷を発生させ、これを出力信号
として取出して該圧力変動を検知するものがあ
る。

本考案は、この種圧力センサーにあつて、圧電
素子板、圧力伝達杆等の検出部材を装着孔内で、
同心状に位置決めすることを容易とし、かつその
装着を簡易に施し得る構成を備えた圧力センサー
の提供を目的とするものである。

＜問題点を解決するための手段＞ 本考案は、取付金具の装着孔内に収納される、
圧電素子板、圧力伝達杆等の検出部材を積層し、
その連接部分を熱収縮チユーブで覆つて一体化す
ることにより積層体を構成し、該積層体を前記装
着孔内に収納したことを特徴とするものである。

＜作用＞ 検出部材の積層体を取付金具の装着孔に嵌装す
ることにより、各部材の装着が完了する。そして
この状態で、各部材は熱収縮チユーブにより取付
金具の周囲部材と絶縁される。

＜実施例＞ 第１図は、本考案の一実施例を示す。

その細径周面にシリンダーブロツクに螺合する
螺子部２が形成された筒状の取付金具１の中心に
は、長手方向に沿つて、その先端にまで開口する
貫通孔３が形成されている。前記貫通孔３には、
下端が開口し、上端にはリード線ｘの挿入孔５が
形成された内筒４が嵌装される。この内筒４の下
部内周面には雌螺子６が形成されている。また内
筒４の下部周面には取付鍔７が形成されており、
該取付鍔７を取付金具１の下端に溶着することに
より、該取付金具１に対して内筒４を部分固定す
るようにしている。尚、この固定は、後記する積
層体８等の装着後になされる。

前記内筒４の内部は装着孔を構成しており、該
装着孔には、本考案の要部に係る積層体８が奥断
面４ａ側に収納される。

前記積層体８は、絶縁体９、パツキン１０、ス
ペーサ１１、環状の導電筒片１２、端子板１３、
電極を上下主表面に形成されたPZT等の材料に
よる板状圧電素子板１４、端子板１５及び圧力伝
達杆１６を順次積層状に配設し、その連接部の周
囲を熱収縮チユーブ１７で覆つてなるものであ
る。前記積層体８は、該熱収縮チユーブ１７によ
つて内筒４と絶縁される。また前記積層体８内に
おいて、端子板１３上には接続路ｚが構成され、
その接続路ｚ内で、端子板１３に形成した接続用
立上舌片１３ａにリード線ｘが接続される。

そして該リード線ｘは接続路ｚの外部に引出さ
れてケーブルｙに結線され、而て、圧電素子板１
４の上面電極は、ケーブルｙと電気的に接続され
ている。

前記構成の積層体８の組付け手順について説明
する。

まず、端子板１３の接続用立上舌片１３ａにリ
ード線ｘを抵抗溶接してから、絶縁体９、パツキ
ン１０、スペーサ１１、環状の導電筒片１２、端
子板１３、圧電素子板１４、端子板１５及び圧力
伝達杆１６を順次積層する。この積層状態で、絶
縁体９、パツキン１０、スペーサ１１の透孔と、
導電筒片１２とで形成される接続路ｚにリード線
ｘが通され、外部へ引出される。

次に、第２図イのようにその連接部分の周囲を
熱収縮チユーブ１７で緩く覆つてから、該チユー
ブ１７を加熱し、第２図ロのように該連接部分の
外周に密接させる。そしてこの熱収縮チユーブ１
７の密着により、絶縁体９、パツキン１０、スペ
ーサ１１の各透孔と、導電筒片１２とが同心状に
一致し、整一な接続路ｚが形成され、一体化され
て、積層体８が構成される。

前記積層体８の圧力伝達杆１６は中央から検知
端を径小とし、その頂部と径小部間の段部に当接
顎面１８を形成している。

前記積層体８を内筒４に装着して後に、該内筒
４には、圧力伝達杆１６の径小部の周囲位置で、
筒状螺子１９が雌螺子６に沿つ螺入される。そし
てその緊締状態で、筒状螺子１９の上端は、環状
パツキンを介して、前記圧力伝達杆１６の当接顎
面１８側に圧接し、内筒４の内部の各検出部材は
奥段面４ａ側に押付けられる。またこの状態で、
圧力伝達杆１６は筒状螺子１９内を通入して、そ
の検知端を内筒４の内部よりもさらに下方突出す
る。そして、該下端には立上がり側壁２１を取付
金具１下端に外嵌固着したダイヤフラム２０が連
結される。

前記構成からなる圧力センサーは、取付金具１
の螺子部２をシリンダーブロツクに装着して、取
付金具１先端を該シリンダー内に露出して装着さ
れる。かかる装着状態で、シリンダー内に圧力変
動が生ずると、圧力伝達杆１６の検知端に圧力が
作用する。このため、該圧電素子板１４が、奥段
面４ａ側へ圧縮され、その圧縮歪により電荷が発
生する。この電荷は電圧としてリード線ｘ及びケ
ーブルｙを介して外部へ取出される。

前記実施例は内筒４を用いて、該筒内を装着孔
としたものに本考案を適用したものであるが、内
筒４を排除して取付金具１の連通孔を装着孔と
し、該装着孔に積層体８を挿入するようにしても
よい。

＜考案の効果＞ 本考案は、上述したように、各検出部材の連接
部分を熱収縮チユーブで覆つて結合するようにし
たから、該チユーブにより各検出部材は同心状に
保持されて、整一な形態となつて、接続路等が良
好に形成されるとともに、各検出部材がユニツト
化されてその組付が容易となる。また、該チユー
ブが絶縁材料の役割をも果すから、別途絶縁処理
を施す必要がない等の優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は一実施例の縦断側面図、第２図イ，ロ
は積層体８の組付手順を示す縦断側面図である。 １……取付金具、２……螺子部、８……積層
体、１１……圧電素子板、１７……熱収縮チユー
ブ、２０……ダイヤフラム、ｘ……リード線、ｚ
……接続路。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 内燃機関のシリンダーに装着される取付金具の
   装着孔内に、圧電素子板、圧力伝達杆等の検出部
   材を積層状に収納し、該圧力伝達杆の検知端を取
   付金具から突出し、該検知端を取付金具の先端を
   覆う金属性ダイアフラムと連接してなるものにお
   いて、 圧電素子板、圧力伝達杆等の検出部材を積層
   し、その連接部分を熱収縮チユーブで覆つて一体
   化することにより積層体を構成し、該積層体を前
   記装着孔内に収納した事を特徴とする内燃機関の
   圧力センサー。