JPH0641220U - 平面アンテナ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 ＧＰＳ（Global Positioning System ）等
で、平面アンテナ素子を用いて電波を受信するための平
面アンテナ装置に関し、振動等に強い平面アンテナ装置
を提供することを目的とする。 【構成】 平面アンテナ素子１１の周縁部に形成された
段部に係合部を形成し、この係合部に取付板１２の爪部
を係合させつつ、段部に折曲係合させることにより平面
アンテナ素子１１を取付板１２に保持する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は平面アンテナ装置に係り、特にＧＰＳ（Global Positioning System ）等で平面アンテナ素子を用いて電波を受信するための平面アンテナ装置に関す る。

【０００２】

【従来の技術】

ＧＰＳは複数個のＧＰＳ衛星という人工衛星から地上に放射される電波を利用 して、利用者の現在位置（緯度、経度、高度）を知るシステムで、通常、アンテ ナユニット、受信部、信号処理部、表示部等で構成されている。

【０００３】 人工衛星からの電波はアンテナユニットで受信され、増幅された後、受信部に 供給される。受信部ではアンテナユニットからの信号を復調した後、信号処理部 に供給する。信号処理部は受信部からの復調データに基づいて測位等の信号処理 が行なわれる。表示部では信号処理部で測位された測位結果を地図上に表示する 。

【０００４】 図１３に従来のアンテナユニットの概略構成図を示す。アンテナユニットは通 常電波を電気信号に変換するアンテナ素子部１とアンテナ素子１で変換された電 気信号を増幅するローノイズアンプが形成された回路部２とで構成されている。 アンテナ素子部１は小型化のためにＰＰＯ材基板１ａ上に導電性薄膜１ｂを形成 してなる平面アンテナ素子で構成され、アンテナ素子部１と回路部２とは夫々別 体で構成され、ケーブル３により互いに接続され、樹脂製の外装ケース４内に並 設され、収納されていた。また、アンテナ素子部１は基板１ａ上の導電性薄膜１ ｂより上に導電性の材質があるとアンテナの特性に悪影響を与えてしまうため、 樹脂製の外装ケースで挟持するなどして外装ケース内に保持していた。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】 しかるに、従来のアンテナユニットは、アンテナ素子部を外装ケースで挟持す るなどして外装ケース内に保持していたため、外装ケースの寸法のバラツキ等で アンテナ素子部と外装ケースとの間にすきまができ、アンテナ素子部が振動して アンテナの特性に悪影響を与えてしまう等の問題点があった。

【０００６】 本考案は上記の点に鑑みてなされたもので、小型でノイズの影響を受けにくく 、かつ、振動等に強い平面アンテナ装置を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は、受信面が平板状に形成された平面アンテナ素子と、平面アンテナ素 子を保持する取付板とを有する平面アンテナ装置であって、 前記取付板は前記平面アンテナ素子と係合し、前記平面アンテナ素子を保持す る係合爪を有し、 前記平面アンテナ素子はその周縁部に前記取付板の前記係合爪が係合する係合 部を有し前記係合爪を前記係合部に係合させ、変形させることにより前記平面ア ンテナ素子を前記取付板に保持する構成としてなる。

【０００８】

【作用】

平面アンテナ素子はその周縁部に形成された係合部に取付板の係合爪を係合さ せた後、変形させることにより取付板に回路基板に対して積層して保持される。 また、取付板の係合爪により保持されるため、接着剤等が不要となり、取付板 に確実に保持できる。

【０００９】 さらに、係合爪は周縁部に形成された係合部に係合させる構成であるため、受 信面に影響がなく、アンテナの特性に悪影響を与えることがない。

【００１０】

【実施例】

図１は本発明の一実施例の構成図を示す。同図中、５は平面アンテナ装置本体 を示す。平面アンテナ装置本体５は内部ケース部材６内に収納され、内部ケース 部材６はさらに内部ケース部材６にネジ留めされた外装ケース部材７により被覆 される。

【００１１】 内部ケース部材６は上ケース部材６ａ及び下ケース部材６ｂよりなり上ケース 部材６ａと下ケース部材６ｂとの接合部分には樹脂製のパッキン６ｃが配設され 、内部を密閉状態に保持する構成とされている。

【００１２】 下ケース部材６ｂ内部には装置本体５の取付用ネジ穴６ｂ-1が形成されている 。装置本体５は後述する取付孔を介してネジ８をネジ穴６ｂ-1に螺入することに より下ケース部材６ｂに固定される。

【００１３】 また、下ケース部材６ｂの外側部にはマグネット９ａ，９ｂの取付部６ｂ-2が 形成されている。マグネット９ａ，９ｂは取付部６ｂ-2にネジ留めされる。マグ ネット９ａ，９ｂにより装置を自動車のボディ等に固定する構成とされている。

【００１４】 装置本体５には後述するコネクタが設けられ、このコネクタにはケーブル１０ が接続される。ケーブル１０は内部ケース部材６及び外装ケース部材７を貫通し て、外部に引き出される。

【００１５】 図２は本考案の一実施例の装置本体５の分解斜視図を示す。同図中、１１は平 面アンテナ素子部、１３は回路基板、１４はケース部材、１５はカバー部材を示 す。

【００１６】 図３に平面アンテナ素子１１の構成図を示す。平面アンテナ素子部１１は誘電 体セラミクス等の誘電体材料よりなる基板１１ａ上に金属等の導電材料よりなる 導電薄膜１１ｂを形成してなる。導電薄膜１１ｂはピン１１ｃを介して外部と接 続される。ピン１１ｃは導電薄膜１１ｂ上より基板１１ａに形成されたスルーホ ール１１ｄに挿入され、頭部１１ｃ-1が導電薄膜１１ｂと接触し、他端１１ｃ-2 は基板１１ａ裏面突出される。ピン１１ｄの他端１１ｃ-2が外部回路と接続され 、導電薄膜１１ｂと電気的に接続される。

【００１７】 なお、基板１１ａの材料としては誘電体セラミクスの他、ＰＰＯ材等の樹脂材 料も考えられるが、ＰＰＯ材は基板形成時に打抜、切削加工が必要となり、成型 が容易でない。これに対して誘電体セラミクスは金型に入れて焼結するだけで成 型が行なえ、成型が容易であるため、本実施例では基板１１ａは誘電体セラミク スで形成されている。

【００１８】 平面アンテナ素子１１の周縁部には段部１１ａ-1が形成され、段部１１ａ-1に は取付板１２への取付を行なうための係合穴１１ｆ-1〜１１ｆ-4が形成されてい る。

【００１９】 図４に取付板１２の構成図を示す。取付板１２は一枚の金属板をプレス加工等 により打抜き、爪部等を折曲することにより形成される。

【００２０】 取付板１２には平面アンテナ素子１１の位置決め用爪部１２ａ-1〜１２ａ-4， ケース部材１４の取付用爪部１２ｂ-1〜１２ｂ-4，ケース部材１４の取付用穴部 １２ｃ-1〜１２ｃ-4，平面アンテナ素子１１の接続ピン１１ｃの貫通孔１２ｄ， 取付板１２の固定用貫通孔１２ｅ-1〜１２ｅ-4が一体的に形成されている。

【００２１】 爪部１２ａ-1〜１２ａ-4は取付板１２の上面に切起こされ、爪部１２ｂ-1〜１ ２ｂ-4は取付板１２の爪部１２ａ-1〜１２ａ-4が切起こされた面とは反対の下面 に切起こされている。

【００２２】 平面アンテナ素子部１１はピン１１ｃが突出する下面が取付板１２の爪部１２ ａ-1〜１２ａ-4が切起こされた上面と対向するように取付板１２に装着される。 平面アンテナ素子１１の周縁部の段部１１ａ-1に形成された係合穴１１ｆ-1〜１ １ｆ-4には爪部１２ａ-1〜１２ａ-4が係合し、爪部１２ａ-1〜１２ａ-2を段部１ １ａ-1で折曲することにより平面アンテナ素子１１が取付板１２に保持される。 このとき、ピン１１ｃは貫通孔１２ｄを貫通して、取付板１２の裏面に突出する 。

【００２３】 図５は本考案の一実施例の平面アンテナ素子と取付板の斜視図を示す。

【００２４】 図５に示すように平面アンテナ素子１１は取付板１２の爪部１２ａ-1〜１２ａ -4を係合爪１１ｆ-1〜１１ｆ-4に係合させた後段部１１ａ-1に折曲することによ り保持されるため、取付板１２に確実に保持できる。また、爪部１２ａ-1〜１２ ａ-4は平面アンテナ素子１１の周縁部に形成された段部１１ａ-1に折曲係合し、 受信面１１ｅ-8より上に突出しないため、受信面１２ａ-2には影響を与えること はなくよってアンテナの特性に悪影響を与えることがない。

【００２５】 図６に回路基板１３の構成図を示す。回路基板１３は配線がプリントされた絶 縁基板１３ａ上に電子部品チップ１３ａ及びコネクタ１３ｃを半田付けした構成 とされている。

【００２６】 絶縁基板１３ａは略正方形状で、その一辺に凸部１３ａ-1を有する。また、絶 縁基板１３ａには取付板１２の爪部１２ｂ-1〜１２ｂ-4に対応して、切欠部１３ ａ-2〜１３ａ-5が形成されている。

【００２７】 電子部品チップ１３ｂは絶縁基板１３ａ上に表面実装され、コネクタ１３ｃは 出力端子となり絶縁基板１３ａの凸部１３ａ-1上に半田付け等により固着され、 その接続部１３ｃ-1は凸部１３ａ-1からさらに外方に突出する構成とされている 。

【００２８】 また、絶縁基板１３ａ上には平面アンテナ素子部１１のピン１１ｃに対応して スルーホール１３ａ-6が形成されており、電子部品チップ１３ｂの実装面とは反 対側の実装面より平面アンテナ素子１１のピン１１ｃが貫通し、実装面側に突出 し、ピン１１ｃは実装面側で半田付けされ、回路との接続が行なわれる。

【００２９】 回路基板１３は電子部品チップ１３ｂの実装面が下面となり、ケース部材１４ に固定される。

【００３０】 図７に回路基板１３上に形成される回路のブロック構成図を示す。

【００３１】 回路基板１３上には図７に示すようにアンプ１３ｄ，１３ｅでバンドパスフィ ルタ１３ｆを挟んで接続したローノイズアンプ（ＬＮＡ）が構成されている。

【００３２】 図８にケース部材１４の構成図を示す。ケース部材１４は一枚の金属板をプレ ス加工等で打抜いた後、折曲、溶接することにより筒状に形成されている。

【００３３】 ケース部材１４の端面には取付板１２の穴部１２ｃ-1〜１２ｃ-4に対応して凸 部１４ａ-1〜１４ａ-4及び、回路基板１３の凸部１３ａ-1と係合する凹部１４ｂ が形成されている。また、ケース部材１４の内側面には回路基板１３を位置決め し、かつ、固定するための爪部１４ｃ-1〜１４ｃ-4が対向する二辺に形成されて いる。爪部１４ｃ-1〜１４ｃ-4は側板部をくさび状に切起こすことにより形成さ れている。ケース部材１４の外側面には下端部付近にカバー部材１５の係止用の 凸部１４ｄが四辺に夫々三枚ずつ形成されている。

【００３４】 ケース部材１４には回路基板１３の凸部１３ａが係合する凹部１４ｂが形成さ れた端面側の開口部より回路基板１３が装着される。回路基板１３はその電子部 品実装面が開口部に対向して装着され、実装面の縁部がケース部材１４の爪部１ ４ｃ-1〜１４ｃ-4に突当たり、位置決めされる。このとき、回路基板１３の凸部 １３ａ-1はケース部材１４の凹部１４ｂと係合し、コネクタ１３ｃと共にケース 部材１４の外部に突出する構成とされている。

【００３５】 回路基板１３はケース部材１４の爪部１４ｃ-1と半田付けされ、ケース部材１ ４に固定される。半田付けによりケース部材１４は回路基板１３のアースと接続 され、回路基板１３側面を外部からシールドする構成とされている。

【００３６】 また、ケース部材１４には回路基板１３上面から取付板１２が装着される。

【００３７】 取付板１２は爪部１２ｂ-1〜１２ｂ-4が回路基板１３の切欠部１３ａ-2〜１３ ａ-5を貫通して、ケース部材１４の内側面と係合して、回路基板１３の電子部品 チップ１３ｂ実装面に突出すると共に、貫通孔１２ｅ-1〜１２ｅ-4にはケース部 材１４の端部に形成された凸部１４ａ-1〜１４ａ-4が係合する。爪部１２ｂ-1〜 １２ｂ-4は回路基板１３の電子部品チップ１３ｂの実装面に半田付けされ、取付 板１２がケース部材１４に固定される。

【００３８】 また、ケース部材１４の下面側にはカバー部材１５が係止される。

【００３９】 図９にカバー部材１５の構成図を示す。カバー部材１５は一枚の金属板をプレ ス加工等により打抜き、折曲、溶接することにより形成される。カバー部材１５ はケース部材１４の開口部に対応した平板部１５ａとその周囲に形成された周縁 部１５ｂ-1〜１５ｂ-4とより構成されている。周縁部１５ｂ-1〜１５ｂ-4は平板 部１５ａの四辺夫々に平板部１５ａに対して直角に折曲された構成をなし、各辺 の周縁部１５ｂ-1〜１５ｂ-4は夫々３枚の係合片１５ｄを有する。係合片１５ｄ にはケース部材１４の下端付近に形成された凸部１４ｄと係合する係合孔１５ｃ が形成される。また、係合片１５ｄの先端部１５ｅは外方に向って折曲しており 、ケース部材１４への取付けが容易に行なえる構成とされている。

【００４０】 図１０は平面アンテナ装置の要部組立て図を示す。図９に示すように本実施例 の構成によれば、平面アンテナ素子部１１と回路基板１３とが一体化できるため 、小型化が可能であると共に、平面アンテナ素子部１１との接続も直接行なえる ため、ノイズが侵入しにくいと共に信号損失も最小限とすることができる。

【００４１】 また、一体化されると共にコネクタ１３ｃは回路基板１３の凸部１３ａ-1に固 着され、ケース部材１４より外部に突出しているため、検査装置への接続が容易 に行え、検査効率を向上させることができると共に外装ケースへの取付けも容易 となり、組立性を向上させることができる。

【００４２】 さらに、装置本体５の組立てにおいても、平面アンテナ素子部１１，回路基板 ２３とは半田付け及び接着剤１２により固定され、回路基板１３とケース部材１ ４とは半田付けにより、固定でき、半田付け後はカバー部材１５をケース部材１ ４に取付けるだけで組み付けが完了し、部品点数も少ない組立性が良好となり、 また、平面アンテナ素子部１１，回路基板１３，ケース部材１４は半田付けによ り一体的に固着され、かつ、平面アンテナ素子１１はケース部材１４の爪部１４ ａ-1〜１４ａ-4によりケース部材１４に確実に保持されるため、振動や衝撃に対 して強い構造となっている。このような構造は特に自動車などに取付ける場合に 有効となる。

【００４３】 なお、外装ケースへ装置本体５を取付ける場合には取付板１２の貫通孔１２ｅ -1〜１２ｅ-4に前述のネジ８が挿入され、ネジ８を内部ケース部材６の取付部６ ｂ-1に螺入することにより装置本体５が内部ケース部材６内に固定される。

【００４４】 なお、本実施例では平面アンテナ素子１１の周縁部に形成された段部１１ａ-1 に係合穴１１ｆ-1〜11−４を形成し、取付板１２の爪部１２ａ-1〜１２ａ-4との 係合部としたが、これに限ることはなく、図１１に示すように平面アンテナ素子 １１の周縁部に形成された段部１１ａ-1に穴ではなく切欠部１１’ｆ-1〜１１’ ｆ-4を形成し、この切欠部１１’ｆ-1〜１１’ｆ-4に爪部１２ａ-1〜１２ａ-4を 係合させ、段部１１ａ-1に折曲係合させることにより保持する構成としてもよい 。

【００４５】 また、本実施例では取付板１２の爪部１２ａ-1〜１２ａ-4の先端部は凹凸のな い形状とし、爪部１２ａ-1〜１２ａ-4は段部１１ａ-1に折曲することにより保持 する構成としたが、図１２（Ｂ）に示すように爪部１２ａ-1〜12−４の先端部に 切欠部１２ａ-11 〜１２ａ-14 を形成し、図１２（Ｃ）に示すように爪部１２ａ -1〜１２-4を平面アンテナ素子１１の係合部１１ｆ-1〜１１ｆ-4に係合させた後 爪部１２ａ-1〜１２ａ-4の先端を矢印Ａ方向にねじることにより、平面アンテナ 素子１１を取付板１２に保持する構成としてもよい。。

【００４６】

【考案の効果】

上述の如く、本考案によれば、平面アンテナ素子はその周縁部の段部に形成さ れた係合部に取付板の係合爪を係合させた後、爪部を変形することにより保持さ れるため、確実に、かつ、アンテナの特性に影響を与えることなく保持すること ができる等の特長を有する

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の概略構成図である。

【図２】本考案の一実施例の装置本体の分解斜視図であ
る。

【図３】本考案の一実施例の平面アンテナ素子の構成図
である。

【図４】本考案の一実施例の取付板の構成図である。

【図５】本考案の一実施例の平面アンテナ素子と取付板
との組立図である。

【図６】本考案の一実施例の回路基板の構成図である。

【図７】本考案の一実施例の回路基板の回路ブロック図
である。

【図８】本考案の一実施例のケース部材の構成図であ
る。

【図９】本考案の一実施例のカバー部材の構成図であ
る。

【図１０】本発明の一実施例の組立構成図である。

【図１１】本発明の一実施例の平面アンテナ素子の変形
例の斜視図である。

【図１２】本発明の一実施例の取付板の変形例の斜視図
である。

【図１３】従来の一例の概略構成図である。

【符号の説明】

１１ 平面アンテナ素子 １１ａ-1 段部 １１ｆ-1〜１１ｆ-4 係合穴 １２ 取付板 １２ａ-1〜１２ａ-4 爪部 １３ 回路基板 １４ ケース部材 １５ カバー部材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 受信面が平板状に形成された平面アンテ
   ナ素子と、該平面アンテナ素子を保持する取付板とを有
   する平面アンテナ装置であって、 前記取付板は前記平面アンテナ素子と係合し、前記平面
   アンテナ素子を前記回路基板に積層して保持する係合爪
   を有し、 前記平面アンテナ素子はその周縁部に前記取付板の前記
   係合爪が係合する係合部を有し前記係合爪を前記係合部
   に係合させ、変形させることにより前記平面アンテナ素
   子を前記取付板に保持する構成としてなる平面アンテナ
   装置。