JPH0431336Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「考案の目的」 （産業上の利用分野） 本考案は、腰掛便器（洋風便器と俗称される）
に備えられる脱臭装置に関するものである。

（従来の技術） 第５図は腰掛便器を一部切り欠いて示す側面図
であつて、便器本体１上部の符号８が従来の脱臭
装置である。

脱臭装置８の構成を簡単に説明する。便器本体
１の便鉢５後面には、リム通水路５ａの下側に臭
気吸引口８が開口している。該臭気吸引口８ａ
は、便器本体１の内部を経由する吸気路８ｃによ
つて、便座２及び便蓋３を俯仰可能に保持するボ
ツクス４内と通ずるようになされている。また、
該ボツクス４には、その内部に吸引フアン等の吸
引機構８ｂが収納配置されていると共に、トイレ
室外に配管された臭排管７と連通する排気ダクト
６が接続されている。つまり脱臭装置８は、用便
時又はその後の便鉢５内の悪臭を、排気ダクト６
を介してトイレ室外の臭排管７を排出し、利用者
等に不快な思いをさせないようになつていた。
尚、前記排気ダクト６は、一般に便器本体１の内
部等を経由されているものであるが、説明の便宜
上、露出した状態で描いた。

（考案が解決しようとする問題点） 前述した如く、状態の脱臭装置８は、臭気吸引
口８ａが便鉢５の後面に開口している。

ところで、便鉢５内において悪臭が発生又は漂
う領域を図示すると、第６図の如くなる。即ち、
便鉢５内に落とされる汚物の周辺と、その直上部
分にあたる肛門周辺（腰掛けして示す）とであ
る。つまり、従来の脱臭装置８は、臭気吸引口８
ａと前記悪臭領域とが離れているため、便鉢５の
後面近辺の新鮮な空気を吸引する方が多くて、満
足した脱臭機能が得られず、そればかりか、前記
悪臭領域の空気を掻き乱すようになるから、却つ
て不快にさせる場合もあつた。

また、男子小用や清掃の際の飛沫水がボツクス
４の開口部４ａよりボツクス４内部に入り込むこ
とがあつた。入り込んだ飛沫水により悪臭を放つ
ことさえあつた。

本考案は、上記の如き事情に鑑みてなされたも
のであつて、悪臭を十分に吸引排出でき、利用者
に不快な感じを与えず、清掃のしやすい腰掛便器
の新規な脱臭装置（以下、本案装置という）を提
供することを目的とする。

「考案の構成」 （問題点を解決するための手段） 而して、本考案が採用した手段は、便器本体上
には吸気機構を内蔵するボツクス及び俯仰可能な
便座が設けられ、前記ボツクスの前面側には開口
部が設けられ、吸気機構と開口部は中間ダクトに
より接続されており、開口部には開閉可能な飛沫
水防止シヤツターが閉止付勢されており、前記便
座の裏面に分離ダクトが設けられており、その前
端側に着座時の肛門近傍に面する臭気吸引口が設
けられると共に、後端側は便座を俯動させた状態
において飛沫水防止シヤツターを押し開いて前記
開口部よりボツクス内部に進入する給気口が設け
られているところにある。

（作用） 臭気吸引口は、便座に着座したときの肛門近傍
に開口しており、可及的に悪臭領域（前記第６図
参照）と近づけてある。また、このことを換言す
ると、臭気吸引口は、便鉢の後面近辺に存在する
新鮮空気から遠ざけるようにしたと言える。従つ
て、悪臭を極めて効率的に吸引できる。

また、ボツクスの開口部には、飛沫水防止シヤ
ツターが設けられているので、便座を仰導させて
おくことにより、小便水や清掃水が開口部からボ
ツクス内部に入り込むことはない。

（実施例） 以下本考案を、その実施例を示す図面に基づい
て説明すると次の通りである。

第１図は本案装置を示す側断面図である。本案
装置の最も特徴とするところは、便座９の裏面９
ａに分離ダクト１０が設けられている点と、ボツ
クス４の開口部４ｂに飛沫水防止シヤツター１４
が設けられている点にある。

便器本体５上には吸気機構１２を内蔵するボツ
クス４及び俯仰可能な便座９が設けられている。
ボツクス４の前面側には、開口部４ｂが設けられ
ている。吸気機構１２と開口部４ｂは、中間ダク
ト１３により接続されている。開口部４ｂには、
開閉可能な飛沫水防止シヤツター１４が設けられ
ている。該飛沫水防止シヤツター１４は、スプリ
ング（図示省略）等により閉止付勢されている。
便座９の裏面９ａに、分離ダクト１０が設けられ
ている。分離ダクト１０の前端側に、利用者の着
座時の肛門近傍に面する臭気吸引口１１が設けら
れている。つまり、前記第６図に示した如く、便
座２に着座すると、その後方寄りの開口部端部２
ａが肛門位置に最も近い位置となる。このよう
に、前記臭気吸引口１１は、肛門に対する近傍に
開口しているものである。尚、該臭気吸引口１１
は、便座９の開口部端縁部９ｂよりも15〜20mm程
度後退した位置とし、汚物等が付着しないように
対処した。分離ダクト１０の後端側は、給気口１
７が設けられている。該給気口１７は、便座縁９
を俯動させた状態において飛沫水防止シヤツター
１４を押し開いて、ボツクス４内部に進入する。
また、第２図に示すように、前記分離ダクト１０
の上面部（図面では左側）に、密閉段部１０ａを
設けた。該密閉段部１０ａは、飛沫水防止シヤツ
ター１４が開いたとき（第１図参照）に、ボツク
ス４の開口部４ｂの隙間を塞ぐようになる。これ
によつて吸気機構１２の吸引力の低下を防いでい
る。

便座９を俯動させることにより、臭気吸引口１
１は、分離ダクト１０及び中間ダクト１３を介し
て、吸気機構１２と連通する。また、便座９を仰
動させることにより、開口部４ｂは、飛沫水防止
シヤツター１４により、閉じられる。

従つて、用便時には臭気吸引口より効率よく悪
臭を吸引することができる。また、男子小用や清
掃の際には、便座９を仰動させることにより、飛
沫水防止シヤツター１４により開口部４ｂが閉じ
られ、小便水及び清掃水の飛沫水がボツクス４内
部に入り込むことはない。さらに、ボツクス４の
清掃は、外表面だけでよく、分離ダクト１０の清
掃は、便座９を仰動させて分離ダクト１０を露呈
させ、臭気吸引口１１から、清掃水をかける等す
ればよい。

第３図は、本案装置による悪臭の吸引状況を示
す平面図であつて、便座９については、分離ダク
ト１０の一部及び臭気吸引口１１以外を二点鎖線
で示してある。また、悪臭領域を網掛けして示
す。同図に示すように、臭気吸引口１１は、悪臭
領域内の悪臭を、極めて吸引し易い状態に位置づ
けられていることがわかる。また、該悪臭領域内
の悪臭が吸引されることにより、便鉢５周囲の新
鮮空気が鉢内へ流れ込むようになるが、この空気
の流れは利用者の鼻先方向へ立ち昇ろうとする悪
臭を、臭気吸引口１１（利用者の背面側）へ向か
つて押し流すようになり、用便時に不快を感じさ
せることはない。

（別態様の検討） 第４図に示す如く、分離ダクト１５を三叉状等
に分岐させて、臭気吸引口１６を、便座９におけ
る肛門位置まわりの複数箇所に設けてもよい。こ
のように、本案装置の構成及び形状は、実施の態
様に応じて適宜変更可能である。

「考案の効果」 本案装置は、一般の仕様の便座の裏面に設け
るものであるので、既存の便座を取り替えるこ
となく、その裏面に実施することができる。

本案装置によれば、臭気吸引口が、肛門近傍
に位置しており、極めて効率的に悪臭が吸引で
きるので、用便時に悪臭に悩まされることがな
い。

ボツクスの開口部には、飛沫水防止シヤツタ
ーが設けられているので、便座を仰向けておく
ことにより、男子小用や清掃の際の飛沫水が開
口部からボツクス内部に入り込むことはない。
また、分離ダクト及びボツクスは、清掃しやす
い位置にあり、飛沫水を容易に除去できるの
で、悪臭を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は便座を俯動させたときの本案装置を示
す側断面図、第２図は便座を仰動させたときの本
案装置を示す側断面図、第３図は本案装置により
悪臭の吸引状況を概略して示す平面図、第４図は
別態様の実施例を示す平面図、第５図は従来の脱
臭装置を示す腰掛便器の一部切り欠き側面図、第
６図は前記従来の脱臭装置の使用状況を示す腰掛
便器の一部切り欠き側面図である。 １……便器本体、４……ボツクス、４ｂ……開
口部、８……脱臭装置（従来）、９……便座、１
０……分離ダクト、１１……臭気吸引口、１２…
…吸気機構、１３……中間ダクト、１４……飛沫
水防止シヤツター、１７……給気口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 便器本体上には吸気機構を内蔵するボツクス及
   び俯仰可能な便座が設けられ、前記ボツクスの前
   面側には開口部が設けられ、吸気機構と開口部は
   中間ダクトにより接続されており、開口部には開
   閉可能な飛沫水防止シヤツターが閉止付勢されて
   おり、前記便座の裏面に分離ダクトが設けられて
   おり、その前端側に着座時の肛門近傍に面する臭
   気吸引口が設けられていると共に、後端側は便座
   を俯動させた状態において飛沫水防止シヤツター
   を押し開いて前記開口部よりボツクス内部に進入
   する給気口が設けられていることを特徴とする腰
   掛便器の脱臭装置。