JP3293079B2 - 電極取出孔の封止構造およびその封止方法 - Google Patents

電極取出孔の封止構造およびその封止方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リードピンなどか
らなる電極によって電極取出孔を気密に封止する電極取
出孔の封止構造およびその封止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】圧力センサ、半導体レーザー装置、真空
管、IC等においては、耐圧性、シール性、電気的絶縁
性などの特性が要求される。また、圧力センサの場合
は、パッケージ内にセンサチップを封止する際、センサ
チップに熱応力を伝えない構造が要求される。
【0003】以上に示したような特性が要求される圧力
センサにおいて、電気信号を外部に導くために設けられ
るリードピン(電極)の取出部分は、通常図5に示すよ
うに構成されている。すなわち、図5は半導体圧力セン
サの従来例を示す断面図で、この半導体圧力センサ1は
SUS316等の金属によって形成した円筒状のパッケ
ージ2内に絶縁材によって形成したステム3を介して金
属製のキャリア4を収納し、このキャリア4内にセンサ
チップ5を絶縁材からなる基台6を介して収納し、パッ
ケージ2の表面を受圧ダイアフラム7によって覆ってい
る。さらに、パッケージ2内にシリコーンオイル等の封
入液8を封止し、前記受圧ダイアフラム7に加わる被測
定圧力P1 をこの封入液8を介して前記センサチップ5
に伝達するようにしている。
【0004】前記パッケージ2には、一端が前記受圧ダ
イアフラム7の裏側室9に開口し、他端がパッケージ2
の裏面に開口し封入液8を前記裏側室9に注入するため
の封入液注入孔10が形成され、その裏面側開口部をボ
ール11によって封止している。
【0005】前記ステム3は通常アルミナ等のセラミッ
クスによって筒状に形成されることにより前記キャリア
4を収納する凹部12を有し、パッケージ2内に半田付
け(ろう付け)等によって接合されている。ステム3の
厚肉部には、電極取出孔13が形成され、この電極取出
孔13にセンサチップ5の電気信号を外部に取り出す細
長いリードピン14を挿通し、封入液8の漏洩を防止す
るためにSn−Ag、Pb−Sn等の半田材15によっ
て封止している。
【0006】前記キャリア4は、耐食性と溶接性に優
れ、前記センサチップ5の台座6と線膨張係数が略等し
い材料、例えばコバールによって形成され、前記ステム
3内に嵌挿されかつ封入液8の漏洩を防止するために半
田付けによって接合されている。
【0007】前記センサチップ5は、Si等の半導体基
板に設けた起歪部5Aの表面に不純物の拡散もしくはイ
オン打ち込み技術によりピエゾ抵抗領域として作用する
ゲージ16を形成することにより構成され、台座6の上
面に陽極接合(静電接合)されている。台座6として
は、センサチップ5を接合するときの熱歪みがセンサチ
ップ5に伝わると圧力検出装置1の温度特性を低下させ
零点シフトの原因となるため、センサチップ5と同じ材
料、またはセンサチップ5の線膨張係数に近似した線膨
張係数を有する材料、例えばパイレックスガラス(商標
名)、窒化珪素等によって形成されている。センサチッ
プ5と台座6との間には、前記裏側室9から仕切られた
内室17が形成されている。この内室17は、前記台座
6およびキャリア4に形成した圧力導入路19を介して
大気開放されることにより大気圧P2 が導かれている。
なお、センサチップ5のゲージ16と前記リードピン1
4は、金線等からなるリード線20によって電気的に接
続されている。
【0008】以上のように、リードピン14が挿通され
るステム3の電極取出孔13は、半田材15によって気
密に封止され封入液8の漏洩を防止しているが、この封
止の方法としては、ステム3を用いず金属製のキャリア
4に電極取出孔13を直接形成してリードピン14を挿
通する際には、ガラスによってハーメチックシールする
封止方法もある。
【0009】このような圧力検出装置1において、被測
定圧P1 を受圧ダイアフラム7の変位により封入液8を
介してセンサチップ5に導くと、起歪部5Aが変位して
ゲージ16の比抵抗が変化するため、この時の抵抗変化
に伴う出力電圧を検出することにより被測定圧P1 また
は差圧P1 −P2 を測定することができる。なお、絶対
圧を検出する場合は、センサチップ5の内室17を真空
にしておけばよい。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来の封止構造では、半田材15もしくはガラ
ス材によって電極取出孔13を気密に封止する際、予め
リードピン14を電極取出孔13に挿通して仮止めして
おく必要があるため、封止のための工程数が増加すると
いう問題があった。
【0011】また、半田付け(ろう付け)に際しては、
半田付けを行う接合面の状態によって、半田材の濡れ性
が影響を受け易く、気密不良が発生し易いという問題も
あった。
【0012】一方、キャリア4に電極取出孔13を直接
形成し、これをガラスハーメチックシールする封止構造
では、電極取出孔13にリードピン14を挿通し、そこ
に所定の大きさのガラスペレットを挿入し、400〜1
000°Cに加熱して、そのガラスペレットを溶融さ
せ、電極取出孔13とリードピン14間の隙間を埋める
ようにしている。このとき、キャリア4は冷却すると収
縮するが、この収縮によってガラス材とリードピン14
を締付ける。そして、この結果、ハーメチック(焼きバ
メ)が成立し、電極取出孔13を気密に封止する。
【0013】しかしながら、従来より用いられているガ
ラスハーメチックシールでは、非常に高温の処理が必要
となる。また、ガラスハーメチックシールでは、隙間に
充填されるガラス材にボイド(空間)が発生することが
ある。ボイドが存在すると、気密性の低下原因となる。
しかし、発生したボイドは、除去することができない。
この場合、気密性の低下を抑制するために、隙間の距離
や隙間に充填するガラス材の濡れ性などを適正化した
り、隙間に充填するガラス材の量を増加してハーメチッ
クの力を増加させることでボイドの発生を防ぐようにし
ている。また、ガラスハーメチックシールする場合は、
キャリア4を基台6より大きな線膨張係数を有する材料
で形成する必要があるという制約を受ける。
【0014】本発明は、上記した従来の問題点を解決す
るためになされたものであり、その目的とするところ
は、半田材、ガラス材等を用いないでも確実に封止する
ことができるようにした電極取出孔の封止構造およびそ
の封止方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に第1の発明は、電極取出孔を有する絶縁材製の部材
と、この部材の表面で前記電極取出孔の周囲に形成され
た金属膜と、金属によって棒状に形成され前記部材の厚
さ以上の長さを有するピンとを備え、前記ピンは前記電
極取出孔に挿通される本体と、この本体の一端側に設け
られ前記電極取出孔より大きな外径を有するシール部
と、前記本体の外周に突設され前記電極取出孔より若干
大きな外径を有して前記電極取出孔に圧入される圧入部
とで構成され、前記シール部を前記金属膜に圧接によっ
て接合することにより前記電極取出孔を封止したことを
特徴とする。
【0016】第1の発明において、ピンのシール部と金
属膜は圧接によって接合されることにより、電極取出孔
を気密に封止することができる。シール部を大きな加圧
力で金属膜に押し付けてピンを電極取出孔に圧入する
と、部材は圧縮し、加圧力が取り除かれると膨脹する。
このとき、ピンは圧入部において部材に固定されている
ため伸縮しない。部材が膨脹すると、その膨脹力は金属
膜をシール部に押しつけるように作用するため、シール
部と金属膜との間に大きな面圧が得られる。したがっ
て、接合が不完全であっても良好なシール性能を得るこ
とができる。また、シール部と金属膜間の面圧は、圧入
部が電極取出孔に圧入によって固定されているため、低
下することがない。
【0017】第2の発明は、上記第1の発明において、
ピンの表面に金属膜と同じ材料からなる金属膜を施した
ことを特徴とする。
【0018】第2の発明において、ピンのシール部を金
属膜に圧接すると、金属膜どうしが加熱溶融して接合さ
れ、電極取出孔を気密に封止する。金属膜の材質として
は、金、銅などが用いられる。
【0019】第3の発明は、上記第1または第2の発明
において、ピンの圧入部が周方向に所要の間隔をおいて
形成された複数個の突子によって構成されていることを
特徴とする。
【0020】第3の発明において、突子はピンの外周部
をプレス機械等によって押し潰すことにより容易に形成
される。
【0021】第4の発明は、上記第1,2または第3の
発明において、電極取出孔を半田材によって封止したこ
とを特徴とする。
【0022】第3の発明において、半田材はシール部と
共に電極取出孔を気密に封止する。
【0023】第5の発明は、絶縁材製の部材に電極取出
孔を形成すると共にこの部材の表面で前記電極取出孔の
周囲に金属膜を形成し、棒状に形成され前記部材の厚さ
以上の長さと前記電極取出孔の穴径より大きなシール部
および圧入部を有するピンを加圧機によって前記電極取
出孔に圧入し、前記シール部を前記金属膜に圧接によっ
て接合することにより前記電極取出孔を封止することを
特徴とする。
【0024】第5の発明において、ピンを加圧機によっ
て加圧して圧入部を電極取出孔に圧入し、シール部を金
属膜に接合すると、電極取出孔を気密に封止することが
できる。このとき、部材は圧縮し、圧入接合が終了する
と膨張して元の状態に復帰する。これにより、金属膜を
シール部に押しつけシール部と金属膜間の面圧を高め
る。この面圧は、圧入部が電極取出孔に圧入によって固
定されているため、低下することがない。
【0025】第6の発明は、上記第5の発明において、
加圧機はヒータを備え、圧入時にピンを加熱することを
特徴とする。
【0026】第6の発明において、加圧時にピンを加熱
して電極取出孔に圧入すると、小さな圧接力で接合する
ことができる。ピンは圧入後に冷却して短縮するため、
この時の収縮力でシール部を金属膜に押し付け、シール
部と金属膜間の面圧を高める。この面圧は、圧入部が電
極取出孔に圧入によって固定されているだけで、ピン自
体は伸縮しないので、低下することがない。
【0027】第7の発明は、上記第5または第6の発明
において、ピンの圧接後、電極取出孔を半田材によって
封止したことを特徴とする。
【0028】第7の発明において、半田材はピンのシー
ル部と共に電極取出孔を気密に封止する。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す実施の
形態に基づいて詳細に説明する。図1は本発明を圧力検
出装置に適用した一実施の形態を示す断面図、図2はリ
ードピンによる電極取出孔の封止構造を示す断面図であ
る。なお、図中従来技術の欄で示した構成部材等と同一
のものについては同一符号をもって示し、その説明を適
宜省略する。ステム(部材)3を収納するパッケージ2
は、両端が開放する薄肉の円筒体に形成されている。ま
た、パッケージ2のステム3が嵌合される穴30は、上
端側の大径穴部30aと、下端側の小径穴部30bとか
らなる異径穴とされることにより段差部31を有し、こ
の段差部31上に前記ステム3が密接され、半田付けに
よって固定されている。
【0030】前記ステム3は、前記パッケージ2の大径
穴部30aに嵌合し得る大きさのカップ状に形成される
ことにより上面中央に凹陥部12を有し、この凹陥部1
2内にキャリア4が収納されている。ステム3の前記凹
陥部12を取り囲む厚肉部3Aには、リードピン14が
挿通される電極取出孔13が上下面に貫通して形成され
ている。また、厚肉部3Aの表面で電極取出孔13の周
囲には金、銅等からなる金属膜32が印刷形成されてい
る。
【0031】前記リードピン14はコバール等によって
形成されることにより、図2に示すように棒状の本体1
4Aと、この本体14Aの一端に一体に設けられた大径
のシール部14Bと、本体14Aの一端部寄りに一体に
設けられた圧入部14Cとからなり、全体が例えばNi
めっきされ、さらにその上に前記金属膜32と同一の金
属膜がめっき処理によって形成されている。本体14A
は前記電極取出孔13より長く形成されている。シール
部14Bと圧入部14Cは、電極取出孔13の穴径より
大きく設定されている。シール部14Bは圧接によって
前記金属膜32に接合される。圧入部14Cは、本体1
4Aの周方向に90°の間隔をおいて一体に突設された
4つの突子33で構成されている。このようなリードピ
ン14を製作するには、本体14Aと同径の線材を素材
とし、その端部を押し潰してシール部14Bを形成し、
このシール部14Bに近い部分を咥えて引張り塑性変形
させることにより突子33を形成する。しかる後、所定
長さに切断し、めっき処理することにより容易に製作す
ることができる。リードピン14としては、長さが16
mm程度、本体14Aの外径が0.45mm程度、シー
ル部14Bの外径が0.8mm程度、圧入部14Cの外
径が0.57mm程度である。なお、その他の構成は上
記した従来装置と同じである。
【0032】図3は前記リードピン14による電極取出
孔13の封止方法を説明するための図である。封止に際
しては、ステム3を台座36上に設置してリードピン1
4の本体14Aを電極取出孔13に挿入し、加圧機35
によってシール部14Bを押圧して圧入部14Cを電極
取出孔13に圧入し、シール部14Bを金属膜32に圧
接する。リードピン14に加える加圧力は340Kg程
度であり、ステム3が破壊することはなくシール部14
Bと金属膜32を圧接することができる。加圧機35と
しては、リードピン14を常温で圧入するだけのもので
あってもよいが、ヒータ内蔵型の加圧機とし、圧入時に
リードピン14のシール部14Bを加熱すると、より小
さな加圧力でしかも確実に接合することができる。
【0033】圧接に際して、リードピン14を圧入する
と、圧入部14Cは電極取出孔13の穴壁に食い込み、
リードピン14を電極取出孔13に固定する。シール部
14Bを大きな加圧力で金属膜32に圧接すると、ステ
ム3は圧縮するが、リードピン14は圧入部14Cがス
テム3に固定されているだけで台座36に対しては非接
触であるため圧縮されない。圧入接合後、加圧機35を
上昇させてリードピン14から加圧力を取り除くと、ス
テム3は膨張し、その膨張力により金属膜32をシール
部14Bに押し付ける。その結果、シール部14Bと金
属膜32間に面圧を発生させる。この面圧は、圧入部が
電極取出孔に圧入によって固定されているだけで、ピン
自体は動きを完全に封じられているので減少することは
ない。
【0034】ここで、接合をより小さな加圧力で行うた
めにリードピン14を加熱して圧入すると、リードピン
14は熱膨張するため伸張する。ヒータの温度は800
〜1000°Cで、1秒程度加熱すると、リードピン1
4は200°C程度に加熱される。この場合、ステム3
の熱膨張を防止するため台座36を加熱しないことが重
要である。圧入接合後、冷却するとリードピン14は収
縮する。このとき、圧入部14Cは電極取出孔13によ
って動きを封じられているので、圧入部14Cからシー
ル部14Bまでの本体部分が収縮してシール部14を金
属膜32に押し付ける。この結果、上記したステムの膨
張と相俟って、リードピンを加圧しないで圧接した時よ
りも一層大きな面圧を得ることができる。
【0035】このような構造からなる圧力検出装置1に
おいては、リードピン14を電極取出孔13に圧入し、
シール部14Bを金属膜32に圧接するだけでよく、電
極取出孔13を良好に封止することができる。したがっ
て、リードピン14をステム3に仮止めしたり、半田付
けする必要がなく、リードピン14による封止作業が容
易で、短時間に行うことができる。また、リードピン1
4にシール部14Bと圧入部14Cを一体に設けるだけ
でよいので、リードピン14の構成も簡単で、容易に製
作することができる。
【0036】ここで、本実施の形態においてはリードピ
ン14の圧入部14Cをシール部14B付近に設けてい
るので、圧入時にリードピン14が傾くおそれがある。
そこで、本体14Aの圧入部14Cとは反対側に図3に
2点鎖線で示すように圧入部14Cと同径もしくは電極
取出孔13の穴径より若干小さい外径を有する大径部3
8を設けておくと、リードピン14の倒れを防止するこ
とができる。なお、圧接した後、電極取出孔13から突
出する本体14Aの突出端部に軸線方向と直交する方向
の外力が加わると、圧入部14Cを支点としてシール部
14Bとは反対側端部が弾性変形するため、シール部1
4Bと金属膜32との接合部には大きな力が加わらず、
シール性には何等影響を及ぼすことはない。ただし、軸
線方向に大きな外力を受けた際には、接合部が剥離する
ことも考えられるので、その場合は圧接後に電極取出孔
13を半田材によって封止すれば、より強固に封止する
ことができる。半田材による封止は、電極取出孔13の
ピン挿入側とは反対側開口部のみを封止したり、あるい
は電極取出孔13を真空排気して電極取出孔13の内部
全体に半田材を充填して封止してもよい。
【0037】図4は本発明を半導体レーザー装置に適用
した他の実施の形態を示す断面図である。同図におい
て、半導体レーザー装置は、絶縁材からなる基台40と
金属製のカバー41をろう付けして形成した密閉型の容
器を備え、その内部にGaInAsP/InP、GaA
s等の半導体レーザー42を収納すると共にアルゴン等
の不活性ガスを封入している。基台40はセラミックス
等によって形成され、前記半導体レーザー42が固着さ
れると共にリードピン44が貫通して設けられ、その外
端が図示しない電源に接続され、内端がリード線45を
介して前記半導体レーザー42の電極に接続されてい
る。リードピン44は、棒状の本体44Aと、本体44
Aの外端側に一体に設けたシール部44Bと、シール部
44Bとは反対側に設けた圧入部44Cとを一体に備え
ている。このリードピン44はシール部44Bを本体4
4Aの外端部寄りに設けている点で図2に示したリード
ピン14と異なる。そして、このリードピン44は、基
台40に設けた電極取出孔46に圧入され、シール部4
4Bが基台40の表面で電極取出孔46の周囲に形成し
た金属膜47に圧接されることにより前記電極取出孔4
6を気密に封止する。また、電極取出孔46の内端は半
田材48によって封止されている。
【0038】このような構成においても、電極取出孔4
6を上記した実施の形態と同様にリードピン44によっ
て確実に封止することができる。したがって、従来装置
のように基台40を金属で形成し、電極取出孔46をガ
ラスハーメチックシールする必要がなく、製作が容易で
ある。
【0039】なお、上記した実施の形態においては圧力
検出装置と半導体レーザー装置に適用した例を示した
が、本発明はこれに何等特定されるものではなく、例え
ばIC、真空管等にも適用することができる。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る電極取
出孔の封止構造およびその封止方法によれば、金属製の
ピンを絶縁材からなる部材に設けた電極取出孔に圧入
し、圧接によってピンと金属膜を接合するように構成し
たので、電極取出孔の封止作業が容易で短時間に行うこ
とができ、しかも電極取出孔を確実に封止することがで
きる。
【0041】また、本発明は、圧入時にピンを加熱して
圧入し冷却時の収縮を利用してピンと金属膜の間に面圧
を作用させるようにしたので、より一層確実に封止する
ことができる。また、圧接後に半田材によって電極取出
孔を封止すると、さらに一層良好なシール性能を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を圧力検出装置に適用した一実施の形
態を示す断面図である。
【図2】 リードピンによる電極取出孔の封止構造を示
す断面図である。
【図3】 リードピンの圧入を説明するための図であ
る。
【図4】 本発明を半導体レーザー装置に適用した他の
実施の形態を示す断面図である。
【図5】 圧力検出装置の従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
1…圧力検出装置、2…パッケージ、3…ステム、4…
キャリア、5…圧力センサ、5A…起歪部、6…基台、
7…受圧ダイアフラム、8…封入液、9…封入液注入
孔、13…電極取出孔、14…リードピン、14A…
、14B…シール部、14C…圧入部、19…圧力導
入孔、32…金属膜、33…突子、35…加圧機、40
…基台、44…リードピン、46…電極取出孔、48…
半田材。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極取出孔を有する絶縁材製の部材と、
    この部材の表面で前記電極取出孔の周囲に形成された金
    属膜と、金属によって棒状に形成され前記部材の厚さ以
    上の長さを有するピンとを備え、 前記ピンは前記電極取出孔に挿通される本体と、この本
    体の一端側に設けられ前記電極取出孔より大きな外径を
    有するシール部と、前記本体の外周に突設され前記電極
    取出孔より若干大きな外径を有して前記電極取出孔に圧
    入される圧入部とで構成され、 前記シール部を前記金属
    膜に圧接によって接合することにより前記電極取出孔を
    封止したことを特徴とする電極取出孔の封止構造。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電極取出孔の封止構造に
    おいて、 ピンの表面に金属膜と同じ材料からなる金属膜を施した
    ことを特徴とする電極取出孔の封止構造。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の電極取出孔の封
    止構造において、 ピンの圧入部が周方向に所要の間隔をおいて一体に突設
    された複数個の突子によって構成されていることを特徴
    とする電極取出孔の封止構造。
  4. 【請求項4】 請求項1,2または3記載の電極取出孔
    の封止構造において、 電極取出孔を半田材によって封止したことを特徴とする
    電極取出孔の封止構造。
  5. 【請求項5】 絶縁材製の部材に電極取出孔を形成する
    と共にこの部材の表面で前記電極取出孔の周囲に金属膜
    を形成し、棒状に形成され前記部材の厚さ以上の長さと
    前記電極取出孔の穴径より大きなシール部および圧入部
    を有する金属製のピンを加圧機によって前記電極取出孔
    に圧入し、前記シール部を前記金属膜に圧接によって接
    合することにより前記電極取出孔を封止することを特徴
    とする電極取出孔の封止方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の電極取出孔の封止方法に
    おいて、 加圧機はヒータを備え、圧入時にピンを加熱することを
    特徴とする電極取出孔の封止方法。
  7. 【請求項7】 請求項5または6記載の電極取出孔の封
    止方法において、 ピンの圧接後、電極取出孔を半田材によって封止するこ
    とを特徴とする電極取出孔の封止方法。
JP32812497A 1997-11-28 1997-11-28 電極取出孔の封止構造およびその封止方法 Expired - Fee Related JP3293079B2 (ja)

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