JPH0641700A - 磁性薄膜 - Google Patents

磁性薄膜

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JPH0641700A
JPH0641700A JP4332313A JP33231392A JPH0641700A JP H0641700 A JPH0641700 A JP H0641700A JP 4332313 A JP4332313 A JP 4332313A JP 33231392 A JP33231392 A JP 33231392A JP H0641700 A JPH0641700 A JP H0641700A
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JP
Japan
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magnetic
alloy
crystal grains
amorphous
crystalline grains
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JP4332313A
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English (en)
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Katsuto Yoshizawa
克仁 吉沢
Kiyotaka Yamauchi
清隆 山内
Shigeru Oguma
繁 小熊
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Hitachi Metals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気的損失が低く、高周波透磁率が高く、磁
歪による特性劣化の小さいFe基軟磁性合金薄膜を提供
する。 【構成】 体心立方格子構造を有するFeを主体とする
結晶粒が組織の少なくとも60%を占める金属組織を有
するFe基軟磁性合金からなる磁性薄膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気ヘッド、インダク
タンス素子あるいはその他磁性薄膜を必要とする部品等
に用いられる軟磁気特性に優れたFe基軟磁性合金から
なる磁性薄膜に関するものである。これら磁性薄膜は通
常、非磁性基盤等の表面に形成される。
【0002】
【従来の技術】従来からFe−Si−Al合金薄膜、パ
ーマロイ薄膜、Co基非晶質合金薄膜が、磁気ヘッド、
インダクタンス素子あるいはその他電子部品等に使用さ
れる磁性薄膜として用いられてきた。
【0003】しかし、Fe−Si−Al合金薄膜は飽和
磁束密度は大きいがノイズが発生しやすく、特に高周波
における透磁率が劣っている。また、パーマロイ薄膜
は、高周波透磁率特性はFe−Si−Al合金薄膜より
優れたものを得られるが耐衝撃性に劣っており、衝撃に
より高周波磁気特性が容易に劣化する欠点があった。
【0004】近年これらの欠点をある程度改善できる材
料として、Co基非晶質合金薄膜など非晶質合金薄膜が
注目を集め一部実用化されている。
【0005】非晶質合金薄膜は主としてFe系とCo系に大
別され、Fe系の非晶質合金薄膜は飽和磁束密度が高く、
材料コストがCo系に比べて安いという利点がある反面、
一般的に高周波においてCo系非晶質合金薄膜より磁気的
損失が大きく、透磁率も低いという問題がある。またFe
系非晶質合金薄膜は磁歪が著しく大きいため、ノイズを
生じたり取扱いによる衝撃等によって著しく特性が劣化
する欠点がある。
【0006】これに対してCo系非晶質合金薄膜は高周波
の磁気的損失が小さく、透磁率も高いが透磁率の経時変
化が大きく飽和磁束密度も十分ではない欠点がある。さ
らには高価なCoを主原料とするため価格的な不利は免れ
ない。
【0007】このような状況下でFe基非晶質合金自体に
ついては種々の提案がなされた。特公昭60-17019号に
は、74〜84原子%のFeと、8〜24原子%のBと、16原子%
以下のSi及び3原子%以下のCの内の少なくとも1つとか
らなる組成を有し、その構造の少なくとも85%が非晶質
金属素地の形を有し、かつ非晶質金属素地の全体にわた
って不連続に分布された結晶質粒子群の析出物を有して
おり、結晶粒粒子群は0.05〜1μmの平均粒度及び1〜10
μmの平均粒子間距離を有しており、粒子群は全体の0.0
1〜0.3の平均容積分率を占めている鉄基含硼素磁性非晶
質合金が開示されている。この合金の結晶質粒子群は磁
壁のピンニング点として作用する不連続な分布のα-(F
e,Si)粒子群であるとされている。
【0008】また特開昭60-52557号にはFeaCubBcSid
(ただし75≦a≦85,0<b≦1.5,10≦c≦20,d≦10かつc+d
≦30)からなる低損失非晶質磁性合金が開示されてい
る。この非晶質合金は結晶化温度以下でかつキュリー温
度以上で熱処理される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前記特公昭60-17019号
には非晶質金属素地にFe基結晶質粒子群の析出物を少量
含む軟磁性合金リボンで作成した磁心についての開示が
ある。しかし、非磁性基板上に形成する磁性薄膜につい
てはふれられていない。
【0010】一方、前記特開昭60-52557号にはFe基非晶
質合金ではCu含有の効果により磁心として使用した場合
にコア損失が低下することが記載される。しかし、非磁
性基板上に形成する磁性薄膜については殆どふれられて
いない。
【0011】本発明は磁気的損失が低く、高周波透磁率
が高く、磁歪による特性劣化の小さいFe基軟磁性合金
薄膜を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、体心立方格子
構造を有するFeを主体とする結晶粒が組織の少なくと
も60%を占める金属組織のFe基軟磁性合金からなる
磁性薄膜である。さらには、結晶粒の最大寸法で測定し
た粒径の平均が300オングストローム以下のものであ
るFe基軟磁性合金からなる磁性薄膜である。好ましく
は上記金属組織が加熱による非晶質状態からの改変によ
って形成したものである。鋭意研究の結果、本発明者は
以下のことを知見した。まず、合金そのものの改良につ
いて検討するために、Fe73.4Cu1Nb3.1Si13.4B9.1の組成
を有する溶湯から、単ロール法を用い非晶質化したリボ
ンを作製し、種々の熱処理条件下で微細結晶粒の割合の
異なる試料(No.1〜5)を作製した。この試料の結晶
粒の割合と実効透磁率(μe1KHz)との関係を求めた。
結果を図1に示す。また試料1〜5の透過電子顕微鏡写
真(30万倍)を図2〜図6に示す。なお、後述する線分
法により求めた微細結晶粒の割合および最大寸法で測定
した粒径の平均(オングストローム)は以下の通りであ
る。
【0013】 以上、図1から明かなように、微細結晶粒の割合が60
%以上になると、実効透磁率が著しく向上する。
【0014】以上の試料についてX線回折および透過電
子顕微鏡による分析を行った結果、微細な結晶粒はSi
等が固溶した体心立方格子構造のα−Feと判断され
た。つぎに磁性膜について検討するために、マグネトロ
ンスパッタ装置によりホトセラム基板上にFe71.5Cu1.1S
i15.5B7.0Nb5.1の組成を有する非晶質合金膜を作製し
た。結晶化温度より高い温度で熱処理を行い、超微細結
晶粒からなる本発明の合金膜を作製し、1MHzにおけ
る実効透磁率(μe1M)および飽和磁束密度Bsを測定
し、従来の磁性薄膜よりも優れた特性のものを得た。本
発明は以上の知見に基づくものであり、体心立方格子構
造を有するFeを主体とする結晶粒が組織の少なくとも
60%を占める金属組織を有するFe基軟磁性合金の磁
性薄膜である。好ましくは、結晶粒は最大寸法で測定し
た粒径の平均値として300オングストローム以下の値
を有する。
【0015】本発明は、極めて微細な結晶粒を磁性膜合
金組織中に多量に分散した点に特徴がある。すなわち、
従来非晶質合金中に多量に結晶粒を分散させると軟磁気
特性を劣化させると認識されていたが(例えば前記特公
昭60−17019号でも結晶粒の量は30体積パーセ
ント以下に規制されている)、本発明のように極めて微
細に抑制された結晶粒を多量に合金中に分散すると内部
応力−歪による磁気異方性が小さくなり軟磁気特性が向
上し、また、微細結晶粒の形成により磁歪も低減され
る。
【0016】本発明Fe基軟磁性合金として好ましい組
成は、一般式: (Fe1-aMa)100-x-y-z-α-β-γCuxSiyBzM'αM"βXγ(原
子%) (ただし、MはCo及び/又はNiであり、M'はNb,W,Ta,Zr,
Hf,Ti及びMoからなる群から選ばれた少なくとも1種の元
素、M"はV,Cr,Mn,Al,白金属元素,Sc,Y,希土類元素,Au,Z
n,Sn,Reからなる群から選ばれた少なくとも1種の元素、
XはC,Ge,P,Ga,Sb,In,As,Beからなる群から選ばれた少な
くとも1種の元素であり、a,x,y,z,α,β及びγはそれぞ
れ0≦a<0.5,0.1≦x≦3,0≦y≦30,0≦z≦25,0≦y+z≦3
5,0.1≦α≦30,0≦β≦10及び0≦γ≦10を満たす。)に
より表される。
【0017】上記合金において、Cuは0.1〜3原子%の範
囲で含有される。0.1原子%より少ないとCuの添加によ
る透磁率上昇の効果がほとんどなく、一方、3原子%よ
り多いと透磁率が未添加のものよりかえって劣化するこ
とがある。
【0018】Cuによる透磁率上昇作用の原因は明かでは
ないが次のように考えられる。CuとFeの相互作用パラメ
ータは正であり、固溶度が低く、分離する傾向があるた
め非晶質状態の合金を加熱するとFe原子同志またはCu原
子同志が寄り集まりクラスターを形成し組成ゆらぎが生
じる。このため部分的に結晶化しやすい領域が多数で
き、そこを核とした微細な結晶粒が生成される。この結
晶はFeを主成分とするものであり、FeとCuの固溶度はほ
とんどないため結晶化によりCuは微細結晶粒の周囲には
き出され、結晶粒周辺のCu濃度が高くなる。このため結
晶粒は成長しにくいと考えられる。
【0019】以上のようにCu添加により結晶核が多数で
きることと結晶粒が成長しにくいため結晶粒微細化が起
こると考えられるが、この作用はNb,Ta,W,Mo,Zr,Hf,Ti
等の存在により特に著しくなると考えられる。本発明の
磁性薄膜では、好ましくは、結晶粒は最大寸法で測定し
た粒径の平均値として300オングストローム以下の値
を有する。
【0020】Nb,Ta,W,Mo,Zr,Hf,Ti等が存在しない場合
は結晶粒はあまり微細化されない。Nb,Ta,Zr,Hf,Moは特
に効果が大きいが、これらの元素の中でNbを添加した場
合特に結晶粒が細くなりやすく、軟磁気特性も優れたも
のが得られる。
【0021】上記組成式のFe基軟磁性合金の内には、
例えば、組成式:FebalCu1Nb3B5Si1 7.5で表される合金
の様に、磁歪が負のもの、或いは磁歪が0又はほとんど
0のものも含まれている。
【0022】Cuを添加しない場合は結晶粒は微細化され
にくく、化合物相が形成しやすいため結晶化により磁気
特性は劣化しやすい。
【0023】V,Cr,Mn,Al,白金属元素,Sc,Y,希土類元素,
Au,Zn,Sn,Re等の元素は耐食性改善、磁気特性改善、磁
歪調整の効果を有するものである。その含有量はせいぜ
い10原子%以下である。含有量が10原子%を超えると著
しい飽和磁束密度の低下を招くためであり、特に好まし
い含有量は8原子%以下である。これらの中でRu,Rh,Pd,
Os,Ir,Pt,Au,Cr,Vから選ばれる少なくとも1種の元素を
添加した合金からなる場合は特に耐食性、耐摩耗性に優
れたFe基軟磁性合金となる。
【0024】C,Ge,P,Ga,Sb,In,Be,Asからなる群から選
ばれた少なくとも1種の元素は非晶質化に有効な元素で
あり、Si,Bと共に10原子%以下の範囲で添加することが
できる。この添加は磁歪やキュリー温度調整にも効果が
ある。
【0025】Si及びBは、結晶粒微細化に特に有用な元
素である。本発明に係るFe基軟磁性合金は、好ましく
は、一旦Si,Bの添加効果により非晶質合金とした後で熱
処理により微細結晶粒を形成させることにより得られ
る。Si及びBの含有量y及びzの限定理由は、yが30原子%
以下、zが25原子%以下、y+zが35原子%以下でないと、
合金の飽和磁束密度の著しい減少があるからである。
【0026】他の非晶質形成元素の添加量が少ない時
は、y+zが10〜35原子%の範囲であれば、前記合金の中
間段階での非晶質化が容易である。しかしながら、後述
のM'は非晶質形成元素としても作用するため、B,Siの含
有は必須ではない。
【0027】本発明において、M'はCuとの複合添加によ
り析出する結晶粒を微細化する作用を有するものであ
り、Nb,W,Ta,Zr,Hf,Ti及びMoからなる群から選ばれた少
なくとも1種の元素である。Nb等は合金の結晶化温度を
上昇させる作用を有するが、クラスターを形成し結晶化
温度を低下させる作用を有するCuとの相互作用により析
出する結晶粒が微細化するものと考えられる。M'の含有
量αは0.1〜30原子%であり、0.1原子%未満だと結晶粒
微細化の効果が不十分であり、一方30原子%を超えると
飽和磁束密度の著しい低下を招く。好ましいM'の含有量
αは2〜8原子%である。なおM'としてNbが磁気特性の面
で最も好ましい。またM'の添加によりCo基高透磁率材料
と同等の高い透磁率を有するようになる。
【0028】残部は不純物を除いて実質的にFeが主体で
あるが、Feの一部は成分M(Co及び/又はNi)により置
換することもできる。Mの含有量aは0≦a<0.5である。
【0029】M"の添加により、耐食性の改善、磁気特性
の改善、又は磁歪調整効果が得られる。M"が10原子%を
超えると飽和磁束密度低下が著しい。以上の合金のうち
特に0≦a≦0.3,0.5≦x≦2,10≦y≦25,3≦z≦12,18≦y+z
≦28,2≦α≦8の関係を有する場合特に高透磁率が得ら
れやすい。
【0030】本発明の磁性薄膜においてFe基軟磁性合金
は組織の少なくとも60%以上が体心立方格子構造を有
する微細な結晶粒からなる。この結晶粒は300オング
ストローム以下と著しく小さな平均粒径を有することを
特徴とし、合金組織中に均一に分布している。合金組織
のうち微細結晶粒以外の部分は主に非晶質である。なお
微細結晶粒の割合が実質的に100%になっても本発明の
Fe基軟磁性合金は十分に優れた磁気特性を示す。
【0031】なお、本発明における微細結晶粒の割合は
線分法により求めた値である。この線分法は一般的な方
法であり、組織写真中に引かれた任意の線分(長さL)
が横切る各結晶粒の長さ(L1,L2,L3,…Ln)の合計(L1+
L2+L3+…Ln)を求め、これをLで割ることにより、結晶
粒の割合を求めるものである。なお、結晶粒の割合が約
80%以上と多くなると、結晶粒がほぼ組織全体を占める
ように見えるが、この場合でも幾分非晶質相が存在する
ものと考えられる。というのは、結晶粒の外周部が顕微
鏡写真ではぼやけて見えるが、これは非晶質相の存在に
よるためのものであると考えられるからである。この前
提に立つと、ぼやけて見える外周部の割合から、大体の
非晶質相の割合がわかる。このように結晶粒の割合が多
い場合、割合を正確な数値で表すことはきわめて困難で
ある。
【0032】本発明において、N,O,S等の不可避的不純
物については所望の特性が劣化しない程度に含有してい
ても本発明のFe基軟磁性合金に用いられる合金組成と
同一とみなすことができるのはもちろんである。
【0033】次に本発明のFe基軟磁性合金磁性薄膜の
製造方法の一例について説明する。マグネトロンスパッ
タ装置によりホトセラム基板上に、Fe71.5Cu1.1Si15.5B
7.0Nb5.1の組成を有する厚さ3μmの非晶質合金膜を作
製した。次にこの膜をN2ガス雰囲気中で5000Oe
の回転磁界中において結晶化温度より高い温度で熱処理
を行い、超微細結晶粒からなる磁性合金膜を作製する。
【0034】熱処理は基板上に形成した非晶質合金磁性
薄膜を真空中または水素、窒素、Ar等の不活性ガス雰囲
気中、又は大気中において一定時間保持し行う。熱処理
温度及び時間は非晶質合金膜の形状、サイズ、組成等に
より異なるが、一般的に450℃〜700℃で5分から24時間
程度が望ましい。熱処理温度が450℃未満であると結晶
化が起こりにくく、熱処理に時間がかかりすぎる。また
700℃より高いと粗大な結晶粒が生成したり、不均一な
形態の結晶粒が生成するおそれがあり、微細な結晶粒を
均一に得ることができなくなる。また熱処理時間につい
ては、5分未満では合金全体を均一な温度とすることが
困難であり磁気特性がばらつきやすく、24時間より長い
と生産性が悪くなるだけでなく結晶粒の過剰な成長や不
均一な形態の結晶粒の生成により磁気特性の低下が起こ
りやすい。好ましい熱処理条件は、実用性及び均一な温
度コントロール等を考慮して、500〜650℃で5分〜6時間
である。
【0035】熱処理雰囲気はAr,窒素,水素等のガス雰囲
気が望ましいが、大気中等の酸化性雰囲気でも良い。冷
却は空冷や炉冷等により、適宜行うことができる。また
場合によっては多段の熱処理を行うこともできる。また
熱処理の際磁性薄膜に電流を流したり高周波磁界を印加
し合金を発熱させることによりを熱処理することもでき
る。
【0036】熱処理を直流あるいは交流等の磁場中で行
うこともできる。更には磁場中熱処理により合金に磁気
異方性を生じさせ特性向上をはかることができる。磁場
は熱処理の間中印加してもよいが全期間印加する必要は
なく、合金のキュリー温度Tcより低い温度のときで十分
な効果が得られる。
【0037】
【実施例】本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0038】マグネトロンスパッタ装置によりホトセラ
ム基板上に、Fe71.5Cu1.1Si15.5B7.0Nb5.1の組成を有す
る厚さ3μmの非晶質合金膜を作製した。次にこの膜を
N2ガス雰囲気中で5000Oeの回転磁界中において
結晶化温度より高い温度で熱処理を行い、超微細結晶粒
からなる合金膜を作製する。表1にこのようにして作製
した種々の磁性薄膜の1MHzにおける実効透磁率およ
び飽和磁束密度Bsを測定し、従来の磁性薄膜と比較し
た。本発明により従来より優れた特性の磁性薄膜を得
た。
【0039】
【表1】 No. 組 成(at%) Bs(KG) μe1K 1 Fe71.5Cu1.1Si15.5B7.0Nb5.1 10.7 2700 本 2 Fe71.7Cu0.9Si16.4B6.1Nb4.9 10.5 2700 3 Fe71.3Cu1.1Si17.5B5.2Nb4.9 10.3 2800 4 Fe74.8Cu1.0Si12.0B9.1Nb3.1 12.7 2400 発 5 Fe71.0Cu1.1Si16.0B9.0Nb2.9 11.4 2500 6 Fe69.8Cu1.0Si15.0B9.1Mo5.1 10.1 2400 7 Fe73.2Cu1.0Si13.5B9.1Nb3.2 11.4 2300 明 8 Fe71.5Cu1.0Si13.6B8.9W5.0 10.0 2200 9 Fe73.2Cu1.1Si17.5B5.1Nb3.1 11.9 2900 10 Fe70.4Cu1.1Si13.5B12.0Nb3.0 11.2 2200 例 11 Fe78.7Cu1.0Si8.2B9.1Nb3.0 14.5 1800 12 Fe76.9Cu0.9Si10.2B8.9Nb3.1 14.3 2000 従 1 Fe74.5Si17.5B5Nb3 アモルファス 12.8 50 来 2 Co87.0Nb5.0Zr8.0 アモルファス 12.0 2500 例 3 Fe74.7Si17.9Al7.4 合金 10.3 1500
【0040】
【発明の効果】本発明によれば各種磁気ヘッド、インダ
クタンス素子あるいはその他磁性薄膜を必要とする部品
等に用いられ、従来からのFe−Si−Al合金薄膜、
パーマロイ薄膜、Co基非晶質合金薄膜を用いた場合よ
りも飽和磁束密度が大きくノイズが少なく、特に高周波
における透磁率に優れた電気部品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】結晶粒割合と実効透磁率との関係を示す図であ
る。
【図2】結晶粒割合が0%の合金の透過電子顕微鏡金属
組織写真である。
【図3】結晶粒割合が12%の合金の透過電子顕微鏡金
属組織写真である。
【図4】結晶粒割合が47%の合金の透過電子顕微鏡金
属組織写真である。
【図5】結晶粒割合が約80%の合金の透過電子顕微鏡
金属組織写真である。
【図6】結晶粒割合が100%の合金の透過電子顕微鏡
金属組織写真である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 体心立方格子構造を有するFeを主体と
    する結晶粒が組織の少なくとも60%を占める金属組織
    を有するFe基軟磁性合金からなる磁性薄膜。
  2. 【請求項2】 請求項1において結晶粒が最大寸法で測
    定した粒径の平均が300オングストローム以下のもの
    である磁性薄膜。
  3. 【請求項3】 請求項1において金属組織が加熱による
    非晶質状態からの改変によって形成したものである磁性
    薄膜。
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