JPH112317A - アンチロックブレーキ装置付車両の自動変速機制御装置 - Google Patents

アンチロックブレーキ装置付車両の自動変速機制御装置

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JPH112317A
JPH112317A JP9157053A JP15705397A JPH112317A JP H112317 A JPH112317 A JP H112317A JP 9157053 A JP9157053 A JP 9157053A JP 15705397 A JP15705397 A JP 15705397A JP H112317 A JPH112317 A JP H112317A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】路面状況(路面μ)に関わらず最適な制動性能
を十分に発揮する。 【解決手段】路面摩擦係数判定部55は、車体前後加速
度センサ44,アンチロックブレーキ作動検出部54か
ら信号が入力され、アンチロックブレーキ作動の際、車
両の減速度が大のとき高μ路と判定する一方、車両の減
速度が小のとき低μ路と判定し、それ以外を通常μ路と
判定する。変速位置補正部56は、変速位置決定部5
3,アンチロックブレーキ作動検出部54,路面摩擦係
数判定部55から信号入力されて、所定の変速位置で高
μ路を走行中にABSが作動した場合は変速位置決定部
53で定めた変速位置をエンジンブレーキを付加する方
向の変速位置に変更する一方、所定の変速位置で低μ路
を走行中にABSが作動した場合は変速位置決定部53
で定めた変速位置をエンジンブレーキを解除する方向の
変速位置に変更し、この変速位置を変速位置出力部57
に対して出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、路面状況に応じて
最適な制動性能を得られるアンチロックブレーキ装置付
車両の自動変速機制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、急制動あるいは氷雪路など滑りや
すい路面での制動時に発生しやすい車輪のロックを防止
して方向安定性の維持、操舵性の確保、制動距離の短縮
を図るアンチロックブレーキ装置(以下、ABSと略
称)が多くの車両に搭載されている。
【0003】このようなABSが搭載される自動変速機
の車両として、例えば特開昭62−187643号公報
に、ABS作動時にアップシフトさせることにより変速
機の慣性力を減らし、ABS制御の応答性を速くするこ
とにより制動性能を向上したものが示されている。
【0004】一方、特開昭63−64830号公報で
は、ブレーキング時にダウンシフトさせることによりエ
ンジンブレーキを増大させ、制動力を増加させる技術が
示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、上記先行例
の前者(特開昭62−187643号公報)では、AB
S作動状態で、路面が低μ(タイヤと路面との間の路面
摩擦係数)路の場合は、タイヤがロックし易く、またロ
ックしたタイヤが路面から受ける力が不足して車輪速の
復帰が遅くなる。そのため、ABS作動時にアップシフ
トして変速機の慣性力を減らしている。
【0006】一方、高μ路の場合は、上記先行例の後者
(特開昭63−64830号公報)に示すように、エン
ジンブレーキを増加させた方が制動力が増す。
【0007】このように、ABSを十分に発揮させて最
適な制動性能を得るためには、路面状況(路面のμ)に
よっては相反する制御が必要となる。
【0008】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、路面状況(路面のμ)に関わらず最適な制動性能を
十分に発揮することができるアンチロックブレーキ装置
付車両の自動変速機制御装置を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1記載の本発明によるアンチロックブレーキ装置
付車両の自動変速機制御装置は、車両の制動時に運転状
態に応じて車輪のロックを防止する制御を行うアンチロ
ックブレーキ制御手段と、上記アンチロックブレーキ制
御手段からの信号に基づきアンチロックブレーキ動作部
に信号出力するアンチロックブレーキ出力手段とを有す
るアンチロックブレーキ装置を備えた車両において、上
記アンチロックブレーキ制御手段によるアンチロックブ
レーキ作動時を検出するアンチロックブレーキ作動検出
手段と、運転状態に応じて予め設定したシフトパターン
で変速位置を決定する変速位置決定手段と、走行中の路
面がタイヤと路面との間の路面摩擦係数が通常より高い
路面か低い路面かを判定する路面摩擦係数判定手段と、
所定の変速位置でタイヤと路面との間の路面摩擦係数の
高い路面を走行中にアンチロックブレーキ作動した場合
は上記変速位置決定手段で定めた変速位置をエンジンブ
レーキを付加する位置に変更する一方、所定の変速位置
でタイヤと路面との間の路面摩擦係数の低い路面を走行
中にアンチロックブレーキ作動した場合は上記変速位置
決定手段で定めた変速位置をエンジンブレーキを解除す
る位置に変更して変速位置を出力する変速位置補正手段
と、上記変速位置補正手段からの信号に基づき変速位置
設定部に出力する変速位置出力手段とを備えたものであ
る。
【0010】また、請求項2記載の本発明によるアンチ
ロックブレーキ装置付車両の自動変速機制御装置は、請
求項1記載のアンチロックブレーキ装置付車両の自動変
速機制御装置において、上記路面摩擦係数判定手段は、
アンチロックブレーキ作動の際、車両の減速度が大きい
ときタイヤと路面との間の路面摩擦係数が通常より高い
路面と判定する一方、車両の減速度が小さいときタイヤ
と路面との間の路面摩擦係数が通常より低い路面と判定
するものである。
【0011】さらに、請求項3記載の本発明によるアン
チロックブレーキ装置付車両の自動変速機制御装置は、
請求項1記載のアンチロックブレーキ装置付車両の自動
変速機制御装置において、上記路面摩擦係数判定手段
は、アンチロックブレーキ作動の際、上記アンチロック
ブレーキ制御手段により上記アンチロックブレーキ動作
部が作動される頻度が少ないときタイヤと路面との間の
路面摩擦係数が通常より高い路面と判定する一方、上記
アンチロックブレーキ制御手段により上記アンチロック
ブレーキ動作部が作動される頻度が多いときタイヤと路
面との間の路面摩擦係数が通常より低い路面と判定する
ものである。
【0012】上記請求項1記載の構成によれば、まず、
車両に搭載したアンチロックブレーキ装置で、アンチロ
ックブレーキ制御手段が車両の制動時に運転状態に応じ
て車輪のロックを防止する制御を行い、アンチロックブ
レーキ出力手段は、上記アンチロックブレーキ制御手段
からの信号に基づきアンチロックブレーキ動作部に信号
出力する。
【0013】一方、アンチロックブレーキ作動検出手段
により上記アンチロックブレーキ制御手段によるアンチ
ロックブレーキ作動時は検出され、また、路面摩擦係数
判定手段により走行中の路面がタイヤと路面との間の路
面摩擦係数が通常より高い路面か低い路面かが判定され
る。自動変速機の変速位置は変速位置決定手段により運
転状態に応じて予め設定したシフトパターンで決定され
る。そして、変速位置補正手段により所定の変速位置で
タイヤと路面との間の路面摩擦係数の高い路面を走行中
にアンチロックブレーキ作動した場合は上記変速位置決
定手段で定めた変速位置をエンジンブレーキを付加する
位置に変更される一方、所定の変速位置でタイヤと路面
との間の路面摩擦係数の低い路面を走行中にアンチロッ
クブレーキ作動した場合は上記変速位置決定手段で定め
た変速位置をエンジンブレーキを解除する位置に変更さ
れ変速位置が出力される。変速位置出力手段は上記変速
位置補正手段からの信号に基づき変速位置設定部に出力
する。
【0014】また、上記請求項2記載のアンチロックブ
レーキ装置付車両の自動変速機制御装置は、請求項1記
載のアンチロックブレーキ装置付車両の自動変速機制御
装置において、上記路面摩擦係数判定手段は、アンチロ
ックブレーキ作動の際、車両の減速度が大きいときタイ
ヤと路面との間の路面摩擦係数が通常より高い路面と判
定する一方、車両の減速度が小さいときタイヤと路面と
の間の路面摩擦係数が通常より低い路面と判定する。
【0015】さらに、上記請求項3記載のアンチロック
ブレーキ装置付車両の自動変速機制御装置は、請求項1
記載のアンチロックブレーキ装置付車両の自動変速機制
御装置において、上記路面摩擦係数判定手段は、アンチ
ロックブレーキ作動の際、上記アンチロックブレーキ制
御手段により上記アンチロックブレーキ動作部が作動さ
れる頻度が少ないときタイヤと路面との間の路面摩擦係
数が通常より高い路面と判定する一方、上記アンチロッ
クブレーキ制御手段により上記アンチロックブレーキ動
作部が作動される頻度が多いときタイヤと路面との間の
路面摩擦係数が通常より低い路面と判定する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を説明する。図1〜図8は本発明の実施の形態
1を示し、図1は車両のABS側制御部と自動変速機側
制御部の機能ブロック図、図2は自動変速機制御装置側
の全体構成の概略の説明図、図3は各レンジのシフト位
置に対する各クラッチとブレーキの作動状態の説明図、
図4はABSの概略構成図、図5はABSによる制御の
一例を示すタイムチャート、図6は走行路状態によって
変更される変速位置の説明図、図7は路面摩擦係数判定
ルーチンのフローチャート、図8は変速位置補正ルーチ
ンのフローチャートである。
【0017】尚、本発明の実施の形態1では、車両とし
てABSを搭載した自動変速機付4輪駆動車を例に説明
する。
【0018】この車両の駆動系は、図2に示すように、
エンジン1のクランク軸2がロックアップクラッチ3を
有するトルクコンバータ4のポンプ側に連結され、ター
ビン側からの入力軸5が自動変速機20に入力されるよ
うになっている。
【0019】また、上記自動変速機20からの出力軸6
は、上記入力軸5と同軸上の後方に出力し、この出力軸
6は、トランスファ装置7の一対のリダクションギヤ
8,9を介して自動変速機20の下部に平行配置された
フロントドライブ軸10に連結され、このフロントドラ
イブ軸10が、前輪終減速装置11を介して前輪12に
伝動するように構成されている。
【0020】さらに、上記出力軸6は、トランスファク
ラッチ13を介してリヤドライブ軸14に連結され、こ
のリヤドライブ軸14からプロペラ軸15,リヤデフ装
置16等を介して後輪17に伝動するように構成されて
いる。
【0021】上記自動変速機20は、2組のフロントシ
ングルプラネタリギヤ21と、リヤシングルプラネタリ
ギヤ22とにより前進4段と後進1段を得る構成になっ
ている。即ち、上記入力軸5が、上記リヤシングルプラ
ネタリギヤ22のサンギヤ22aに、上記フロントシン
グルプラネタリギヤ21のリングギヤ21b、および、
上記リヤシングルプラネタリギヤ22のキャリア22c
が上記出力軸6に連結されている。
【0022】そして、上記フロントシングルプラネタリ
ギヤ21のキャリア21cと一体的な連結要素23とリ
ングギヤ22bとの間に、第1のワンウェイクラッチ2
4と、フォワードクラッチ25とが直列的に設けられ、
上記連結要素23とケース側との間に、第2のワンウェ
イクラッチ26と、ローリバースブレーキ27とが並列
的に設けられている。また、上記連結要素23と上記リ
ングギヤ22bとの間には、オーバランニングクラッチ
28がバイパスして設けられている。
【0023】さらに、サンギヤ21aと一体的な連結要
素29には、バンドブレーキ30が設けられ、上記入力
軸5と一体的な連結要素31、および上記キャリア21
cと一体的な連結要素32との間には、ハイクラッチ3
3が設けられている。また、上記連結要素29と上記連
結要素31との間にはリバースクラッチ34が設けられ
ている。
【0024】上記各クラッチ、ブレーキの作動は、油圧
回路35で行われ、この油圧回路35には、自動変速機
側制御部50によりON−OFFされる変速制御用のソ
レノイドA36,ソレノイドB37や、上記オーバラン
ニングクラッチ28の作動に関わるソレノイドC38、
上記トルクコンバータ4のロックアップ制御用の図示し
ないロックアップソレノイド等の複数のソレノイドと、
これらソレノイドにより開閉され油圧経路を所定に形成
する複数のバルブが設けられている。
【0025】上記自動変速機側制御部50は、マイクロ
コンピュータとその周辺回路で形成されており、この自
動変速機側制御部50には、上記出力軸6の回転を検出
する車速センサ41,セレクトレバー(図示せず)によ
り設定されているレンジ位置を検出するレンジスイッチ
42,エンジン負荷として上記エンジン1のスロットル
開度を検出するスロットル開度センサ43,車体の前後
方向の加速度を検出する車体前後加速度センサ44がそ
れぞれ接続されている。さらに、上記自動変速機側制御
部50には、後述するABS側制御部70からの信号が
入力されるようになっている。
【0026】そして、上記自動変速機側制御部50は、
上記各入力信号に基づき上記各ソレノイド36,37,
38に信号出力して上記各クラッチ,ブレーキを作動さ
せ、適切な変速位置を設定する他、さらに必要な入力信
号を基に変速タイミング制御、ロックアップ制御等の他
の制御が可能になっている。
【0027】上記自動変速機側制御部50によって上記
各ソレノイド36,37,38が予め設定しておいた組
み合わせで制御されると、例えば、D,3または2レン
ジの1速(D1 ,31 ,21 レンジ)では、フォワード
クラッチ25が係合し、加速の場合は前記両ワンウェイ
クラッチ24,26の作用で連結要素23と共に、リン
グギヤ22bをロックすることで、入力軸5からサンギ
ヤ22a,キャリア22cを介して出力軸6に動力伝達
する。
【0028】このとき、惰行時はワンウェイクラッチ2
4がフリーになり、オーバランニングクラッチ28を係
合してもワンウェイクラッチ26がフリーになってエン
ジンブレーキは作用しない。
【0029】また、1レンジの1速(1レンジ)では、
ローリバースブレーキ27の係合でオーバランニングク
ラッチ28を介してリングギヤ22bを常にロックする
ため、エンジンブレーキが作用する。
【0030】さらに、D,3または2レンジの2速(D
2 ,32 ,22 レンジ)では、フォワードクラッチ25
とバンドブレーキ30とが係合し、バンドブレーキ30
によりサンギヤ21aをロックする。
【0031】そこでキャリア21cとリングギヤ22b
とが、連結要素23,フォワードクラッチ25,ワンウ
ェイクラッチ24を介して回転し、この分だけ増速した
動力が出力する。2レンジの2速では、オーバランニン
グクラッチ28の係合により連結要素23とリングギヤ
22bとを連結状態に保つことで、減速時にはエンジン
側に逆駆動力が伝達してエンジンブレーキが作用する。
【0032】また、Dまたは3レンジの3速(D3 ,3
3 レンジ)では、フォワードクラッチ25とハイクラッ
チ33とが係合し、このハイクラッチ33により入力軸
5が連結要素31,32,キャリア21c,連結要素2
3,フォワードクラッチ25,ワンウェイクラッチ24
を介してリングギヤ22bに連結する。
【0033】このため、リヤシングルプラネタリギヤ2
2は一体化して、入力軸5と出力軸6とは直結する。3
レンジの3速では、減速時にオーバランニングクラッチ
28の結合でワンウェイクラッチ24の空転を規制する
ことで2レンジの2速と同様にエンジンブレーキが作用
する。
【0034】さらに、Dレンジの4速(D4 レンジ)で
は、上述に加えてバンドブレーキ30の係合でサンギヤ
21aをロックする。このためフロントシングルプラネ
タリギヤ21でハイクラッチ33によりキャリア21c
に入力した動力でリングギヤ21bを増速することにな
り、これが出力軸6に伝達する。この場合は、ワンウェ
イクラッチ24,26を介しないため常にエンジンブレ
ーキが作用する。
【0035】また、リバースレンジ(Rレンジ)では、
リバースクラッチ34の結合でサンギヤ21aに入力軸
5の動力が入力する。またローリバースブレーキ27の
係合で連結要素23と共にキャリア21cをロックする
ため、フロントシングルプラネタリギヤ21でリングギ
ヤ21bに逆転してギヤ比の大きい動力が出力し、これ
が出力軸6に伝達するのである。
【0036】以上、各レンジのシフト位置に対する各ク
ラッチ24,25,26,28,33,34とブレーキ
27,30の作動状態を図3に示す。尚、図中、Pはパ
ーキングレンジ、Nはニュートラルレンジである。
【0037】一方、本車両に搭載されるABSは、AB
S側制御部70により前後4輪のブレーキ圧が電子制御
される形式のものであり、図4に示すように、マスタシ
リンダ61から各車輪のホイールシリンダ62に至るブ
レーキ油圧系の途中にはハイドロリックユニット63お
よびプロポーショニングバルブ64が介設され、また各
車輪12,17にはその回転数をそれぞれ検出する車輪
速度センサ65が設けられている。
【0038】上記ABS側制御部70は、マイクロコン
ピュータとその周辺回路で形成されており、上記4輪の
車輪速度センサ65の検出信号(各車輪回転数)とブレ
ーキスイッチ66からの入力信号に基づいて各車輪の速
度、加減速度および疑似的演算車体速度などを演算し、
疑似的演算車体速度と車輪速度との比較、車輪の加減速
の大きさなどから判断してABS作動の際に増圧、保
持、減圧の3つの油圧モードを選択し、選択された所定
のブレーキ制御信号を上記ハイドロリックユニット63
に出力するようになっている。
【0039】また、上記ABS側制御部70からの動作
信号は、前記自動変速機側制御部50にも出力されるよ
うになっている。
【0040】上記ハイドロリックユニット63は、各車
輪12,17に対応した4個の油圧制御用のマグネット
バルブ67を備えており、これら各マグネットバルブ6
7はそれぞれの各ソレノイド67aに上記ABS側制御
部70からのブレーキ制御信号が入力されて、これら信
号に応じてABS作動時にブレーキ圧を増圧、保持、減
圧するように制御される。
【0041】また、上記ハイドロリックユニット63
は、モータポンプ68を有し、このモータポンプ68の
ポンプモータ68aは上記ABS側制御部70からの信
号により制御されるようになっている。
【0042】尚、上記プロポーショニングバルブ64
は、上記ハイドロリックユニット63と後輪の上記ホイ
ールシリンダ62を結ぶブレーキ配管上に設けられ、リ
ヤブレーキの液圧をフロントブレーキの液圧より低く制
御すると共に急制動における後輪の早期ロックを防止し
ている。
【0043】上記自動変速機側制御部50と上記ABS
側制御部70は、図1に示すように、上記自動変速機側
制御部50が、車速演算部51,シフトパターン設定部
52,変速位置決定部53,アンチロックブレーキ作動
検出部54,路面摩擦係数判定部55,変速位置補正部
56,変速位置出力部57とから主に構成され、上記A
BS側制御部70が、4輪車輪速度演算部71,車輪加
減速度演算部72,擬似的演算車体速度演算部73,ア
ンチロックブレーキ制御部74,アンチロックブレーキ
出力部75とから主に構成されている。
【0044】まず、上記ABS側制御部70では、上記
4輪車輪速度演算部71は、上記4輪の各車輪速度セン
サ65から各車輪の回転数信号が入力され、各車輪の速
度を演算するように形成されており、この演算した各車
輪速度は上記車輪加減速度演算部72,擬似的演算車体
速度演算部73,アンチロックブレーキ制御部74にそ
れぞれ出力されるようになっている。
【0045】そして、上記車輪加減速度演算部72は、
上記4輪車輪速度演算部71から入力された各車輪速度
を微分処理して各車輪の加減速度を演算するようになっ
ている。
【0046】また、上記擬似的演算車体速度演算部73
は、上記ブレーキスイッチ66,上記4輪車輪速度演算
部71,上記車輪加減速度演算部72からの信号に基づ
き、ブレーキペダルが踏まれており、かつ車輪速度の減
速度が所定値(図5(b)における「−Ga 」)以上の
場合は急ブレーキと判断し、その時点の車輪速度を初期
値として設定し、それ以降は所定の減速度で減速させて
演算した擬似的演算車体速度を設定するものである。そ
してこの擬似的演算車体速度は、上記アンチロックブレ
ーキ制御部74に出力される。
【0047】上記アンチロックブレーキ制御部74は、
上記4輪車輪速度演算部71,上記車輪加減速度演算部
72,上記擬似的演算車体速度演算部73からの入力を
基に、すなわち運転状態として車輪速度,車輪加減速
度,擬似的演算車体速度を基に、具体的には、擬似的演
算車体速度から所定のスリップ率の速度λ10を設定し、
このλ10と車輪速度との比較、車輪加減速度と予め設定
しておいたしきい値(「−Ga 」,「+Gb 」,「+G
c 」)との比較を行って、各比較結果の状態から判断し
て、ABS作動の際に増圧、保持、減圧の3つの油圧モ
ードを選択するとともに、ポンプモータ68a駆動の判
定をして、上記アンチロックブレーキ出力部75に信号
出力するアンチロックブレーキ制御手段として構成され
ている。このアンチロックブレーキ制御部74からの信
号は、上記自動変速機側制御部50に対しても出力され
る。
【0048】また、上記アンチロックブレーキ出力部7
5は、上記アンチロックブレーキ制御部74からの制御
信号に基づきアンチロックブレーキ動作部、すなわち上
記ハイドロリックユニット63の各マグネットバルブ6
7のソレノイド67a,上記モータポンプ68のポンプ
モータ68aに信号出力するアンチロックブレーキ出力
手段として形成されてる。
【0049】ここで、このABS側制御部70によって
行われるABS制御を、図5に示すタイムチャートで詳
述する。このタイムチャートは、ブレーキをかけた時を
時間軸「0」として制御の一例を示すもので、図5
(a)は、車体速度に対して、上記4輪車輪速度演算部
71で演算される車輪速度,上記擬似的演算車体速度演
算部73で演算される擬似的演算車体速度,上記アンチ
ロックブレーキ制御部74で演算されるスリップ率の速
度λ10を示す。図5(b)は、上記車輪加減速度演算部
72で演算される車輪加減速度と各しきい値を示す。図
5(c)は、上記アンチロックブレーキ制御部74での
比較結果で、信号「λ1 」は車輪速度と擬似的演算車体
速度との比較結果,信号「−b」は車輪加減速度としき
い値「−Ga」との比較結果,信号「+b1 」は車輪加
減速度としきい値「+Gb 」との比較結果,信号「+b
2 」は車輪加減速度としきい値「+Gc 」との比較結果
を示す。図5(d)は、上記アンチロックブレーキ出力
部75からマグネットバルブソレノイド67aに出力さ
れるバルブ信号で、信号「I0 」は通常ブレーキあるい
はABS作動時の増圧のバルブ状態、信号「I2 」はA
BS作動時の保持のバルブ状態、信号「I1 」はABS
作動時の減圧のバルブ状態になることを示す。図5
(e)は、上記アンチロックブレーキ出力部75からポ
ンプモータ68aへの信号出力を示す。図5(f)は、
ホイールシリンダの液圧を示す。
【0050】そして、ブレーキをかけて車輪の減速が始
まり、設定減速度「−Ga 」を越えると、マグネットバ
ルブ67は信号「I1 」になり、ホイールシリンダ液圧
は保持される(Phase2)。
【0051】車輪の減速がさらに進みスリップ率の速度
λ10を下回ると、マグネットバルブ67は信号「I2 」
になり、ホイールシリンダ液圧は減圧される(Phase
3)。同時にモータポンプが起動され次の加圧に備え
る。
【0052】ホイールシリンダ液圧を緩めたことで車輪
の減速度が緩和され上記設定減速度「−Ga 」以下にな
ると、マグネットバルブ67は信号「I1 」になり、再
び保持状態となる(Phase4)。
【0053】さらに車輪速度が回復し、スリップ率が改
善されてくると「+Gc 」、マグネットバルブ67は、
加圧と保持の状態をパルス信号により交互に繰り返し、
ホイールシリンダの液圧を増加させる(Phase5〜7 )。
車輪はブレーキ力が戻ることで再び減速を始め、更に
は、再度設定減速度「−Ga 」を越え、制御は減圧過程
に入る(Phase8)。
【0054】このように、ホイールシリンダ液圧の加減
圧は、車輪の発生する加減速挙動に応じて制御されてい
るため、ABSの制御は、路面状態に応じたブレーキ制
御となっている。
【0055】一方、上記自動変速機側制御部50では、
上記車速演算部51は、前記車速センサ41からの信号
が入力され、前記出力軸6の回転数を所定に変換して車
速を算出し、この車速を、上記変速位置決定部53に出
力するように形成されている。
【0056】上記シフトパターン設定部52には、セレ
クトされたレンジのスロットル開度と車速とによるシフ
トパターンのマップが記憶されている。
【0057】上記変速位置決定部53は、前記スロット
ル開度センサ43からのスロットル開度、前記レンジス
イッチ42からのレンジ位置の信号、上記車速演算部5
1からの車速等が入力され、上記シフトパターン設定部
52の該当するパターンのマップを、上記車速とスロッ
トル開度に基づき参照して、上記レンジ位置での変速位
置を決定し、上記変速位置補正部56に出力する変速位
置決定手段として形成されている。
【0058】上記アンチロックブレーキ作動検出部54
は、上記ABS側制御部70のアンチロックブレーキ制
御部74からの信号に基づきアンチロックブレーキの作
動中を検出し、その結果を上記路面摩擦係数判定部55
と上記変速位置補正部56とに出力するアンチロックブ
レーキ作動検出手段としてのものである。
【0059】上記路面摩擦係数判定部55は、前記車体
前後加速度センサ44からの信号と上記アンチロックブ
レーキ作動検出部54からの信号が入力され、アンチロ
ックブレーキ作動の際、車両の減速度が大きいときタイ
ヤと路面との間の路面摩擦係数が通常より高い路面(高
μ路)と判定する一方、車両の減速度が小さいときタイ
ヤと路面との間の路面摩擦係数が通常より低い路面(低
μ路)と判定し、それ以外を通常μ路と判定して上記変
速位置補正部56に出力する路面摩擦係数判定手段とし
て形成されている。
【0060】具体的には、図7のフローチャートに示す
ように、まず、S101で車体前後加速度GsとABS
作動状態(ABS作動か否か)を読み込んでS102へ
進み、ABSが作動していなければルーチンを抜け、A
BSが作動していればS103へ進む。
【0061】このS103では、車体前後加速度Gsと
予め設定しておいた値GCHとが比較され、車体前後加速
度Gsが設定値GCH以上(Gs≧GCH)の場合はS10
4に進み、S104で車体前後加速度Gsと予め設定し
ておいた値GCLとを比較して車体前後加速度Gsが設定
値GCL以下(Gs≦GCL)の場合、すなわちGCH≦Gs
≦GCLの場合は、通常路と判定する。尚、GCHとGCL
は、共に負の値でGCH≦GCLである。
【0062】また、上記S103で、車体前後加速度G
sが設定値GCHより小さい(設定値GCHを基準として減
速度が大きい)場合はS106に進み、高μ路と判定す
る。
【0063】さらに、上記S104で、車体前後加速度
Gsが設定値GCLより大きい(設定値GCHを基準として
減速度が小さい)場合はS107に進み、低μ路と判定
する。
【0064】上記変速位置補正部56は、上記変速位置
決定部53,上記アンチロックブレーキ作動検出部5
4,上記路面摩擦係数判定部55から信号入力されて、
所定の変速位置で高μ路を走行中にABSが作動した場
合は上記変速位置決定部53で定めた変速位置をエンジ
ンブレーキを付加する方向の変速位置に変更する一方、
所定の変速位置で低μ路を走行中にABSが作動した場
合は上記変速位置決定部53で定めた変速位置をエンジ
ンブレーキを解除する方向の変速位置に変更して、この
変速位置を上記変速位置出力部57に対して出力する変
速位置補正手段として構成されている。通常の大きさの
μ路の場合には、上記変速位置決定部53からの変速位
置をそのまま上記変速位置出力部57に出力する。
【0065】具体的には、図8のフローチャートに示す
ように、まず、S201で、変速位置,路面摩擦係数判
定結果(通常路,高μ路,低μ路),ABS作動状態
(ABS作動か否か)を読み込んでS202へ進み、A
BSが作動していなければS205へ進んで、そのまま
上記変速位置決定部53からの変速位置を上記変速位置
出力部57に出力してルーチンを抜け、ABSが作動し
ていればS203へ進む。
【0066】上記S203では、高μ路走行か否か判定
し、高μ路走行の場合にはS206へ進んで、上記変速
位置決定部53からの変速位置を高μ路の変速位置に変
更(図6の高μ路の如く変更する)し、さらに上記S2
05に進んで、この変更した変速位置を上記変速位置出
力部57に出力してルーチンを抜ける。
【0067】一方、上記S203の結果、高μ路走行以
外の場合はS204に進み、低μ路走行か否か判定し、
低μ路走行の場合にはS207へ進んで、上記変速位置
決定部53からの変速位置を低μ路の変速位置に変更
(図6の低μ路の如く変更する)し、さらに上記S20
5に進んで、この変更した変速位置を上記変速位置出力
部57に出力してルーチンを抜ける。
【0068】上記S204の結果、低μ路走行以外の場
合(高μ路走行以外、かつ低μ路走行以外)は、S20
5へ進んで、そのまま上記変速位置決定部53からの変
速位置を上記変速位置出力部57に出力してルーチンを
抜ける。
【0069】ここで、走行路状態によって変更される変
速位置を図6により説明する。前述したように、自動変
速機20では、1,D4 レンジでは常時、33 ,22
ンジでは減速時にエンジンブレーキが作用するようにな
っている。従って、D1 ,D2 ,D3 レンジで高μ路走
行の場合には、ABS作動時のブレーキ効果が高くなる
ようにエンジンブレーキを作用させるレンジ、すなわち
2 レンジに変速位置を変更する。一方、低μ路走行の
場合はそのままのレンジとする。
【0070】また、D4 レンジで高μ路走行の場合に
は、ABS作動時のブレーキ効果が高くなるようにシフ
トダウン(33 レンジ)をしてエンジンブレーキを効か
せ、低μ路走行の場合はエンジンブレーキの作用がなく
なるD3 レンジに変速位置を変更する。
【0071】さらに、31 ,32 レンジで高μ路走行の
場合には、ABS作動時のブレーキ効果が高くなるよう
にエンジンブレーキを作用させる22 レンジに変速位置
を変更し、低μ路走行の場合はそのままのレンジとす
る。
【0072】33 レンジで高μ路走行の場合には、AB
S作動時のブレーキ効果が高くなるようにシフトダウン
をしてエンジンブレーキを効かせ、低μ路走行の場合は
エンジンブレーキの作用がなくなるD3 レンジに変速位
置を変更する。
【0073】また、21 レンジで高μ路走行の場合に
は、ABS作動時のブレーキ効果が高くなるようにエン
ジンブレーキを作用させる22 レンジに変速位置を変更
し、低μ路走行の場合はエンジンブレーキの作用がない
そのままの変速位置とする。
【0074】さらに、22 レンジで高μ路走行の場合に
は、そのままの変速位置とし、低μ路走行の場合はエン
ジンブレーキの作用がなくなるD2 レンジに変速位置を
変更する。
【0075】また1レンジで高μ路走行の場合には、そ
のままの変速位置とし、低μ路走行の場合はエンジンブ
レーキの作用がなくなるD2 レンジに変速位置を変更す
る。
【0076】このように、ABS作動時の路面状況が高
μ路走行の場合にはエンジンブレーキを作用させる方向
で、低μ路走行の場合にはエンジンブレーキを解除する
方向に変速位置を補正するようにして最適な変速位置が
設定されるようになっている。
【0077】また、上記変速位置出力部57は、上記変
速位置補正部56からの信号に基づき変速位置設定部で
ある前記油圧回路35のソレノイドA36,ソレノイド
B37,ソレノイドC38に所定の作動信号を出力する
変速位置出力手段として形成されている。
【0078】次いで、上記構成の作用について説明す
る。ドライバによるセレクトレバーの操作でレンジ位置
が設定されて車両が走行すると、車速センサ41により
自動変速機20の出力軸6の回転が検出され、レンジス
イッチ42によりセレクトレバーにより設定されている
レンジ位置が検出され、スロットル開度センサ43によ
りエンジン負荷としてエンジン1のスロットル開度が検
出され、車体前後加速度センサ44により車体の前後方
向の加速度が検出されて自動変速機側制御部50に入力
される。また、この自動変速機側制御部50にはABS
側制御部70から動作信号が入力される。
【0079】上記自動変速機側制御部50は、上記各入
力信号に基づき油圧回路35の変速制御用のソレノイド
A36,ソレノイドB37や、オーバランニングクラッ
チ28の作動に関わるソレノイドC38に信号出力して
上記自動変速機20に設けた各クラッチ,ブレーキを作
動させ、適切な変速位置を設定する他、さらに必要な入
力信号を基に変速タイミング制御、ロックアップ制御等
の他の制御を行う。
【0080】また、車輪速度センサ65により各車輪1
2,17の回転数がそれぞれ検出され、ブレーキスイッ
チ66によりブレーキのONが検出されてABS側制御
部70に入力される。
【0081】上記ABS側制御部70では、上記4輪の
車輪速度センサ65は、上記ABS側制御部70の4輪
車輪速度演算部71に入力され各車輪の車輪速度が演算
され、この車輪速度は車輪加減速度演算部72で微分処
理され車輪の加減速度が演算される。
【0082】また、上記車輪速度と車輪加減速度は上記
ブレーキスイッチ66からの信号とともに擬似的演算車
体速度演算部73に入力され擬似的演算車体速度が演算
される。
【0083】さらに、上記車輪速度と車輪加減速度と擬
似的演算車体速度はアンチロックブレーキ制御部74に
入力され、上記車輪速度と車輪加減速度と擬似的演算車
体速度を基に、擬似的演算車体速度から所定のスリップ
率の速度λ10を設定し、このλ10と車輪速度との比較、
車輪加減速度と予め設定しておいたしきい値との比較を
行って、各比較結果の状態から判断して、ABS作動の
際に増圧、保持、減圧の3つの油圧モードを選択すると
ともに、ポンプモータ68a駆動の判定をして、アンチ
ロックブレーキ出力部75に信号出力する。このアンチ
ロックブレーキ制御部74からの制御信号は上記自動変
速機側制御部50に対しても出力される。
【0084】そして、上記アンチロックブレーキ出力部
75は、上記アンチロックブレーキ制御部74からの制
御信号に基づき、ABS作動時にはアンチロックブレー
キ動作部、すなわち上記ハイドロリックユニット63の
各マグネットバルブ67のソレノイド67a,上記モー
タポンプ68のポンプモータ68aに信号出力する。
【0085】これによって、上記ハイドロリックユニッ
ト63の各車輪12,17に対応した4個の油圧制御用
のマグネットバルブ67とモータポンプ68が動作さ
れ、各車輪12,17のホイールシリンダ62に対し
て、それぞれに適したABS制御でブレーキ液圧制御が
行われる。
【0086】一方、上記自動変速機側制御部50では、
車速センサ41からの信号は車速演算部51に入力され
て車速が演算され、この車速と上記レンジスイッチ42
からの信号と上記スロットル開度センサ43からの信号
が変速位置決定部53に入力される。
【0087】上記変速位置決定部53は、シフトパター
ン設定部52の該当するパターンのマップを、上記車速
とスロットル開度に基づき参照して、上記レンジ位置で
の変速位置を決定する。
【0088】また、上記ABS側制御部70からの信号
はアンチロックブレーキ作動検出部54に入力され、A
BSの作動が検出される。
【0089】このABSの作動の判定結果は、前記車体
前後加速度センサ44からの信号とともに路面摩擦係数
判定部55に入力され、図7に示す手順で、アンチロッ
クブレーキ作動の際、車両の減速度が大きいとき高μ路
と判定する一方、車両の減速度が小さいとき低μ路と判
定し、それ以外を通常μ路と判定される。
【0090】上記変速位置決定部53で決定した変速位
置と、上記アンチロックブレーキ作動検出部54でのA
BSの作動の判定結果と、上記路面摩擦係数判定部55
での路面摩擦判定結果は変速位置補正部56に入力さ
れ、図8に示す手順で、図6で示すように、所定の変速
位置で高μ路を走行中にABSが作動した場合は上記変
速位置決定部53で定めた変速位置をエンジンブレーキ
を付加する方向に変速位置を変更する一方、所定の変速
位置で低μ路を走行中にABSが作動した場合は上記変
速位置決定部53で定めた変速位置をエンジンブレーキ
を解除する方向に変速位置を変更して、この変速位置を
上記変速位置出力部57に対して出力する。通常の大き
さのμ路の場合には、上記変速位置決定部53からの変
速位置をそのまま上記変速位置出力部57に出力する。
【0091】上記変速位置出力部57は、上記変速位置
補正部56からの信号に基づき変速位置設定部である前
記油圧回路35のソレノイドA36,ソレノイドB3
7,ソレノイドC38に所定の作動信号を出力する。
【0092】次いで、図9および図10は本発明の実施
の形態2を示し、図9は車両のABS側制御部と自動変
速機側制御部の機能ブロック図、図10は路面摩擦係数
判定ルーチンのフローチャートである。尚、本発明の実
施の形態2は、前記発明の実施の形態1での自動変速機
側制御部の路面摩擦係数判定部をアンチロックブレーキ
動作部が作動される頻度で路面摩擦係数の判定をするよ
うにしたもので、他の構成、作用は前記発明の実施の形
態1で説明したとおりである。
【0093】すなわち、図9に示すように、本発明の実
施の形態2の自動変速機側制御部80では、前記発明の
実施の形態1で説明した車体前後加速度センサからの入
力はなく、従って、車体前後加速度センサはこの制御の
ためには有しない。
【0094】上記自動変速機側制御部80は、車速演算
部51,シフトパターン設定部52,変速位置決定部5
3,アンチロックブレーキ作動検出部54,路面摩擦係
数判定部81,変速位置補正部56,変速位置出力部5
7とから主に構成されている。
【0095】上記路面摩擦係数判定部81には、前記A
BS側制御部70の前記アンチロックブレーキ制御部7
4の信号(主に、前記マグネットバルブ67を動作させ
るための制御信号;前記アンチロックブレーキ出力部7
5が前記マグネットバルブソレノイド67aに対して出
力するバルブ信号「I0 」,「I1 」,「I2 」の発生
制御信号)と上記アンチロックブレーキ作動検出部54
からの信号(ABS制御作動か否かの信号)が入力され
る。
【0096】上記路面摩擦係数判定部81では、これら
各入力信号を基にABS制御作動の際、上記アンチロッ
クブレーキ制御部74により上記マグネットバルブ67
が作動される頻度が少ないとき高μ路と判定する一方、
上記マグネットバルブ67が作動される頻度が多いとき
低μ路と判定し、それ以外を通常μ路と判定して上記変
速位置補正部56に出力する路面摩擦係数判定手段とし
て形成されている。
【0097】具体的には、図10のフローチャートに示
すように、まず、S301で上記ABS側制御部70の
上記アンチロックブレーキ制御部74からの信号(主
に、上記マグネットバルブ67を動作させるための制御
信号;上記アンチロックブレーキ出力部75が上記マグ
ネットバルブソレノイド67aに対して出力するバルブ
信号「I0 」,「I1 」,「I2 」の発生制御信号)と
上記アンチロックブレーキ作動検出部54からの信号
(ABS制御作動か否かの信号)を読み込んでS302
へ進み、ABSが作動していなければルーチンを抜け、
ABSが作動していればS303へ進む。
【0098】上記S303に進むと、上記アンチロック
ブレーキ制御部74からの信号を基に、上記マグネット
バルブソレノイド67aに対して出力されるバルブ信号
「I0 」,「I1 」,「I2 」の切換り頻度Fが演算さ
れる。
【0099】次に、S304に進み、上記切換り頻度F
と予め設定しておいた値FLとが比較され、上記切換り
頻度Fが設定値FL以上(F≧FL)の場合はS305
に進み、S305で上記切換り頻度Fと予め設定してお
いた値FHとを比較して上記切換り頻度Fが設定値FH
以下(F≦FH)の場合、すなわちFL≦F≦FHの場
合は、通常路と判定する。尚、FLとFHは、共に正の
値でFL≦FHである。
【0100】また、上記S304で、上記切換り頻度F
が設定値FLより小さい場合はS307に進み高μ路と
判定する。
【0101】さらに、上記S305で、上記切換り頻度
Fが設定値FHよりより大きい場合はS308に進み低
μ路と判定する。
【0102】すなわち、高μ路では車輪がロックしずら
く従ってABS制御が作動する頻度も少ないが、低μ路
では車輪がロックし易くABS制御が作動する頻度も多
くなるため、これを利用してタイヤと路面との間の路面
摩擦係数を判定するのである。
【0103】この本発明の実施の形態2によれば、路面
摩擦係数の判定のために車体前後加速度センサを必要と
せず、センサにより発生する誤差もなくコストダウンし
た装置を実現できる。
【0104】尚、上記各発明の実施の形態で説明したA
BSは上述の方式のものに限るものではない。
【0105】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、
走行中の路面がタイヤと路面との間の路面摩擦係数が通
常より高い路面か低い路面かを判定して、所定の変速位
置でタイヤと路面との間の路面摩擦係数の高い路面を走
行中にアンチロックブレーキ作動した場合は変速位置を
エンジンブレーキを付加する位置に変更する一方、所定
の変速位置でタイヤと路面との間の路面摩擦係数の低い
路面を走行中にアンチロックブレーキ作動した場合は変
速位置をエンジンブレーキを解除する位置に変更するよ
うにしたので、路面状況(タイヤと路面との間の路面摩
擦係数)に関わらず最適な制動性能を十分に発揮するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による車両のABS側制
御部と自動変速機側制御部の機能ブロック図
【図2】本発明の実施の形態1による自動変速機制御装
置側の全体構成の概略の説明図
【図3】本発明の実施の形態1による各レンジのシフト
位置に対する各クラッチとブレーキの作動状態の説明図
【図4】本発明の実施の形態1によるABSの概略構成
【図5】本発明の実施の形態1によるABSによる制御
の一例を示すタイムチャート
【図6】本発明の実施の形態1による走行路状態によっ
て変更される変速位置の説明図
【図7】本発明の実施の形態1による路面摩擦係数判定
ルーチンのフローチャート
【図8】本発明の実施の形態1による変速位置補正ルー
チンのフローチャート
【図9】本発明の実施の形態2による車両のABS側制
御部と自動変速機側制御部の機能ブロック図
【図10】本発明の実施の形態2による路面摩擦係数判
定ルーチンのフローチャート
【符号の説明】
12 前輪 17 後輪 20 自動変速機 23 連結要素 28 オーバランニングクラッチ 35 油圧回路 36 ソレノイドA 37 ソレノイドB 38 ソレノイドC 41 車速センサ 42 レンジスイッチ 43 スロットル開度センサ 44 車体前後加速度センサ 50 自動変速機側制御部 51 車速演算部 52 シフトパターン設定部 53 変速位置決定部(変速位置決定手段) 54 アンチロックブレーキ作動検出部(アンチロッ
クブレーキ作動検出手段) 55 路面摩擦係数判定部(路面摩擦係数判定手段) 56 変速位置補正部(変速位置補正手段) 57 変速位置出力部(変速位置出力手段) 62 ホイールシリンダ 63 ハイドロリックユニット 65 4輪車輪速度センサ 66 ブレーキスイッチ 67 マグネットバルブ 67a マグネットバルブソレノイド 70 ABS側制御部 71 4輪車輪速度演算部 72 車輪加減速度演算部 73 擬似的演算車体速度演算部 74 アンチロックブレーキ制御部(アンチロックブ
レーキ制御手段) 75 アンチロックブレーキ出力部(アンチロックブ
レーキ出力手段)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の制動時に運転状態に応じて車輪の
    ロックを防止する制御を行うアンチロックブレーキ制御
    手段と、上記アンチロックブレーキ制御手段からの信号
    に基づきアンチロックブレーキ動作部に信号出力するア
    ンチロックブレーキ出力手段とを有するアンチロックブ
    レーキ装置を備えた車両において、 上記アンチロックブレーキ制御手段によるアンチロック
    ブレーキ作動時を検出するアンチロックブレーキ作動検
    出手段と、運転状態に応じて予め設定したシフトパター
    ンで変速位置を決定する変速位置決定手段と、走行中の
    路面がタイヤと路面との間の路面摩擦係数が通常より高
    い路面か低い路面かを判定する路面摩擦係数判定手段
    と、所定の変速位置でタイヤと路面との間の路面摩擦係
    数の高い路面を走行中にアンチロックブレーキ作動した
    場合は上記変速位置決定手段で定めた変速位置をエンジ
    ンブレーキを付加する位置に変更する一方、所定の変速
    位置でタイヤと路面との間の路面摩擦係数の低い路面を
    走行中にアンチロックブレーキ作動した場合は上記変速
    位置決定手段で定めた変速位置をエンジンブレーキを解
    除する位置に変更して変速位置を出力する変速位置補正
    手段と、上記変速位置補正手段からの信号に基づき変速
    位置設定部に出力する変速位置出力手段とを備えたこと
    を特徴とするアンチロックブレーキ装置付車両の自動変
    速機制御装置。
  2. 【請求項2】 上記路面摩擦係数判定手段は、アンチロ
    ックブレーキ作動の際、車両の減速度が大きいときタイ
    ヤと路面との間の路面摩擦係数が通常より高い路面と判
    定する一方、車両の減速度が小さいときタイヤと路面と
    の間の路面摩擦係数が通常より低い路面と判定すること
    を特徴とする請求項1記載のアンチロックブレーキ装置
    付車両の自動変速機制御装置。
  3. 【請求項3】 上記路面摩擦係数判定手段は、アンチロ
    ックブレーキ作動の際、上記アンチロックブレーキ制御
    手段により上記アンチロックブレーキ動作部が作動され
    る頻度が少ないときタイヤと路面との間の路面摩擦係数
    が通常より高い路面と判定する一方、上記アンチロック
    ブレーキ制御手段により上記アンチロックブレーキ動作
    部が作動される頻度が多いときタイヤと路面との間の路
    面摩擦係数が通常より低い路面と判定することを特徴と
    する請求項1記載のアンチロックブレーキ装置付車両の
    自動変速機制御装置。
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