JPH0642139A - 内壁取付け構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 外壁の取付け状態に影響されずに容易に取付
けることができるとともに、正確に位置決めできる内壁
取付け構造を提供する。 【構成】 内壁取付け構造１は、外壁11を取付けるブラ
ケット２，３に位置決め部材４，５を取付け、位置決め
部材４，５を介して内壁12を外壁11に取付ける構造であ
る。ブラケット２，３は、天井梁16と床梁17とに取付
け、このブラケット２，３に位置決め面4A，5Aを有する
位置決め部材４，５を取付ける。位置決め面4A，5Aと断
熱材21とには適宜箇所に接着剤22を塗布してあり、内壁
12を、面材20が位置決め面4A，5Aに、断熱材21が外壁11
に当たるように押し込んで取付ける。位置決め部材４，
５が位置決めされているので、内壁12を、外壁11の取付
けに影響されずに位置決め精度よく取付けることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、建物ユニットの外壁の
内側に内壁を取付ける内壁取付け構造に関する。

【０００２】

【背景技術】建物ユニットは、四隅の４本の柱とこれら
の柱の上端間および下端間同士を連結する天井梁，床梁
等からなる骨組みに、外壁や内壁および天井材，床材等
を取付けて構成される。ところで内壁には、それ自体に
所定の強度を持たせたもの、例えば間仕切り壁と、そう
でないもの、つまり内壁自体に所定の強度を持たせず簡
易構造とし、例えば外壁に取付けたものとがある。

【０００３】図４には、建物ユニット10の外壁11の内側
に簡易構造の内壁12を取付ける従来の取付け構造が示さ
れている。同図に示すように、外壁11の上下には断面Ｌ
字形のブラケット13が外壁取付けボルト14によって取付
けられており、ブラケット13はボルト，ナット15によっ
て天井梁16および床梁17に取付けられている。内壁12
は、外壁11の内側かつ床材18と天井材19との間にわたっ
て設けられており、例えば石膏ボードからなり所定幅に
形成された面板20と、この面板20の裏面に面板20と一体
的に形成された断熱材21とで構成されている。このよう
な内壁12を外壁11に取付けるには、断熱材21の裏面に接
着材22を塗布した後、内壁12を外壁11に押付け、接着材
22の凝固によって内壁12を外壁11に固着していた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、建物ユニッ
トには複数枚の外壁が取り付けられており、これらの外
壁は、複数枚を取付ける内にブラケットの製作誤差やブ
ラケットと天井梁，床梁等との取付け誤差等によって、
内，外側面に多少のずれをもって取り付けられている。
しかしながら、従来の内壁取付け構造では、内壁12は外
壁11の内側面に直接取り付けられており、隣合う外壁11
同士がずれていると、ずれをそのまま吸収してしまい、
その結果隣合う内壁12の内側面同士もずれてしまうの
で、内壁12の内側面の精度が出ず、内側面の仕上げが困
難となっているという問題があった。

【０００５】また、隣合う外壁11同士がずれていて、内
壁12をこの隣合う外壁11に跨がらせて取付ける際、内壁
12が一方の外壁11側にのみ接着される恐れがあり、そう
すると内壁12の取付けが不安定である。さらに、このよ
うな場合に内壁12を隣合う外壁11同士の両方に押付けて
取付けると、内壁12が傾いてしまい、隣合う内壁12の内
側面の精度が出ない。また、内壁12を外壁11の内側面に
押付けて取付けているので、内壁12の裏面全面が外壁11
の内側面に確実に密着しているか否か判りにくく、取付
け作業が困難であり、また、取付け作業を慎重に行う結
果、作業時間が多くかかっている。

【０００６】ここに本発明の目的は、外壁の取付け状態
に影響されずに容易に取付けることができるとともに、
正確に位置決めできる内壁取付け構造を提供することに
ある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】そこで本発明は、建物ユ
ニットを構成する外壁の内側に内壁を取付ける内壁取付
け構造において、前記建物ユニットの骨組みに前記外壁
の内面から室内側に所定寸法離れた位置決め面を有する
位置決め部材が設けられるとともに、前記内壁の裏面側
には接着剤が塗布され、前記位置決め面および前記外壁
の内面に前記内壁が押し当てられ、前記接着剤によって
前記内壁が前記外壁に取付けられる内壁取付け構造とし
たものである。

【０００８】

【作用】このような本発明では、外壁の内面から室内側
に所定寸法離れた位置決め面を有する位置決め部材を建
物ユニットの骨組みに取付ける。次いで内壁を、その裏
面を位置決め面および外壁の内面に押し当て、裏面側に
塗布された接着剤によって外壁を取付ける。内壁は、建
物ユニットの骨組みに取付けられた位置決め部材に押し
当てれば位置決めされるので、外壁の取付け状態に影響
されずに容易に取付けることができ、かつ、正確に位置
決めされ、これらにより前記目的が達成される。

【０００９】

【実施例】以下に本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図１，２には、本実施例の内壁取付け構造によ
って取付けられた内壁の全体縦断面と、全体斜視図とが
示されている。ここで、建物ユニット10の構成は前述し
た従来の構成と変わらないので、同一部には同一符号を
付すとともに、その説明は省略または簡略化する。

【００１０】図１，２に示すように、本実施例の内壁取
付け構造１は、外壁11を取付ける上下のブラケット２，
３に位置決め部材４，５を架けわたし、この位置決め部
材４，５を介して内壁12を外壁11に取付ける構造とされ
ている。骨組みである天井梁16側のブラケット２は、略
角形の樋状に形成されており、上面が天井梁16の下面に
ボルト，ナット６で固定されるとともに、側面が外壁取
付けボルト14によって外壁11に取付けられている。ま
た、骨組みである床梁17側のブラケット３は、全長の半
分が略角形の樋状部とされ、それに続く他の半分が断面
Ｌ字形に形成されており、下面が床梁17の上面にボル
ト，ナット６で固定されるとともに、側面が外壁取付け
ボルト14によって外壁11に取付けられている。このよう
な各ブラケット２，３は外壁11の１枚につき複数個、例
えば上下２個づつ使用されている。

【００１１】位置決め部材４，５は、塩化ビニール等の
合成樹脂製で断面Ｌ字形に形成されており、水平な一辺
がブラケット２，３への取付け面、垂直な一辺が外壁11
の内面から室内10A 側に所定寸法離れた位置決め面4A，
5Aとされている。また、位置決め部材４，５の長さは、
天井梁16，床梁17の全長にわたる長さとされている。こ
の位置決め部材４，５は、前述のようにブラケット２の
下面とブラケット３の上面とに取付けビス７によって取
付け可能となっている。

【００１２】内壁12は、前述のように面材20と断熱材21
とで形成されており、断熱材21の裏面（外壁11との対向
面）には接着材22が塗布されている。このような内壁12
は、断熱材21が接着材22を介して外壁11に、面材20が位
置決め部材４，５の位置決め面4A，5Aにそれぞれ密着可
能となっている。

【００１３】次に、本実施例の作用を説明する。まず建
物ユニット10の天井梁16および床梁17に、上下のブラケ
ット２，３を介して外壁11を取り付ける。上下のブラケ
ット２，３には、予め取付けビス７によって位置決め部
材４，５をそれぞれ取り付けておく。次いで、位置決め
部材４，５の位置決め面4A，5Aに接着材22を塗布し、ま
た、外壁11の内側面と対向する断熱材21の所定の位置の
面にも接着材22を塗布する。そして、内壁12を外壁11に
向けて押し込む。内壁12の断熱材21先端が接着材22を介
して外壁11の内側面に当接すると同時に、内壁12の面材
20の裏面が位置決め面4A，5Aに当接し、接着材22が凝固
することにより内壁12は断熱材21と面材20の２面とで外
壁11に固定される。

【００１４】前述のような本実施例によれば次のような
効果がある。すなわち、ブラケット２，３は骨組みであ
る天井梁16および床梁17に固定されており、位置決め部
材４，５はこのようなブラケット２，３に取付けられて
いるので、位置決めの精度が高いものとなっている。内
壁12の取付けは内壁12を位置決め部材４，５に当接させ
ればよいので、外壁11の取付け精度に影響されずに位置
決め精度よく取付けることができる。

【００１５】また、内壁12の取付けは内壁12を位置決め
部材４，５に当接させればよいので、取付け作業が容易
である。さらに、内壁12は断熱材21と面材20の２面とに
接着材22が塗布されているので、外壁11に強固に固定さ
れるという効果もある。

【００１６】なお、本発明は前述の実施例に限定される
ものではなく、次に示すような変形等を含むものであ
る。すなわち、前記実施例では位置決め部材４，５は外
壁11取付け用のブラケット２，３に固着されているが、
これに限らず、要は位置決め部材が骨組みである天井梁
16および床梁17に固定されており、位置決めの精度が高
いものであればよく、例えば図３に示すような構成とし
てもよい。本実施例では、位置決め部材30が天井梁16に
直接ボルト，ナット31によって取付けられている。この
ようにしても、前述と同様な効果がある。

【００１７】また、前記実施例では位置決め部材４，５
は内壁11の幅と略同一の長さに形成されているが、これ
に限らず、要は内壁12の位置決め確実にできればよく、
例えば所定長さに切断した短い寸法の複数の位置決め部
材を使用してもよい。さらに、位置決め部材４，５は塩
化ビニール等の合成樹脂製としたが、これに限らず、例
えばアルミニューム等軽合金製のものを使用してもよ
い。このようにすれば、前述のような効果の他、強度が
大きい位置決め部材となるという効果を付加できる。

【００１８】その他、本発明の実施の際の具体的な構造
および形状等は、本発明の目的を達成できる範囲であれ
ば他の構造等でもよい。

【００１９】

【発明の効果】以上に説明したように、本発明の内壁取
付け構造によれば、内壁を外壁の取付け状態に影響され
ずに容易に取付けることができるとともに、正確に位置
決めできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る内壁取付け構造を示す
断面図である。

【図２】同内壁取付け構造の斜視図である。

【図３】本発明の変形例図である。

【図４】内壁取付け構造の従来例図である。

【符号の説明】

１ 内壁取付け構造 ２ ブラケット（上部） ３ ブラケット（下部） ４ 位置決め部材（上部） 4A 位置決め面 ５ 位置決め部材（下部） 5A 位置決め面 11 外壁 12 内壁 16 天井梁（骨組み） 17 床梁（骨組み） 22 接着材

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 建物ユニットを構成する外壁の内側に内
   壁を取付ける内壁取付け構造において、前記建物ユニッ
   トの骨組みに前記外壁の内面から室内側に所定寸法離れ
   た位置決め面を有する位置決め部材が設けられるととも
   に、前記内壁の裏面側には接着剤が塗布され、前記位置
   決め面および前記外壁の内面に前記内壁が押し当てら
   れ、前記接着剤によって前記内壁が前記外壁に取付けら
   れることを特徴とする内壁取付け構造。