JP2737059B2 - 建材用結晶化ガラス - Google Patents

建材用結晶化ガラス

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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C10/00Devitrified glass ceramics, i.e. glass ceramics having a crystalline phase dispersed in a glassy phase and constituting at least 50% by weight of the total composition
    • C03C10/0036Devitrified glass ceramics, i.e. glass ceramics having a crystalline phase dispersed in a glassy phase and constituting at least 50% by weight of the total composition containing SiO2, Al2O3 and a divalent metal oxide as main constituents

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は建材用結晶化ガラスに関するものである。
[従来の技術] ガラスを熱処理して得られる結晶化ガラスは種々の分
野において使用されており、特に最近ではその優れた特
性を生かして、建材として大理石や花崗岩等の天然石の
代りに好んで用いられるようになってきている。本出願
人の発明になる特公昭55−29018号に開示されている結
晶化ガラスはその代表的例であり、溶融したガラスを水
冷等による急冷によって破砕して適当な大きさのガラス
小体とした後、加熱することにより該ガラス小体を互い
に融着一体化すると同時に結晶化することによって製造
される。この結晶化ガラスは機械的強度、熱衝撃強度、
化学耐久性等に優れており、建材に要求される諸条件を
満足する材料であるが、一方結晶化後の表面が凹凸状で
あるために、最終的に研磨する必要があり、安価で大量
に生産することが非常に困難である。
上記事情に鑑み、製造コストを低減する目的で提案さ
れたのが、これも本出願人の発明になる特公昭60−4914
5号に開示されている結晶化ガラスである。この結晶化
ガラスは溶融ガラスを所定の形状に成形した後、該成形
体を焼成することによってガラス中にフォルステライト
(2MgO・SiO2)やガーナイト(ZnO・Al2O3)の結晶が析
出すると同時に、ガラスマトリックス相が軟化流動する
ため良好な表面品位が得られ、研磨工程を省略すること
ができるというものである。
[発明が解決しようとする問題点] 工業的にガラスを焼成して結晶化ガラスを製造する場
合、焼成温度が低いほど焼成炉の熱経済性が良くなり、
また焼成時間が短いほど生産効率は良くなるが、この焼
成時間の設定には焼成温度と該結晶化ガラスの熱膨張係
数が考慮される。すなわち焼成温度が高いほど昇温ある
いは冷却時間が長くなり、また該結晶化ガラスの熱膨張
係数が高いほど、温度変化による歪を除くために徐冷時
間を長くする必要がある。
従って焼成温度を低く設定でき、かつ低い熱膨張係数
を有する結晶化ガラスを得ることが、生産効率を良く
し、低コストを実現する重要な要素となる。
しかしながら、先記特公昭60−49145号に開示されて
いる結晶化ガラスは、ガラスに結晶を析出させ、ガラス
マトリックス相を軟化流動させて良好な表面品位を得る
ために、焼成温度を900〜1000℃と高く設定する必要が
あり、また熱膨張係数が80×10-7/℃以上と高いために
焼成時間が長くなり、しかもフォルステライトやガーナ
イトの構成成分であるMgOとZnOを含量で3%以上含む
が、MgO、ZnOの原料である水酸化マグネシウムや亜鉛華
は高価であるため、製造コストを大幅に低減させること
ができなかった。
本発明は、研磨することなく良好な表面品位が得ら
れ、また焼成温度を低く設定することができ、かつ、熱
膨張係数が低く、しかも高価なMgO及びZnOを本質的に含
有しないため、製造コストを大幅に低減することがで
き、安価で大量に生産することが可能な建材用結晶化ガ
ラスを提供することを目的とするものである。
[問題点を解決するための手段] 本発明の建材用結晶化ガラスは重量%でSiO2 40〜70
%、Al2O3 5〜25%、Na2O 2〜16%、CaO 1〜20%、TiO2
0.5〜15%、ZrO2 0.1〜10%、CaO+TiO2+ZrO2 8〜25
%、B2O3 0〜15%、P2O5 0〜5%、K2O 0〜5%、BaO 0
〜5%、As2O3 0〜1%、Sb2O3 0〜1%からなり、本質
的にMgO、ZnOを含有せず、主結晶としてジルコノライト
を析出してなることを特徴とする。
[作用] 本発明の建材用結晶化ガラスは高価なMgO、ZnOを本質
的に含まず、CaO、TiO2、ZrO2からなるジルコノライト
(CaZrTi2O7)を主結晶として析出することを特徴と
し、また950℃以下の温度で結晶が析出すると同時にガ
ラスマトリック相が軟化流動して良好な表面品位が得ら
れるために、焼成温度を800〜950℃と低く設定すること
ができ、しかも熱膨張係数が70×10-7/℃以下であるた
めに、焼成時間を短くできることから、製造コストを大
幅に低減させることができる。また本発明の建材用結晶
化ガラスは、ガラスマトリックス中にSiO2成分を多量に
含む為に機械的強度や化学耐久性に優れている。
次に本発明の建材用結晶化ガラスの組成範囲を上記の
ように限定した理由を以下に示す。
SiO2はガラス網目形成成分であり、その含有量は40〜
70%である。SiO2が40%より少ないと機械的強度や化学
耐久性が悪くなり、70%より多くなるとガラス溶融が困
難になる。
Al2O3の含有量は5〜25%である。Al2O3が5%より少
ないと結晶化し難くなり、25%より多いとガラス溶融が
困難になり、耐候性の劣るネファリン(Na2O・Al2O3・2
SiO2)結晶が析出する。
Na2Oは溶融を促進するフラックス剤として用いられ、
その含有量は2〜16%である。Na2Oが2%より少ないと
成形性、溶融性が悪くなり、16%より多いと化学耐久性
が劣り、建材に適さない。
CaOはジルコノライト結晶の構成成分であり、その含
有量は1〜20%である。CaOが1%より少ないと主結晶
であるジルコノライトが出にくくなり、20%より多いと
表面が結晶化して均一に結晶化せず、強度が下がる。
TiO2は核形成剤及びジルコノライト結晶の構成成分で
あり、その含有量は0.5〜15%である。TiO2が0.5%より
少ないと結晶化が不充分であり、15%より多いと結晶物
が黒色を帯び、好ましくない色調となる。
ZrO2は核形成材及びジルコノライトの構成成分であ
り、その含有量は0.1〜10%である。ZrO2が0.1%より少
ないと結晶化が不充分であり、10%より多いと溶融性が
悪くなり、ガラス成形時に表面失透する。
また本発明の結晶化ガラスはCaOとTiO2とZrO2を合量
で8〜25%含有する。すなわちこれらの成分が合量で8
%より少ないとジルコノライト結晶が析出しにくく、且
つ表面失透しやすくなり、また25%より多いと溶融性が
悪くなると共に結晶物が細かくなって結晶化ガラスの外
観が透明になるので好ましくない。
B2O3はガラスマトリックス相の流動性を促進する成分
であり、その含有量は0〜15%である。B2O3が15%より
多くなると結晶化し難くなる。
P2O5は結晶化を促進する成分であり、その含有量は0
〜5%である。P2O5が5%より多くなるとガラスが分相
し、耐候性が低下する。
K2OはNa2Oと同様溶融を促進するフラックス剤として
用いられ、その含有量は0〜5%である。
BaOは液相温度を下げて成形性を良好にする成分であ
り、その含有量は0〜5%である。
K2O、BaOがそれぞれ5%より多くなると結晶化し難く
なる。
As2O3、Sb2O3は清澄剤として用いられ、その含有量は
各々0〜1%である。
また、本発明の建材用結晶化ガラスは上記成分以外に
Li2O、SrO、PbO、SnO2、CeO2や着色剤としてFe2O3、Ni
O、Cr2O3、MnO2、V2O5等を5%まで1種又は2種以上添
加することが可能である。しかしながらこれらの添加物
が5%をこえると結晶化ガラスの諸特性に悪影響を与え
る。
[実施例] 以下実施例に基づいて本発明の建材用結晶化ガラスを
詳細に説明する。
次表は本発明の実施例(試料No.1〜7)及び比較例
(試料No.8)を示すものである。
表のNo.1〜8の試料は次のように調製した。試料No.1
〜8の各組成になるようにガラス原料を調合し、白金坩
堝を使用して1500〜1600℃で8〜30時間溶融した後、溶
融ガラスをカーボン台上に流し出し、ローラーを用いて
板状に成形し、徐冷してガラス試料を得た。次に、この
ガラス試料を電気炉中で750−800℃まで120℃/hrの昇温
速度で加熱し、約1時間保持した後、表の焼成温度まで
120℃/hrの昇温速度で加熱して1〜2時間保持し、その
後室温まで炉冷した。
このようにして得られた試料の結晶化ガラスは、ガラ
ス成形時のローラーによる凹凸は消失し、白色で光沢が
あり、良好な表面品位をもった美しいものであった。
またX線回折の結果、試料の結晶化ガラスの析出結晶
は表のとおりであった。
また表から明らかなように、試料No.1〜7の実施例の
結晶化ガラスは、熱膨張係数69×10-7/℃以下、曲げ強
度1000kg/cm2以上であり、耐酸性1.0mg/cm2以下、耐ア
ルカリ性については2.30mg/cm2以下の値を示している。
一方試料No.8の比較例については熱膨張係数86×10-7/
℃、曲げ強度700kg/cm2、耐酸性、耐アルカリ性につい
てはそれぞれ1.80mg/cm2、2.50mg/cm2であった。
これらの事実は、本発明の建材用結晶化ガラスが、95
0℃以下の焼成温度で、良好な表面品位、機械的強度、
化学耐久性等優れた特性を得ることができ、建材として
優れたものであるということを示している。
なお表中の熱膨張係数は、周知のディラトメーター
(Dilato meter)により測定した熱膨張曲線から算出
した。曲げ強度は7×10×50mmの大きさの試料で3点荷
重式曲げ強度試験機により測定した。耐酸性、耐アルカ
リ性は、それぞれ1%H2SO4、1%NaOHの溶液中に15×1
5×10mmの大きさの試料を90℃、24時間浸漬した後の重
量減により評価した。
尚、実施例の建材用結晶化ガラスは白色であるが、調
合原料に一種類、あるいは二種類以上の着色剤を添加す
ることにより、種々の色調の建材用結晶化ガラスを得る
ことができる。
[発明の効果] 本発明の建材用結晶化ガラスは高価なMgO、ZnOを本質
的に含まず、焼成温度が800〜950℃、熱膨張係数が70×
10-7/℃以下とともに低く、焼成時間を短くできるた
め、製造コストを大幅に低減させることができ、安価で
大量に生産することを可能とするものである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%でSiO2 40〜70%、Al2O3 5〜25%、
    Na2O 2〜16%、CaO 1〜20%、TiO2 0.5〜15%、ZrO2 0.
    1〜10%、CaO+TiO2+ZrO2 8〜25%、B2O3 0〜15%、P2
    O5 0〜5%、K2O 0〜5%、BaO 0〜5%、As2O3 0〜1
    %、Sb2O3 0〜1%からなり、本質的にMgO、ZnOを含有
    せず、主結晶としてジルコノライトを析出してなること
    を特徴とする建材用結晶化ガラス。
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