JPH0641691A - 自動車エギゾーストマニホールド用鋼 - Google Patents
自動車エギゾーストマニホールド用鋼Info
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- JPH0641691A JPH0641691A JP19731292A JP19731292A JPH0641691A JP H0641691 A JPH0641691 A JP H0641691A JP 19731292 A JP19731292 A JP 19731292A JP 19731292 A JP19731292 A JP 19731292A JP H0641691 A JPH0641691 A JP H0641691A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は自動車エギゾーストマニホールド用
鋼に係り、さらに詳しくは自動車の排気系に使用される
エギゾーストマニホールド用に特性が優れ、かつ低コス
トな鋼を提供する。 【構成】 Ｓｉ：０．０１％以上１．２％未満、Ｍｎ：
０．０２〜２．０％、Ｃｒ：５．５〜９．９％、Ｎｂ：
０．３〜１．５％、Ａｌ：１．０％超２．５％以下、を
含有し、Ｃを０．０３％以下、Ｐを０．０３％以下、Ｓ
を０．０２％以下、Ｎを０．０２％以下、に低減し、各
元素の組み合わせが特定の条件式を満足し、あるいはさ
らにＭｏ，Ｗ，Ｔｉ，Ｖ，Ｃｕ，希土類元素，Ｃａの１
種以上を含有し、残部Ｆｅおよび不可避不純物からなる
ことを特徴とする自動車エギゾーストマニホールド用
鋼。
鋼に係り、さらに詳しくは自動車の排気系に使用される
エギゾーストマニホールド用に特性が優れ、かつ低コス
トな鋼を提供する。 【構成】 Ｓｉ：０．０１％以上１．２％未満、Ｍｎ：
０．０２〜２．０％、Ｃｒ：５．５〜９．９％、Ｎｂ：
０．３〜１．５％、Ａｌ：１．０％超２．５％以下、を
含有し、Ｃを０．０３％以下、Ｐを０．０３％以下、Ｓ
を０．０２％以下、Ｎを０．０２％以下、に低減し、各
元素の組み合わせが特定の条件式を満足し、あるいはさ
らにＭｏ，Ｗ，Ｔｉ，Ｖ，Ｃｕ，希土類元素，Ｃａの１
種以上を含有し、残部Ｆｅおよび不可避不純物からなる
ことを特徴とする自動車エギゾーストマニホールド用
鋼。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は自動車エギゾーストマニ
ホールド用鋼に係り、さらに詳しくは、自動車のエンジ
ンに取り付けられるエギゾーストマニホールド用として
強度や加工性等の特性に優れ、かつ低コストの鋼に関す
る。
ホールド用鋼に係り、さらに詳しくは、自動車のエンジ
ンに取り付けられるエギゾーストマニホールド用として
強度や加工性等の特性に優れ、かつ低コストの鋼に関す
る。
【０００２】
【従来の技術】近年、自動車のエギゾーストマニホール
ド（以下エキマニと称する）には、従来の鋳鉄製エキマ
ニに代えて、ステンレス鋼板製のエキマニが使用される
例が増加している。これはステンレス鋼板製エキマニの
方が肉厚を薄くすることが可能であり、自動車の軽量化
に大きく役立つためである。ＪＩＳのＳＵＳ３１０鋼等
のオーステナイト系ステンレス鋼は優れた耐熱性および
加工性を有しているので、一般の耐熱用途に広く使用さ
れている。しかし、この種の鋼は一般に高価である上
に、熱膨張係数が大きく、エキマニとして使用した場合
に熱疲労特性に劣るという難点を有している。
ド（以下エキマニと称する）には、従来の鋳鉄製エキマ
ニに代えて、ステンレス鋼板製のエキマニが使用される
例が増加している。これはステンレス鋼板製エキマニの
方が肉厚を薄くすることが可能であり、自動車の軽量化
に大きく役立つためである。ＪＩＳのＳＵＳ３１０鋼等
のオーステナイト系ステンレス鋼は優れた耐熱性および
加工性を有しているので、一般の耐熱用途に広く使用さ
れている。しかし、この種の鋼は一般に高価である上
に、熱膨張係数が大きく、エキマニとして使用した場合
に熱疲労特性に劣るという難点を有している。
【０００３】一方、フェライト系ステンレス鋼は、一般
にオーステナイトステンレス鋼よりも熱膨張係数が小さ
いので熱疲労特性に優れることから、エキマニのように
加熱・冷却の温度サイクルを受ける用途には適している
と言える。このため、例えば特開昭６４−８２５４号や
特開平２−１７５８４３号ではＣｒを多量に含有し、高
温強度を改善したフェライト系ステンレス鋼が提案され
ている。
にオーステナイトステンレス鋼よりも熱膨張係数が小さ
いので熱疲労特性に優れることから、エキマニのように
加熱・冷却の温度サイクルを受ける用途には適している
と言える。このため、例えば特開昭６４−８２５４号や
特開平２−１７５８４３号ではＣｒを多量に含有し、高
温強度を改善したフェライト系ステンレス鋼が提案され
ている。
【０００４】しかし、これらのフェライト系ステンレス
鋼は非常に高価であり、エキマニに使用した場合には鋳
物製エキマニに比べてコストが著しく高いという難点が
ある。かつ、Ｃｒを多量に含有しているために加工性が
よいとは言えず、エキマニのような複雑な形状を形成す
るためには、製造に非常な困難を伴い、エキマニを製造
するためには製造工程が著しく複雑になり加工コストも
高くなるという難点がある。
鋼は非常に高価であり、エキマニに使用した場合には鋳
物製エキマニに比べてコストが著しく高いという難点が
ある。かつ、Ｃｒを多量に含有しているために加工性が
よいとは言えず、エキマニのような複雑な形状を形成す
るためには、製造に非常な困難を伴い、エキマニを製造
するためには製造工程が著しく複雑になり加工コストも
高くなるという難点がある。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこうした現状
に鑑みて、自動車のエンジンに取り付けられるエギゾー
ストマニホールド用として強度や加工性等の特性に優
れ、かつ低コストの鋼を提供することを目的としてい
る。
に鑑みて、自動車のエンジンに取り付けられるエギゾー
ストマニホールド用として強度や加工性等の特性に優
れ、かつ低コストの鋼を提供することを目的としてい
る。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の目的
を達成すべく種々検討した結果、Ｃｒを従来のエキマニ
用ステンレス鋼とは逆に５．５％以上９．９％以下と比
較的少なくした鋼に、ＡｌおよびＮｂを複合添加するこ
とによって高温強度および高温での耐酸化性を大きく改
善できること、合金元素量の範囲を特定の条件を満足す
るように厳密に制御すると一段と高温強度が改善される
こと、を見出した。さらに本発明者らは、かかる鋼にＭ
ｏあるいはＷやＴｉ，Ｖ，Ｃｕを添加すると高温強度が
一段と向上し、一方、希土類元素あるいはＣａを添加す
ると、高温での耐酸化性も良くなることを見出した。
を達成すべく種々検討した結果、Ｃｒを従来のエキマニ
用ステンレス鋼とは逆に５．５％以上９．９％以下と比
較的少なくした鋼に、ＡｌおよびＮｂを複合添加するこ
とによって高温強度および高温での耐酸化性を大きく改
善できること、合金元素量の範囲を特定の条件を満足す
るように厳密に制御すると一段と高温強度が改善される
こと、を見出した。さらに本発明者らは、かかる鋼にＭ
ｏあるいはＷやＴｉ，Ｖ，Ｃｕを添加すると高温強度が
一段と向上し、一方、希土類元素あるいはＣａを添加す
ると、高温での耐酸化性も良くなることを見出した。
【０００７】本発明は主に上記の知見に基づいてなされ
たものであり、本発明の第１発明が要旨とするところ
は、重量％で、Ｓｉ：０．０１％以上１．２％未満、Ｍ
ｎ：０．０２〜２．０％、Ｃｒ：５．５〜９．９％、
Ｎｂ：０．３〜１．５％、Ａｌ：１．０％超
２．５％以下、を含有し、さらにＣを０．０３％以下、
Ｐを０．０３％以下、Ｓを０．０２％以下、Ｎを０．０
２％以下、に低減し、残部Ｆｅおよび不可避不純物から
なり、以下の式で与えられるＭ値（〔％Ｘ〕は重量％で
表わした元素Ｘの含有量）が１３．０以上であることを
特徴とする自動車エギゾーストマニホールド用鋼にあ
る。 Ｍ値＝〔％Ｃｒ〕＋３〔％Ｓｉ〕＋４〔％Ｍｏ〕＋１０
〔％Ａｌ〕＋１．５〔％Ｗ〕＋５〔％Ｎｂ〕＋１０〔％
Ｔｉ〕＋１０〔％Ｖ〕−４０〔％Ｃ〕−３０〔％Ｎ〕−
２〔％Ｍｎ〕−４〔％Ｎｉ〕−〔％Ｃｕ〕
たものであり、本発明の第１発明が要旨とするところ
は、重量％で、Ｓｉ：０．０１％以上１．２％未満、Ｍ
ｎ：０．０２〜２．０％、Ｃｒ：５．５〜９．９％、
Ｎｂ：０．３〜１．５％、Ａｌ：１．０％超
２．５％以下、を含有し、さらにＣを０．０３％以下、
Ｐを０．０３％以下、Ｓを０．０２％以下、Ｎを０．０
２％以下、に低減し、残部Ｆｅおよび不可避不純物から
なり、以下の式で与えられるＭ値（〔％Ｘ〕は重量％で
表わした元素Ｘの含有量）が１３．０以上であることを
特徴とする自動車エギゾーストマニホールド用鋼にあ
る。 Ｍ値＝〔％Ｃｒ〕＋３〔％Ｓｉ〕＋４〔％Ｍｏ〕＋１０
〔％Ａｌ〕＋１．５〔％Ｗ〕＋５〔％Ｎｂ〕＋１０〔％
Ｔｉ〕＋１０〔％Ｖ〕−４０〔％Ｃ〕−３０〔％Ｎ〕−
２〔％Ｍｎ〕−４〔％Ｎｉ〕−〔％Ｃｕ〕
【０００８】第２発明が要旨とするところは第１発明の
鋼に付加成分としてさらに、重量％で、 Ｍｏ：０．０５％以上０．５％未満、 Ｗ ：０．０５％以上０．６％未満、 の１種または２種を含有する鋼にあり、第３発明が要旨
とするところは第１発明あるいは第２発明の鋼に付加成
分としてさらに、重量％で、 Ｔｉ：０．０１〜１．０％、 Ｖ ：０．０１〜１．５％、 Ｃｕ：０．０１〜２．０％ の１種または２種以上を含有する鋼にあり、第４発明が
要旨とするところは第１発明，第２発明あるいは第３発
明の鋼に付加成分としてさらに、重量％で、希土類元
素：０．００１〜０．１％、Ｃａ：０．００１〜０．０
３％の１種または２種を含有する鋼にある。
鋼に付加成分としてさらに、重量％で、 Ｍｏ：０．０５％以上０．５％未満、 Ｗ ：０．０５％以上０．６％未満、 の１種または２種を含有する鋼にあり、第３発明が要旨
とするところは第１発明あるいは第２発明の鋼に付加成
分としてさらに、重量％で、 Ｔｉ：０．０１〜１．０％、 Ｖ ：０．０１〜１．５％、 Ｃｕ：０．０１〜２．０％ の１種または２種以上を含有する鋼にあり、第４発明が
要旨とするところは第１発明，第２発明あるいは第３発
明の鋼に付加成分としてさらに、重量％で、希土類元
素：０．００１〜０．１％、Ｃａ：０．００１〜０．０
３％の１種または２種を含有する鋼にある。
【０００９】
【作用】以下に、本発明において各成分の範囲を限定し
た理由を述べる。 Ｓｉ：ＳｉはＣｒを５．５％以上含有しＮｂを０．３％
以上含有する鋼に脱酸剤および強化元素としての添加が
有効であるが、含有量が０．０１％未満ではその脱酸効
果が充分ではなく、１．２％以上を含有するともはやそ
の効果は飽和している上に加工性を低下させるので、含
有量範囲を０．０１％以上１．２％未満に限定する。
た理由を述べる。 Ｓｉ：ＳｉはＣｒを５．５％以上含有しＮｂを０．３％
以上含有する鋼に脱酸剤および強化元素としての添加が
有効であるが、含有量が０．０１％未満ではその脱酸効
果が充分ではなく、１．２％以上を含有するともはやそ
の効果は飽和している上に加工性を低下させるので、含
有量範囲を０．０１％以上１．２％未満に限定する。
【００１０】Ｍｎ：Ｍｎは鋼の脱酸剤として必要で０．
０２％以上を含有させる必要があるが、２．０％を超え
て含有させてもその効果はもはや飽和しているばかり
か、過剰にＭｎを含有させるとフェライト単相組織を確
保することが難しくなるので上限含有量は２．０％とす
る。
０２％以上を含有させる必要があるが、２．０％を超え
て含有させてもその効果はもはや飽和しているばかり
か、過剰にＭｎを含有させるとフェライト単相組織を確
保することが難しくなるので上限含有量は２．０％とす
る。
【００１１】Ｃｒ：Ｃｒはエキマニとして必要な耐食
性、耐酸化性を確保するために５．５％以上を含有させ
ることが必要であるが、９．９％を超えて含有させても
いたずらにコストを増すばかりか、加工性が低下するの
で上限含有量は９．９％とする。
性、耐酸化性を確保するために５．５％以上を含有させ
ることが必要であるが、９．９％を超えて含有させても
いたずらにコストを増すばかりか、加工性が低下するの
で上限含有量は９．９％とする。
【００１２】Ｎｂ：ＮｂはＣｒを５．５％以上含有する
鋼に添加してエキマニとして必要な高温強度を確保する
ために０．３％以上を含有させなければならないが、
１．５％を超えて添加してもその効果はもはや飽和する
のに対して、いたずらにコストを増加させる上に加工性
を低下させるので、上限含有量は１．５％とする。
鋼に添加してエキマニとして必要な高温強度を確保する
ために０．３％以上を含有させなければならないが、
１．５％を超えて添加してもその効果はもはや飽和する
のに対して、いたずらにコストを増加させる上に加工性
を低下させるので、上限含有量は１．５％とする。
【００１３】Ａｌ：Ａｌは鋼の脱酸剤として必要である
し、エキマニとして重要な特性である耐酸化性を確保す
るために１．０％を超えて添加することが必要である
が、２．５％を超えて添加してもその効果は飽和するば
かりか加工性を低下させるので、含有量は１．０％超
２．５％以下に限定する。
し、エキマニとして重要な特性である耐酸化性を確保す
るために１．０％を超えて添加することが必要である
が、２．５％を超えて添加してもその効果は飽和するば
かりか加工性を低下させるので、含有量は１．０％超
２．５％以下に限定する。
【００１４】Ｃ，Ｎ：ＣおよびＮは鋼板の加工性を低下
させる上に、Ｎｂと化合物を生成してＮｂを析出させて
高温強度を低下させるので、上限含有量はＣが０．０３
％、Ｎが０．０２％とし、いずれも少ないほど好まし
い。
させる上に、Ｎｂと化合物を生成してＮｂを析出させて
高温強度を低下させるので、上限含有量はＣが０．０３
％、Ｎが０．０２％とし、いずれも少ないほど好まし
い。
【００１５】Ｐ：Ｐは多量に存在すると靭性を低下させ
るので少ない方が望ましく、上限含有量は０．０３％と
する。 Ｓ：Ｓも多量に存在すると熱間加工性および延性を低下
させるので少ない方が望ましく、上限含有量は０．０２
％とする。
るので少ない方が望ましく、上限含有量は０．０３％と
する。 Ｓ：Ｓも多量に存在すると熱間加工性および延性を低下
させるので少ない方が望ましく、上限含有量は０．０２
％とする。
【００１６】さらに本発明では各元素の含有量の組み合
わせとして下記の式で定義されるＭ値が１３．０以上で
あることが必要である。ここで、〔％Ｘ〕は重量％で表
わした元素Ｘの含有量を示している。 Ｍ値＝〔％Ｃｒ〕＋３〔％Ｓｉ〕＋４〔％Ｍｏ〕＋１０
〔％Ａｌ〕＋１．５〔％Ｗ〕＋５〔％Ｎｂ〕＋１０〔％
Ｔｉ〕＋１０〔％Ｖ〕−４０〔％Ｃ〕−３０〔％Ｎ〕−
２〔％Ｍｎ〕−４〔％Ｎｉ〕−〔％Ｃｕ〕
わせとして下記の式で定義されるＭ値が１３．０以上で
あることが必要である。ここで、〔％Ｘ〕は重量％で表
わした元素Ｘの含有量を示している。 Ｍ値＝〔％Ｃｒ〕＋３〔％Ｓｉ〕＋４〔％Ｍｏ〕＋１０
〔％Ａｌ〕＋１．５〔％Ｗ〕＋５〔％Ｎｂ〕＋１０〔％
Ｔｉ〕＋１０〔％Ｖ〕−４０〔％Ｃ〕−３０〔％Ｎ〕−
２〔％Ｍｎ〕−４〔％Ｎｉ〕−〔％Ｃｕ〕
【００１７】これは、本発明者らがエキマニとしての特
性を得るための最適成分組成および組み合わせについて
詳細に検討した結果に基づく知見であって、Ｍ値が１
３．０未満では熱処理条件等を如何に制御しても組織を
フェライト単相とすることが困難で、エキマニとして重
要な特性である熱疲労特性が低下するからであり、信頼
性の高いエキマニを製造するためにはＭ値を１３．０以
上とすることが重要である。
性を得るための最適成分組成および組み合わせについて
詳細に検討した結果に基づく知見であって、Ｍ値が１
３．０未満では熱処理条件等を如何に制御しても組織を
フェライト単相とすることが困難で、エキマニとして重
要な特性である熱疲労特性が低下するからであり、信頼
性の高いエキマニを製造するためにはＭ値を１３．０以
上とすることが重要である。
【００１８】以上が本発明が対象とする自動車エギゾー
ストマニホールド用鋼の基本的成分であるが、本発明に
おいては必要に応じてさらに以下の元素を添加して特性
を一段と向上させた鋼も対象としている。 Ｍｏ：ＭｏはＣｒを５．５％以上含有しＮｂを０．３％
以上含有する鋼に添加すると、エキマニとして必要な高
温強度を一段と高めるのに効果がある。添加量が０．０
５％未満ではその効果が充分発揮されないので、Ｍｏの
添加効果を充分に得るためには０．０５％以上添加する
必要があるが、０．５％以上添加してもその効果はもは
や飽和するのに対して、いたずらにコストを増加させる
だけであるから、含有量は０．０５％以上０．５％未満
とする。
ストマニホールド用鋼の基本的成分であるが、本発明に
おいては必要に応じてさらに以下の元素を添加して特性
を一段と向上させた鋼も対象としている。 Ｍｏ：ＭｏはＣｒを５．５％以上含有しＮｂを０．３％
以上含有する鋼に添加すると、エキマニとして必要な高
温強度を一段と高めるのに効果がある。添加量が０．０
５％未満ではその効果が充分発揮されないので、Ｍｏの
添加効果を充分に得るためには０．０５％以上添加する
必要があるが、０．５％以上添加してもその効果はもは
や飽和するのに対して、いたずらにコストを増加させる
だけであるから、含有量は０．０５％以上０．５％未満
とする。
【００１９】Ｗ：ＷもＣｒを５．５％以上含有しＮｂを
０．３％以上含有する鋼に添加すると、エキマニとして
必要な高温強度を一段と高めるのに効果がある。添加量
が０．０５％未満ではその効果が充分発揮されないので
Ｗの添加効果を充分に得るためには０．０５％以上添加
する必要があるが、０．６％以上を添加してもその効果
はもはや飽和するのに対して、いたずらにコストを増加
させるだけであるから、含有量は０．０５％以上０．６
％未満とする。
０．３％以上含有する鋼に添加すると、エキマニとして
必要な高温強度を一段と高めるのに効果がある。添加量
が０．０５％未満ではその効果が充分発揮されないので
Ｗの添加効果を充分に得るためには０．０５％以上添加
する必要があるが、０．６％以上を添加してもその効果
はもはや飽和するのに対して、いたずらにコストを増加
させるだけであるから、含有量は０．０５％以上０．６
％未満とする。
【００２０】Ｔｉ，Ｖ，Ｃｕ：Ｔｉ，Ｖ，ＣｕもＣｒを
５．５％以上含有しＮｂを０．３％以上含有する鋼に添
加すると、エキマニとして必要な高温強度を一段と高め
るのに効果がある。いずれの元素においても添加量が
０．０１％未満ではその効果が充分発揮されないので、
これらの元素の添加効果を充分に発揮させるためには
０．０１％以上添加する必要があるが、Ｔｉでは１．０
％、Ｖでは１．５％、Ｃｕでは２．０％を超えて添加し
てもその効果はもはや飽和するのに対して、いたずらに
コストを増加させるだけであるから、含有量はＴｉは
０．０１〜１．０％、Ｖは０．０１〜１．５％、Ｃｕは
０．０１〜２．０％とする。
５．５％以上含有しＮｂを０．３％以上含有する鋼に添
加すると、エキマニとして必要な高温強度を一段と高め
るのに効果がある。いずれの元素においても添加量が
０．０１％未満ではその効果が充分発揮されないので、
これらの元素の添加効果を充分に発揮させるためには
０．０１％以上添加する必要があるが、Ｔｉでは１．０
％、Ｖでは１．５％、Ｃｕでは２．０％を超えて添加し
てもその効果はもはや飽和するのに対して、いたずらに
コストを増加させるだけであるから、含有量はＴｉは
０．０１〜１．０％、Ｖは０．０１〜１．５％、Ｃｕは
０．０１〜２．０％とする。
【００２１】希土類元素（ＲＥＭ），Ｃａ：希土類元素
およびＣａは熱間加工性の向上、高温での耐酸化性の改
善に効果のある元素であるが、いずれも添加量が０．０
０１％未満ではその効果が充分ではなく、希土類元素で
は０．１％を超えて、Ｃａでは０．０３％を超えて、添
加するとそれぞれ粗大な非金属介在物を生成して逆に熱
間加工性や耐酸化性を劣化させるので、上限含有量は希
土類元素では０．１％、Ｃａでは０．０３％とした。な
お、本発明において希土類元素とは原子番号が５７〜７
１番および８９〜１０３番の元素およびＹを指す。
およびＣａは熱間加工性の向上、高温での耐酸化性の改
善に効果のある元素であるが、いずれも添加量が０．０
０１％未満ではその効果が充分ではなく、希土類元素で
は０．１％を超えて、Ｃａでは０．０３％を超えて、添
加するとそれぞれ粗大な非金属介在物を生成して逆に熱
間加工性や耐酸化性を劣化させるので、上限含有量は希
土類元素では０．１％、Ｃａでは０．０３％とした。な
お、本発明において希土類元素とは原子番号が５７〜７
１番および８９〜１０３番の元素およびＹを指す。
【００２２】本発明の鋼においては上記の成分の他にス
クラップ等からの混入不純物として、あるいは靭性や加
工性等を調整する目的でＮｉ，Ｔａ，Ｚｒ，Ｂ等を含有
することができるが、特にＮｉを含有する場合にも特許
請求の範囲で規定したＭ値が１３．０以上であることが
必要であるのは言うまでもない。
クラップ等からの混入不純物として、あるいは靭性や加
工性等を調整する目的でＮｉ，Ｔａ，Ｚｒ，Ｂ等を含有
することができるが、特にＮｉを含有する場合にも特許
請求の範囲で規定したＭ値が１３．０以上であることが
必要であるのは言うまでもない。
【００２３】本発明において提案する鋼は、エキマニと
して使用するに際して鋼板として製造した後に、鋼板を
プレス成形し、さらに加工・溶接してエキマニとして製
造しても良いし、鋼板を例えば電縫鋼管等としてまず鋼
管の形状にした後に２次加工および溶接等によってエキ
マニに加工しても良く、その他のプロセスも含めて本発
明で限定する組成および元素の組み合わせを有する鋼
は、いずれも本発明の対象とするところであって、コス
トや既存製造設備の制約等によって最適なエキマニ製造
工程を選択することができ、どのエキマニ製造工程を選
択したとしてもそれをもって本発明の範囲を逸脱するも
のではない。
して使用するに際して鋼板として製造した後に、鋼板を
プレス成形し、さらに加工・溶接してエキマニとして製
造しても良いし、鋼板を例えば電縫鋼管等としてまず鋼
管の形状にした後に２次加工および溶接等によってエキ
マニに加工しても良く、その他のプロセスも含めて本発
明で限定する組成および元素の組み合わせを有する鋼
は、いずれも本発明の対象とするところであって、コス
トや既存製造設備の制約等によって最適なエキマニ製造
工程を選択することができ、どのエキマニ製造工程を選
択したとしてもそれをもって本発明の範囲を逸脱するも
のではない。
【００２４】
【実施例】以下に本発明の実施例について説明する。表
１に成分を示す鋼を溶製し、通常の熱間圧延工程によっ
て肉厚２mmの鋼板とし、９５０℃にて焼鈍を施した。次
にこれらの鋼板から試験片を採取して高温（８００℃）
における引張試験と高温酸化試験を実施した。また、最
高加熱温度を８００℃とする熱疲労試験も実施した。試
験結果を表１にあわせて示す。ここで表１の高温引張試
験結果において、○は８００℃における０．２％耐力が
エキマニとして必要な強度である２０Ｎ／mm2 以上であ
ったことを示し、×は２０Ｎ／mm2 未満であったことを
示す。また、高温酸化試験結果において、○は８００℃
における酸化増量が０．０１ｇ／ｍ2／hr以下であった
ことを示し、×は酸化増量が０．０１ｇ／ｍ2 ／hrより
大きかったことを示している。さらに、熱疲労試験結果
において、○は破断に至るまでの繰り返し数が５００回
以上であったことを示し、×は繰り返し数が５００回未
満であったことを示している。
１に成分を示す鋼を溶製し、通常の熱間圧延工程によっ
て肉厚２mmの鋼板とし、９５０℃にて焼鈍を施した。次
にこれらの鋼板から試験片を採取して高温（８００℃）
における引張試験と高温酸化試験を実施した。また、最
高加熱温度を８００℃とする熱疲労試験も実施した。試
験結果を表１にあわせて示す。ここで表１の高温引張試
験結果において、○は８００℃における０．２％耐力が
エキマニとして必要な強度である２０Ｎ／mm2 以上であ
ったことを示し、×は２０Ｎ／mm2 未満であったことを
示す。また、高温酸化試験結果において、○は８００℃
における酸化増量が０．０１ｇ／ｍ2／hr以下であった
ことを示し、×は酸化増量が０．０１ｇ／ｍ2 ／hrより
大きかったことを示している。さらに、熱疲労試験結果
において、○は破断に至るまでの繰り返し数が５００回
以上であったことを示し、×は繰り返し数が５００回未
満であったことを示している。
【００２５】表１から明らかなように、本発明鋼である
No．１〜１２は高温強度、耐酸化性および耐熱疲労特性
に優れているのに対して、比較例であるNo．１３〜１５
は高温強度、高温での耐酸化性あるいは耐熱疲労特性に
劣ることがわかる。
No．１〜１２は高温強度、耐酸化性および耐熱疲労特性
に優れているのに対して、比較例であるNo．１３〜１５
は高温強度、高温での耐酸化性あるいは耐熱疲労特性に
劣ることがわかる。
【００２６】
【表１】
【００２７】
【発明の効果】以上述べたように、本発明は自動車エギ
ゾーストマニホールド用鋼として高温強度および高温で
の耐酸化性に優れる鋼を低コストで提供することを可能
としたものであり、産業の発展に貢献するところ極めて
大である。
ゾーストマニホールド用鋼として高温強度および高温で
の耐酸化性に優れる鋼を低コストで提供することを可能
としたものであり、産業の発展に貢献するところ極めて
大である。
Claims (4)
- 【請求項１】 重量％で、 Ｓｉ：０．０１％以上１．２％未満、 Ｍｎ：０．０２〜２．０％、 Ｃｒ：５．５〜９．９％、 Ｎｂ：０．３〜１．５％、 Ａｌ：１．０％超２．５％以下、 を含有し、 Ｃを０．０３％以下、 Ｐを０．０３％以下、 Ｓを０．０２％以下、 Ｎを０．０２％以下、 に低減し、残部Ｆｅおよび不可避不純物からなり、以下
の式で与えられるＭ値（〔％Ｘ〕は重量％で表わした元
素Ｘの含有量）が１３．０以上であることを特徴とする
自動車エギゾーストマニホールド用鋼。 Ｍ値＝〔％Ｃｒ〕＋３〔％Ｓｉ〕＋４〔％Ｍｏ〕＋１０
〔％Ａｌ〕＋１．５〔％Ｗ〕＋５〔％Ｎｂ〕＋１０〔％
Ｔｉ〕＋１０〔％Ｖ〕−４０〔％Ｃ〕−３０〔％Ｎ〕−
２〔％Ｍｎ〕−４〔％Ｎｉ〕−〔％Ｃｕ〕 - 【請求項２】 請求項１記載の鋼に、付加成分としてさ
らに、重量％で、 Ｍｏ：０．０５％以上０．５％未満、 Ｗ ：０．０５％以上０．６％未満、 の１種または２種を含有することを特徴とする自動車エ
ギゾーストマニホールド用鋼。 - 【請求項３】 請求項１または２記載の鋼に、付加成分
としてさらに、重量％で、 Ｔｉ：０．０１〜１．０％、 Ｖ ：０．０１〜１．５％、 Ｃｕ：０．０１〜２．０％、 の１種または２種を含有することを特徴とする自動車エ
ギゾーストマニホールド用鋼。 - 【請求項４】 請求項１，２または３記載のそれぞれの
鋼に、付加成分としてさらに、重量％で、 希土類元素：０．００１〜０．１％、 Ｃａ：０．００１〜０．０３％、 の１種または２種を含有することを特徴とする自動車エ
ギゾーストマニホールド用鋼。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP19731292A JPH0641691A (ja) | 1992-07-23 | 1992-07-23 | 自動車エギゾーストマニホールド用鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP19731292A JPH0641691A (ja) | 1992-07-23 | 1992-07-23 | 自動車エギゾーストマニホールド用鋼 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0641691A true JPH0641691A (ja) | 1994-02-15 |
Family
ID=16372366
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP19731292A Withdrawn JPH0641691A (ja) | 1992-07-23 | 1992-07-23 | 自動車エギゾーストマニホールド用鋼 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0641691A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP0674015A1 (en) * | 1992-12-11 | 1995-09-27 | Nippon Steel Corporation | Steel of high corrosion resistance and high processability |
-
1992
- 1992-07-23 JP JP19731292A patent/JPH0641691A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP0674015A1 (en) * | 1992-12-11 | 1995-09-27 | Nippon Steel Corporation | Steel of high corrosion resistance and high processability |
| EP0674015A4 (ja) * | 1992-12-11 | 1995-10-11 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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