JPH0643074U - 換気装置内蔵水洗式トイレ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】便器内の臭気を局所的に換気できるとともに、
使用時における汚物の換気通路への吸入及び便器表面へ
の付着を防ぐ。 【構成】便器２の内周上部に複数の穴６を周方向に沿っ
て開口し、穴６には、汚れ防止用の水を流す流水通路５
と臭気を排気するための換気扇１０を有した換気通路９
とを、択一的に連通させる切替弁１１を介して連結し、
便器２の上部に設けられた便座３には着座したことを検
知する着座センサ４を設け、さらには穴６の開口面に
は、洗浄水タンク７内の栓１２が開口したときに穴６を
閉塞し、栓１２が閉鎖したときに穴６を開口する蓋体１
３を設けた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は，換気装置を内蔵した水洗式トイレに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、便器内部に換気機能を有し局所的に臭気をトイレ室外に排気するものと して洗浄水通路と換気通路とを別々に設けた構成（実開平１−１６００６８号参 照）が考案されているが、換気通路では常に換気による空気吸引が行われている ため汚物が換気通路に侵入したり、また便器内表面が乾燥して汚物が付着し易い など換気通路周辺を清潔に保つのが困難であった。この様な問題を解決するため 便器内に連通する共通の通路より洗浄水通路と換気通路とを分岐させ、洗浄水の 流出時に換気通路及びその周辺部の汚れを除去し、それ以外の時に換気を行う構 成（実開昭６３−１９８６６９号参照）が開示されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、共通の通路より洗浄水通路と換気通路とを分岐させ、洗浄水の 流出時に汚物を除去する構成では洗浄水の流出時以外は常に換気されているため 、最も便器内が汚れる使用時においても空気吸引を行ってしまい汚物を換気通路 に吸入する惧れがあるとともに、便器内部の表面が乾燥して汚物が付着し易い。

【０００４】 そこで、本願考案は上記の問題に鑑み、便器内の臭気を局所的に換気できると ともに、使用時における汚物の換気通路への吸入及び便器表面への付着を防ぐこ とができる換気装置内蔵水洗式トイレの提供を目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、便器の内周上部に複数の穴を周方向に沿って開口し、この穴には、 洗浄水タンクから流れる洗浄水とは別の汚れ防止用の水を流す流水通路と臭気を 排気するための換気扇を有した換気通路とを、択一的に連通させる切替弁を介し て連結し、前記便器の上部に設けられた便座には着座したことを検知する着座セ ンサを設けたトイレであって、前記着座センサがオンであるときに前記流水通路 が穴と連通する一方、オフであるときに換気通路が穴と連通するよう前記切替弁 を切替えるとともに、該着座センサがオフであるときに前記換気扇を作動させる 作動機構を備えたことを特徴とするものであり、さらには、前記穴の開口面には 、洗浄水タンク内の栓が開口したときに該穴を閉塞し、該栓が閉鎖したときに該 穴を開口する蓋体を設けたことを特徴とするものである。

【０００６】

【作用】

便座に人が着座するとオンとなり、便器の内周上部の周方向に沿って開口され た複数の穴と、汚れ防止用に水を流す流水通路とを連通するように切替弁が切替 わる。一方、便座から人が立上り着座センサがオフとなると前記穴と臭気を排気 するための換気通路とを連通させるとともに、換気通路に設けられた換気扇を作 動させる。

【０００７】 さらに、洗浄水タンク内に設けられた栓の動作に追従して、前記穴を開閉する 蓋体を該穴に設け、使用後ノズルを操作することにより栓を開口させて洗浄水を 流出させ、この栓の動作にともなって該穴を閉塞し洗浄水が流出している間通気 通路に洗浄水が侵入することを防ぎ、タンク内の洗浄水の流水が終了すると栓が 閉鎖しそれにともなって前記蓋体が開口し換気を再開する。

【０００８】

【実施例】

以下この考案に係る換気装置内蔵水洗式トイレの好適な一実施例を図面を用い て詳細に説明する。

【０００９】 図１はこの考案の実施例に係る換気装置内蔵水洗式トイレ１の正面断面図であ り、後述するように、便器２の上端部に上下動可能に設けられた便座３に人が着 座していない状態であり、且つノズル７ａにより洗浄水を流出させ蓋体１３によ り穴６を閉鎖している状態を示している。図２は図１の側面断面図である。また 、図３は便座３に人が着座している使用時の正面断面図であり、図４は図３の側 面断面図である。

【００１０】 水洗式トイレ１の便器２は内壁２ａと外壁２ｂとによる二重構造を成しており 内部に中空部２ｃを有している。便器２上端部には、便座３がその後方の端部に 設けられた取付部３ａを中心として起立姿勢（一点鎖線図）と水平姿勢（実線図 ）との間を回動可能に、且つ水平姿勢においてスプリング３ｂにより非着座時に 便器２から所定間隔を維持するよう下方から付勢され人が着座したときに下降す るように取付けられている。また、便座３の左右両側下面には着座センサ４のス イッチ部４１ａと当接するように複数の突起３ｃが下方に向けて突設され、便器 ２の上端部に開口されたスイッチ孔２ｄに臨んでいる。

【００１１】 便器２内壁２ａの内周上部には中空部２ｃに設けられた流水通路５に連通する 複数の穴６が周方向に沿って開口されている。流水通路５はタンク７より流出さ せる洗浄の水とは別の経路である給水管８により給水される水が流通する。この 水は便器２内の乾燥による汚物の付着または汚物の流水通路５への侵入を防ぐた め複数の穴６より便器２内へ流出される。

【００１２】 流水通路５は床下においてパイプ状を成して上下方向に配管され、途中便器２ 下方において臭気を排気するため端部を室外に通じさせた換気通路９が分岐され ている。この換気通路９には便器２内に生じた臭気を強制的に排気するための換 気扇１０が設けられている。この換気扇１０は着座センサ４のオンオフにより制 御され流通通路と換気通路９とが連通したときのみ作動するように制御される。

【００１３】 分岐点には着座センサ４により制御される切替弁１１が設けられている。切替 弁１１は、分岐点と給水管８の接続部に設けられた収納室８ａ内で連結部材４１ ｄと連設され上下にスライドするように取付けられた給水弁１１ａと、流水通路 ５と換気通路９との接続部分に給水弁１１ａと連動するように取付けられた換気 弁１１ｂと、給水弁１１ａと換気弁１１ｂとを連結させるワイヤ１１ｃとから構 成され、シャフト４１が下がるとそれに追従してスライドして下がり給水管８を 流水通路５に連通させ、この時ワイヤ１１ｃにより給水弁１１ａと連設された換 気弁１１ｂは換気通路９を閉鎖させる。また、シャフト４１が上昇するとそれに 追従して給水弁１１ａも上昇し給水管８を閉鎖させ、これと連動して換気弁１１ ｂが換気通路を開放する。この様にして便器２内部に通ずる流水通路５と給水管 ８又は換気通路９とを択一的に連通させる。これにより便器２内周に設けられた 穴６を汚れ防止用の水の流出口としてさらには排気用の換気口として両方を目的 として用いることができる。

【００１４】 着座センサ４は、垂直部材４１ｂの上端部に設けられ便座３の突起３ｃが当接 する一対のスイッチ部４１ａと、それぞれのスイッチ部４１ａの下端から便器２ 内中空部２ｃ内を貫通して上下方向に延びる垂直部材４１ｂと、それぞれの垂直 部材４１ｂの下方端部間に装架されて垂直部材４１ｂを一体化する水平部材４１ ｃと、水平部材４１ｃの中間から下方に垂下され収納室８ａ内を上下方向に貫通 させて挿入され収納室８ａ内において水漏れ防止用のカバー８ｂにより被覆され た連結部材４１ｄとからなるシャフト４１とにより構成され、連結部材４１ｄは 収納室８ａで給水弁１１ａと連結している。

【００１５】 便座３に荷重がかかり便座３が下がったときこの着座センサ４がオンとなり、 便座３下面より突出する突起３ｃがスイッチ部４１ａを押圧することによりシャ フト４１が下降しシャフト４１に設けられた給水弁１１ａが開放し換気弁１１ｂ が閉鎖し、流水通路５が給水管８と連通する。一方、便座３に掛かる荷重が解放 され便座３がスプリング３ｂにより上昇したとき着座センサ４がオフとなり、便 座３に追従してシャフト４１がスプリング４２により上昇し、シャフト４１に設 けられた給水弁１１ａが閉鎖し換気弁１１ｂが開放し、流水通路５が換気通路９ と連通する。また、シャフト４１下端部には着座センサ４がオフであるとき、す なわち流水通路５に換気通路９が連通しているときに換気扇１０を作動させる制 御スイッチ４３を備えている。

【００１６】 このため、人が着座していないときには流水通路５に換気通路９が連通し便器 ２内部に生じた臭気を換気扇１０により室外に放出する。一方、着座時において は流水通路５には給水管８が連通され汚れ防止用の水が穴６より流出され流水通 路５に飛散した汚物が侵入するのを防ぐとともに、便器２内部表面を水流により 保護し汚物の付着を防止する。

【００１７】 また、穴６の開口面には洗浄水タンク７内の栓１２と連動するようにワイヤ１ ２ａにより連結された蓋体１３を設け、栓１２が開口したときに穴６を閉塞し、 栓１２が閉鎖したときに穴６を開口させる。これにより、使用後にノズル７ａを 操作し洗浄水にを流出させたとき、便座３の荷重が解放され便器２内の換気が開 始されていても穴６に洗浄水が侵入するのを防ぐことができる。タンク７内の洗 浄水がすべて流出し終わるとタンク７内の栓１２がもとの状態に戻り、それと連 動して便器２内の穴６の開口面に設けられた蓋体１３が開口し再び換気が行われ る。

【００１８】

【考案の効果】

この考案に係る換気装置内蔵水洗式トイレは、便器の内周上部に換気通路を設 けたため、便器内で生じた臭気が室内に拡散する前に室外へ排気することができ 、切替弁により流水通路と切替えるため、通気通路への汚物の侵入を防ぐことが できる。さらには、着座センサにより、その切替時期を決定するため、使用中に 汚れ防止用の水を流すことができ、便器内部に汚物が付着するのを防ぐことがで きる。

【００１９】 また、使用後洗浄水を流した際には、蓋体により穴を閉塞することができるの で、換気通路内に洗浄水が侵入するのを防ぐことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の実施例に係る換気装置内蔵水洗式ト
イレ１の非着座状態における側面断面図である。

【図２】図１の正面面断面図である。

【図３】この考案の実施例に係る換気装置内蔵水洗式ト
イレ１の着座状態における側面断面図である。

【図４】図３の正面断面図である。

【符号の説明】

１ 水洗式トイレ ２ 便器 ３ 便座 ４ 着座センサ ５ 流水通路 ６ 穴 ７ タンク ９ 換気通路 １０換気扇 １１ 切替弁 １２ 栓 １３ 蓋体 ４３ 制御スイッチ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 便器の内周上部に複数の穴を周方向に沿
   って開口し、この穴には、洗浄水タンクから流れる洗浄
   水とは別の汚れ防止用の水を流す流水通路と臭気を排気
   するための換気扇を有した換気通路とを、択一的に連通
   させる切替弁を介して連結し、前記便器の上部に設けら
   れた便座には着座したことを検知する着座センサを設け
   たトイレであって、 前記着座センサがオンであるときに前記流水通路が穴と
   連通する一方、オフであるときに換気通路が穴と連通す
   るよう前記切替弁を切替えるとともに、該着座センサが
   オフであるときに前記換気扇を作動させる作動機構を備
   えたことを特徴とする換気装置内蔵水洗式トイレ。
2. 【請求項２】 前記穴の開口面には、洗浄水タンク内の
   栓が開口したときに該穴を閉塞し、栓が閉鎖したときに
   該穴を開口する蓋体を設けたことを特徴とする請求項１
   記載の換気装置内蔵水洗式トイレ。