JPH0643169B2 - 四輪駆動車のスリツプ制御装置 - Google Patents

四輪駆動車のスリツプ制御装置

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JPH0643169B2
JPH0643169B2 JP60228074A JP22807485A JPH0643169B2 JP H0643169 B2 JPH0643169 B2 JP H0643169B2 JP 60228074 A JP60228074 A JP 60228074A JP 22807485 A JP22807485 A JP 22807485A JP H0643169 B2 JPH0643169 B2 JP H0643169B2
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differential
slip
wheel
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differential function
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隆文 稲垣
和正 中村
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の目的 [産業上の利用分野] 本発明は四輪駆動車のスリップ制御装置に係わり、詳し
くはスリップ状態に対応して前輪と後輪との間に配設さ
れた差動手段を制御する四輪駆動車のスリップ制御装置
に関する。
[従来の技術] 四輪駆動車は、泥濘地もしくは積雪路等の悪路を安全に
走行することが可能であると共に、登坂性能および高速
走行時の安定性に優れるため、近年広く普及するに至っ
ている。このような四輪駆動車は、旋回時に生じる前輪
と後輪との間の回転速度差を吸収するために、前後輪間
に差動機構を備えている。一方、四輪のうちの少なくと
も一車輪が悪路等に進入して空転すると、上記差動機構
の作用により他の車輪にも駆動力が伝達されなくなる。
このような場合の対策として上記差動機構の差動作用を
阻止する機構が設けられている。この差動作用を阻止す
る機構の作用により、前後輪間の速度差が無くなり、い
ずれかの車輪に有効な駆動力の伝達が行なわれるのであ
る。
ところで、上記のような四輪駆動車が摩擦係数の低い路
面を走行する場合、上述した差動機構が作用していると
各車輪が独立にスリップ状態に陥る可能性がある。この
ような不具合点に対する対策として、操向車輪と路面と
の間の摩擦係数が所定値以下となり、かつ前後輪間の差
動機能が阻止されていない場合には、差動機能を阻止す
るよう指示を表示する「4輪駆動車」(実開昭59−1
55225号公報)等が提案されている。
[発明が解決しようとする問題点] かかる従来技術としての四輪駆動車のスリップ制御装置
には以下に示すような問題点があった。すなわち、 (1) 摩擦係数が低い路面を走行中に、前後輪間の差
動機能を阻止するよう指示が表示されても、その操作は
運転者によって行なわれなければならなかった。ところ
が、上述のような路面を走行中は、車両の走行安定性や
制動安定性が低下しており、運転が困難な状況にある。
このような場合に、運転者が表示に従って新たな操作を
行なうことは運転者にとって負担となり四輪駆動車の操
作性を低下させるという問題点があった。
(2) また、従来は操向車輪である前輪と路面との間
の摩擦係数のみに着目してスリップ状態を判定してい
た。このため、前輪に先立ち後輪がスリップ状態に陥っ
た場合には、該スリップを抑制できないという問題もあ
った。
(3) さらに、前後輪間の差動機能を阻止したまま走
行を長時間続けると、四輪駆動車では前輪と後輪との回
転速度差が吸収されないため動力伝達系にねじれを生じ
るような力が加わるので、タイヤの摩耗が早まると共に
燃費性能が低下するという問題点があった。
(4) 上記(3)の対策として、一旦差動機能の阻止
を行なった時は、その時より所定時間経過後に該差動機
能の阻止を解除するよう構成することもできる。しかし
その時点でいまだスリップ状態が継続していると、充分
なスリップ制御を行なうことができないといった問題も
考えられた。
本発明は、前後輪間の差動機能の阻止と作動とを好適に
制御して四輪のスリップを抑制する四輪駆動車のスリッ
プ制御装置の提供を目的とする。
発明の構成 [問題点を解決するための手段] 本発明は上記問題を解決するため第1図に例示する構成
をとった。すなわち、本発明は第1図に例示するよう
に、 内燃機関から伝達される駆動力により回転する前輪と後
輪との回転速度の差を吸収する差動機能を有する差動手
段M1を具備するとともに、該差動手段が外部からの指
令によってその差動機能を作動又は阻止する様に構成さ
れた四輪駆動車のスリップ制御装置において、 上記前輪の回転状態を検出する前輪回転状態検出手段M
2と、 上記後輪の回転状態を検出する後輪回転状態検出手段M
3と、 上記前輪回転状態検出手段M2と上記後輪回転状態検出
手段M3との検出結果に基づいて、上記前輪又は上記後
輪がスリップ状態にあるか否かを判定するスリップ判定
手段M4と、 該スリップ判定手段によって、スリップ状態であると判
定された場合には、上記差動機能の阻止を行なう差動機
能阻止手段M5と、 を備えるとともに、 上記内燃機関のスロットルバルブの開度を検出するスロ
ットバルブ開度検出手段M6と、 上記四輪駆動車の速度を検出する車速検出手段M7と、 上記スロットルバルブ開度検出手段M6によって検出さ
れたスロットルバルブ開度の開度変化値が所定の開度変
化判定値未満であり、かつ、上記車速検出手段M7によ
って検出された車速変化値が所定の車速変化判定値未満
である場合に、上記四輪駆動車が定常走行状態であると
判定する定常状態判定手段M8と、 上記差動機能阻止手段M5によって差動機能が阻止され
ている場合に、上記定常状態判定手段M8によって上記
四輪駆動車が定常走行状態であると判定されたときに
は、上記差動機能阻止手段M5による差動機能の阻止を
解除して差動機能を作動させる差動機能作動手段M9
と、 を備えたことを特徴とする四輪駆動車のスリップ制御装
置を要旨とするものである。
差動手段M1とは、四輪駆動車の前輪と後輪との間の回
転速度の差を吸収する差動機能を外部からの指令に従っ
て阻止または作動させるものである。例えばかさ歯車よ
り成る1対の差動小歯車と1対の差動大歯車および駆動
軸を直結させる多板クラッチとその駆動機器とから構成
してもよい。また例えば、遊星歯車と該遊星歯車のサン
ギヤ,プラネタリギヤ,リングギヤのうちのいずれか2
者を結合するクラッチおよびその駆動機器とから構成す
ることもできる。
前輪回転状態検出手段M2とは、前輪の回転状態を検出
するものである。
後輪回転状態検出手段M3とは、後輪の回転状態を検出
するものである。
ここで回転状態とは、例えば回転速度もしくは回転加速
度であってもよく、また回転角であってもよい。したが
って、上記両回転状態検出手段M2,M3は、例えば車
輪の車軸に近接して設けた電磁ピックアップもしくは近
接スイッチまたは半導体ホールセンサ等から構成するこ
ともできる。また例えば、車輪もしくは車軸と連動する
軸に配設した格子円板の格子を光学式センサで検出する
よう構成してもよい。
スリップ判定手段M4とは、前輪と後輪との回転状態か
ら上記両輪のいずれかがスリップ状態にあるか否かを判
定するものである。例えば、前輪と後輪との回転速度差
が所定値以上の場合にはスリップ状態にあるものと判定
するよう構成してもよい。また例えば、前輪または後輪
の各々の回転速度を基本とし、この回転速度と車体速度
との偏差の割合に基づいてスリップ状態を判定するよう
構成することもできる。
車速検出手段M7とは四輪駆動車の車速を検出するもの
である。例えば、駆動軸の所定時間当たりの回転角を計
測し、該計測値に基づいて車速を検出するよう構成して
もよい。
スロットルバルブ開度検出手段M6とは、内燃機関のス
ロットルバルブの開度を検出するものである。例えばス
ロットルバルブと連動して回転する部材の回転量を複数
の接点を有するスロットルポジションセンサで検出する
よう構成することができる。
定常状態判定手段M8とは、車速とスロットル開度とに
基づいて、四輪駆動車が定常走行でのるか否かを判定す
るものであり、具体的には、スロットルバルブ開度検出
手段M6によって検出されたスロットルバルブ開度の開
度変化値が所定の開度変化判定値未満であり、かつ、車
速検出手段M7によって検出された車速変化値が所定の
車速変化判定値未満である場合に、四輪駆動車が定常走
行状態であると判定する。
差動機能作動手段M9は、差動機能阻止手段M5によっ
て差動機能が阻止されている場合に、定常状態判定手段
M8によって四輪駆動車が定常走行状態であると判定さ
れたときには、差動機能阻止手段M5による差動機能の
阻止を解除して差動機能を作動させるものである。
上記スリップ判定手段M4と差動機能阻止手段M5と定
常状態判定手段M8と差動機能作動手段M9とは、各々
独立したディスクリートな論理演算回路として実現する
こともできる。また、周知のCPUを中心にROM,R
AMおよびその他の周辺回路素子等と共に論理演算回路
として構成され、予め定められた処理手順に従って上記
各手段を実現し、スリップもしくは定常走行の判定を行
なうと共に差動手段M1に指令を出力するものであって
もよい。
[作用] 本発明の四輪駆動車のスリップ制御装置は、第1図に例
示するように、前輪回転状態検出手段M2および後輪回
転状態検出手段M3との検出結果に基づいて、スリップ
状態にあるとスリップ判定手段M4により判定された場
合には、差動機能阻止手段M5が差動手段M1に差動機
能の阻止を指令する。そして、この差動機能阻止手段M
5によって差動機能が阻止されている場合に、定常状態
判定手段M8によって四輪駆動車が定常走行状態である
と判定されたとき、具体的には、スロットルバルブ開度
検出手段M6によって検出されたスロットルバルブ開度
の開度変化値が所定の開度変化判定値未満であり、か
つ、車速検出手段M7によって検出された車速変化値が
所定の車速変化判定値未満である場合には、差動機能作
動手段M9が差動手段M1に差動機能の阻止を解除して
差動機能を作動させる指令をする様に働く。
すなわち、スリップ状態にあると判定されるとスリップ
制御が開始され、上述した内容の車速の変化およびスロ
ットルバルブ開度の変化から定常走行状態にあると判定
されるとスリップ制御が終了するのである。
従って本発明の四輪駆動車のスリップ制御装置は、差動
機能を阻止するスリップ制御を開始した後、即ち、差動
機能が阻止された状態であるスリップ制御を行なってい
る場合に、上述した条件が満たされて定常走行状態に移
行したと見なされた時には速やかに差動機能を作動させ
てスリップ制御を終了するよう働く。以上のように本発
明の各構成要素が作用することにより本発明の技術的課
題が解決される。
[実施例] 次に、本発明の好適な一実施例を図面に基づいて詳細に
説明する。
本発明一実施例である四輪駆動車のスリップ制御装置の
システム構成を第2図に示す。エンジン1の出力は、自
動変速機2を介して四輪駆動用トランスファ機構3に伝
達された後、各車輪に駆動力として分配される。
自動変速機2は、ロックアップ付きトルクコンバータ4
と変速機5とを有する。ロックアップ付きトルクコンバ
ータ4は、入力軸4aと出力軸4bとを係合するロック
アップクラッチを内部に有し、該ロックアップクラッチ
はロックアップ制御ソレノイド6の作動により入力軸4
aと出力軸4bとを係合または分離する。エンジン1の
出力は、図示しないクランク軸より上記入力軸4aに与
えられ、ロックアップ制御ソレノイド6の作動によりロ
ックアップクラッチが係合している場合は、出力軸4b
から変速機5に伝達される。
変速機5は、遊星歯車を備えた周知の機構であり、変速
制御ソレノイド7の作動により、複数の変速段に亘って
切り替わるよう構成されている。変速機5の出力は四輪
駆動用トランスファ機構3に伝達される。
四輪駆動用トランスファ機構3は、遊星歯車式のセンタ
ディファレンシャル8を有している。該センタディファ
レンシャル8は、変速機5から動力の伝達を受けるキャ
リア9と、該キャリア9に担持されたプラネタリピニオ
ンギヤ10と、該プラネタリピニオンギヤ10に歯合し
たサンギヤ11およびリングギヤ12とから構成されて
いる。リングギヤ12は後輪駆動軸13に接続され、サ
ンギヤ11は上記後輪駆動軸13と同心のスリーブ状の
前輪駆動用中間軸14に接続されている。四輪駆動用ト
ランスファ機構3には、上記前輪駆動用中間軸14と平
行に前輪駆動軸15が設けられており、前輪駆動用中間
軸14と前輪駆動軸15とは、その各々に配設されたス
プロケット16および17に歯合するエンドレスチェー
ン18により連結されている。なお、後輪駆動軸13と
前輪駆動軸15とへの駆動力の配分比はサンギヤ11と
リングギヤ12との歯数比に基づいて定まる。
四輪駆動用トランスファ機構3には、サンギヤ11とリ
ングギヤ12とを選択的に係合する差動制御クラッチ1
9が配設されており、該差動制御クラッチ19は差動制
御ソレノイド20の作用により係合または分離を行なう
よう構成されている。
後輪駆動軸13には、自在継手21を介してリアプロペ
ラシャフト22の一端側が接続され、該リアプロペラシ
ャフト22の他端側は同様に自在継手23に接続され、
図示しない後輪ディファレンシャルを介して後輪24に
駆動力が伝達される。一方、前輪駆動軸15には、自在
継手25を介してフロントプロペラシャフト26の一端
側が接続され、該フロントプロペラシャフト26の他端
側は同様に自在継手27に接続され、図示しない前輪デ
ィファレンシャルを介して前輪28に駆動力が伝達され
る。
駆動力伝達機構は以上のように構成されているため、次
のように作動する。すなわち、上述した差動制御ソレノ
イド20の作用により差動制御クラッチ19が係合して
いない場合には、センタディファレンシャル8が作動機
能を果すのでエンジン1の出力は自動変速機2を介し、
四輪駆動用トランスファ機構3より後輪24と前輪28
との各々に駆動力として伝達される。その駆動力の分配
比はサンギヤ11とリングギヤ12との歯数比に応じて
定まる。一方、差動制御ソレノイド20の作用により、
差動制御クラッチ19が係合している場合には、センタ
ディファレンシャル8が直結された状態となるので、エ
ンジン1の出力は後輪24と前輪28とに各々50%ず
つ均等配分されて伝達される。この場合には、センタデ
ィファレンシャル8が差動機能を阻止された状態とな
り、後輪24と前輪28とが各々直結駆動される。
なお、本システムには図示しないブレーキ用油圧回路の
連通・遮断を行なうことにより、加速スリップを防止す
るための油圧切換用ソレノイド29a,29bも配設さ
れている。
本システムは検出器として、後輪駆動軸13の回転速度
を計測することにより車速を検出する車速センサ30、
エンジン1のスロットルバルブの開度を検出するスロッ
トルポジションセンサ31、シフト位置を検出するニュ
ートラルスタートスイッチ32を有している。上記各セ
ンサおよびスイッチの信号は変速制御用電子制御装置
(以下単にTECUとよぶ)40に入力され、該TEC
U40は上述したロックアップ制御ソレノイド6、変速
制御ソレノイド7、差動制御ソレノイド20を駆動制御
する。
また、本システムは他の検出器として、左前輪の回転速
度を検出する左前輪回転速度センサ51、右前輪の回転
速度を検出する右前輪回転速度センサ52、後輪の回転
速度を検出する後輪回転速度センサ53を備えている。
上記各センサの信号は加速スリップ制御用電子制御装置
(以下単にSECUとよぶ)60に入力され、該SEC
U60は上述した油圧切換用ソレノイド29a,29b
を駆動制御する。
次に、上記TECU40およびSECU60の構成を第
3図に基づいて説明する。
TECU40は、既述した、各センサおよびスイッチに
より検出された各データを制御プログラムに従って入力
および演算すると共に、既述した各機器を制御するため
の処理を行なうCPU40a、上記制御プログラムおよ
び初期データが予め記憶されているROM40b、TE
CU40に入力される各種データや演算制御に必要なデ
ータが一時的に記憶されるRAM40cを中心に論理演
算回路として構成され、コモンバス40dを介して入出
力ポート40eおよび出力ポート40fに接続されて外
部との入出力を行なう。
TECU40は、既述したニュートラルスタートスイッ
チ32、スロットルポジションセンサ31のバッファ4
0g,40hおよび車速センサ30の出力信号の波形を
整形する波形整形回路40iを有し、後述するSECU
60とで間でデータの転送を行なうデータバス55を介
して転送されるデータおよび上記各センサからの出力信
号は入出力ポート40eを介してCPU40aに入力さ
れ、CPU40aは入出力ポート40eを介して上記デ
ータバス55にデータを出力する。
また、TECU40は、既述したロックアップ制御ソレ
ノイド6、変速制御ソレノイド7、差動制御ソレノイド
20に駆動電流を通電する駆動回路40j,40k,4
0mを備え、CPU40aは出力ポート40fを介して
上記駆動回路40j,40k,40mに制御信号を出力
する。
一方、SECU60は、同様にCPU60a,ROM6
0b,RAM60cを中心に論理演算回路として構成さ
れ、コモンバス60eを介して入出力ポート60fおよ
び出力ポート60gと接続されて外部との入出力を行な
う。
SECU60は、既述したスロットルポジションセンサ
31のバッファ60hおよび車速センサ30、左前輪回
転速度センサ51、右前輪回転速度センサ52、後輪回
転速度センサ53の出力信号の波形を整形する波形整形
回路60iを有し、上述したTECU40との間でデー
タの転送を行なうデータバス55により転送されるデー
タおよび上記各センサからの出力信号は入出力ポート6
0fを介してCPU40aに入力され、CPU40aは
入出力ポート60fを介して上記データバス55にデー
タを出力する。
また、SECU60は、既述した油圧切換用制御ソレノ
イド29a,29bに駆動電流を通電する駆動回路60
j,60kを有し、CPU60aは出力ポート60gを
介して上記駆動回路60j,60kに制御信号を出力す
る。なお、SECU60は、設定された時間だけ経過す
るとCPU60aに割り込みを発生する自走式のタイマ
60mも備えている。
次に上記TECU40およびSECU60により実行さ
れる処理について第4図および第5図のフローチャート
に基づいて説明する。
まず、SECU60により実行されるスリップ制御処理
を第4図に示すフローチャートに基づいて説明する。本
スリップ制御処理は、SECU60起動後、四輪駆動車
の走行に伴い、20[msec]毎に繰り返して実行さ
れる。なお、本スリップ制御処理の実行に伴い、図示し
ない車輪回転速度算出処理により各車輪の回転速度セン
サの出力信号に基づいて、左前輪、右前輪および後輪の
各回転速度Vfl,Vfr,Vr が算出されている。また、
同じく図示しないスロットルバルブ開度算出処理によ
り、所定時間間隔でスロットルポジションセンサ31か
ら検出かれるスロットルバルブ開度の変化値Δθが算出
されている。さらに、同じく図示しない車速算出処理に
より、車速センサ30の検出値に基づいて算出された車
速の所定時間間隔における変化値ΔVが算出されてい
る。
ステップ100では、上記車輪回転速度算出処理により
算出され左前輪回転速度Vfl、右前輪回転速度Vfr、後
輪回転速度Vr とスロットルバルブ開度算出処理により
算出されたスロットルバルブ開度変化値Δθおよび車速
算出処理により算出された車速変化値ΔVをRAM60
cの所定のエリアから読み込む処理が行なわれる。続く
ステップ102では、左前輪回転速度Vflと右前輪回転
速度Vfrとの平均値と後輪回転速度Vr との差を次式
(1)のように算出して、前後輪差DV1を算出する処
理が行なわれる。
DV1=|Vr −(Vfr+Vfl)/2|…(1) 次に、ステップ104では左前輪回転速度Vflと右前輪
回転速度Vfrとの差を次式(2)のように算出して、左
右輪差DV2を算出する処理が行なわれる。
DV2=|Vfr−Vfl| …(2) 次にステップ106に進み、上記ステップ102で算出
した前後輪差DV1が、前後輪差基準値VT1を上回る
か否かの判定が行なわれる。前後輪差DV1が前後輪差
基準値VT1を上回ったと判定された場合には前後輪の
いずれかがスリップ状態に陥ったものとみなされて、ス
テップ108に進む。ステップ108では前後輪差フラ
グFFRを値1にセットする処理が行なわれた後ステッ
プ110に進む。一方、上記ステップ106で前後輪差
DV1が前後輪差基準値VT1以下であると判定された
場合には、ステップ110に進む。
ステップ110では、上記ステップ104で算出した左
右輪差DV2が左右輪差基準値VT2を上回るか否かか
が判定される。左右輪差DV2が左右輪差基準値VT2
を上回ったと判定された場合には、左前輪もしくは右前
輪のいずれかがスリップ状態に陥ったものとみなされ
て、ステップ112に進む。ステップ112では、左右
輪差フラグFLRを値1にセットする処理が行なわれた
後ステップ114に進む。一方、上記ステップ110で
左右輪差DV2が左右輪差基準値VT2以下であると判
定された場合には、ステップ114に進む。
ステップ114では、上記ステップ100で読み込んだ
スロットルバルブ開度変化値Δθが開度変化基準値K1
未満であるか否かの判定が行なわれる。スロットルバル
ブ開度変化値Δθが開度変化基準値K1未満であると判
定された場合には、ステップ116に進む。ステップ1
16では開度カウンタNTHを1だけ加算する処理が行
なわれた後、ステップ120に進む。一方、上記ステッ
プ114でスロットルバルブ開度変化値Δθが開度変化
基準値K1以上であると判定された場合には、ステップ
118に進む。ステップ118では開度カウンタNTH
を値0にリセットする処理が行なわれた後、ステップ1
20に進む。ステップ120では、上記開度カウンタN
THの値が安定基準値K2を上回るか否かの判定が行な
われる。開度カウンタNTHの値が充分加算されて安定
基準値K2を上回ると判定された場合にはステップ12
2に進む。ステップ122では、スロットルバルブ開度
安定判別フラグFITを値1にセットする処理が行なわ
れた後、ステップ126に進む。一方、上記ステップ1
20で開度カウンタNTHの値がいまだ不充分な加算に
より安定基準値K2以下であると判定された場合にはス
テップ124に進む。ステップ124ではスロットルバ
ルブ開度安定判別フラグFITを値0にリセットする処
理が行なわれた後、ステップ126に進む。
ステップ126では、上記ステップ100で読み込んだ
車速変化値ΔVが車速変化基準値K3未満であるか否か
の判定が行なわれる。車速変化値ΔVが車速変化基準値
K3未満であると判定された場合には、ステップ128
に進む。ステップ128では車速カウンタNVを1だけ
加算する処理が行なわれた後、ステップ132に進む。
一方、上記ステップ126で車速変化値ΔVが車速変化
基準値K3以上であると判定された場合には、ステップ
130に進む。ステップ130では車速カウンタNVを
値0にリセットする処理が行なわれた後、ステップ13
2に進む。ステップ132では、上記車速カウンタNV
の値が定常基準値K4を上回るか否かの判定が行なわれ
る。車速カウンタNVの値が充分加算されて定常基準値
K4を上回ると判定された場合にはステップ134に進
む。ステップ134では車速定常フラグFIVを値1に
セットする処理が行なわれた後、ステップ1138進
む。一方、上記ステップ132で車速カウンタNVの値
がいまだ不充分な加算により定常基準値K4以下である
と判定された場合にはステップ136に進む。ステップ
136では車速定常フラグFIVを値0にリセットする
処理が行なわれた後、ステップ138に進む。
ステップ138では、スロットルバルブ開度安定判別フ
ラグFITが値1にセットされているか否かの判定が行
なわれる。スロットルバルブ開度安定判別フラグFIT
が値1にセットされていると判定された場合には、スロ
ットルバルブの操作が安定し、急激な加減速が行なわれ
ないものと判定されてステップ140に進む。ステップ
140では、車速定常フラグFIVが値1にセットされ
ているか否かの判定が行なわれる。車速定常フラグFI
Vが値1にセットされていると判定された場合には、走
行状態が定常であると判定されてステップ142に進
む。ステップ142ではスリップ状態が収束したものと
して前後輪差フラグFFRを値0にリセットする処理が
行なわれる。続くステップ144では、同様にスリップ
が収束したものとして左右輪差フラグFLRを値0にリ
セットする処理が行なわれた後、ステップ146に進
む。一方、上記ステップ138でスロットルバルブ開度
安定判別フラグFITが値1にセットされていないと判
定された場合、または、上記ステップ140で車速定常
フラグFIVが値1にセットされていないと判定された
場合には、走行状態が定常でなく、いまだスリップ状態
にあるものとしてステップ146に進む。
ステップ146では、左右輪差フラグFLRが値1にセ
ットされているか否かが判定される。左右輪差フラグF
LRが値1にセットされていると判定された場合、すな
わち左・右前輪のいずれかがスリップ状態に陥っている
場合にはステップ148に進む。ステップ148では、
差動制御フラグFDLを値1にセットする処理が行なわ
れた後、「NEXT」へ抜けて本スリップ制御処理を終
了する。一方、左右輪差フラグFLRが値1にセットさ
れていないと判定された場合、すなわち左・右前輪がい
ずれもスリップ状態に陥っていない場合には上記ステッ
プ146からステップ150に進む。ステップ150で
は、前後輪差フラグFFRが値1にセットされているか
否かが判定される。前後輪差フラグFFRが値1にセッ
トされていると判定された場合、すなわち前・後輪のい
ずれかがスリップ状態に陥っている場合には既述したス
テップ148に進み差動制御フラグFDLを値1にセッ
トした後、「NEXT」へ抜けて本処理を終了する。一
方、前後輪差フラグFFRが値1にセットされていない
と判定された場合、すなわち前・後輪がいずれもスリッ
プ状態に陥っていない場合には上記ステップ150から
ステップ152に進む。ステップ152では差動制御フ
ラグFDLを値0にリセットする処理が行なわれた後、
「NEXT」へ抜けて本処理を終了する。なお、以後、
本処理は20[msec]毎に繰り返して実行される。
次に、TECU40により実行される差動制御処理を第
5図に示すフローチャートに基づいて説明する。本差動
制御処理は、上述したスリップ制御処理に伴い、所定時
間毎に繰り返して実行される。
ステップ200では、上述したスリップ制御処理により
設定された差動制御フラグFDLの値をSECU60か
らTECU40に読み込む処理が行なわれる。続くステ
ップ205では、上記ステップ200で読み込んだ差動
制御フラグFDLの値が1にセットされているか否かの
判定が行なわれる。差動制御フラグFDLが値1にセッ
トされていると判定された場合、すなわちいずれかの車
輪がスリップ状態に陥っている場合にはステップ215
が進む。ステップ215では差動制御ソレノイド20に
通電する処理が行なわれる。この処理により差動制御ク
ラッチ19がサンギヤ11とリングギヤ12とを係合さ
せるため、センタディファレンシャル8が差動機能を阻
止された状態となるので、後輪24と前輪28とは直結
駆動される。その後、「NEXT」へ抜けて本差動制御
処理を終了する。
一方、差動制御フラグFDLが値1にセットされていな
いと判定された場合、すなわちいずれの車輪もスリップ
状態に陥っていない場合にはステップ210に進む。ス
テップ210では差動制御ソレノイド20への通電を中
止する処理が行なわれる。この処理により差動制御クラ
ッチ19がサンギヤ11とリングギヤ12とを分離する
ため、センタディファレンシャル8は差動機能を果すよ
うに作動し、後輪24と前輪28とは各々独立に駆動さ
れる。その後、「NEXT」へ抜けて本差動制御処理を
終了する。以後、本差動制御処理は、既述したスリップ
制御処理に伴い、繰り返して実行される。
次に、上述したスリップ制御処理および差動制御処理の
制御の様子の一例を第6図に示すタイミングチャートに
基づいて説明する。
四輪駆動車が走行中の時刻t1において、スリップが発
生し、左・右前輪平均回転速度と後輪回転速度との前後
輪差DV1が前後輪差基準値VT1を上回る。このた
め、同時刻t1において前後輪差フラグFFRが値1に
セットされると共に、差動制御フラグFDLも値1にセ
ットされる。これにより、同時刻t1において差動制御
ソレノイド20に通電が開始され、所定のソレノイド作
動時間経過後にセンタディファレンシャル8の差動機能
が阻止されて前輪と後輪とが直結される。前後輪を直結
したことにより、前後輪間の回転速度差は減少し、時刻
t2において前後輪差DV1は前後輪差基準値VT1以
下となる。
一方、時刻t3において、左前輪もしくは右前輪のいず
れかにスリップが発生し、左右輪差DV2が左右輪差基
準値VT2を上回る。このため、同時刻t3において、
左右輪差フラグFLRが値1にセットされる。なお、差
動制御フラグFDLは既に値1にセットされているの
で、この状態が保持される。前後輪が継続して直結され
ているため、左右輪差DV2は減少し、時刻t4におい
て左右輪差DV2は左右輪差基準値VT2以下となる。
以後、スリップ状態が抑制されるため、四輪駆動車は円
滑な走行状態に移行する。このため、時刻t5頃からス
ロットルバルブ開度θがほぼ一定となり、スロットルバ
ルブ開度変化値Δθは開度変化基準値K1未満となり開
度カウンタNTHの値が加算されて、次第に増加する。
やがて時刻t7において、上記開度カウンタNTHの値
が安定基準値K2を上回るため、同時刻t7において、
スロットルバルブ開度安定判別フラグFITが値1にセ
ットされる。しかし、車速定常フラグFIVの値が0の
ため、前後輪差フラグFFR、左右輪差フラグFLR、
差動制御フラグFDLは値1のままに保存される。
一方、時刻t6頃から車速Vがほぼ一定となり、車速変
化値ΔVは車速変化基準値K3未満となり車速カウンタ
NVの値が加算されて、次第に増加する。やがて時刻t
8において、上記車速カウンタNVの値が定常基準値K
4を上回るため、同時刻t8において、車速定常フラグ
FIVが値1にセットされる。同時刻t8には、スロッ
トルバルブ開度安定判別フラグFITも値1にセットさ
れているため、四輪駆動車は定常走行状態に移行したも
のと判定されて、前後輪差フラグFFRおよび左右輪差
フラグFLRは共に値0にリセットされ、さらに差動制
御フラグFDLも値0にリセットされる。このため同時
刻t8において、差動制御ソレノイド20への通電が中
止され、所定のソレノイド作動時間経過後にセンタディ
ファレンシャル8は差動機能を果すようになるので、前
輪と後輪とは再び独立に駆動される。以後、前後輪差フ
ラグFFRまたは左右輪差フラグFLRのいずれか一方
が値1にセットされている場合には、差動制御フラグF
DLが値1にセットされて前輪と後輪とを直結し、一
方、車速定常フラグFIVおよびスロットルバルブ開度
安定判別フラグFITの両者が共に値1にセットされて
いる場合には、前後輪差フラグFFR、左右輪差フラグ
FLR、さらに差動制御フラグFDLが値0にリセット
されて前輪と後輪とを独立に駆動する制御が繰り返され
る。
なお、本実施例において、四輪駆動用トランスファ機構
3が差動手段M1に、左前輪回転速度センサ51と右前
輪回転速度センサ52とSECU60が前輪回転状態検
出手段M2に、後輪回転速度センサ53とSECU60
が後輪回転状態検出手段M3に各々該当する。また、S
ECU60および該SECU60により実行される処理
(ステップ102,104,106,108,110,
112)がスリップ判定手段M4として機能し、車速セ
ンサ30とSECU60とが車速検出手段M5に、スロ
ットルポジションセンサ31とSECU60とがスロッ
トルバルブ開度検出手段M6に各々該当する。さらに、
SECU60および該SECU60により実行される処
理(ステップ114,116,118,120,12
2,124,126,128,130,132,13
4,136,138,140,142,144)が定常
走行判定手段M7として、SECU60および該SEC
U60により実行される処理(ステップ146,14
8,150,152)とTECU40および該TECU
40により実行される処理(ステップ205,210,
215)とが差動制御手段M8として各々機能する。
以上説明したように本実施例は、左前輪回転速度センサ
51と右前輪回転速度センサ52と後輪回転速度センサ
53との検出結果に基づいて、前後輪差DV1が前後輪
差基準値VT1を上回った場合または前輪の左右輪差D
V2が左右輪差基準値VT2を上回った場合には四輪駆
動車がスリップ状態に陥ったものと判定されてセンタデ
ィファレンシャル8の差動機能を阻止して前輪と後輪と
を直結状態とし、一方、スロットルバルブ開度変化値Δ
θが開度変化基準値K1未満となる状態が所定時間継続
し、かつ、車速変化値ΔVが車速変化基準値K3未満と
なる状態が所定時間継続した場合には、四輪駆動車が定
常走行状態に移行したものと判定されてセンタディファ
レンシャル8に差動機能を果させ、前輪と後輪とを独立
に駆動するように構成されている。このため、四輪駆動
車がスリップ状態に陥った場合でも、運転者の特別な操
作を必要とせず該スリップ状態を抑制し、走行安定性お
よび制御安定性を向上させることができる。
また、所定時間内におけるスロットルバルブ開度変化値
Δθが開度変化基準値K1未満であり、つ、車速変化値
ΔVが車速変化基準値K3未満である場合に限り四輪駆
動車が定常走行状態にあるものと判定してスリップ制御
を終了する。このため、スリップ状態にある場合はスリ
ップ制御を継続し、定常走行状態に移行すると速やかに
スリップ制御を終了するので、前輪と後輪とを直結して
走行する状態が必要最小限の時間となり、動力伝達系や
タイヤに不必要な負担をかけることがなく、四輪駆動車
の耐久性とスリップ制御性能との両立を図ることができ
る。
さらに、上記のように前後輪を直結して走行する状態が
必要最小限となるため、四輪駆動車に特有である、四輪
に駆動力を配分して円滑に走行する状態が長くなり、エ
ンジン1の出力が無駄になることが少なくて済むので、
燃費性能を良好に保ったスリップ制御が可能となる。
また、四輪駆動車に予め備えられているセンタディファ
レンシャル8と差動制御クラッチ19とを利用してスリ
ップ制御を行なうので、簡単な構成でスリップ制御を実
現することができる。
さらに、前後輪輪差DV1と左右輪差DV2との両者に
基づいてスリップ判定が行なっているため、四輪のうち
いずれか一輪がスリップ状態に陥った場合でも、スリッ
プ制御を開始または継続することが可能となる。これ
は、泥濘地もしくは積雪路を走行する場合に特に有効で
ある。
また、前輪と後輪とを直結状態とすることによりスリッ
プ制御を行なうため、例えば専用のスリップ防止用のブ
レーキ系統に異常が発生した場合でもスリップ制御を実
行することができるという利点を生じる。
なお、本実施例では、TECU40とSECU60とを
利用してスリップ制御を行なっているが、例えば1台の
ECUにてスリップ制御を行なうように構成することも
できる。
さらに、本実施例では既存の加速スリップ制御装置を用
いることなく前後輪を直結させることによりスリップ制
御を行なっているが、例えば既存の加速スリップ制御装
置の制御と本実施例のスリップ制御とを併せて行なうよ
うに構成することもできる。このように構成した場合に
はスリップ制御の制御精度が向上すると共に、より速や
かなスリップ制御が可能となる。
なお、本実施例では左右輪差DV2は前輪のみから検出
したが、後輪の左右輪差も併せて検出するよう構成する
こともできる。このように構成した場合にもスリップ制
御の制御精度が向上する。
以上本発明の実施例について説明したが、本発明はこの
ような実施例に何等限定されるものではなく、本発明の
要旨を逸脱しない範囲内において種々なる態様で実施し
得ることは勿論である。
発明の効果 以上詳記したように本発明の四輪駆動車のスリップ制御
装置は、前輪回転状態検出手段と後輪回転状態検出手段
との検出結果に基づいてスリップ状態にあるとスリップ
判定手段により判定された場合には、差動機能阻止手段
が差動手段に差動機能の阻止を指令する。そして、この
差動機能阻止手段によって差動機能が阻止されている場
合に、定常状態判定手段によって上述した所定の条件が
満たされて四輪駆動車が定常走行状態であると判定され
たときには、差動機能作動手段が差動手段に差動機能の
阻止を解除して差動機能を作動させる指令をする様に構
成されている。これによって、正確に路面状態を把握
し、路面状態に応じて適切に差動機能を動作させて、迅
速に運転性を向上させることができる。更に、車両の走
行安定性や制動安定性が低下する走行状態、例えば路面
摩擦係数の低い路面に進入したような場合でも、運転者
に特別な操作を行なう負担をかけることなくスリップ状
態を抑制することができるので、車両走行の安全性を向
上させることが可能となる。
また、前輪および後輪の回転状態に基づいてスリップ状
態を判定するので、四輪のうちいずれか一輪でもスリッ
プ状態に陥った場合には、確実に該スリップ状態を検出
することができる。
さらに、車速とスロットルバルブ開度とに基づいて定常
走行状態を判定してからスリップ制御を終了するため、
スリップ状態にある間はスリップ制御が継続されるの
で、四輪駆動車の走行状態に応じた最適なスリップ制御
を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の内容を概念的に例示した基本的構成
図、第2図は本発明一実施例のシステム構成図、第3図
は同じくその電子制御装置の構成を説明するためのブロ
ック図、第4図,第5図は本発明一実施例において電子
制御装置により実行される処理を示すフローチャート、
第6図は同じくその制御の様子を示すタイミングチャー
トである。 M1……差動手段 M2……前輪回転状態検出手段 M3……後輪回転状態検出手段 M4……スリップ判定手段 M5……差動機能阻止手段 M6……スロットルバルブ開度検出手段 M7……車速検出手段 M8……定常走行判定手段 M9……差動機能作動手段 1……エンジン 3……四輪駆動用トランスファ機構 8……センタディファレンシャル 19……差動制御クラッチ 20……差動制御ソレノイド 24……後輪 28……前輪 30……車速センサ 31……スロットルポジションセンサ 40……変速制御用電子制御装置(TECU) 51……左前輪回転速度センサ 52……右前輪回転速度センサ 53……後輪回転速度センサ 60……加速スリップ制御用電子制御装置(SECU)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関から伝達される駆動力により回転
    する前輪と後輪との回転速度の差を吸収する差動機能を
    有する差動手段を具備するとともに、該差動手段が外部
    からの指令によってその差動機能を作動又は阻止する様
    に構成された四輪駆動車のスリップ制御装置において、 上記前輪の回転状態を検出する前輪回転状態検出手段
    と、 上記後輪の回転状態を検出する後輪回転状態検出手段
    と、 上記前輪回転状態検出手段と上記後輪回転状態検出手段
    との検出結果に基づいて、上記前輪又は上記後輪がスリ
    ップ状態にあるか否かを判定するスリップ判定手段と、 該スリップ判定手段によって、スリップ状態であると判
    定された場合には、上記差動機能の阻止を行なう差動機
    能阻止手段と、 を備えるとともに、 上記内燃機関のスロットルバルブの開度を検出するスロ
    ットルバルブ開度検出手段と、 上記四輪駆動車の速度を検出する車速検出手段と、 上記スロットルバルブ開度検出手段によって検出された
    スロットルバルブ開度の開度変化値が所定の開度変化判
    定値未満であり、かつ、上記車速検出手段によって検出
    された車速変化値が所定の車速変化判定値未満である場
    合に、上記四輪駆動車が定常走行状態であると判定する
    定常状態判定手段と、 上記差動機能阻止手段によって差動機能が阻止されてい
    る場合に、上記定常状態判定手段によって上記四輪駆動
    車が定常走行状態であると判定されたときには、上記差
    動機能阻止手段による差動機能の阻止を解除して差動機
    能を作動させる差動機能作動手段と、 を備えたことを特徴とする四輪駆動車のスリップ制御装
    置。
JP60228074A 1985-10-14 1985-10-14 四輪駆動車のスリツプ制御装置 Expired - Lifetime JPH0643169B2 (ja)

Priority Applications (2)

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US06/918,082 US4830132A (en) 1985-10-14 1986-10-14 Four wheel drive power transmission system skidding control device and method

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013035516A (ja) * 2011-08-10 2013-02-21 Honda Motor Co Ltd 四輪駆動車両の駆動力制御装置

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