JPH0642606Y2 - 食器洗浄機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 a.産業上の利用分野 この考案は、食器洗浄機に関し、特に扉体の下端部に内
側に折曲された断面コ字状のトイが形成されている食器
洗浄機に関するものである。

b.従来の技術 第６図ないし第８図は従来の食器洗浄機の一例を示すも
のであり、全体がほぼ箱形状の洗浄機本体１には食器
（図示せず）を収納する上部が開口した洗浄槽２を有し
ている。洗浄機本体１の背部には上方向に延びた断面コ
字状の支柱３が設けられている。支柱３には上下動して
洗浄槽２を開閉する扉体４が設けられている。扉体４
は、上部に四角状の開口部５を有すると共に下部が開口
した箱状の形状をしており、その前面には取っ手６が取
り付けられている。

支柱３の上部には扉体４の上下動に伴い扇回動して開口
部５を開閉する天板体７が設けられている。天板体７と
支柱３の下部との間にはばね部材８が張架されており、
このばね部材８の張力と扉体４の重さとが重量的にバラ
ンスが取れた状態になっている。

扉体４の下端部には内側に折曲された断面コ字状のトイ
９が形成されており、このトイ９により液だれが洗浄槽
２内の食器に滴下するのを防いでいる。トイ９の隅部に
は空げき部10が形成されている。この空げき部10には板
金加工されたコーナ体11が溶接により固着されている。

上記のように構成された従来の食器洗浄機においては、
食器を洗浄槽２から取り出す場合、取っ手６を上方に軽
く持ち上げることにより、扉体４はばね部材８の張力に
より持ち上げられ、上方位置に持ち上げられたままの状
態になる。その時、天板体７は回動して扉体４の開口部
５は解放され、洗浄機本体１内の湯気は開口部５から効
率良く外部に排出される。

洗浄槽２を閉じる場合には、取っ手６を軽く下方に押し
下げることにより、扉体４が下動してなされる。その
時、扉体４の重さとばね部材８の張力とのバランス位置
まではやや重いが、この位置を過ぎると扉体４の重さに
よって自動的に洗浄槽２は閉じられる。また、扉体４の
下動に併せて天板体７は回動して開口部５は閉じられ
る。そして、洗浄噴射ノズル25から洗浄水が食器に向け
て噴射され、その後すすぎ噴射ノズル26からすすぎ水が
食器に向けて噴射されて、食器は洗浄される。

c.考案が解決しようとする問題点 上記のような従来の食器洗浄機においては、コーナ体11
を空げき部10に嵌まるように板金加工するに際し、その
加工が難しく、またコーナ体11の端面と空げき部10の端
面とを当接して溶接するのに熟練を要し、作業性が悪い
という問題点があった。また、溶接後のコーナ体11とト
イ９との接続部は溶接の後が残り美観が良くないという
問題点もあった。

この考案は、かかる問題点を解決するためになされたも
ので、作業性の悪い溶接工程が無くなりトイ９の隅部の
加工が簡単になされ、かつ美観上優れている等の食器洗
浄機を得ることを目的とする。

d.問題点を解決するための手段 この考案に係る食器洗浄機は、トイ９の隅部に形成され
た空げき部10に隣接するトイ９同士が連通するように嵌
着される充部12と、この充部12にトイ９の立ち上がり部
22に沿って延設されそれぞれ切り欠き部21の形成された
一対の片部17を有しているとともに、切り欠き部21を貫
通した締結手段20により立ち上がり部22に固着される固
定部13とからなる樹脂製のコーナ体30を有し、また充部
12の周縁部にはトイ９の空げき部10の周縁部に重なる段
部16が形成れており、さらに扉体４の外側のトイ９の表
面とコーナ体30の表面との間には段差がないものであ
る。

e.作用 この考案においては、空げき部10に充部12を嵌着し、か
つ固定部13をトイ９の立ち上がり部22に固定することに
より、トイ９の隅部にはコーナ体30が固定される。ま
た、このとき、空げき部10の周縁部と段部16とは、扉体
４の外側のトイ９の表面とコーナ体30の表面との間に段
差がないように重なっている。

f.実施例 以下、この考案の実施例を図について説明する。第１図
ないし第５図はこの考案の一実施例を示すものであり、
第６図ないし第８図と同一または相当部分は同一符号を
付し、その説明は省略する。

図において、扉体４の下端部には三方にそれぞれ配設さ
れたトイ９が形成されているとともにその隅部には扇状
の空げき部10が形成されており、この空げき部10には樹
脂製のコーナ体30が設けられている。コーナ体30は、ト
イ９の隅部に形成された空げき部10に嵌着される充部12
と、この充部12にトイ９の立ち上がり部22に沿って延設
され立ち上がり部22に固定される固定部13とからなって
いる。充部12は、空げき部10に嵌まる、底部14および底
部14からθの角度で立ち上がった傾斜部15と、底部14、
傾斜部15の周縁部に延設された段部16とからなってい
る。この段部16は第２図（イ），（ロ）からも分かるよ
うにトイ９が重なっており、扉体４の外側から見てトイ
９の表面とコーナ体30の表面との間には段差がないよう
になっている。固定部13は、同じ長さにかつ直角に折曲
された一対の片部17からなっている。各片部17には、ス
ピードナット18が挟着される長方形状の溝19と、この溝
19の一部を切り欠いた締結手段であるねじ20の貫通する
切り欠き部21とがそれぞれ形成されている。

次に、トイ９の隅部にコーナ体30を固定する手順につい
て説明する。まず、片部17の溝19にスピードナット18を
挟着する。そして、空げき部10にコーナ体30の底部14、
傾斜部15を嵌着する。その状態の時には、各片部17の片
面がトイ９の立ち上がり部22と面接触すると共に、立ち
上がり部22に形成された穴23と片部17に形成された切り
欠き部21とは位置が一致している。その後、ねじ20を穴
23および切り欠き部21に貫通しかつスピードナット18に
ねじ止めすることにより、トイ９の隅部にはコーナ体30
が固定される。

このように構成されている食器洗浄機においては、トイ
９の表面と、底部14および傾斜部15の表面との間には段
差がない。また、空げき部10の周縁部ではコーナ体30の
段部16が重なっているので、トイ９に流下した水がトイ
９とコーナ体30との間から漏れて洗浄槽２内の食器を汚
すようなことはない。

g.考案の効果 以上説明したように、この考案によれば、トイ９の隅部
に形成された空げき部10に嵌着される充部12と、この充
部12に延設されトイ９の立ち上がり部22に固定される固
定部13とからなる樹脂製のコーナ体30を備えたことによ
り、次のような効果がある。

１）固定部13をトイ９に固定することにより、トイ９の
隅部にはコーナ体30が簡単に取り付けられる。

２）溶接工程がないので、作業性が向上すると共に美観
上優れている。

３）空げき部10の周縁部ではコーナ体30の段部16が、扉
体４の外側から見てトイ９の表面とコーナ体30の表面と
の間に段差がないように重なっているので、トイ９に流
下した水がトイ９とコーナ体30との間から漏れて洗浄槽
２内の食器を汚すことはなく、かつ美観的に優れてい
る。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第５図はこの考案の一実施を示すもので、
第１図はコーナ体の全体斜視図、第２図（イ）は第１図
のII−II線に沿う平断面図、第２図（ロ）は第２図
（イ）の要部拡大図、第３図はトイの断面斜視図、第４
図はトイの隅部の平面図、第５図はスピードナットの斜
視図である。第６図ないし第８図は従来の食器洗浄機の
一例を示すもので、第６図はその全体斜視図、第７図は
第６図の側断面斜視図、第８図は第６図の要部分解斜視
図である。 １……洗浄機本体、２……洗浄槽、４……扉体、９……
トイ、10……空げき部、12……充部、13……固定部、16
……段部、22……立ち上がり部、30……コーナ体。 なお、各図中同一符号は同一または相当部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】上部が開口した洗浄槽（２）を有する洗浄
   機本体（１）と、この洗浄機本体（１）を開閉する下部
   が開口した箱状の扉体（４）とを備え、この扉体（４）
   の下端部には内側に折曲された断面コ字状のトイ（９）
   が三方に形成されている食器洗浄機において、前記トイ
   （９）の隅部に形成された空げき部（10）に隣接する前
   記トイ（９）同士が連通するように嵌着される充部（1
   2）と、この充部（12）に前記トイ（９）の立ち上がり
   部（22）に沿って延設されそれぞれ切り欠き部（21）の
   形成された一対の片部（17）を有しているとともに、前
   記切り欠き部（21）を貫通した締結手段（20）により前
   記立ち上がり部（22）に固着される固定部（13）とから
   なる樹脂製のコーナ体（30）を有し、また充部（12）の
   周縁部にはトイ（９）の空げき部（10）の周縁部に重な
   る段部（16）が形成されており、さらに前記扉体（４）
   の外側のトイ（９）の表面とコーナ体（30）の表面との
   間には段差がないことを特徴とする食器洗浄機。