JPH0642037B2 - ゼラチンの硬化方法 - Google Patents

ゼラチンの硬化方法

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JPH0642037B2
JPH0642037B2 JP10797586A JP10797586A JPH0642037B2 JP H0642037 B2 JPH0642037 B2 JP H0642037B2 JP 10797586 A JP10797586 A JP 10797586A JP 10797586 A JP10797586 A JP 10797586A JP H0642037 B2 JPH0642037 B2 JP H0642037B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は改良された硬化剤によるゼラチンの硬化方法に
関するものであり、特にハロゲン化銀写真感光材料に用
いるゼラチンの硬化方法に関するものである。
(従来の技術) 多くの写真感光材料のバインダーとして層状になつたゼ
ラチンが使用されている。そのゼラチン層の耐水性及び
機械的強度を高めるため、種々の化合物を用いてゼラチ
ンを硬化させる方法が従来より知られている。
例えばホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きア
ルデヒド系化合物類、米国特許第3,288,775号
その他に記載されている反応性のハロゲンを有する化合
物類、米国特許第3,642,486号、特公昭49−
13563号その他に記載されている反応性のエチレン
不飽和結合を持つ化合物類、米国特許第3,017,2
80号等に記載されているアジリジン系化合物類、米国
特許第3,091,537号等に記載されているエポキ
シ系化合物類、ムコクロル酸のようなハロゲンカルボキ
シルアルデヒド類、ジヒドロキシジオキサン、ジクロロ
ジオキサン等ジオキサン類、あるいは又無機硬膜剤とし
てクロム明ばん、硫酸ジルコニウム等が知られている。
しかしながらこれら公知のゼラチン硬化剤は写真感光材
料に用いられる場合、硬化作用が充分でないもの、ゼラ
チンに対する硬化反応が緩慢なため起る「後硬膜」と称
する硬化度の長期経時変化があるもの、写真感光材料の
性質に悪作用(特にカブリの増大、感光度の低下等)を
及ぼすもの、あるいは共存する他の写真用添加剤によつ
て硬化作用を失なつたり、他の写真用添加剤(例えばカ
ラー感材用発色剤)の効力を減ずるもの等、いずれも何
らかの欠点を持つていた。
ゼラチンに対する硬化反応が比較的速く、後硬膜の少な
い硬化剤としては、特開昭50−38540号記載のジ
ヒドロキノリン骨格を有する化合物、特開昭58−11
3929号記載のリン−ハロゲン結合を有する化合物、
特開昭52−93470号記載のN−スルホニルオキシ
イミド基を持つ化合物、さらには特公昭53−2208
9号記載のN−アシルオキシイミノ基を分子内に2個以
上含有する化合物、特公昭56−12853号および特
公昭58−32699号に記載されているN−カルバモ
イルピリジニウム塩類、特開昭56−110762号記
載の2−スルホニルオキシピリジニウム塩類が知られて
いる。
これらの硬化剤は、硬化作用が速く、従つて後硬膜が少
ないという特徴を有している。とりわけ特公昭58−3
2699号記載の硬化剤は、(1)硬化速度が速い、(2)水
溶性が高くゼラチン膜の塗布にあたつて特別な有機溶剤
を必要としない、(3)特公昭56−12853号記載化
合物に見られる様なピリジン臭気の問題がなく、作業者
の健康を害することが少ない、などのすぐれた特徴を持
つ化合物である。しかしながら特公昭58−32699
号記載の化合物をハロゲン化銀カラー感光材料のゼラチ
ン層の硬化に用いた場合に硬膜阻害を受け、ゼラチン層
の硬化が充分におこらないという欠点がしばしば見られ
た。
一般にハロゲン化銀カラー写真感光材料は支持体上に塗
設された複数のゼライン層によつて構成されている。こ
れらのゼラチン層のいくつかの中には、種々の写真有用
物質を高沸点有機溶剤に溶解したものが界面活性剤(通
常、乳化剤と呼ばれる)の助けをかりて分散されており
(通常、オイル分散と呼ばれる)、それぞれの機能を発
揮しているのが通例である。この写真有用物質の中には
カプラーに代表される様に、硬化反応の速いゼラチン硬
化剤ときわめて反応し易いものが多く含まれている。こ
のため、高沸点溶剤を含まない白黒写真材料で良好な性
能を示すゼラチン硬化剤をカラー写真材料に適用した場
合には、写真層の硬化が充分におこらないばかりではな
く、例えばカプラーと反応して写真画像の最大濃度を著
しく低下させたり、また例えばカブリ防止剤と反応して
反対に写真画像の最低濃度を著しく上昇させるといつた
不都合な現象を引きおこし、該カラー写真材料の商品価
値を極めて劣化させることがあつた。この原因は確実に
は解明されてはいないが、ゼラチン硬化剤が前述した高
沸点有機溶剤によりこまれ、該有機溶剤と共に分散され
ている写真有用物質と化学反応をおこした結果と推定さ
れる。従つてゼラチン硬化剤の硬化速度が向上すれば向
上する程、ゼラチン硬化剤の反応性が高くなり、写真有
用基と反応し易くなるため、先に述べた硬膜阻害の弊害
が著しく大きくなるという欠点があつた。
また近年、ハロゲン化銀写真感光材料の現像処理時間の
短縮に伴つて、使用されるカプラーなどの写真有用物質
の反応性が高くなる傾向にあるため、この硬膜阻害の現
象がさらに顕著なものとなることは容易に類推されよ
う。従つてゼラチンの硬化反応が速く、しかもハロゲン
化銀カラー写真感光材料に適用した場合にも硬膜阻害の
見られないゼラチン硬化剤の開発が強く望まれていた。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明の目的の第1は、新規なゼラチン硬化剤によるゼ
ラチンの硬化方法を提供することにある。
本発明の目的の第2は、ゼラチンに対する硬化作用が速
く、後硬膜の少ないゼラチン硬化剤を提供することにあ
る。
さらに本発明の目的の第3は、ハロゲン化銀カラー写真
感光材料に適用した場合、硬膜阻害の見られないゼラチ
ン硬化剤を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは鋭意検討の結果、ゼラチンの硬化剤として
下記一般式(1)であらわされる化合物を用いることに
より、上記目的を達成できることを見い出した。
一般式(1) (式中、R、Rは互いに同じであつても異なつても
よいアルキル基、アリール基またはアラルキル基を表わ
し、これらの基は置換されていても良く、さらに互いに
結合して含窒素複素環を形成しても良い。Rは水素原
子、ハロゲン、アルキル基、アリール基、アラルキル
基、アルコキシ基を表わす。) さらに詳細に説明すると、R、Rは好ましくは直鎖
でも分技しても良い炭素数1〜20のアルキル基(例え
ばメチル基、エチル基、ブチル基、2−エチルヘキシル
基)、炭素数7〜20のアラルキル基(例えばベンジル
基、フエネチル基)、炭素数6〜20のアリール基(例
えばフエニル基)でそれぞれ同じであつて異なつて良
い。特に好ましくはR、Rは炭素数1〜3のアルキ
ル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基)およびフエニル基である。R、Rは置換されて
いても良く、置換基としてはハロゲン原子(例えばC
l)、炭素数1〜10のアルコキシ基(例えばメトキシ
基)、炭素数6〜10のアリールオキシ基(例えばフエ
ノキシ基)が好ましい。さらにRとRが結合して環
を形成することも好ましく、特に好ましい例はプロリジ
ン環、ピペリジン環、モルホリン環を形成する場合であ
る。
は水素原子、ハロゲン原子(例えばCl)、炭素数1
〜20のアルキル基(例えばメチル基、エチル基)、炭
素数6〜20のアリール基(例えばフエニル基)、炭素
数7〜20のアラルキル基(例えばベンジル基、フエネ
チル基)、炭素数1〜20のアルコキシ基(例えばメト
キシ基)であり、水素原子が特に好ましい。
以下に本発明に使用される化合物の例をあげるが、本発
明はこれに限定されるものではない。
化合物1 化合物2 化合物3 化合物4 化合物5 化合物6 化合物7 化合物8 化合物9 化合物10 次にこれらの本発明の化合物の合成例を示す。
合成例1(化合物1の合成) 4−ピリジンメタンスルホン酸(6.8g)をDMF
(80ml)とメタノール(80ml)で分散した。次いで
28%ナトリウムメチラートメタノール溶液(8.4
g)を加え、得られた透明な溶液に室温下でN,N−ジ
メチルカルバモイルクロリド(4.3g)を滴下した。
滴下後、室温にて24時間攪拌し、その後析出したNaCl
を別した。液にTHF(800ml)を加え、析出し
た結晶を取、乾燥することによつて化合物1を得た。
(収量8.9g) 化学構造は各種スペクトル、元素分析により確認した。
なお得られた結晶は18%のNaClを含んでいる。
合成例2(化合物8の合成) 3−ピリジンメタンスルホン酸(3.4g)をDMF
(N,N−ジメチルホルムアミド)(40ml)とメタノ
ール(40ml)で分散した。次いで28%ナトリウムメ
チラートメタノール溶液(4.2g)を加え、得られた
透明な溶液に室温下でモルホリンカルボニルクロリド
(3g)を滴下した。滴下後、室温にて24時間攪拌し
た。
析出したNaClを別し、液にTHF(テトラヒドロフ
ラン)(400ml)を加えた。析出した結晶を取し乾
燥することによつて化合物8を得た。(収量4.8g) 化学構造は各種スペクトル、元素分析により確認した。
なお得られた結晶は17%のNaClを含んでいる。
上記合成例以外の化合物もこれらの方法またはその類似
法により合成することができる。
これらの化合物を硬化剤としてゼラチン含有写真層へ適
用したときはカブリ、減感等の写真性の劣化、ステイン
の発生、カラー写真感材中に含まれるカプラーとの反応
等好ましくない現象がほとんど観察されない。また硬膜
進行が極めて迅速であり、塗布後数日を経ずして最終到
達硬膜度まで達し、それ以後硬膜度の増大する現象すな
わち後硬膜は実質上観測されないという特長を有してい
る。
本発明に使用する硬化剤の使用量は、目的に応じて任意
にえらぶことができる。通常は乾燥ゼラチンに対して
0.01から20重量パーセントまでの範囲の割合で使
用できる。とくに好ましくは0.05から10重量パー
セントまでの範囲の割合で使用する。
本発明の硬化剤は、特開昭56−2324号に記載され
ているような、部分硬化によつてゼラチンの鎖長を延長
する方法において、部分硬化のための硬化剤としても有
効に用いることができる。さらにこのような鎖長延長さ
れたゼラチンを硬化するためにも用いることが可能であ
る。
本発明の硬化剤は、ゼラチンを使用するあらゆる写真感
光材料に用いることができる。例えば、カラーネガフイ
ルム、カラー反転フイルム、カラーポジフイルム、カラ
ー印画紙、カラー反転印画紙、あるいはカラー拡散転写
方式や銀色素漂白方式のカラー感光材料、および黒白フ
イルム、Xレイ用フイルム、製版用フイルム、黒白印画
紙、航空フイルム、マイクロ用フイルム、フアクシミリ
用フイルム、写真用フイルムまたは印画紙、グラフ用フ
イルム等の黒白感光材料である。
また、この場合、本発明の硬化剤を用いる写真層に特に
限定はなく、ハロゲン化銀乳剤層はもとより非感光性
層、例えば下塗り層、バツク層、フイルター層、中間
層、オーバーコート層等のいかなるゼラチン含有写真層
にも用いることができる。
本発明の硬化剤は単独で用いてもよく、本発明の硬化剤
を2種以上混合して用いてもよい。またこれまでに知ら
れている他の硬化剤と併用して用いてもさしつかえな
い。公知の硬化剤としては、たとえば、ホルムアルデヒ
ド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド系化合物類、
ジアセチル、シクロペンタンジオンの如きケトン化合物
類、ビス(2−クロロエチル尿素)、2−ヒドロキシ−
4,6−ジクロ−1,3,5−トリアジン、そのほか米
国特許第3,288,775号、同2,732,303
号、英国特許第974,723号、同1,167,20
7号などに記載されている反応性のハロゲンを有する化
合物類、ジビニルスルホン、5−アセチル−1,3−ジ
アクリロイルヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、
そのほか米国特許第3,635,718号、同3,23
2,763号、英国特許第994,869号などに記載
されている反応性のオレフインを持つ化合物類、N−ヒ
ドロキシメチルフタルイミド、その他米国特許第2,7
32,316号、同2,586,168号などに記載さ
れているN−メチロール化合物、米国特許第3,10
3,437号等に記載されているイソシアナート類、米
国特許第3,017,280号、同2,983,611
号等に記載されているアジリジン化合物類、米国特許第
2,725,294号、同2,725,295号等に記
載されている酸誘導体類、米国特許第3,100,70
4号などに記載されているカルボジイミド系化合物類、
米国特許第3,091,537号などに記載されている
エポキシ化合物類、米国特許第3,321,313号、
同3,543,292号に記載されているイソオキサゾ
ール系化合物類、ムコクロル酸のようなハロゲンカルボ
キシアルデヒド類、ジヒドロキシジオキサン、ジクロロ
ジオキサン等のジオキサン誘導体、前述のジヒドロキノ
リン系化合物、リン−ハロゲン結合を有する化合物、N
−スルホニルオキシイミド系化合物、N−アシルオキシ
イミノ系化合物、特開昭56−43353号記載のN−
カルボニルオキシイミド系化合物、2−スルホニルオキ
シピリジニウム塩類、あるいはN−カルバモイルピリジ
ニウム塩類等がある。あるいは無機化合物の硬膜剤とし
てクロム明バン、硫酸ジルコニウム等がある。また、上
記化合物の代りにプレカーサーの形をとつているもの、
たとえば、アルカリ金属ビサルフアイトアルデヒド付加
物、ヒダントインのメチロール誘導体、第一級脂肪族ニ
トロアルコール、メシルオキシエチルスルホニル系化合
物、クロルエチルスルホニル系化合物などと併用しても
よい。本発明の硬化剤と他の硬化剤を併用して用いる場
合、本発明の硬化剤の使用割合は目的や効果に応じて任
意の割合を選ぶことができるが本発明の硬化剤が50モ
ル%以上であることが好ましい。
本発明の硬化剤とともに、ゼラチンの硬化を促進する化
合物を併用することもできる。例えば、本発明の硬化剤
とビニルスルホン系硬化剤の系に、特開昭56−414
1号に記載のスルフイン酸基を含有するポリマーを硬膜
促進剤として併用する等である。
本発明の硬化剤を適用するゼラチンは、その製造過程に
おいて、ゼラチン抽出前、アルカリ浴に浸漬される所謂
アルカリ処理(石灰処理)ゼラチン、酸浴に浸漬される
酸処理ゼラチンおよびその両方の処理を経た二重浸漬ゼ
ラチン、酵素処理ゼラチンのいずれでもよい。さらに本
硬化剤はこれ等のゼラチンを水浴中で加温ないし蛋白質
分解酵素を作用させ、一部加水分解した低分子量のゼラ
チンにも適用出来る。
本発明の硬化剤を適用するゼラチンは、必要に応じて一
部分をコロイド状アルブミン、カゼイン、カルボキシメ
チルセルローズ、ヒドロキシエチルセルローズ等のセル
ロース誘導体、寒天、アルギン酸ソーダ、澱粉誘導体デ
キストランなどの糖誘導体、合成親水性コロイド、例え
ばポリビニルアルコール、ポリN−ビニルピロリドン、
ポリアクリル酸共重合体、ポリアクリルアミドまたはこ
れらの誘導体・部分加水分解物等で置きかえることがで
きるほかいわゆるゼラチン誘導体で置き換えて使用して
もよい。
本発明の硬化剤を写真感光材料に用いる場合、写真乳剤
層及びその他の層には、また合成重合体化合物、例えば
ラテツクス状の水分散ビニル化合物重合体、特に写真材
料の寸度安定性を増大する化合物などを単独または混合
して、あるいはこれらと親水性の水透過性コロイドと組
合せて含ませてもよい。
本発明のゼラチン硬化剤を写真感光材料に用いる場合に
は、マツト剤とともに用いることができる。マツト剤と
しては水不溶性の有機または無機化合物の微粒子で、平
均粒子径が0.2μから10μまでのものがよく、とく
に好ましくは0.3μから5μまでのものである。
本発明のゼラチン硬化剤は種々のカラーカプラーと併用
することができる。
本発明で使用しうるこれらのシアン、マゼンタおよびイ
エローカプラーの具体例はリサーチ・デイスクロージヤ
(Research Disclosure、以下RDと略す)17643
(1978年12月)VII−D項および同18717
(1979年11月)に引用された特許に記載されてい
る。
感光材料に内蔵するカラーカプラーは、バラスト基を有
するかまたはポリマー化されることにより耐拡散性であ
ることが好ましい。カツプリング活性位が水素原子の四
当量カラーカプラーよりも離脱基で置換された二当量カ
ラーカプラーの方が、塗布銀量が低減でき高感度が得ら
れる。発色色素が適度の拡散性を有するようなカプラ
ー、無呈色カプラーまたはカツプリング反応に伴つて現
像抑制剤を放出するDIRカプラーもしくは現像促進剤
を放出するカプラーもまた使用できる。
本発明のゼラチン硬化剤とともに使用できるイエローカ
プラーとしては、オイルプロテクト型のアシルアセトア
ミド系カプラーが代表例として挙げられる。
本発明には、二当量イエローカプラーの使用が好まし
く、酸素原子離脱型のイエローカプラー、あるいは窒素
原子離脱型のイエローカプラーがその代表例として挙げ
られる。α−ピバロイルアセトアニリド系カプラーは発
色色素の堅牢性、特に光堅牢性が優れており、一方α−
ベンゾイルアセトアニリド系カプラーは高い発色濃度が
得られる。
本発明のゼラチン硬化剤とともに使用できるマゼンタカ
プラーとしては、オイルプロテクト型のインダゾロン系
もしくはシアノアセチル系、好ましくは5−ピラゾロン
系およびピラゾロトリアゾール類などピラゾロアゾール
系のカプラーが挙げられる。5−ピラゾロン系カプラー
は3−位がアリールアミノ基もしくはアシルアミノ基で
置換されたカプラーが、発色色素の色相や発色濃度の観
点で好ましい。二当量の5−ピラゾロン系カプラーの離
脱基として、アリールチオ基が特に好ましい。また欧州
特許第73,636号に記載のバラスト基を有する5−
ピラゾロン系カプラーは高い発色濃度が得られる。ピラ
ゾロアゾール系カプラーとしては、ピラゾロベンズイミ
ダゾール類、好ましくはピラゾロ〔5,1−c〕〔1,
2,4〕トリアゾール類、ピラゾロテトラゾール類およ
びピラゾロピラゾール類が挙げられる。発色色素のイエ
ロー副吸収の少なさおよび光堅牢性の点でイミダゾ
〔1,2−b〕ピラゾール類は好ましく、ピラゾロ
〔1,5−b〕(1,2,4〕トリアゾールは特に好ま
しい。
本発明のゼラチン硬化剤とともに使用できるシアカプラ
ーとしては、オイルプロテクト型のナフトール系および
フエノール系のカプラーがあり、米国特許第2,47
4,293号に記載のナフトール系カプラー、好ましく
は酸素原子離脱型の二当量ナフトール系カプラーが代表
例として挙げられる。
湿度および温度に対し堅牢なシアンカプラーは、本発明
で好ましく使用され、その典型例を挙げると、米国特許
第3,772,002号に記載されたフエノール核のメ
タ−位にエチル基以上のアルキル基を有するフエノール
系シアンカプラー、2,5−ジアシルアミノ置換フエノ
ール系カプラー、2−位にフエニルウレイド基を有し、
かつ5−位にアシルアミノ基を有するフエノール系カプ
ラーおよび1−位にヒドロキシ基を有し、かつ5−位に
アシルアミノ基あるいはアルコキシカルボニルアミノ基
を有する2−ナフトエ酸アミド系カプラーなどである。
マゼンタおよびシアンカプラーから生成する色素が有す
る短波長域の不要吸収を補正するために、撮影用のカラ
ー感材にはカラードカプラーを併用することが好まし
い。
発色色素が適度に拡散性を有するカプラーを併用して粒
状性を改良することができる。
本発明のゼラチン硬化剤は現像に併つて、現像抑制剤を
放出するカプラー(いわゆるDIRカプラー)と併用し
てもよい。
DIRカプラーとしては、ヘテロ環メルカプト系現像抑
制剤を放出するもの:ベンゾトリアゾール誘導体を現像
抑制剤として放出するもの:無呈色DIRカプラー;離
脱後にメチロールの分解を伴つて含窒素ヘテロ環現像抑
制剤を放出するもの;離脱後に分子内求核反応を伴つて
現像抑制剤を放出するもの;離脱後に共役系を介する電
子移動によげり現像抑制剤を放出するもの;現像液中で
現像抑制能が失活する拡散性現像抑制剤を放出するも
の;反応性化合物を放出し、現像時の膜中反応により現
像抑制剤を生成したりあるいは現像抑制剤を失活させた
りするもの;等を挙げることができる。
酸化体とのカツプリング反応もしくは酸化還元反応によ
り、カブラセ剤もしくは現像促進剤またはそれらの前駆
体を放出する化合物を併用することができる。
本発明を感光材料に用いる場合には、現像主薬の酸化体
とカツプリング反応もしくは酸化還元反応することによ
り、電子供与性化合物もしくはその前駆体を放出する化
合物を併用することができる。
本発明で各種のカプラーを併用する場合は、感光材料に
必要とされる特性を満たすために、感光層の同一層に二
種類以上を併用することもできるし、また同一の化合物
を異なつた二層以上に導入することもできる。
本発明をハロゲン化銀感光材料に用いる場合、ハロゲン
化銀乳剤としては、塩化銀、臭化銀のほかに、混合ハロ
ゲン化銀、例えば塩臭化銀、塩沃臭化銀、沃臭化銀など
が代表的である。ハロゲン化銀粒子の平均粒子サイズ
は、2μ以下で0.1μ以上が好ましい。粒子サイズ分
布は狭くても広くてもいずれでもよい。粒子数あるいは
重量で平均粒子サイズの±40%以内に全粒子の90%
以上、特に95%以上が入るような粒子サイズ分布の狭
い、いわゆる単分散ハロゲン化銀乳剤を本発明に使用す
ることができる。
本発明に使用することができるハロゲン化銀粒子の形は
立方体、八面体、十二面体、十四面体の様な規則的(レ
ギユラー〔regular〕)な結晶体を有するものでもよ
く、また球状などのような変則的(イレギユラー〔irre
gular〕)な結晶形をもつものでもよく、またはこれら
の結晶形の複合形をもつものでもよい。また平板状粒子
でもよく、特に長さ/厚みの比の値が5以上とくに8以
上の平板粒子が、粒子の全投影面積の50%以上を占め
る乳剤を用いてもよい。
本発明を適用することの出来るハロゲン化銀乳剤は、硫
黄もしくはセレン増感、還元増感、貴金属増感などの単
独もしくは併用により化学増感することができる。
本発明を適用できる写真乳剤は、写真用増感色素によつ
て分光増感される。用いられる色素には、シアニン色
素、メロシアニン色素、複合シアニン色素、複合メロシ
アニン色素、ホロポーラーシアニン色素、ヘミンアニン
色素、スチリル色素およびヘミオキソノール色素が包含
される。特に有用な色素は、シアニン色素、メロシアニ
ン色素および複合メロシアニン色素に属する色素であ
る。これらの色素類には、塩基性異節環核としてシアニ
ン色素類に通常利用される核のいずれをも適用できる。
これらの増感色素は単独に用いてもよいが、それらの組
合せを用いてもよく、増感色素の組合せは特に、強色増
感の目的でしばしば用いられる。
本発明を適用できる写真乳剤には、感光材料の製造工
程、保存中あるいは写真処理中のカブリを防止し、ある
いは写真性能を安定化させる目的で、種々の化合物を含
有させることができる。すなわちアゾール類、例えばベ
ンゾチアゾリウム塩、ベンズイミダゾリウム塩、イミダ
ゾール類、ベンズイミダゾール類(好ましくは5−ニト
ロベンズイミダゾール類)、ニトロインダゾール類、ベ
ンゾトリアゾール類(好ましくは5−メチルベンゾトリ
アゾール類)、トリアゾール類など;メルカプト化合物
類、例えばメルカプトチアゾール類、メルカプトベンゾ
チアゾール類、メルカプトベンズイミダゾール類、メル
カプトベンズオキサゾール類、メルカプトオキサジアゾ
ール類、メルカプトチアジアゾール類、メルカプトトリ
アゾール類、メルカプトテトラゾール類(特に1−フエ
ニル−5−メルカプトテトラゾールなど)、メルカプト
ピリミジン類、メルカプトトリアジン類など;例えばオ
キサゾリンチオンのようなチオカルボニル化合物;アザ
インデン類、たとえばトリアザインデン類、テトラアザ
インデン類(特に4−ヒドロキシ−6−メチル−(1,
3,3a,7)テトラアザインデン)、ペンタアザイン
デン類など;ベンゼンチオスルホン酸類、ベンゼンスル
フイン酸類、ベンゼンスルホン酸アミド類;例えばアデ
ニンなどのプリン類、などのようなカブリ防止剤または
安定剤として知られた多くの化合物を加えることができ
る。
本発明を用いて作られた感光材料は塗布助剤、帯電防
止、スベリ性改良、乳化分散、接着防止および写真特性
改良(たとえば現像促進、硬調化、増感)など種々の目
的で一種以上の界面活性剤を含んでもよい。
界面活性剤としては、例えばサポニン(ステロイド
系)、アルキレンオキサイド誘導体(例えばポリエチレ
ングリコール、ポリエチレングリコール/ポリプロピレ
ングリコール縮合物、ポリエチレングリコールアルキル
エーテル類又はポリエチレングリコールアルキルアリー
ルエーテル類、ポリエチレングリコールエステル類、ポ
リエチレングリコールソルビタンエステル類、ポリアル
キレングリコールアルキルアミン又はアミド類、シリコ
ーンのポリエチレンオキサイド付加物類)、多価アルコ
ールの脂肪酸エステル類、糖のアルキルエステル類など
の非イオン性界面活性剤;アルキルカルボン酸塩、アル
キルスルフオン酸塩、アルキルベンゼンスルフオン酸
塩、アルキルナフタレンスルフオン酸塩、アルキル硫酸
エステル類、アルキルリン酸エステル類、N−アシル−
N−アルキルタウリン類、スルホコハク酸エステル類、
スルホアルキルポリオキシエチレンアルキルフエニルエ
ーテル類、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル
類などのような、カルボキシ基、スルホ基、ホスホ基、
硫酸エステル基、リン酸エステル基等の酸性基を含むア
ニオン界面活性剤を用いることができる。
さらに好ましく用いられる界面活性剤としては含フツ素
界面活性剤を挙げることができる。含フツ素界面活性剤
としては、特公昭48−43130号公報、同56−4
4411号公報、同47−9303号公報に記載された
化合物を好ましく用いることができる。
本発明を用いて作られた感光材料には、前述の添加剤以
外に、さらに種々の安定剤、汚染防止剤、現像剤もしく
はその前駆体、現像促進剤もしくはその前駆体、潤滑
剤、媒染剤、マツト剤、帯電防止剤、可塑剤、あるいは
その他写真感光材料に有用な各種添加剤が添加されても
よい。これらの添加剤の代表例はRD17643(19
78年12月)およびRD18716(1979年11
月)に記載されている。
本発明を用いて作られた感光材料の現像処理に関しては
特に制限はなく、公知のカラー現像処理及び白黒現像処
理を用いることができる。現像処理に関しては前記RD
17643(1978年12月)の記載を参考にするこ
とができる。
(実施例) 以下に実施例を挙げて本発明をさらに説明するが、本発
明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1. 本発明による化合物1、化合物4、化合物8および比較
例として、特公昭58−32699号(例示化合物1
5)に開示されている比較化合物(I)あるいは米国特
許3,642,486号(実施例II)に開示されている
比較化合物(II)をそれぞれ第1表に示す割合で7%の
ゼラチン水溶液に添加し、三酢酸セルロース支持体上に
乾燥膜厚が約8μmとなるように均一に塗布し、さらに
乾燥して、ゼラチン膜(A)〜(I)を作成した。また
これらの硬化剤を全く含まないゼラチン膜(J)もコン
トロールとて作成した。これらの試料を25℃、湿度5
0%の環境のもとにおき、塗布後2時間、1日、3日、
7日経時をした時点で各サンプルの一部をとり出して次
に示す方法で架橋数(crossliinking coefficient)δ
(架橋前のゼラチンの重量平均分子量あたりの架橋ユニ
ツト数)を求めた。
(架橋数δの求め方) 各ゼラチン膜を支持体から分離し、その重量、Mを測
定した。これらのゼラチン膜から、温水でゾル分を抽出
し、ミクロビウレツト法でそのゼラチン量、Mを定量
した。これらの結果からゾル分率、Sを次式に従つて求
めた。
算出したSの値から、A,Charlesby(エー・チヤールズ
ビー)著“Atomic Radiation and Polymers”(アトミ
ツク・ラジエーシヨン・アンド・ポリマーズ)、Pergam
on Press社刊(1960年)134−158頁に記載さ
れている以下の式に従つてδを計算した。
第1表にゼラチン膜(A)〜(J)の各経時時間におけ
るδを示す。
比較化合物(I) 比較化合物(II) CH2=CHSO2CH2OCH2SO2CH=CH2 第1表の結果からわかるように、本発明の化合物1、
4、8および比較化合物(I)を用いたゼラチン膜
(A)〜(H)はいずれも硬化作用が速く、塗布後約2
時間で硬化反応が終了し、その後はδは変化しない。ま
た比較化合物(II)では硬化作用が遅く、3日以後もδ
が増加している(後硬膜している)ことがわかる。
以上の結果から、本発明による化合物1、4、8および
比較化合物(I)は硬化作用の速い硬化剤であることは
明らかである。
実施例2. 常法に従つて作つた1kgあたりの75gのゼラチンと1
8gの塩臭化銀および18gの下式のマゼンタカプラ
ー、10gのトリクレジルホスフエート、6gとトリス
(2−エチルヘキシル)ホスフエートからなる乳化分散
物を含むカラープリント用写真乳剤に本発明による化合
物1を4.4g(18%NaCl含有)を添加し、下塗りを
施したカラープリント用支持体上に乾燥塗布量が5g/
となるよう均一に塗布、乾燥してマゼンタ単層の試
料A1を得た。
(マゼンタカプラー) またマゼンタカプラーおよびホスフエート類からなる乳
化分散物を含まず、他の部分はA1と全く同じ試料A2
を作成した。
試料A1、A2の化合物1、4.4gのかわりに本発明
の化合物8を5.1g(17%NaCl含有)用いてA1、
A2と全く同様に乳化分散物を含む試料B1と乳化分散
物を含まない試料B2を作成した。さらに試料A1、A
2の化合物1、4.4gのかわりに実施例1で使用した
比較化合物(I)を5.4g(17%NaCl含有)用いて
A1、A2と全く同様に乳化分散物を含む試料C1と含
まない試料C2を作成した。
次に、各試料を室温で2日間放置した後、60℃の0.
2N NaOH水溶液に浸漬し、浸漬後ゼラチン膜が溶解し
はじめるまでの時間を測定した。得られた結果を第2表
に示す。
第2表の結果からわかるように、本発明の化合物1、8
を用いた試料では、乳化分散物の存在するA1、B1は
それぞれ乳化分散物の存在しないA2、B2に比較し
て、膜の溶解しはじめるまでの時間が短かくなつていな
い。すなわち硬膜阻害を受けていない。また比較化合物
(I)では乳化分散物の存在する試料C1は、存在しな
いC2に比べ著しく硬膜阻害を受けていることがわか
る。
以上の結果から本発明による化合物1、8は乳化分散物
の存在によつて硬膜阻害を受けにくい硬化剤であること
は明らかである。
実施例3. 3.0モル%の沃化銀を含む沃臭化銀乳剤を調整し、チ
オ硫酸ソーダー、および金塩の存在下で最高感度が得ら
れるように後熱を施した高感度ネガ乳剤を得た。
この乳剤に1−(2′,4′,6′−トリクロロフエニ
ル)−3−〔3″−(2,4−ジ−t−アミルフエ
ノキシアセトアミド)ベンズアミド〕−5−ピラゾロン
をジブチルフタレートとトリクレジルフオスフエート混
合物に溶解し、ソルビタンモノラウレート、ロート油お
よびドデシルベンゼンスルフォン酸ソーダを分散乳化剤
としてゼラチン溶液中にo/w型に乳化分散したカプラ
ー乳化剤を混合した上、本発明の化合物8を乾燥ゼラチ
ン100g当り7.1g(17%NaCl含有)添加し、下
塗を施した三酢酸セルロースベース上に、乾燥膜厚が約
10μになるように塗布、乾燥したマゼンタ単層のカラ
ーフイルムを得た。
この実験用カラーフイルムをウエツジ露光し、4−アミ
ノ−3−メチル−N−エチル−β−ヒドロキシエチルア
ニリンセスキサルフエート・モノハイドレートを主薬と
するカラー現像処理を行ない、センシトメトリーで発色
特性を調べた。
その結果、本発明の化合物はカプラーの発色性能を害す
ることなく、色ステインも発生しないことが分つた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(1)で表わされる化合物の少
    くとも1種を用いることを特徴とするゼラチンの硬化方
    法 一般式(1) (式中、R、Rは互いに同じであつても異なつても
    よいアルキル基、アリール基またはアラルキル基を表わ
    し、これらの基は置換されていても良く、さらに互いに
    結合して含窒素複素環を形成しても良い。Rは水素原
    子、ハロゲン、アルキル基、アリール基、アラルキル
    基、アルコキシ基を表わす。)
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