JPH0641701B2 - 固定窓及び開閉窓を有するカーテンウオール形成方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、固定窓及び開閉窓を備えるカーテンウォール
の形成方法に関する。

（従来の技術） 従来、例えば嵌め殺し窓（固定窓）及び突き出し窓（開
閉窓）を有するカーテンウォールの形成方法としては、
まず嵌め殺し用ガラス板及び突き出し障子を準備し、つ
いで嵌め殺し用ガラス板を取付ける支持枠をそれ専用の
縦、横枠材で、又突き出し障子を取付ける支持枠をそれ
専用の縦、横枠材でそれぞれ構成しつつ上記ガラス板及
び突き出し障子を取付けていく方法が一般に行われてい
る。しかし、この従来方法では、多種類の枠材を準備し
なければならないばかりでなく、嵌め殺し窓及び突き出
し窓の各組立位置にそれぞれ異なる材料を運んで異なる
作業を行うという作業上の煩雑さがあり、しかも出来上
ったカーテンウォールの外観が嵌め殺し窓と突き出し窓
の間で不均一となり、美観を損うきらいがある等の難点
があった。

（発明が解決しようとする問題点） 本発明は従来の欠点を除くことを目的とする。

（問題点を解決するための手段） そこで、本発明は、 上、下框及び左、右縦框からなる框枠に面材を嵌め、そ
の一の框に揺動軸部を、他の框に係止板をそれぞれ設け
てなる同一種類の複数の面材ユニットと、 上記面材ユニットを取付けるための同一形状のユニット
支持枠を構成すべき複数本の縦枠材及び横枠材であっ
て、固定窓用ユニット支持枠を構成すべき枠材における
対応する枠材に、上記揺動軸部と係合すべき揺動軸受部
及び上記係止板と係止して面材ユニットを固定すべき係
止受け板をそれぞれ設けたユニット支持枠と、開閉窓用
ユニット支持枠を構成すべき枠材における対応する枠材
に、揺動軸受部のみを設けたユニット支持枠の２種類
を、 それぞれ準備し、 上記それぞれのユニット支持枠で固定窓用ユニット支持
枠及び開閉窓用ユニット支持枠を構成しつつ、上記面材
ユニットを、その揺動軸部を揺動軸受部に係合すると共
に、固定窓用ユニット支持枠ではその係止板を係止受け
板に係止して各ユニット支持枠に取付けるようにした、 構成としてある。本発明における面材ユニットとして
は、突き出し障子、内上げ障子、外倒し障子、内倒し障
子、外開き障子、内開き障子等の揺動開閉型障子のタイ
プのものが使用される。以下図面を参照して本発明の実
施例を説明する。

（実施例） 本例における同一形状の構成すべき縦枠材(1)は縦枠主
材(2)及び縦枠補助材(3)からなり、その縦枠主材(2)は
第３図示のように横断面矩形の中空体で、その室外側面
の左右両側部に断面ほぼＬ字状の係止溝(4)、(4)を長手
方向全長にわたって形成してある。又縦枠補助材(3)
は、構成すべきユニット支持枠の縦寸法の長さを有する
もので、第３図示のように横断面ほぼＴ字状の本体(5)
における室内側フランジ部の左右両側端部の係止片(6)、
(6)を、室外側ウェッブ部の先端に受け板(7)をそれぞれ
設けてある。

同一形状の構成すべき横枠材には２種類の横枠材(8)、
(8′）があり、いずれもユニット支持枠の横寸法よりも
若干長く、横断面においては第２図示のように、いずれ
も、中空本体(9)の室外側面に断面ほぼＣ形状の揺動軸
受部(10)をその溝口を室内側に向けた状態で長手方向全
長にわたって突設し、又本体(9)の室内側背面には横断
面扁平Ｃ形のブラケット係合溝部(11)を形成したもの
で、そのうち一方の横枠材(8′）は、本体(9)の上面に
係止受け板(24)を上向きに突設してある。

本例の面材ユニット(12)は突き出し障子タイプのもの
で、それぞれガラス嵌め溝(17)、(18)、(19)、(20)を有す
る上、下框(13)、(14)及び左、右縦框(15)、(16)からなる
框枠の各ガラス嵌め溝(17)〜(20)にガラス板(21)を嵌め
たもので、その上框(13)の上面から突出したアーム板(2
2)の先端に断面円形の揺動軸部(23)を設け、又下框(14)
の下面に、上記係止受け板(24)の室内側に対応する位置
に係止板(25)を下向きに突設してある。

カーテンウォールの形成は一例として次のように行われ
る。まず、建物の躯体床スラブ(F)…の前面に縦枠主材
(2)…を通常の固定手段により横枠材(8)の長さとほぼ等
しい中心間隔をあけて垂直に固定する。窓部は下段から
一段づつ順に上方に組立てていくが、まず固定窓部の組
立について説明する。固定窓の下枠材に上記横枠材
(8′）を使用するが、まず横枠材(8′）の両端部のブラ
ケット係合溝部(11)を部分的に削除し、ついで一対のア
ングル状ブラケット(26),(26)の各一端部を削除部分か
ら係合溝部(11)両端部に嵌入して取付ける。この横枠材
(8′）の両端部を左右隣り合う縦枠主材(2)、(2)の室外
側面に当接すると共に、上記ブラケット(26)、(26)の各
他端部を縦枠主材(2)、(2)の側面にボルト(27)、ナット
(28)によりそれぞれ固定する。同様に上記横枠材(8′）
の左右隣りの横枠材(8)又は(8′）を該横枠材(8′）と
互に端面を縦枠主材(2)、(2)の室外側で近接対面させて
それぞれ固定する。

次に、上記縦枠主材(2)、(2)の室外側面に縦枠補助材
(3)、(3)を、その係止片(6)、(6)を係止溝(4)、(4)に係止
して上下摺動自在に取付け、これら補助材(3)、(3)を上
記横枠材(8′）と左右隣りの横枠材との隣接部上に摺動
降下させる。

次に、当該固定窓の上枠材であって本例では上段の開閉
窓の下枠材ともなる枠材として、上記横枠材(8)を使用
する。横枠材(8)は上記と同様に両端部を一部削除して
ブラケット(26)、(26)を取付け、ついで該横枠材(8)に面
材ユニット(12)を、その揺動軸部(23)を揺動軸受部(10)
に係合して揺動自在に取付け、この横枠材(8)の両端部
を、その面材ユニット(12)の係止板(25)を下枠の係止受
け板(24)の室内側に係止した状態で、上記補助材(3)、
(3)の上端に接する高さで左右隣り合う縦枠主材(2)、(2)
の室外側面にブラケット(26)、(26)により上記と同様に
固定する。それにより上下の横枠材(8)、(8′）及び左右
の縦枠補助材(3)、(3)によりユニット支持枠を形成する
と共に、該支持枠内に面材ユニット(12)を嵌合して開放
不能に係止した固定窓部(A)を構成する。

次に、上記固定窓部(A)の上段に開閉窓部を構成する場
合は、上記固定窓部(A)の上枠である横枠材(8)の左右隣
りの横枠材(8)又は(8′）を互いに端面を縦枠主材(2)、
(2)の室外側で近接対面させてそれぞれ上記と同様に固
定し、ついで縦枠主材(2)、(2)に係合された縦枠補助材
(3)、(3)を上記横枠材(8)と左右隣りの横枠材との隣接部
上に摺動降下させる。次に、当該開閉窓の上枠材であっ
て本例では上段の固定窓の下枠材ともなる枠材として上
記横枠材(8′）を使用し、該横枠材(8′）は上記と同様
に両端部を一部削除してブラケット(26)、(26)を取付
け、ついで該横枠材(8′）に面材ユニット(12)をその揺
動軸部(23)を揺動軸受部(10)に係合して取付け、この横
枠材(8′）の両端部を上記補助材(3)、(3)の上端に接す
る高さで左右隣り合う縦枠主材(2)、(2)の室外側に同様
に固定する。それにより上下の横枠材(8′）、(8)及び
左右の縦枠補助材(3)、(3)によりユニット支持枠を形成
すると共に、該支持枠内に面材ユニット(12)を開閉自在
に嵌めた開閉窓部(B)を構成する。

以下同様に設計に従い固定窓部(A)…及び開閉窓部(B)…
を組立てカーテンウォール全体を構成する。得られたカ
ーテンウォールの室外側面は、固定窓部(A)…と開閉窓
部(B)…とが同一の外観形態となり、全体として均整な
外観となる。

本発明の他の実施例として、面材ユニット(12)に他の揺
動開閉型障子タイプのものを使用する場合は、それに応
じたユニット支持枠を構成すべき縦枠材及び横枠材を上
例に準じて適宜選択する。又、係止板及び係止受け板は
上例に限らず種々の構造のものであってもよい。

（発明の効果） 本発明の固定窓及び開閉窓部を有するカーテンウォール
形成方法によれば、固定窓部及び開閉窓部のいずれにも
同一種類の面材ユニットを使用することができ、しかも
固定窓部及び開閉窓部の各ユニット支持枠を形成すべき
上下横枠材及び左右縦枠材は、そのうちいずれか１つの
枠材のみに係止受け板の有るものと無いものの２種類準
備するだけで、他は同一種類のもので足りることとな
り、それにより使用材料の準備が極めて容易になると共
に、組立作業が大巾に単純化され、作業能率が一段と向
上できるものである。又本発明によれば、固定窓部及び
開閉窓部に同一種類の面材ユニットが使用されるからカ
ーテンウォール全体として均整な外観が得られる利点も
ある。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例により得られたカーテンウォール
を示し、第１図は一部の正面図、第２図は第１図のII-I
I線一部省略拡大断面図、第３図は第１図のIII-III線一
部省略拡大断面図である。 Ａ…固定窓部、Ｂ…開閉窓部、１…縦枠材、２…縦枠主
材、３…縦枠補助材、８，８′…横枠材、10…揺動軸受
部、12…面材ユニット、13…上框、14…下框、15…左縦
框、16…右縦框、21…ガラス板、23…揺動軸部、24…係
止受け板、25…係止板。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】上、下框(13)、(14)及び左、右縦框(15)、(1
   6)からなる框枠に面材(21)を嵌め、その一の框に揺動軸
   部(23)を、他の框に係止板(25)をそれぞれ設けてなる同
   一種類の複数の面材ユニット(12)と、 上記面材ユニット(12)を取付けるための複数の同一形状
   のユニット支持枠を構成すべき複数本の縦枠材(1)及び
   横枠材(8)、(8)′であって、固定窓用ユニット支持枠を
   構成すべき枠材における対応する枠材に、上記揺動軸部
   (23)と係合すべき揺動軸受部(10)及び上記係止板(25)と
   係止して面材ユニット(12)を固定すべき係止受け板(24)
   をそれぞれ設けたユニット支持枠と、開閉窓用ユニット
   支持枠を構成すべき枠材における対応する枠材に、揺動
   軸受部(10)のみを設けたユニット支持枠の２種類を、 それぞれ準備し、 上記それぞれのユニット支持枠で固定窓用ユニット支持
   枠及び開閉窓用ユニット支持枠を構成しつつ、上記面材
   ユニット(12)を、その揺動軸部(23)を揺動軸受部(10)に
   係合すると共に、固定窓用ユニット支持枠ではその係止
   板(25)を係止受け板(24)に係止して各ユニット支持枠に
   取付けるようにした、 固定窓及び開閉窓を有するカーテンウォール形成方法。