JPH0641544B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JPH0641544B2
JPH0641544B2 JP13767685A JP13767685A JPH0641544B2 JP H0641544 B2 JPH0641544 B2 JP H0641544B2 JP 13767685 A JP13767685 A JP 13767685A JP 13767685 A JP13767685 A JP 13767685A JP H0641544 B2 JPH0641544 B2 JP H0641544B2
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film
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幹夫 中川
幸一郎 佐藤
国昭 兼元
明人 西村
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、金属あるいは熱可塑性樹脂との接着性に優れ
た熱可塑性樹脂組成物に関する。更に詳しくは、ラミネ
ートシースケーブルにおけるシース樹脂と金属との接着
剤として好適な熱可塑性樹脂組成物に関する。
〔従来の技術〕
ケーブルの遮蔽材料として要求される諸特性は高度化
し、単一素材ではカバーしきれない面が出てきた。この
ためケーブルコアの外側に金属テープによる遮蔽層を設
けその外側に樹脂シースを設けたラミネートシースケー
ブルが開発された。このラミネートケーブルは機械特
性、防食性、防湿性等の諸性質に優れているので、近来
広く使用されてきた。このラミネートケーブルにおい
て、遮蔽層に使用される金属テープとしてはアルミニウ
ム、銅等で作られたものが、またシース樹脂としては低
密度ポリエチレンが主として用いられているが、両者の
接着が困難であるため、その中間に融着用樹脂を配して
両者の接着を行っている。
融着用樹脂としては、従来からエチレン−酢酸ビニル共
重合体(以下、EVAとする)、スチレン系重合体(以
下、PSとする)および無水マレイン酸グラフト変性ポ
リエチレンの3成分からなる混合物が使用され、金属−
樹脂シース層間の良好な接着性が得られていた。
ラミネート金属テープの製造にあたっては、一般に金属
との押出しラミネート法又は金属層及び樹脂層の各フィ
ルム層を貼合わせる方法などが採られているが、その際
ラミネートする融着用樹脂層にスジが発生することがあ
った。
このスジは樹脂層の局部的厚みの変化により発生し、商
品の外観を損なうばかりでなく、薄い部分では亀裂を生
じ製品の機能までも低下させる。スジの発生はEVAと
PSの各成分が高度の混練能力を有する押出機を用いて
充分に混合された場合には減少する傾向にあるが、なお
完全に防止することができない現状にある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明者らは、スジの発生を機械的混合ではなく、樹脂
組成の改良により防止するため、スジ発生のメカニズム
の究明を試み、その結果、PSとEVAの相溶性が悪い
ため、PS分散粒子が大きくかつマトリックスEVAと
ドメインPSの界面接着が不充分であることに着眼し、
両者の相溶化剤として、いわゆる熱可塑性エラストマー
を使用する方法で、スジの発生を防止できることを見出
して本発明を完成するに至った。
〔問題解決の手段〕
本発明は、樹脂シース層と金属層との接着性を低下させ
ることなく、スジの発生がない熱可塑性樹脂組成物を提
供することを目的とし、その構成は、 (a)成分:酢酸ビニル含有量が5〜30重量%のエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体 97〜45重量部、 (b)成分:スチレン系重合体 30〜1重量部、 (c)成分:不飽和カルボン酸またはその誘導体グラフト
変性ポリエチレン 15〜1重量部、 (d)成分:モノビニル芳香族炭化水素・オレフィンブロ
ック共重合体 30〜1重量部 とからなる熱可塑性樹脂組成物である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いる(a)成分、EVAは公知のものが使用さ
れるが、通常メルトフローレート〔MFR(E):ASTM
D 1238,E〕が0.1〜50g/10min、好ましくは1〜30g
/10min、通常酢酸ビニル含有量が5〜30重量%、好ま
しくは8〜11重量%である。MFR(E)が上記範囲外
のものは、溶融粘度が高過ぎるか低過ぎていずれにして
も押出成形性に劣る傾向にある。5重量%以下或いは30
重量%以上の場合は接着機能が低下する。本発明の熱可
塑性樹脂組成物における(a)成分、EVAの含有量は97
〜45重量%、好ましくは80〜50重量%である。
(b)成分、スチレン系重合体は、スチレン単独重合体の
他、クロルスチレン、ジクロルスチレン、メチルスチレ
ン、ジメチルスチレン、α−メチルスチレン等、スチレ
ンおよびスチレンの核置換体または不飽和結合のα位置
換体を主構成成分とする重合体または共重合体で通常メ
ルトフローレート〔MFR(G):ASTM D 1238,G〕が
0.1〜50g/10min、好ましくは1〜40g/10minのもの
が用いられる。MFR(G)が上記範囲外のものは押出
成形性に劣る傾向がある。
本発明の熱可塑性樹脂組成物における(b)成分、スチレ
ン系重合体の含有量は30〜1重量%、好ましくは5〜20
重量%である。
(c)成分、不飽和カルボン酸またはその誘導体グラフト
変性ポリエチレンは、ポリエチレンに不飽和カルボン酸
またはその誘導体から選ばれるモノマーをグラフト反応
することによって得られ、不飽和カルボン酸またはその
誘導体のグラフト変性量が通常0.01〜10重量%、好まし
くは0.1〜5重量%のものである。ここでポリエチレン
は、エチレンの単独重合体もしくはエチレンと少量の他
のα−オレフィンとの共重合体であって、低密度、中密
度および高密度のものを含む。
ポリエチレンと不飽和カルボン酸またはその誘導体の反
応は、溶媒の存在下または不存在下、ラジカル開始剤を
用いまたは単に加温することによって行われるのが一般
的である。何れの方法を採用するにしても、本発明に用
いられる不飽和カルボン酸またはその誘導体グラフト変
性ポリエチレンとしては、ゲル含量10重量%以下(13
5℃におけるデカリン不溶部の測定)のものが接着性に
優れており好ましい。不飽和カルボン酸またはその誘導
体含量が10重量%より大なるグラフト変性ポリエチレン
を用いても金属との接着力が小さいため、良好なる結果
は得られない。また、メルトフローレート〔MFR
(E):ASTM D 1238,E〕は0.1〜50g/10min、特に0.
5〜10g/10minのものが好ましい。
(c)成分においてポリエチレンにグラフトする不飽和カ
ルボン酸またはその誘導体としては、アクリル酸、マレ
イン酸、フマール酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン
酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ナジ
ック酸(商標名、エンドシス−ビシクロ〔2,2,1〕ヘプ
ト−5−エン−2,3−ジカルボン酸)などの不飽和カル
ボン酸、またはその誘導体、例えば酸ハライド、アミ
ド、イミド、無水物、エステルなどが挙げられ、具体的
には、塩化マレイル、マレイミド、無水マレイン酸、無
水シトラコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジ
メチル、グリシジルマレエートなどが例示される。これ
らの中では、不飽和ジカルボン酸またはその酸無水物が
好適であり、特にマレイン酸、ナジック酸(商標名)ま
たはこれらの酸無水物が好適である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物における(c)成分、不飽和
カルボン酸またはその誘導体グラフト変性ポリエチレン
は、15〜1重量%、好ましくは2〜10重量%である。
(d)成分、モノビニル芳香族炭化水素・オレフィンブロ
ック共重合体は、一般式(A−B)nもしくは (ただし、式中A及びA′はモノビニル芳香族炭化水素
重合体ブロック、Bはオレフィン重合体ブロック、nは
1〜5の整数、mは2〜7の整数、Xはm価の多官能性
化合物を表わす)で表される直鎖構造または分岐構造か
らなる少なくとも片末端がモノビニル芳香族炭化水素重
合体ブロックであるブロック構造を有する重合体であ
る。好ましいモノビニル芳香族炭化水素としてはスチレ
ンおよびα−メチルスチレンであり、スチレンが特に好
ましい。オレフィンとしてはブタジエン、イソプレン等
の共役ジオレフィン、エチレン、プロピレン、1−ブテ
ン等のα−オレフィンが例示できる。又、共役ジオレフ
ィンを重合した重合体ブロックは水素添加してもよい。
更に、ブロックBはオレフィン単位が優勢である限り、
ブタジエン、イソプレン等とスチレン、α−メチルスチ
レンとの共重合体であってもよい。(d)成分に占めるモ
ノビニル芳香族炭化水素重合体ブロックの量は通常8〜
55重量%、好ましくは10〜35重量%であり、好ましくは
両末端がモノビニル芳香族炭化水素重合体ブロックであ
る。これらブロック共重合体は例えばカリフレックスT
R、クレイトンG(いずれも商標名、シェル化学(株)
製)として製造販売されている。
本発明の熱可塑性樹脂組成物における(d)成分の配合量
は30〜1重量部、好ましくは20〜5重量部である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は上記(a)成分ないし(d)成
分を上記範囲で種々公知の方法、例えばヘンシェルミキ
サー、V−ブレンダー、リボンブレンダー、タンブラー
ブレンダー等で混合する方法、更には混合後一軸押出
機、二軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサー等で溶
融混合後、造粒あるいは粉砕する方法により製造しう
る。
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、耐熱安定剤、耐候安
定剤、帯電防止剤、滑剤、スリップ剤、核剤、染料ある
いは顔料、炭化水素油等の可塑剤等の通常熱可塑性樹脂
に添加される配合剤を本発明の目的を損なわない範囲で
添加しておいてもよい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物とアルミニウム、銅、鉄等
の金属、ポリアミド、エチレン・酢酸ビニル共重合体鹸
化物、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、
ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル等の熱
可塑性樹脂とを積層するには、予め10〜200μ厚さの熱
可塑性樹脂組成物のフィルムを成形した後、被着体であ
る金属、熱可塑性樹脂と融着させる方法、熱可塑性樹脂
組成物と被着体である熱可塑性樹脂とを各々別個の押出
機で溶融した後、多層ダイより押出して積層する方法を
採り得る。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は押出成形の際にスジの発
生もなく良好な外観のフィルムが得られ、且つ前記金属
や熱可塑性樹脂との接着性に優れるのでラミネートシー
ス用積層体、各種包装用フィルムとして好適に使用する
ことができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
〔実施例1〕 高密度ポリエチレン(三井石油化学社製、ハイゼックス
(商標名、2200J、MFR(E):5.5g/10min)と無
水マレイン酸の反応により、無水マレイン酸含量0.5重
量%、MFR(E)=3.0g/10min、ゲル含量0.1%以
下のグラフト変性ポリエチレンを得た。
得られた重合体5重量部に、エチレン・酢酸ビニル共重
合体(酢酸ビニル含有量:10重量%、MFR(E)=9.
0g/10min:EVA)65重量部、ポリスチレン(商標
名、デンカスチロールGP200:電気化学工業(株)
製、MFR(G)=25g/10min:PS)20重量部およ
びポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレンブロッ
ク共重合体のポリブタジエンブロック水素添加物(商標
名、クレイトンG1652:シェル化学(株)製、スチレン
含有量:29重量%)10重量部を加え、40mmのダルメー
ジスクリューを備えた押出機を用いて溶融混練造粒し、
組成物−1を得た。得られた組成物−1のプレスシート
物性を第1表の実施例1の欄に示した。
次いで30mmのTダイにより厚さ100μの融着用フィル
ムを成形し、単体フィルムでのスジの発生の有無を観察
した後、別途用意した200μ厚のアルミニウム箔と接着
した。接着は接着圧力1kg/cm2、接着時間60秒でヒー
トシーラーにより加熱しながら行った。
接着後、剥離速度200mm/minで180°剥離強度を測定
し、その結果を第2表実施例1の欄に示した。
〔実施例2〕 実施例1で用いた無水マレイン酸グラフト変性高密度ポ
リエチレン5重量部に、EVA70重量部、PS20重量部
およびクレイトンG5重量部を加え、実施例1と同様に
して溶融混練造粒し組成物−2を得た。その物性を前記
第1表に併記した。
更に実施例1と同様にしてフィルムを成形してスジの発
生の有無を観察するとともに、該フィルムをアルミニウ
ム箔とラミネートし、接着強度を測定し、第2表に併記
した。
〔実施例3〕 実施例1で用いた無水マレイン酸グラフト変性高密度ポ
リエチレン5重量部に、EVA55重量部、PS20重量部
およびクレイトンG20重量部を加え、実施例1と同様に
して溶融混練造粒し組成物−3を得た。その物性を前記
第1表に併記した。
更に実施例1と同様にしてフィルムを成形してスジの発
生の有無を観察するとともに、該フィルムをアルミニウ
ム箔とラミネートし、剥離強度を測定し、前記第2表に
併記した。
〔比較例1〕 実施例1で用いた無水マレイン酸グラフト変性高密度ポ
リエチレン5重量部に、EVA75重量部、PS20重量部
加え、実施例1と同様にして溶融混練造粒し、組成物−
4を得た。次いでフィルムを成形してスジの発生の有無
を観察するとともにアルミニウム箔をラミネートし、剥
離強度を測定し、それぞれ前記第1表及び第2表に併記
した。
〔実施例4〕 厚さ100μの実施例1の融着用フィルムを、温度160℃、
圧力1kg/cm2、1分の条件で200mm厚の2枚のアルミニ
ウム箔の間に挟んでラミネートしたところ、(A1/実
施例1の融着用フィルム/A1)剥離強度は19.5kg/2
5mm幅であった。
また、同一の条件で、融着用フィルムの一方の面に同様
のアルミニウム箔を、他方の面に低密度ポリエチレンを
ラミネートしたところ、(A1/実施例1の融着用フィル
ム/ポリエチレン)融着用フィルムとポリエチレンとの
間は剥離不能でアルミニウムと融着用フィルムとの間の
剥離強度は5.94kg/25mm幅で、いずれも良好な強度を有
していた。
〔比較例2〕 比較例1の融着用フィルムを用いた以外は、実施例3と
同様の条件でラミネート金属積層体を製造した。(A1/
比較例1の融着用フィルム/A1)の場合は、接着強度は
18.0kg/25mm幅、(A1/比較例1の融着用フィルム/ポ
リエチレン)の場合は、5.30kg/25mm幅と、いずれも実
施例4と比べてやや低い値を示した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 25:04 23:26 51:06 53:00)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)成分:酢酸ビニル含有量が5〜30重
    量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体 97〜45重量部、 (b)成分:スチレン系重合体 30〜1重量部、 (c)成分:不飽和カルボン酸またはその誘導体グラフト
    変性ポリエチレン 15〜1重量部、 (d)成分:モノビニル芳香族炭化水素・オレフィンブロ
    ック共重合体 30〜1重量部 とからなることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
JP13767685A 1985-06-26 1985-06-26 熱可塑性樹脂組成物 Expired - Lifetime JPH0641544B2 (ja)

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