JPH0641380B2 - β―ウォラストナイト結晶化ガラスの製造方法 - Google Patents

β―ウォラストナイト結晶化ガラスの製造方法

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JPH0641380B2
JPH0641380B2 JP1206643A JP20664389A JPH0641380B2 JP H0641380 B2 JPH0641380 B2 JP H0641380B2 JP 1206643 A JP1206643 A JP 1206643A JP 20664389 A JP20664389 A JP 20664389A JP H0641380 B2 JPH0641380 B2 JP H0641380B2
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glass
wollastonite
crystallized glass
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蕃 鈴木
敬一 向井
隆男 上部
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Tokyo Metropolitan Government
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TOKYO PREFECTURE
Tokyo Metropolitan Government
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は伊豆諸島新島などに産出する抗火石の屑石を有
効利用し、これを主原料として安価で高品質の建材用β
−ウォラストナイト(CaO・SiO)結晶化ガラス
を製造する方法に関する。
[従来の技術] これまで、ガラスを主原料としたβ−ウォラストナイト
結晶化ガラスの製造技術は全く知られていない。従来の
建材用結晶化ガラスはフォルステライト(2MgO,・
SiO)、ガーナイト(ZnO・Al)、ハー
ディストナイト(2CaO・ZnO・2SiO)、β
−ウォラストナイト結晶化(CaO・SiO)などの
結晶を2種類以上析出させた、高価な原料を使用したも
のが多い(例えば、特公昭60−49145号公報参
照)。
従来β−ウォラストナイトを均一に折出させたガラス
は、建材用としては全く使用されていない。これは、β
−ウォラストナイト結晶化を均一に折出させるには、高
価な核形成剤が必要であり、その結果コスト高になり建
材用としては使用し得なかったことと、使用する核形成
剤によって、ガラスが着色するからである。
[発明が解決しようとする課題] 従来の建材用結晶化ガラスは高価な人工原料を高温で長
時間溶融して製造するため、原燃料コストが高くなり、
結晶化ガラス建材を安価に供給することはできなった。
一方、抗火石は、伊豆諸島新島に10億トンという膨大
な埋蔵量をもつ軽石状の多孔質火山岩で、一部建材など
に使われるほか大部分をしめる小さな屑石は用途がなく
投棄されたままである。
本発明は、従来ガラス原料として使用されたことのなか
ったこの抗火石屑石をガラス原料として有効利用し、特
に高価な核形成材を使用しなくともβ−ウォラストナイ
トが均一に折出した結晶化ガラスを低コスト且つ省エネ
ルギーで得ることができる。建材用β−ウォラストナイ
ト結晶化ガラスの製造方法を提供することを目的とす
る。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するため本発明者等は鋭意研究の結果、
投棄されている抗火石屑石を主原料とし、これを副原料
として安価な石灰(CaCO)のほか芒硝(Na
)、カーボン(C)などを少量添加するだけで、特
に高価な核形成剤を添加しなくともガラス全体に均一に
β−ウォラストナイト(CaO・SiO)結晶が析出
した結晶化ガラスが得られることを見いだし、本発明に
到達した。抗火石は主成分がガラス質のため、従来のガ
ラスの主原料である珪砂に比べ溶融速度が極めて早いの
で燃料が節約できる。
β−ウォラストナイト結晶をガラス全体に均一に析出さ
せるには、特に高価な結晶核形成剤を加える必要があっ
たが、本発明では特にこの核形成剤を添加しなくともよ
い。これは、本発明では、芒硝、カーボンの添加により
抗火石中の鉄分と下記1)〜3)の反応が起こり硫化鉄
(FeS)が生成し、これが結晶核として有効に働きガ
ラス全体にβ−ウォラストナイト結晶が析出するからで
ある。芒硝、カーボンの必要量は下記反応式の理論重量
比以上、つまり、抗火石100g中には鉄分が約1g含
有するので抗火石100gに対し芒硝2g以上、カーボ
ン0.5g以上である。また、硫化鉄は黒色であるが、
亜鉛華(ZnO)の添加により熱処理の過程で下記4)
式の反応が進行し、結晶化ガラスは白色化する。白色化
に必要な亜鉛華の量は4)式理論重量比の2倍以上、つ
まり、抗火石100gにたいし2g以上である。
Na2SO4(芒硝)→Na2O+SO3 1) SO3+2C(カーボン)→S+3CO 2) 2Fe2O3(抗火石中鉄分)+4S→4FeS+3O 3) FeS+ZnO(亜鉛華)→ZnS+FeO 4) 上記反応式の理論重量比はおよそ鉄分:芒硝:カーボ
ン:亜鉛華=1:2:0.5:1である。
[作用] 粉砕、分級した1mmアンダー抗火石粉100gにたいし
石灰40〜80g(CaOとして20〜40g)、ソー
ダ灰0〜20g(NaOとして0〜10g)、芒硝2
〜8g(Sとして0.5〜2g)、カーボン0.5〜2
g、亜鉛華0〜10g配合し、1450℃で2時間溶融
すると黒いガラスが生成する。このガラスを800〜1
200℃で0.5〜4時間熱処理するとガラス全体に均
一に結晶が析出した黒色あるいは白色の結晶化ガラスが
得られる。この主結晶はβ−ウォラストナイトだけであ
る。抗火石粉100gにたいし石灰40g(CaOとし
て20g)以下では結晶が析出せず、80g(CaOと
して40g)以上では成形前に結晶が析出して成形不可
能となる。NaO成分は必須成分ではないガラスの粘
性、結晶化度の調整に有効である。ソーダ灰20g(N
Oとして10g)以上加えるとガラスの特性が低下
する。芒硝2g(Sとして0.5g)以下あるいはカー
ボン0.5g以下では結晶は析出せず、芒硝8g(Sと
して2g)以上あるいはカーボン2g以上加えるとガラ
スの特性が低下する。亜鉛華未添加では黒色の、2g以
上添加では白色の結晶化ガラスが得られる。亜鉛華を1
0g以上加えることはコストアッになり利点がない。同
一化学組成の結晶化ガラスを、泡が切れ均質になるまで
溶融するのに、一般原料を使用する場合は1450℃で
4時間以上かかるが、抗火石を主原料とすれば1450
℃、2時間で充分である。
[実施例] 表1に示す化学組成の1mmアンダー抗火石粉を主原料と
した本発明の実施例を表2に示す。各調合組成のバッチ
をルツボに入れ、電気炉中で溶融、板状に成形したガラ
スを熱処理してβ−ウォラストナイト結晶化ガラスを製
造した。石灰の添加量によって表面光沢の有無をコント
ロールでき、表2では、No1、2は表面光沢がなく、そ
の他は光沢のある結晶化ガラスが得られた。亜鉛華の添
加量によって色々な発色を示し、亜鉛華を入れないと黒
色になり、充分な量入れると白色になり、中間量では褐
色あるいは黄色になった。また、白色の調合組成に着色
剤を添加すると知彩な着色結晶化ガラスが得られた。
本発明で得たβ−ウォラストナイト結晶化ガラスの特性
値を市販品(フォルステライト、ガーナイト結晶析出
品)と比較して表3に示す。曲げ強度試験は直径3mm、
長さ60mmの試験片を3点荷重で万能試験機を用いて行
った。耐酸性は10%硫酸に90℃で24時間保持した
後の減量である。表3から明かなように、本発明で得た
β−ウォラストナイト結晶化ガラスは市販の建材用結晶
ガラスより高品質で、建材として優れた性質を持ってい
る。
上記結果から、本発明品は従来の市販品と比べて、耐酸
性、曲げ強度及びショア硬度が優れていることがわか
る。β−ウォラストナイト結晶の析出量が多いと曲げ強
度及びショア硬度が高くなるが、耐酸性は悪くなる。耐
酸性を市販品と同じ14に近い値とすると、曲げ強度
は、1400〜1500kg/cm2になることが実験によ
り確認されている。建材用の品質としては、特に曲げ強
度が最も重要視されるから、本発明品は市販品と比べて
品質的に著しく顕著な効果を示している。
[発明の効果] 本発明は、膨大な埋蔵量をもち、大量に投棄されている
抗火石屑石の有効利用を可能にするとともに、従来の市
販品より高品質の結晶化ガラス建材を大量に供給するこ
とが可能になるほか、β−ウォラストナイト結晶化ガラ
スの原料の60%以上抗火石を利用できるので原料コス
トを幅に下げることができ、しかも抗火石は溶融性に優
れ、溶融速度は一般原料の2倍以上なので、省エネルギ
ーになる等従来のこの種建材用ガラスの製法には全く見
られなかった絶大な効果を有する。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量部で抗火石100に、CaO成分20
    〜40、NaO成分0〜10、S成分0.5〜2、C
    成分0.5〜2、ZnO成分0〜10を配合し、これを
    溶融して得たガラスを熱処理し、前記抗火石と前記成分
    との反応により生成したFeSを核形成剤として、ガラ
    ス全体に均一にβ−ウォラストナイト結晶を折出させる
    ことを特徴とする建材用β−ウォラストナイト結晶化ガ
    ラスの製造方法。
JP1206643A 1989-08-11 1989-08-11 β―ウォラストナイト結晶化ガラスの製造方法 Expired - Lifetime JPH0641380B2 (ja)

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CN106854041A (zh) * 2016-12-21 2017-06-16 江苏省冶金设计院有限公司 一种碳纤维‑硅灰石微晶玻璃复相材料及其制备方法

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