JP2870280B2 - 車両用自動変速装置 - Google Patents

車両用自動変速装置

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JP2870280B2
JP2870280B2 JP4004837A JP483792A JP2870280B2 JP 2870280 B2 JP2870280 B2 JP 2870280B2 JP 4004837 A JP4004837 A JP 4004837A JP 483792 A JP483792 A JP 483792A JP 2870280 B2 JP2870280 B2 JP 2870280B2
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shift
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engine
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利孝 成瀬
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Mitsubishi Motors Corp
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H59/00Control inputs to control units of change-speed-, or reversing-gearings for conveying rotary motion
    • F16H59/02Selector apparatus
    • F16H59/08Range selector apparatus
    • F16H2059/082Range selector apparatus with different modes

Landscapes

  • Arrangement Or Mounting Of Control Devices For Change-Speed Gearing (AREA)
  • Control Of Transmission Device (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用自動変速装置に
関し、特に、車両の登坂や降坂走行時、あるいは発進時
のセレクトレバー操作を簡略化した自動変速装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】運転者が操作するセレクトレバーの切換
位置を検出し、検出した切換位置に応じて変速段を自動
的に変速操作する車両用自動変速装置は広く採用されて
いる。従来の車両用自動変速装置のセレクトレバーは、
車両のパーキング時に選択されるパーキング位置(Pレ
ンジ)、後進時に選択される後進段位置(Rレンジ)、
車両停止時に選択される中立位置(Nレンジ)、および
通常走行時に選択される前進段位置(Dレンジ)の4つ
の切換位置の他に、例えば、2速段を保持するセカンド
位置(2レンジ)、1速段を保持するロー位置(Lレン
ジ)を加えた6つの切換位置を備えているものがある。
Dレンジが選択されると、車速とスロットル開度(エン
ジン負荷)とに応じて予め設定されているシフトパター
ンに基づいて変速段が自動的に切り換えられる一方、エ
ンジンブレーキを効かせたい場合や登り坂でエンジント
クルを必要とする場合等には、セカンド(2)レンジ或
いはLレンジが選択されて2速段ないしは1速段が保持
される。
【0003】オーバドライブ段として5速段を備える車
両には、セレクトレバーとは別に、4速段までに拘束す
るためのオーバドライブ禁止スイッチ(OD・OFFス
イッチ)を備えているものもあり、市街走行では通常オ
ーバドライブ禁止スイッチを操作して1〜4速段の自動
変速となる。このオーバドライブ禁止スイッチを別に設
ける代わりに、セレクトレバーに切換位置を1つ増や
し、P−R−N−D5 −D4 −2−Lの7つの切換位置
を備えるものもある。D5 位置が選択さると、1〜5速
段の自動変速に、D4 位置が選択されると1〜4速段の
自動変速に切り換えられる。
【0004】また、運転者の意図に応じてPOWER
(パワー)、E(エコノミー)、H(ホールド)の変速
パターンに切り換えることができる変速パターン変更ス
イッチを備える自動変速装置も知られている。POWE
R(パワー)スイッチはエンジン出力を重視する場合
に、E(エコノミー)スイッチは燃費を重視する場合
に、H(ホールド)スイッチは雪路発進時にそれぞれ選
択されて有効なスイッチであり、これらのスイッチの一
つが選択されると、燃費を多少犠牲にしても高出力が得
られるシフトパターン、或いは高出力は得られないが燃
費が最小になるシフトパターン等に切り換えられように
なっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の自動変速装置の
操作系は、木目の細かい制御を可能にするために上述し
た種々のスイッチ類を備えたり、セレクトレバーも多数
の切換位置を備えているが、一般の運転者には、これら
のスイッチ類等の機能や性能が分かりにくく、折角備え
られた機能が十分に使いこなされていないのが現状であ
る。
【0006】本発明はこのような問題を解決するために
なされたもので、従来備えられていたスイッチ類や多数
のセレクトレバーの切換位置による変速制御の選択を最
小限に抑え、しかも、車両の運転状態に応じて木目の細
かい変速制御を自動的に行えるように図った車両用自動
変速装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明に依れば、運転者の操作によりセレクト
レバーが第1の切換位置に位置するとき、車速とエンジ
ン負荷とにより予め規定される第1切換位置用シフトパ
ターンに基づいて変速段を自動的に変速操作する車両用
自動変速装置において、セレクトレバーは第2の切換位
置を有するとともに、道路勾配を検出する勾配検出手段
と、スロットル弁の開閉状態からエンジンが駆動状態に
あるか否かを検出する駆動状態検出手段とを設け、セレ
クトレバーがこの第2の切換位置に位置するときに適用
され、前記第1のシフトパターンと異なる、登坂路用シ
フトパターン、降坂路エンジン駆動状態用シフトパター
ン、および降坂路エンジン非駆動状態用シフトパターン
を含む複数の第2切換位置用シフトパターンを予め準備
し、前記セレクトレバーが第2の切換位置に位置し、勾
配検出手段により登坂路であることが検出され、且つ、
エンジンが駆動状態にあるとき、前記登坂路用シフトパ
ターンが選択され、前記セレクトレバーが第2の切換位
置に位置し、勾配検出手段により降坂路であることが検
出され、且つ、エンジンが駆動状態にあるとき、前記降
坂路エンジン駆動状態用シフトパターンが選択され、前
記セレクトレバーが第2の切換位置に位置し、勾配検出
手段により降坂路であることが検出され、且つ、エンジ
ンが非駆動状態にあるとき、前記降坂路エンジン非駆動
状態用シフトパターンが選択され、この選択されたシフ
トパターンに基づいて変速段を自動的に変速操作し、前
記登坂路用シフトパターンは、前記第1切換位置用シフ
トパターンよりも拡大された低速段領域を有し、前記降
坂路エンジン駆動状態用シフトパターンは、前記第1切
換位置用シフトパターンよりも拡大され、前記登坂路用
シフトパターンよりも小さい低速段領域を有し、前記降
坂路エンジン非駆動状態用シフトパターンは、前記登坂
路用シフトパターンよりも拡大された低速段領域を有す
ことを特徴とする車両用自動変速装置が提供される。
【0008】
【作用】セレクトレバーにより第1の切換位置が選択さ
れると、車速とエンジン負荷に応じて予め規定される、
通常の第1切換位置用シフトパターンに基づいて変速段
が自動的に変速操作されるが、第2の切換位置が選択さ
れると、登坂路用、降坂路エンジン駆動状態用、降坂路
エンジン非駆動状態用等に予め準備された複数の第2切
換位置用シフトパターンの一つが、道路勾配とエンジン
駆動状態に応じて自動的に選択され、選択されたシフト
パターンにより変速段が自動的に変速操作される。セレ
クトレバーが第2の切換位置に位置し、登坂路で、且
つ、エンジンが駆動状態にあるとき、前記登坂路用シフ
トパターンが選択されると、登坂路用シフトパターン
は、第1の切換位置におけるシフトパターンよりも低速
段領域が拡大されたシフトパターンを有しているので、
駆動力を確保し走行性を向上させる。 セレクトレバーが
第2の切換位置に位置し、降坂路で、且つ、エンジンが
駆動状態にあるとき、降坂路エンジン駆動状態用シフト
パターンが選択されると、降坂路エンジン駆動状態用シ
フトパターンは、第1切換位置用シフトパターンよりも
拡大され、登坂路用シフトパターンよりも小さい低速段
領域を有しているので、キックダウンのないホールド走
行により走行フィーリングを向上させる、エンジン駆動
状態で登坂路におけるシフトパターンに比べ燃費を向上
させる。 セレクトレバーが第2の切換位置に位置し、降
坂路で、且つ、エンジンが非駆動状態にあるとき、前記
降坂路エンジン非駆動状態用シフトパターンが選択され
ると、降坂路エンジン非駆動状態用シフトパターンは、
登坂路用シフトパターンよりも拡大された低速段領域を
有しているので、良好なエンジンブレーキ効果を生じさ
せる。
【0009】
【実施例】以下に、本発明の一実施例を添付図面に基づ
いて説明する。図1は、本発明の自動変速装置の全体構
成を示し、この自動変速装置は、例えば、前進4段後進
1段の歯車変速装置10、この歯車変速装置10と図示
しない内燃エンジンと間に介装されるトルクコンバー
タ20、歯車変速装置10の出力軸にトランスファシャ
フト12を介して接続され、駆動輪である前輪のアクス
ルシャフトに接続されるデファレンシャル30、歯車変
速装置10のクラッチやブレーキ装置、並びにトルクコ
ンバータ20の直結機構等に作動油を供給する油圧制御
装置50、油圧制御装置50に制御信号を出力して歯車
変速装置10のクラッチやブレーキ装置等に供給される
作動油圧の制御をする電子制御装置(以下、ECUとい
う)40等から構成されている。
【0010】トルクコンバータ20は、スリップ式の直
結クラッチ(ダンパクラッチ)26を備えている。ま
た、油圧制御装置50には、運転者のセレクトレバー操
作によりバルブ位置が切り換えられるシフトバルブ、油
圧ポンプからのライン圧を車速等に応じて減圧する減圧
バルブ、トルクコンバータ20に供給する作動油圧を調
整するトルコンバルブ、ダンパクラッチ制御弁等を備え
ている。これらのバルブの構成は、本発明装置において
特に限定されるものではないので、それらのバルブの詳
細な説明は省略する。
【0011】ECU40の入力側には、トランスファシ
ャフト(出力軸)12の回転数N0を検出するN0 セン
サ42、エンジン回転速度Ne を検出するNe センサ4
4、内燃エンジンの吸気通路途中に配設されるスロット
ル弁の弁開度θt を検出するスロットル開度(θt)セン
サ46、スロットル弁が全閉位置に閉じられたときこれ
を検出してオン信号を出力するアイドルスイッチ47、
運転者がセレクトレバー48aを操作してシフトバルブ
(図示せず)が切り換えられたとき、そのシフトバルブ
の切換位置を検出するポジションセンサ48、油圧ポン
プから油圧制御装置50に供給される作動油の油温を検
出する油温センサ、ブレーキ装置のブレーキペタル(図
示せず)が運転者によって踏み込まれたときオン信号を
出力するブレーキスイッチ等が電気的に接続されてお
り、これらのセンサからの検出信号がECU40に供給
される。
【0012】N0 センサ42は、トランスファシャフト
12に固設されるトランスファシャフトトリブンギア1
2aの外周に、これに対向して取付けられている。N0
センサ42は、ギア12aの各歯が通過する毎にパルス
信号を発生させ、パルス信号の発生時間間隔から回転数
N0 が演算される。N0 センサ42が検出するトランス
ファシャフト12の回転数N0 は車速に対応しており、
ECU40は出力軸回転数N0 から車速Vを演算するこ
とができる。また、演算した車速Vの前回値と今回値と
の偏差から車速変化、すなわち車両加速度を演算するこ
ともできる。また、Ne センサ44が検出するエンジン
回転速度Ne の前回値と今回値との偏差からエンジン回
転加速度を検出することができる。
【0013】図2は、運転席近傍のセンターコンソール
に配設されるセレクトレバー48aの外観を示し、この
セレクトレバー48aに連動して切り換えられるシフト
バルブの切換位置は、図3に示す表示板48bに表示さ
れるように、パーキング位置(Pレンジ)、後進段位置
(Rレンジ)、中立位置(Nレンジ)、前進段位置(D
レンジ)、および本願発明に係る切換位置(Fレンジ)
を備えている。セレクトレバー48aによりDレンジ
(第1の切換位置)が選択されると、車速Vとエンジン
負荷を表すスロットル開度θtとに応じて予め記憶され
ているシフトパターンに基づき、1速段〜4速段の内の
一つに自動的に変速操作が行われる。一方、Fレンジ
(第2の切換位置)が選択されると、詳細は後述するよ
うに車両運転状態に応じ、このFレンジ用に予め設定さ
れている複数のシフトパターンの一つが選択され、選択
されたシフトパターンに基づき2速段〜3速段(急勾配
の下坂では1速段)の内の一つに自動的に変速操作が行
われる。Fレンジでの最高変速段は、Dレンジでの最高
変速段(実施例の場合には4速段)より一つ低い変速段
(実施例の場合には3速段)に設定される。ポジション
センサ48は、運転者がシフトレバー48aを切り換え
ることにより選択されるこれらの切換位置を検出する。
【0014】ECU40は、図示しないROM,RAM
等の記憶装置、中央演算装置、I/Oインターフェース
等を内蔵しており、記憶装置に記憶された制御プログラ
ムに従って変速制御等を実行する。次に、本発明の自動
変速装置により実行される変速制御手順を図4ないし図
7に示すフローチャートを参照して説明する。
【0015】先ず、ECU40は図4のステップS10
を実行し、セレクトレバー48aによりシフトバルブが
Fレンジに切り換えられているか否かを判別する。切換
位置がFレンジでなく、ステップS10の判別結果が否
定(No)の場合には、ステップS12に進み、選択さ
れているレンジに応じた変速制御が実行される。Fレン
ジ以外の、Pレンジ、Rレンジ、Nレンジ、およびDレ
ンジの各レンジにおける変速制御は従来公知の制御でよ
く、それらの詳細な説明は省略する。
【0016】シフトバルブがFレンジに切り換えられて
おり、ステップS10判別結果が肯定(Yes)の場合
には、ステップS14に進み、Fレンジ制御が実行され
る。Fレンジ制御は、図5および図6にその詳細な制御
手順が示され、先ず、ステップS16において各種デー
タの読み込みが行われる。読み込むデータとしては、現
時点の車速V、アクセル開度θt、現在確立している変
速段、アイドルスイッチのオンオフ状態、平均勾配等で
ある。平均勾配は、所定の周期で割り込み実行される、
図7の平均勾配演算ルーチンにより演算され、順次更新
記憶されている。
【0017】ここで平均勾配演算ルーチンについて図7
を参照して説明すると、先ず、平均勾配の演算に必要な
データの読み込みが行われる(ステップS40)。この
データとしては、アクセル開度θt、車速V、その時間
変化 dV/dt、確立している変速段等である。そして、
これらのデータを基に平均勾配が以下のようにして演算
される(ステップS42)。
【0018】先ず、車両が登坂状態にある場合には、登
り勾配X(%)は次式(1)から演算することができ
る。
【0019】
【数1】 sinX+ cosX・μ={T・im ・id /R−λ・A・V2 −W・(dV/dt) /(g・C)}/W……(1) 下り勾配Xは次式(2)から演算することができる。
【0020】
【数2】 sinX− cosX・μ={T・im ・id /R+λ・A・V2 +W・(dV/dt) /(g・C)}/W……(2) ここに、gは重力加速度(9.8m/sec2 ) 、μは転がり抵
抗係数、Rはタイヤ半径(m)、im はギャ比、id は
デファレンシャル30のデフ比、λは空気抵抗係数、A
は車体投影面積、Wは車両重量、Cは定数である。ま
た、Tはエンジントルク(Kgm)であり、このエンジン
トルクTは、エンジン回転数Neとスロットル開度θt
から前述した記憶装置に予め記憶されているトルクマッ
プから読みだすことができる。
【0021】演算した勾配Xの瞬時値は、道路の凹凸等
により変動が大きいのでto 秒間(例えば、2秒間)に
演算したn個の値を順次平均してこれを平均勾配とす
る。このようにして演算された平均勾配は、記憶装置に
更新記憶される。図5に戻り、次に、読み込んだ車速V
が所定値(0km/hr)より大であるか否かを判別する(ス
テップS18)。判別結果が否定、すなわち車両が停止
していると見做すことができる場合には、ステップS2
4に進み、ホールドパターンを選択し、このパターンに
基づいて変速制御を実行する。
【0022】図8は、Fレンジ用に予め準備されている
2つのシフトパターンを示し、図8(A)は、上述した
ホールドパターンを示し、図8(B)は、後述する高速
パターンを示す。ホールドパターンは、2速発進を行わ
せ、且つ、比較的低速(V23)で2速段から3速段にシ
フト操作を行わせるものである。なお、図8において、
実線はダウンシフト線を、破線はアップシフト線をそれ
ぞれ示す。そして、ステップS26においてFレンジが
引き続き選択されているか否かを判別し、Fレンジが継
続される限り、ステップS24のホールドパターンによ
る変速操作が自動的に実行される。ホールドパターンを
解除したい場合には、運転者がセレクトレバー48aを
Fレンジ以外のレンジ、例えばDレンジに切り換えれば
よく、Dレンジに切り換えられると、ステップS26の
判別結果が否定となり、前述した図4のステップS12
が実行される。
【0023】このようにして、例えば雪路において発進
前にセレクトレバー48aをFレンジに切り換えておく
だけで、2速発進が行われ、その後比較的低速でアップ
シフトが行われ、雪路での発進を容易にし、キックダウ
ンのないホールド走行を可能にする。走行中にFレンジ
に切り換えられると、ステップS18における判別結果
が肯定となり、このような場合には、先ず、アイドルス
イッチ47がオンであるか否か、すなわちスロットル弁
が全閉であるか否かを判別する(ステップS20)。ス
ロットル弁が全閉でなければ、ステップS22に進み、
今度は走行路の平均勾配Xが所定値X01(例えば、登り
勾配10%)より大であるか否かを判別する。この判別
結果も否定の場合には、前述したステップS24のホー
ルドパターンが選択され、キックダウンのないホールド
走行が実行されることになる。
【0024】登り勾配Xが所定値X01より大で、ステッ
プS22の判別結果が肯定である場合には、ステップS
30に進み、高速パターンによる変速操作が実行され
る。このシフトパターンは、図8(B)に示すように2
3アップシフト線を高速側に移行させ、低速段がカバー
する車速を高速域まで延長することによって駆動力の確
保を図るものである。一旦、高速パターンが実行される
と、セレクトレバー48aを他のレンジに切り換えるま
で高速パターンによる変速操作が維持される。
【0025】アクセルペタルから足を離した状態でFレ
ンジが選択されると、ステップS20の判別結果が肯定
となり、ステップS28に進む。このステップでは、走
行路の下り勾配Xが負の所定値X02(例えば、1/5勾
配に相当する値)より小であるか否かを判別する。下り
勾配Xが所定値X02より小でないなだらかな下り勾配で
ある場合には、前述したステップS30の高速パターン
による変速操作が実行される。この高速パターンによる
走行状態では、低速段がカバーする車速を高速側に延長
され、エンジンブレーキの効く範囲が拡げられた状態で
走行していることになる。
【0026】下り勾配Xが所定値X02より小で、急勾配
である場合、ステップS34に進み、Lパターンによる
変速操作が実行される。このLパターンは、エンジンブ
レーキが最も効く変速段(1速段)に保持されるシフト
パターンである。Lパターンによる変速操作は、Fレン
ジが解除されるか(ステップS36の判別結果が否
定)、アイドルスイッチ47がオフ(ステップS38の
判別結果が肯定)になるまで繰り返し実行される。
【0027】Lパターンによる変速操作中にFレンジが
解除されると、図4のステップS12が実行される一
方、アイドルスイッチ47がオフ、すなわちスロットル
弁が開弁されるとステップS28に戻り、走行路の下り
勾配Xが負の所定値X02より小であるか否かを判別する
ことになる。下り勾配Xが負の所定値X02より小である
場合には、アクセルペタルが踏み込まれても引き続きL
パターンによる変速操作が実行され、下り勾配Xが負の
所定値X02より小でなければ、前述の高速パターンによ
る変速操作が実行されることになる。
【0028】上述の実施例では、Fレンジの各シフトパ
ターンが一旦選択されると、Fレンジを解除しなければ
選択されたシフトパターンが繰り返されることになる
が、本発明はこれに限定されるものではなく、各シフト
パターンによる変速制御が実行された後、選択位置がF
レンジであるか否かの判別(ステップS26,ステップ
S32,ステップS36)を実行せずに、図4のステッ
プS10に直ちに戻るようにしてもよい。このようにす
れば、Fレンジを選択したままで、高速パターンからL
パターンへの切り換え、或いはホールドパターンから高
速パターンへの切り換えを自動的に行わせることができ
る。
【0029】上述の実施例では、ステップS20および
ステップS38において、アイドルスイッチ47のオン
オフ状態からスロットル弁の開閉を判別したが、θtセ
ンサ46によりスロットル弁の開閉を判断してもよいこ
とは勿論のことである。また、エンジン負荷としては、
実施例のスロットル開度(θt)以外にも、アクセル踏
込量、吸入空気量、吸気負圧、燃料供給量等を用いても
よい。
【0030】また、上述の実施例では、Fレンジ用シフ
トパターンとしてホールドパターン、高速パターン、お
よびLパターンの3種類しか例示しなかったけれど、こ
れ以外にも、登坂屈曲路用、高速緩登坂路用、市街急加
減速用等のシフトパターンを準備しておき、これらのシ
フトパターンの一つを、操舵角、車体横加速度、ブレー
キスイッチのオンオフ状態、車輪のスリップ量等の、車
両運転状態を表すパラメータ値の一つ或いは複数の値に
応じて選択するようにしてもよい。
【0031】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
車両用自動変速装置に依れば、通常の第1の切換位置と
は異なる第2の切換位置を設け、第1の切換位置用のシ
フトパターンとは異なる複数の第2の切換位置用シフト
パターンを予め準備し、セレクトレバーが第2の切換位
置に位置するとき、道路勾配とエンジン駆動状態とに応
じて第2の切換位置用シフトパターンの一つを選択し、
選択したシフトパターンに基づいて変速段を自動的に変
速操作するようにしたので、従来備えられていたスイッ
チ類による変速制御の選択を排し、セレクトレバーの切
換操作だけで、車両の運転状態に応じて木目の細かい変
速制御が自動的に行うことができ、車両の運転操作が極
めて容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両用自動変速装置の全体構成を
示すブロック図である。
【図2】セレクトレバーの外観図である。
【図3】セレクトレバーにより選択される切換位置を表
示する表示板の上面図である。
【図4】本発明の自動変速装置による変速制御手順を示
す、メインルーチンのフローチャートである。
【図5】本発明の自動変速装置による変速制御手順を示
す、Fレンジ制御ルーチンのフローチャートの一部であ
る。
【図6】Fレンジ制御ルーチンのフローチャートの残余
である。
【図7】タイマ割り込みによって実行される、平均勾配
を演算するルーチンのフローチャートである。
【図8】Fレンジ用シフトパターンを例示し、図8
(A)はホールドパターンの、図8(B)は高速パター
ンの各グラフである。
【符号の説明】
10 歯車変速装置 20 トルクコンバータ 40 電子制御装置(ECU) 42 N0 センサ 46 スロットル開度(θt)センサ 47 アイドルスイッチ 48 ポジションセンサ 48a セレクトレバー 50 油圧制御装置

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 運転者の操作によりセレクトレバーが第
    1の切換位置に位置するとき、車速とエンジン負荷とに
    より予め規定される第1切換位置用シフトパターンに基
    づいて変速段を自動的に変速操作する車両用自動変速装
    置において、 セレクトレバーは第2の切換位置を有するとともに、道
    路勾配を検出する勾配検出手段と、スロットル弁の開閉
    状態からエンジンが駆動状態にあるか否かを検出する駆
    動状態検出手段とを設け、 セレクトレバーがこの第2の切換位置に位置するときに
    適用され、前記第1のシフトパターンと異なる、登坂路
    用シフトパターン、降坂路エンジン駆動状態用シフトパ
    ターン、および降坂路エンジン非駆動状態用シフトパタ
    ーンを含む複数の第2切換位置用シフトパターンを予め
    準備し、 前記セレクトレバーが第2の切換位置に位置し、勾配検
    出手段により登坂路であることが検出され、且つ、エン
    ジンが駆動状態にあるとき、前記登坂路用シフトパター
    ンが選択され、 前記セレクトレバーが第2の切換位置に位置し、勾配検
    出手段により降坂路であることが検出され、且つ、エン
    ジンが駆動状態にあるとき、前記降坂路エンジン駆動状
    態用シフトパターンが選択され、 前記セレクトレバーが第2の切換位置に位置し、勾配検
    出手段により降坂路であることが検出され、且つ、エン
    ジンが非駆動状態にあるとき、前記降坂路エンジン非駆
    動状態用シフトパターンが選択され、 この選択されたシフトパターンに基づいて変速段を自動
    的に変速操作し、 前記登坂路用シフトパターンは、前記第1切換位置用シ
    フトパターンよりも拡大された低速段領域を有し、 前記降坂路エンジン駆動状態用シフトパターンは、前記
    第1切換位置用シフトパターンよりも拡大され、前記登
    坂路用シフトパターンよりも小さい低速段領域を有し、 前記降坂路エンジン非駆動状態用シフトパターンは、前
    記登坂路用シフトパターンよりも拡大された低速段領域
    を有する ことを特徴とする車両用自動変速装置。
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