JPH0643141A - 超音波測定装置 - Google Patents

超音波測定装置

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JPH0643141A
JPH0643141A JP4218233A JP21823392A JPH0643141A JP H0643141 A JPH0643141 A JP H0643141A JP 4218233 A JP4218233 A JP 4218233A JP 21823392 A JP21823392 A JP 21823392A JP H0643141 A JPH0643141 A JP H0643141A
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JP
Japan
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thickness
voltage
gap
defect
wave
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JP4218233A
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Inventor
Yukio Ogura
幸夫 小倉
Takeshi Miyajima
猛 宮島
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ほぼ平行に存在する0.1μm以下の欠陥の
厚さを測定することができる超音波測定装置を提供する
ことにある。 【構成】 駆動パルス電圧の変化に対する音圧の変化率
がギャップの厚さに応じて変わるという特性を利用し
て、駆動パルス電圧の変化に対する被検体の音圧変化率
を算出しているので、被検体内部のギャップの厚さを測
定することができる。その結果、各種の被検体内部の欠
陥の厚さ測定が超音波により可能になり、特に、電子部
品の検査に利用すれば、より信頼性の高い部品を提供す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、超音波測定装置に関
し、詳しくは、樹脂パッケージ化されたIC等の電子部
品の電極等の剥がれによる内部欠陥や内部間隙の厚さを
測定することができるような超音波測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】超音波測定装置の1つである超音波映像
検査装置(これには焦点合わせ型のプローブを用いる超
音波映像探査装置が含まれる。) は、電子部品等を検査
するためにその内部の状態をBスコープ像やCスコープ
像として映像表示することが可能である。より鮮明な映
像を採取するために、この種の映像装置は、プローブの
音響特性や媒体、被検体内部でのそのときの温度による
音速等の各種の測定条件を入力し、それに応じて被検体
内の所望の深さにプローブの焦点を設定して超音波測定
を行う。
【0003】この種の測定装置は、エコー受信信号(又
はビデオ信号、RF信号、あるいはこれらのA/D変換
データ)の任意の位置でゲートがかけられるようになっ
ていて、例えば、エコー受信信号の欠陥波の位置(焦点
型では焦点位置)にゲートをかけて抽出したエコー受信
信号に対してそのピークレベル等を得て、その値の大き
さで欠陥の大きさを判定している。さらに、得られた欠
陥よりの受信波の大きさに応じて色分けした表示データ
を生成して測定位置対応にBスコープ像やCスコープ像
の測定画像を表示する。
【0004】一方、超音波測定では、超音波厚み測定計
などで代表されるように、表面エコーと底面エコーとの
間の時間を計測してその厚さあるいは幅を計ることも行
われる。また、底面開口欠陥等の開口高さを計ることも
可能である。しかし、内部に存在する欠陥についてその
厚さを計ることは未だ考えられていないと思われる。前
述したように、現在のところ、単に、エコーのピークレ
ベルからその大きさを表示する程度である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】超音波映像検査装置に
よりIC等の電子部品の検査を行う場合には、樹脂パッ
ケージされた内部での電極の剥がれやチップと基板との
接着状態などが検査対象とされ、それらの欠陥よりの受
信波の大きさに応じて色分けされた映像が表示される。
しかし、これは、エコーのピークレベルに基づいて欠陥
の大きさを表示しているので、この映像を見ても欠陥が
接着剤に存在するバブルなのか、接着不良なのか、電極
剥がれなのか、はたまたどの程度の空間がそこに存在し
ているのか判然としない。
【0006】しかし、この種の検査では、現実には、欠
陥の大きさのみならず、その厚さも問題にしなければ、
より信頼性の高い検査ができない。なぜなら、パッケー
ジ化されたIC等の電子部品の内部に存在する空間の厚
さ(いわゆる空気層、以下ギャップ)は、部品内部の水
分の浸透問題に発展するからである。水分が浸透した場
合に、IC等の部品は、故障の原因になったり、その動
作が保証されない。ICの検査等において測定されるべ
きギャップの厚さは、通常、0.1μm以下であり、現
在のところ超音波測定において、0.1μm以下で内部
欠陥の厚さを測定する技術は知られていない。この発明
の目的は、前記のような欠陥の厚さ測定の要請に応える
ものであって、ほぼ平行に存在する0.1μm以下の欠
陥の厚さを測定することができる超音波測定装置を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るためのこの発明の超音波測定装置における手段は、被
検体内部の欠陥の厚さを測定する超音波測定装置におい
て、超音波探触子をパルス駆動して厚さに対してほぼ垂
直な方向から欠陥に超音波を照射し、欠陥からの反射波
音圧あるいは透過波音圧を採取するものであって、パル
スの電圧を変化させて複数回測定し、測定した結果得ら
れる複数の音圧に基づきパルス電圧に対する音圧変化率
を算出し、この変化率に対してあらかじめ求められた変
化率と厚さとの関係式あるいは関係値により欠陥の厚さ
を得るものである。
【0008】
【作用】このように、駆動パルス電圧の変化に対する被
検体の音圧変化率を算出することにより被検体内部のギ
ャップの厚さを測定するものであるが、これは、駆動パ
ルス電圧の変化に対する音圧の変化率がギャップの厚さ
に応じて変わるという特性を発見したことによる。
【0009】次に、何故、このような特性が得られる
か、これについて、まず、説明する。図4(a)は、プ
ローブ16における超音波振動子16aと、被検体内部
18の内部欠陥18aとの関係を示している。なお、内
部欠陥18aは、電極とパッケージ材料との剥離などに
より生じるほぼ平行なギャップとする。通常、超音波振
動子16aにより発生する超音波は、縦波Lとなって被
検体18の内部に伝搬し、ギャップGに到達する。そし
てギャップGの上面GS でその一部が反射し、他が透過
する。この場合、従来の伝搬モデルでは、図5の
(a),(b)に示すように、10-2〜10-1nm程度
の剥離層における超音波の透過率の変化は、材質に応じ
て多少その特性が異なるにしても、厚さが増加するに応
じて順次透過率が減少するカーブを描くことになってい
る。なお、図中、Tは送信波、Pi は入射超音波、Pr
は反射超音波、Pt は透過超音波を示していて、Z1 ,
Z2 ,Z3 は、それぞれ伝搬媒質の音響インピーダン
ス、lは媒質2の厚さである。
【0010】しかし、これは、実際に10-2〜10-1
m程度の剥離が発生しているギャップの状態を考慮に入
れたものではなく、単に、理論上から導いた結果に過ぎ
ない。なぜなら、現実には、ギャップは均一で平坦な平
面を持つものであることはほとんどないからである。マ
クロ的な見地からミクロのギャップをみればこれでも正
しいのかも知れないが、実際のギャップをミクロ的な見
地でみると、図(c)に示すように、その内側表面は、
剥離等によって生じた凹凸の激しい面が存在していると
考えられる。したがって、前記の理論をそのまま適用す
ると問題が生じる場合がある。
【0011】その場合とは、ギャップの幅がこの凹凸の
変化の幅D1 ,D2 を無視できない程度になると、ギャ
ップGは、平行な平面からなるギャップとみなすことは
できなくなる。すなわち、超音波によりギャップに振動
エネルギーが加えられたときに、ギャップの上面GS と
下面GB とがその振幅に応じて近づき、あるいは離れ
る。その結果、近づいたときに前記凹凸面の突起部分の
一部が接触する現象が発生すると考えられる。上面内側
と下面内側がその一部において部分的に接触した場合に
は、その部分では、先の従来からの理論は適用できな
い。超音波は、その部分では反射することなく、ほぼ1
00%透過する。したがって、そこで反射するエコーの
レベルは低下する。
【0012】以上のように考えると、加わる振動エネル
ギーの振幅を大きくとれば、それだけギャップの上面内
側と下面内側との接触する時間は長くなり、また、接触
範囲も大きくなる。さらに、ギャップの幅に応じて接触
する領域あるいはその数が増加する。したがって、振動
エネルギーの振幅がパルス印加電圧に比例して大きくな
るので印加電圧を大きくして振動エネルギーの振幅を増
加させれば超音波の透過率が増加し、逆にエコーの反射
率は低下する。したがって、この反射率または透過率の
変化は、被検体内部のギャップの厚さの関数になる。こ
の関数は、後述する図2に示すように受信音圧の変化率
として捉えることができる。よって、前記の構成により
IC等の電子部品の内部に存在する0.1μm以下の剥
離等によるギャップの測定が可能になる。
【0013】
【実施例】図1は、この発明を適用した超音波測定装置
の一実施例のブロック図であり、図2は、送信波駆動電
圧とギャップとの関係、ギャップと欠陥エコーのピーク
値との関係の説明図、図3は、ICサンプルにおける実
測された剥離厚さと受信電圧比との特性を示す説明図、
図4は、この発明の原理についての説明図、図5は、従
来の剥離層における超音波の伝達特性とこの発明におけ
るギャップについての考え方の説明図である。図1にお
いて、10は、超音波測定装置であって、1は、その探
傷器部である。この探傷器部1は、出力電圧が外部から
設定できるパルサ1aと、レシーバ、ゲート回路等から
構成される受信部1b等で構成され、マイクロプロセッ
サ(MPU)5からバス11を介して制御信号を受け
て、この制御信号に応じて制御される。
【0014】パルサ1aは、送信端子12からプローブ
16にパルス駆動による送信波Tを発生し、受信部1b
は、プローブ16からエコー受信信号を受信端子13で
受けてそれをそのレシーバで増幅し、検波する。さら
に、検波された信号のうち設定されたゲート範囲のもの
がここで抽出され、それがA/D変換回路2に送出され
る。なお、パルサ1aは、その出力パルス電圧がデジタ
ル値で設定され、連続的に制御できる可変電圧発生回路
1cを内蔵していて可変電圧発生回路1cの電圧がMP
U5からの制御信号に応じて選択されあるいはスキャン
される。
【0015】ここで、プローブ16は、例えば、中心周
波数が25MHz程度の狭帯域の焦点型プローブであ
り、XYZ走査機構15により支持されていて、被検体
18は、例えば、電子部品の1つであるICであって、
水槽17の中に浸漬されている。
【0016】A/D変換回路2は、MPU5からの制御
信号に応じて探傷器部1から得られる欠陥波、底面波等
についてエコー受信信号の包絡線検波信号(RF信号を
検波して得られるビデオ信号、ただし、サンプリング周
波数によってはRF信号のままでも可)を、例えば、2
0GHz程度の高い周波数で1000点程度サンプリング
し、これによりアナログの検波出力をデジタル値に変換
して波形データメモリ3に順次送出する。
【0017】波形データメモリ3は、A/D変換回路2
によりサンプリングされたデータを順次そのアドレスを
更新(インクリメント)しながら記憶していく。そし
て、A/D変換回路2によりサンプリングされたデータ
数が所定の最終アドレスまで記憶されると、言い換えれ
ば、前記1000点のサンプリングデータを記憶する
と、MPU5にサンプリング終了信号を送出する。これ
により波形データメモリ3には測定データが採取され
る。
【0018】MPU5は、波形データメモリ3からサン
プリング終了信号を受けるとA/D変換回路2のサンプ
リング処理を停止してバス11を介して波形データメモ
リ3に採取した測定データを参照してその最大ピーク値
を得て、それをそのときの送信パルスの電圧のデータと
ともにRAM6に記憶する。そして、この測定を送信パ
ルスの電圧を変えて複数回を行い。その結果得られた複
数の最大ピーク値について後述する処理をして被検体1
8の内部に存在するギャップの厚さを求める。
【0019】4は、ゲインダイヤル,カーソルダイヤ
ル,表示位置指定つまみ,シートキー等を有する操作パ
ネルであって、バス11に接続されている。MPU5
は、この回路からバス11を介してダイヤルにより設定
される設定値及びギャップ測定機能キー等、各種のキー
入力信号を受ける。ゲインダイヤルにより受信部1bの
レシーバに対するゲイン設定値(調整値)が入力される
と、MPU5は、受信部1bのレシーバ(その高周波増
幅器)のゲイン(増幅率)を制御し、ゲインダイヤルに
より入力されたゲイン設定値に対応するゲインになるよ
うにレシーバのゲインを設定する。
【0020】6は、RAMであって、バス11に接続さ
れ、A/D変換されたエコー受信信号についてのデジタ
ルの表示データと外部からロードされた各種のアプリケ
ーション処理プログラムと入力キーにより指定された探
傷モードを示すフラグ等の各種の情報や種々のデータが
格納される。このRAM6には採取条件パラメータ等を
記憶したパラメータ等記憶領域62、そして受信音圧傾
き−ギャップテーブル63とが設けられている。
【0021】7は、ROMであり、これにはMPU5が
実行する、B,Cスコープ画像等演算処理プログラム7
1,最大ピーク値採取プログラム72、受信音圧傾き・
ギャップ算出プログラム73、表示プログラム74等
と、各種の基本プログラムが記憶されている。なお、こ
れらプログラムは、ROM6の記憶領域に外部からロー
ドされてもよい。CRT表示装置(CRT)8は、測定
画像等のほか、各種の測定値を表示し、内蔵のビデオメ
モリインタフェースを介してバス11に接続されてい
る。スキャンコントローラ14は、バス11を介してM
PU5に接続され、MPU5からの制御に応じてXYZ
走査機構15を駆動し、プローブ16を測定位置に設定
する。
【0022】ここで、最大ピーク値採取プログラム72
は、ギャップ測定機能キーの入力により設定されるギャ
ップ測定モードにおいて、波形データメモリ3から測定
データ採取終了を受けたMPU5により起動される。ま
た、このプログラムの実行によりMPU5は、前記の測
定開始時点で、まず、パラメータ等記憶領域62に記憶
されている送信波T(図4参照)を発生する駆動パルス
電圧値を設定する最初のデータを参照する。例えば、こ
のときの最初のデータが駆動電圧値を60[V]に設定
するものとする。このプログラムの実行によりMPU5
は、この電圧を設定するデータを可変電圧発生回路1c
に送出してパルサ1bが発生するパルス電圧値を60
[V]にする。その後に、パルサ1bに駆動信号を送出
する制御を行い、60[V]の波高値で駆動された送信
波Tを被検体18に放射する。
【0023】また、測定データが波形データメモリ3に
採取されたときに、そのデータのうちの最大ピーク値P
0 の値をそのときの音圧として得て、そのときに設定し
たパルス電圧値60[V]のデータとともにRAM6に
記憶し、さらに、パラメータ等記憶領域62に記憶され
ている次の送信波Tを発生する駆動パルス電圧値のデー
タを参照してそれを可変電圧発生回路1cに送出してパ
ルサ1bが発生するパルス電圧値の設定をする。例え
ば、この、次の設定電圧値を120[V]とする。そし
て、先と同様にこの電圧でプローブ16をパルス駆動し
て超音波を被検体18に放射し、波形データメモリ3に
測定データを採取する。MPU5は、得られた測定デー
タを参照してその最大ピーク値P1 と前記の設定電圧値
120[V]のデータとをRAM6に記憶する。同様な
測定を設定電圧値170[V]と210[V]について
行い。それぞれについて最大ピーク値P2 ,P3 と電圧
値のデータとをRAM6に記憶する。この後、受信音圧
傾き・ギャップ算出プログラム73を起動する。
【0024】なお、以上の場合、パラメータ等記憶領域
62には、送信波Tを発生させる駆動パルスの電圧値と
して、60[V],120[V],170[V],21
0[V]の各電圧を設定するパラメータとなるデータが
順に記憶されているものとする。この記憶領域には、こ
のほかに、測定周期や測定範囲、測定モードを設定する
各種のフラグ情報、現在設定されているレシーバのゲイ
ンのデータなどが記憶されている。
【0025】受信音圧傾き・ギャップ算出プログラム7
3は、最大ピーク値採取プログラム72の実行後にMP
U5により起動される。MPU5は、このプログラムを
実行して、まず、RAM6に記憶された設定電圧値と最
大ピーク値のデータを参照して図2(a)に示すよう
な、電圧変化に対する受信電圧比Rp (音圧比)の傾き
Kを算出する。なお、この場合の受信電圧比Rp は、6
0[V]のときの最大ピーク値の比である。このように
ある電圧を基準電圧としてその音圧との比を採る理由
は、測定装置のゲインが測定状態に応じて設定されるの
で、このゲインの影響を排除することにある。このよう
にすれば、後述する受信音圧傾き−ギャップテーブル6
3の値を実験値で得た場合でも、これとのずれもほとん
どなくなる。
【0026】さて、受信電圧比Rp の傾きK(図のK
a,Kb,Kcに対応)は、ここでは、次の式より3つ
の平均値として算出されるが、必ずしも平均値を採る必
要はない。したがって、測定データが3点あればよい。 K=(K1 +K2 +K3 )/3 ただし、 K1 =(P2/P0 −P1 /P0 )/(170−120) K2 =(P3/P0 −P2 /P0 )/(210−170) K3 =(P3/P0 −P1 /P0 )/(210−120) 次に、算出された傾きKの値から受信音圧傾き−ギャッ
プテーブル63を参照して傾きに対応するギャップの厚
さtを求める。
【0027】受信音圧傾き−ギャップテーブル63は、
後述するようにサンプルから実験的に求められるもので
あるが、説明の都合上、まず、図2(a)に示すクリス
タルガラスに対して採取したものから説明する。この特
性グラフは、いわゆる、焦点距離の長い凸レンズを平坦
化したクリスタルガラス(被測定材料)の表面に重ねて
単色光を照射してニュートンリングを形成し、各リング
に対応して間隙を求めておき、この、各間隙に対応する
位置で前記傾きKを測定して得たものである。傾きK
(Ka,Kb,Kc,・・・)とギャップの厚さtとの
関係は図示のようになる。
【0028】(a)の特性グラフから理解できるよう
に、送信パルスの電圧をパラメータとして約60[V]
(実際には58[V])の音圧を基準として正規化した
場合、クリスタルガラスでは、その受信音圧としての最
大ピーク値の受信電圧とギャップの厚さtとの関係は、
ギャップの厚さtが大きくなるほど傾きKが大きくな
り、直線的な特性を示す。そして、ギャップが0.6μ
m程度でほぼ一定値になる。
【0029】図2の(b)は、前記のクリスタルグラス
について、送信パルスの電圧を一定にした場合にギャッ
プと受信電圧比Rp との関係を示す特性グラフである。
この特性グラフに示されるように、ギャップが0.1μ
mを越えると、受信電圧比Rp の特性は飽和状態にな
る。
【0030】図2の(c)は、測定対象をクリスタルグ
ラスから樹脂に替えて、パッケージ樹脂とリードフレー
ム間でギャップの厚さtと受信電圧比Rp を測定した場
合の特性A、同様にパッケージ樹脂とシリコンチップに
ついて同様に受信電圧比Rpとの関係を測定した特性
B、そしてパッケージ樹脂同士におけるギャップについ
て測定した特性Cを示している。なお、ギャップの厚さ
tについては、実際に電極剥がれ等によってギャップが
形成された複数のサンプルについて受信電圧比の傾きR
p を測定し、そのサンプルのギャップの厚さtを電子顕
微鏡にて測定したものである。
【0031】受信音圧傾き−ギャップテーブル63は、
このようにして被検体サンプルを測定して得られる受信
電圧比Rp とギャップ厚さtについてのテーブルであっ
て、パッケージ樹脂とリードフレーム間、パッケージ樹
脂とシリコンチップ間、パッケージ樹脂同士とそれぞれ
異なるパラメータに対応して3つのテーブルが形成され
ている。これらのテーブルのうちいずれかを参照するか
は、まず、B,Cスコープ画像等演算処理プログラム7
1により測定画像を表示して、その結果表示されたエリ
アに応じて前記いずれかのテーブルを選択するか、その
パラメータをオペレータが操作パネル4からキー入力
し、キー入力されたパラメータにより選択すればよい。
【0032】以上説明してきたが、実施例では、反射エ
コーを採取してその最大ピーク値によりギャップの厚さ
tを測定する例を説明してきたが、この発明は、被検体
を挟んでプローブと反対側に受信センサを設けて被検体
を透過する透過波の最小ピーク値を採取してギャップの
厚さtを測定するようにしてもよい。さらに、実施例で
は、基準電圧を設定し、これの最大ピーク値との比を採
取しているが、ゲインが一定の測定装置では、必ずし
も、比を採る必要はなく、単に、音圧の変化率を測定す
れば足りる。
【0033】実施例では、実測値に基づいて受信音圧傾
き−ギャップテーブルを作成して受信電圧比Rp からギ
ャップ厚さtを求めているが、傾きとギャップ厚さの関
係が数式で表現できればテーブルを用いる必要はなく、
また、数値演算により求められれば、それを利用しても
よい。
【0034】また、実施例では、波形データメモリは、
A/D変換回路とMPUとの間に挿入しているが、MP
Uの処理速度が高速であれば、A/D変換回路のデータ
をMPUで一旦受けて、波形データメモリあるいはRA
M等に転送して測定データを採取するようにすることも
できる。また、実施例では、探傷器部の測定データをA
/D変換して波形データメモリに記憶しているが、探傷
器部にピーク値検出回路を設けて、これにより得られた
ピーク値のデータをA/D変換してその値をMPUが得
て、RAMに記憶してギャップの厚さを求めるような処
理をしてもよい。
【0035】
【発明の効果】以上の説明から理解できるように、この
発明にあっては、駆動パルス電圧の変化に対する音圧の
変化率がギャップの厚さに応じて変わるという特性を利
用して、駆動パルス電圧の変化に対する被検体の音圧変
化率を算出しているので、被検体内部のギャップの厚さ
を測定することができる。その結果、各種の被検体内部
の欠陥の厚さ測定が超音波により可能になり、特に、電
子部品の検査に利用すれば、より信頼性の高い部品を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、この発明を適用した超音波測定装置
の一実施例のブロック図である。
【図2】 図2は、バースト信号で駆動された場合の送
信波と表面エコー等の説明図である。
【図3】 図3は、ICサンプルにおける実測された剥
離厚さと受信電圧比との特性を示す説明図である。
【図4】 図4は、この発明の原理についての説明図で
ある。
【図5】 図5は、従来の剥離層における超音波の伝達
特性とこの発明におけるギャップについての考え方の説
明図である。
【符号の説明】
1…超音波探傷器部、1a…パルサ、1b…受信部、2
…A/D変換回路、3…波形データメモリ、4…操作パ
ネル、5…マイクロプロセッサ(MPU)、6…RA
M、7…ROM、8…CRT表示装置、16…プロー
ブ、18…被検体、10…超音波測定装置、61…画像
メモリ部、62…パラメータ等記憶領域、63…受信音
圧傾き−ギャップテーブル、71…B,Cスコープ画像
等演算処理プログラム、72…最大ピーク値採取プログ
ラム、73…受信音圧傾き・ギャップ算出プログラム、
74…表示プログラム。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被検体内部の欠陥の厚さを測定する超音波
    測定装置において、超音波探触子をパルス駆動して前記
    厚さに対してほぼ垂直な方向から前記欠陥に超音波を照
    射し、前記欠陥からの反射波音圧あるいは透過波音圧を
    採取するものであって、前記パルスの電圧を変化させて
    複数回測定し、測定した結果得られる複数の前記音圧に
    基づき前記パルス電圧に対する音圧変化率を算出し、こ
    の変化率に対してあらかじめ求められた変化率と厚さと
    の関係式あるいは関係値により前記欠陥の厚さを得る超
    音波測定装置。
  2. 【請求項2】被検体内部の欠陥の厚さを測定する超音波
    測定装置において、超音波探触子をパルス駆動して前記
    厚さに対してほぼ垂直な方向から前記欠陥に超音波を照
    射し、前記欠陥からのエコーの最大ピーク値を採取する
    ものであって、前記パルスの電圧をあらかじめ決められ
    た基準の電圧に設定して前記最大ピーク値を採取し、さ
    らに前記パルスの電圧を変化させて前記最大ピーク値を
    複数回採取し、得られた最大ピーク値に対して前記基準
    の電圧において採取された最大ピーク値との比を採り、
    この比の前記パルス電圧に対する傾きを算出して、この
    傾きに対してあらかじめ求められた傾きと厚さとの関係
    式あるいは関係値により前記欠陥の厚さを得る超音波測
    定装置。
  3. 【請求項3】欠陥からのエコーの最大ピーク値に替えて
    透過波を採取するものであって、透過波の最小ピーク値
    を最大ピーク値に替えて採取する請求項2記載の超音波
    測定装置。
JP4218233A 1992-07-24 1992-07-24 超音波測定装置 Pending JPH0643141A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114002331A (zh) * 2021-11-05 2022-02-01 湘潭大学 一种用于钢绞线受损程度的检测方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114002331A (zh) * 2021-11-05 2022-02-01 湘潭大学 一种用于钢绞线受损程度的检测方法
CN114002331B (zh) * 2021-11-05 2024-03-29 湘潭大学 一种用于钢绞线受损程度的检测方法

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