JP2817018B2 - 車両用自動変速機の変速制御方法 - Google Patents

車両用自動変速機の変速制御方法

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JP2817018B2 JP4063251A JP6325192A JP2817018B2 JP 2817018 B2 JP2817018 B2 JP 2817018B2 JP 4063251 A JP4063251 A JP 4063251A JP 6325192 A JP6325192 A JP 6325192A JP 2817018 B2 JP2817018 B2 JP 2817018B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用自動変速機の変
速制御方法に関し、特に、クラッチやブレーキ等の摩擦
係合要素を係合または係合解除することにより、複数の
変速段の一つに自動的に切り換える変速制御方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の車両用自動変速機は、スロットル
開度(エンジン負荷)と車速とに応じて予めシフトパタ
ーンを設定しておき、このシフトパターンを使用して検
出したスロットル開度と車速とに応じて変速段を設定
し、変速シフトを自動的に実行している。この従来の自
動変速制御方法(非ファジィ変速制御方法)は、市街走
行のような平坦路での変速シフトには特に大きな問題は
なく、変速もスムーズで違和感がない。しかし、山間で
の走行には、直線の登坂路もあれば頻繁に屈曲する登坂
路もあり、強いエンジンブレーキを必要とする下り坂も
あれば、緩やかな長い下り坂もある。そして、下り坂で
急加速をし、コーナ突入直前で強いブレーキング操作を
行なう運転者もいる。このような山間走行時において、
車両運転状態、運転者の運転意図、道路状態等に最適な
変速段を選択することはなかなか難しく、山間走行時に
おいても運転操作が簡単で、車両の運動性能がよく、よ
り好ましい運転フィーリングを得ることが要請されてい
る。
【0003】このような要請に対して、所謂「ファジィ
制御」を行なって、上述の車両運転状態等に応じた最適
の変速段を選択する変速制御方法が、例えば、特開平63
-246546 号公報、特開平02-3738 号公報等により知られ
ている。これらの従来の変速制御方法(ファジィ変速制
御方法)は、市街走行および山間走行の全てのシフト位
置をファジィ推論で推定して最適な変速段を決定しよう
とするものである。このため、従来の「ファジィ制御」
による変速制御方法は、ルール数が多く、メンバシップ
関数の形状が複雑になる等の欠点を備えており、実用に
供するには大容量のコンピュータを必要とする。そし
て、ルール数が多く、メンバシップ関数の形状が複雑で
あるために、チューニングが難しく、従って、多機種へ
の展開も難しいという問題がある。
【0004】また、「ファジィ制御」による変速制御方
法を新たに採用すると、従来の自動変速制御方法により
市街走行等の通常の平坦路の走行に慣れ親しんでいる運
転者に、従来変速シフトが起こらないような状況の下
で、小突起を乗り越したり、少しのアクセルの踏込み等
の、小さい運転状態の変化により変速シフトが実行され
て違和感を与えるという問題が生じる。
【0005】そこで、山間屈曲路や登坂路では、「ファ
ジィ推論」により最適変速段を選択し、通常の市街地等
の平坦路での走行時には、予め設定されているシフトパ
ターンから車速とスロットル弁開度とに応じて最適変速
段を選択する変速制御方法が提案されている。この変速
制御方法に依れば、大容量のコンピュータを必要とせ
ず、しかも、山間の種々の道路状況や運転意図等に対し
て木目の細かい変速制御を行なうことができる。
【0006】ところで、自動変速機には、油圧で応動す
るクチッチ、ブレーキ等の摩擦係合要素を備えており、
所要の摩擦係合要素を係合または係合解除して、変速段
を所望の変速位置に切り換えている。変速時の変速ショ
ックや変速時間の短縮を図るためには、摩擦係合要素に
供給する作動油圧およびその供給時間を正確に制御する
必要があるが、摩擦係合要素の摩擦係数、クラッチピス
トンストローク代等の生産ばらつきや経年変化により、
正確な油圧制御はなかなか難しい。そこで、例えば、ク
ラッチピストンのストローク量と油圧供給時間の関係を
予め記憶しておき、供給油圧とその供給時間とから想定
される、所定のストローク量をストロークするに必要な
目標ストローク時間(目標制御量)と、実際のストロー
ク時間(実際の制御量)との比較から、前述のストロー
ク量と油圧供給時間の関係を補正する学習制御が知られ
ている。
【0007】
【本発明が解決しようとする課題】上述した、ファジィ
推論による変速制御モードと非ファジィ推論によるノー
マル変速制御モードを備え、車両の運転状態に応じてこ
れらの制御モードの何れか一方を選択し、選択した制御
モードにより最適変速段を設定する自動変速装置におい
ては、変速時の運転状態が変速操作毎に変化して、学習
により得ようとするクラッチピストンのストローク量と
油圧供給時間との関係が安定的に得られない虞がある。
これを図1を参照してより詳しく説明すると、図1はス
ロットル開度(エンジン負荷)と車速とに応じて最適変
速段を設定する2−3シフトパターンを示し、このシフ
トパターンは、通常のノーマルモード制御(非ファジィ
変速制御)に使用される。いま、図中のSPポイント
(変速ポイント)で示す運転状態、すなわち、SPポイ
ントに対応するスロットル弁開度θspと車速Vspの運転
状態において2速段から3速段に変速が実行されるとす
ると、ノーマルモード制御では、図中実線で示す運転状
態の変化によりSPポイントを横切って、運転状態が2
速段運転状態から3速段運転状態に移行する場合が多
い。この場合、運転者は一定の開度でアクセルペタルを
踏み込んでいることになるので、エンジン出力は略一定
である。
【0008】一方、ファジィ推論では、図1のシフトパ
ターンに破線で示すように、車速が略一定で、スロット
ル弁開度がSPポイント点に向かって変化し、SPポイ
ントで2速段から3速段への変速が生じる可能性があ
る。この場合、学習制御を実行すると、学習中にエンジ
ン出力が変化していることになる。ファジィ推論による
変速制御において、スロットル弁開度と車速がSPポイ
ントにある運転状態は種々考えられるので、ノーマルモ
ード制御による2−3アップシフトのように、SPポイ
ントの変速がスロットル開度一定の運転状態で生じ、そ
の変速時に学習する場合に比べて、学習結果が安定しな
いことになる。
【0009】本発明はこのような問題を解決するために
なされたもので、実際の変速制御時に学習して求める目
標制御量を正確に得られるようにして、変速制御を安定
的に行なえるように図った車両用自動変速機の変速制御
方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明においては、複数の変速段を有する自
動変速機の所要の摩擦係合要素を係合または係合解除す
ることにより前記複数の変速段の一つに切り換えられ、
車両の運転状態を表すパラメータ値に基づいてファジィ
推論により変速段を設定するファジィ変速制御モード
と、車両の運転状態を表すパラメータ値に基づいて非フ
ァジィ推論により変速段を設定するノーマル変速制御モ
ードとの何れか一方により、前記切り換えるべき変速段
が設定され、変速段の切換中に、目標制御量と実際の制
御量とを比較して最適制御量を学習し、学習した最適制
御量を目標制御量として更新する学習制御を含む、車両
用自動変速機の変速制御方法において、前記ファジィ変
速制御モードにより、切り換えるべき変速段が設定され
たとき、前記設定変速段への切換中における学習制御を
禁止することを特徴とする車両用自動変速機の変速制御
方法が提供される。
【0011】
【作用】本発明の変速制御方法では、ファジィ推論によ
るファジィ変速制御モードにおいては学習制御が禁止さ
れ、非ファジィ推論で変速段を設定するノーマル変速制
御モード、例えば、スロットル弁開度(エンジン負荷)
と車速で最適変速段を選択する制御モードで常に学習制
御が実行される。このノーマル変速制御では、スロット
ル弁開度(エンジン負荷)と車速とで規定される変速ポ
イントは常に一定であり、その変速ポイントにおける他
の変速条件も大きく変わらないため、学習制御で得られ
る学習値(最適制御量)が安定的に最適値に収束する。
【0012】
【実施例】以下、本発明の一実施例を添付図面に基づい
て詳述する。図2は、本発明に係る変速制御方法を実施
する自動車の自動変速機の概略構成を示している。図中
符号1は、内燃エンジンを示し、このエンジン1の出力
は、自動変速機2を介して駆動輪(図示せず)に伝達さ
れる。自動変速機2は、トルクコンバータ4、歯車変速
装置3、油圧回路5及びコントローラ40等より構成さ
れている。歯車変速装置3は、例えば、前進4段後進1
段の変速段と、変速段位置を切り換えて変速操作を行う
多数の、油圧クラッチや油圧ブレーキの変速摩擦係合要
素を備えている。油圧回路5は、前述した各変速摩擦係
合要素の各々に対応するデューティソレノイド弁(以
下、単にソレノイド弁と記す)を有しており、各変速摩
擦係合要素、即ち、各クラッチやブレーキを互いに独立
して操作する。各ソレノイド弁は、後述するコントロー
ラ40の出力側に電気的に接続されており、コントロー
ラ40からの駆動信号により摩擦係合手段に供給する作
動油圧を調整している。
【0013】図3は、歯車変速装置3の部分構成図であ
り、入力軸3a周りには、第1駆動ギヤ31及び第2駆
動ギヤ32が回転自在に配置されている。また、第1駆
動ギヤ31及び第2駆動ギヤ32間の入力軸3aには、
変速摩擦係合要素として油圧クラッチ33及び34が固
設されている。各駆動ギヤ31及び32は、それぞれク
ラッチ33及び34に係合することにより入力軸3aと
一体に回転する。
【0014】また、入力軸3aと平行に配置された中間
伝達軸35は、図示しない最終減速歯車装置を介して駆
動車軸に接続されている。この中間伝達軸35には、第
1被駆動ギヤ36と第2被駆動ギヤ37が固設されてお
り、これらの被駆動ギヤ36及び37は、前記駆動ギヤ
31及び32とそれぞれ噛み合っている。従って、クラ
ッチ33と第1の駆動ギヤ31が係合している場合に
は、入力軸3aの回転は、クラッチ33、第1の駆動ギ
ヤ31、第1の被駆動ギヤ36、中間伝達軸35に伝達
され、第1の変速段(例えば、第1速)が達成される。
また、クラッチ34と第2の駆動ギヤ32が係合してい
る場合には、入力軸3aの回転は、クラッチ34、第2
の駆動ギヤ32、第2の被駆動ギヤ37、中間伝達軸3
5に伝達され、第2の変速段(例えば、第2速)が達成
される。
【0015】第1速側のクラッチ33が係合している状
態から、このクラッチ33の係合を解除しながら、第2
速側のクラッチ34を係合させることで、自動変速機2
は第1速から第2速にシフトアップする。逆に、クラッ
チ34が係合している状態から、このクラッチ34の係
合を解除しながら、クラッチ33を係合させることで、
自動変速機2は第2速から第1速にシフトダウンする。
【0016】上述したクラッチ33,34は、例えば、
油圧式多板クラッチが使用され、図4はこのクラッチ3
3の一例を示す。クラッチ33は、多数の摩擦係合板5
0を有し、油路14からポート51を介してこのクラッ
チ33内に作動油が供給されると、ピストン52が往動
して各摩擦係合板50を摩擦係合させる。一方、リター
ンスプリング53により押圧されて、ポート51を介し
て油路14に作動油を排出させながら、ピストン52が
復動すると、各摩擦係合板50同士の摩擦係合は解除さ
れる。クラッチ34もクラッチ33と同様に構成されて
いる。
【0017】コントローラ40は、ROM,RAM等の
記憶装置、中央演算装置、入出力装置、カウンタ(いず
れも図示せず)等を内蔵している。このコントローラ4
0の入力側には、種々のセンサ、例えば、トルクコンバ
ータ4のタービンの回転数Ntを検出するタービン回転
数センサ(Ntセンサ)21、図示しないトランスファ
ドライブギヤの回転数Noを検出するNoセンサ22、
エンジン1の図示しない吸気通路途中に配設されたスロ
ットル弁の弁開度θtを検出するスロットル弁開度セン
サ(θtセンサ)23、車輪の操舵角を検出する操舵角
センサ(θwセンサ)24、運転者がフットブレーキペ
タルを踏み込むとオン信号を出力するブレーキスイッチ
(SW)25等が電気的に接続されている。これら各セ
ンサ21〜25は、検出信号をコントローラ40に供給
している。なお、コントローラ40は、Noセンサ22
が検出するトランスファドライブギヤの回転数Noに基
づき、車速や車両の加速度を演算することができる。
【0018】次に、コントローラ40による変速制御手
順を図5および図6を参照して説明する。図5は、変速
段指令ルーチンのフローチャートを示し、コントローラ
40は先ず、ステップS10においてファジィ推論によ
る変速段の演算を行う。ファジィ推論による変速段の演
算は、種々の方法が提案されており、いずれの方法を採
用するかは特に限定されないが、例えば、下記のように
して行われる。前述した各種センサにより検出される、
車速、加速度、スロットル弁開度、操舵角、ブレーキス
イッチ信号、車体に作用する横加速度等のパラメータ
値、すなわち、車両運転状態、道路状態、運転者の運転
意思等を表すパラメータ値と、予め設定されているメン
バシップ関数とから、市街地等の平坦路を走行している
か、車両が山間の屈曲路を登坂しているか、降坂してい
るか、長い緩やかな直線坂路を登坂しているか等を判別
し、車両運転状態、道路状態、運転意思等に適合する最
適変速段が演算される。
【0019】ファジィ推論による変速段の演算が終わる
と、演算した変速段と現在確立されている変速段とを比
較して変速指令を出力すべきか否かを判別する(ステッ
プS12)。変速指令が出力されると、ステップS12
の判別結果は肯定(Yes)となり、ステップS14に
おいて、ファジィ変速制御が実行されることを記憶する
フラグFZに値1を設定した後、ファジィ制御による変
速指令を出力する(ステップS16)。
【0020】一方、ファジィ制御により変速指令を出力
する必要がないと判断されると、ステップS12の判別
結果は否定(No)となり、ステップS18においてフ
ラグFZに値0を設定した後、ステップS20に進む。
ステップS20では、ノーマルシフトパターンを使用し
て、検出される車速とスロットル弁開度(エンジン負
荷)に基づき最適変速段が演算される。すなわち、非フ
ァジィ推論による変速段の演算が行われる。
【0021】ノーマルシフトパターンによる変速段の演
算が終わると、演算した変速段と現在確立されている変
速段とを比較して変速指令を出力すべきか否かを判別す
る(ステップS22)。変速指令が出力されると、ステ
ップS22の判別結果は肯定(Yes)となり、ステッ
プS24において、ノーマル変速制御が実行されること
を記憶するフラグNSに値1を設定した後、ノーマル変
速制御(非ファジィ制御)による変速指令を出力する
(ステップS26)。
【0022】ステップS22における判別結果が否定の
場合には、フラグNSに値0を設定して当該ルーチンを
終了する。この場合、ファジィ制御による変速指令も、
ノーマル変速制御による変速指令もなく、フラグFZお
よびフラグNSは何れも値0に設定されることになる。
次に、学習制御手順を説明する。図6は、上述した変速
指令が出力された場合に実行され、コントローラ40
は、先ず、フラグNSおよびフラグFZがいずれも値0
に等しいか否かを判別する(ステップS30)。すなわ
ち、変速指令が出力されているか否かを判別するのであ
る。変速指令が出力されていなければ何もせずに当該ル
ーチンを終了する。
【0023】一方、ステップS30の判別結果が否定の
場合には、ステップS32において、ファジィ制御によ
る変速指令が出力されたことを記憶するフラグFZに値
1が設定されているか否かを判別する。そして、この判
別結果が肯定の場合、従って、ファジィ制御による変速
指令が出力されている場合には変速時の学習制御を禁止
し(ステップS34)、当該ルーチンを終了する。ステ
ップS32おける判別結果が肯定の場合、すなわち、ノ
ーマル変速制御による変速指令が出力されて変速制御が
実行される場合には、ステップS36に進んで学習制御
が実行される。
【0024】変速時に、学習制御により最適制御量(目
標制御量)を求めなければならないものには種々のもの
があり、例えば、前述したクラッチ33,34の無効ス
トローク量や、結合側クラッチに供給される作動油圧を
供給するソレノイド弁の、フィードバック制御開始時の
初期デューティ率等が含まれる。ここで、学習制御の一
例として、クラッチ33の無効ストロークの目標制御量
を学習制御により求める方法を以下に説明する。
【0025】クラッチ33に供給されている作動油圧を
排除して、クラッチ33の係合を完全に解除する場合に
は、クラッチの摩擦係合板50を待機位置で待機させ
る。この待機位置では、摩擦係合板50間には、引きず
りトルクの発生を防止するために充分なクリアランスが
設けられている。このため、クラッチ33を係合させる
場合には、先ず、摩擦係合板50を、上述の待機位置か
らクリアランスを略0にする位置、即ち、摩擦係合が生
じる直前位置までの無効ストロークを移動させる、所謂
がた詰め操作を行う必要がある。
【0026】摩擦係合板50が上述の無効ストロークを
移動する間は、変速操作時間におけるロスタイムである
から、摩擦係合板50が無効ストロークを移動する間、
クラッチ33に最大油圧を供給して、がた詰め操作を最
小時間で完了させることが好ましい。このため、上述の
無効ストローク量と最大油圧供給時間とが、コントロー
ラ40の記憶装置に予め記憶されており、がた詰め操作
時にクラッチ33に最大油圧を、記憶してある最大油圧
供給時間に亘って供給することにより、摩擦係合板50
を逸早く摩擦係合開始直前位置に移動させるようにして
いる。
【0027】ところで、摩擦係合手段の無効ストローク
は、製品毎のバラツキや、使用による経年変化があるた
め、記憶されている最大油圧供給時間に亘り最大油圧を
当該クラッチに供給しても、係合開始直前位置まで到達
できなかったり、逆に、係合開始直前位置を通り越して
係合が開始されてしまうような事態が生じる。そこで、
がた詰め時に入力軸回転速度Ntの変化を監視しなが
ら、記憶されている最大油圧供給時間に亘り最大油圧を
当該クラッチに供給し、入力軸回転速度Ntの変化量が
所定値より大であれば、最大油圧供給時間を短縮する方
向に補正し、入力軸回転速度Ntの変化量が所定値より
小であれば、最大油圧供給時間を延長する方向に補正さ
れる。このようにして、摩擦係合板50を無効ストロー
クだけ移動させるがた詰め操作時の最大油圧供給時間を
最適値に学習することができる。
【0028】なお、本発明は、最適変速段の演算がファ
ジィ推論により行われるファジィ変速制御と、非ファジ
ィ推論により行われるノーマル変速制御とが併用される
場合に適用される。従って、全ての変速段の演算がファ
ジィ推論だけで実行される場合には、本発明は適用され
ないことは勿論であるが、次のような場合にも本発明は
適用されない。すなわち、燃費に有利な変速段を選択す
るためのシフトパターン、高出力を得るに有利な変速段
を選択するためのシフトパターン、雪路等の滑り易い路
面を走行する場合に有利な変速段を選択するためのシフ
トパターン等の、複数のノーマルシフトパターンを備え
ており、ファジィ推論によりこれらのシフトパターンの
一つが選択され、選択されたシフトパターンから、車速
とエンジン負荷により一義的に最適変速段を選択するよ
うな場合である。このような変速制御では、最適変速段
がファジィ推論により直接設定されていない。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように本発明の方法によれ
ば、車両の運転状態を表すパラメータ値に基づいてファ
ジィ推論により変速段を設定するファジィ変速制御モー
ドと、車両の運転状態を表すパラメータ値に基づいて非
ファジィ推論により変速段を設定するノーマル変速制御
モードとの何れか一方により、前記切り換えるべき変速
段が設定され、ファジィ変速制御モードにより、切り換
えるべき変速段が設定されたとき、設定された変速段へ
の切換中における学習制御を禁止するようにしたので、
変速制御時に学習して求める目標制御量を正確に求める
ことができ、変速中に入力軸回転速度が吹き上がった
り、変速に時間が掛かるような異常事態を回避すること
ができ、変速制御を安定的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により解決しようとする問題点を説明す
るために使用され、スロットル弁開度と車速とにより規
定されるシフトパターンを示すグラフである。
【図2】本発明に係る方法が実施される車両用自動変速
機の概略構成図である。
【図3】図2の歯車変速装置3内のギヤトレインの一部
を示す概略構成図である。
【図4】図3の油圧クラッチの構成を示す断面図であ
る。
【図5】図2に示すコントローラ40により実行され
る、変速段指令手順を示すフローチャートである。
【図6】図2に示すコントローラ40により実行され
る、学習ルーチンのフローチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン 2 自動変速機 3 歯車変速装置 5 油圧回路 33 油圧クラッチ 40 コントローラ
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の変速段を有する自動変速機の所要
    の摩擦係合要素を係合または係合解除することにより前
    記複数の変速段の一つに切り換えられ、車両の運転状態
    を表すパラメータ値に基づいてファジィ推論により変速
    段を設定するファジィ変速制御モードと、車両の運転状
    態を表すパラメータ値に基づいて非ファジィ推論により
    変速段を設定するノーマル変速制御モードとの何れか一
    方により、前記切り換えるべき変速段が設定され、変速
    段の切換中に、目標制御量と実際の制御量とを比較して
    最適制御量を学習し、学習した最適制御量を目標制御量
    として更新する学習制御を含む、車両用自動変速機の変
    速制御方法において、前記ファジィ変速制御モードによ
    り、切り換えるべき変速段が設定されたとき、前記設定
    変速段への切換中における学習制御を禁止することを特
    徴とする車両用自動変速機の変速制御方法。
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