以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。これらの図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。記載されている装置の構成や形状等は単なる説明例であり、本発明は、これに限定されて解釈されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものである。
図1〜図6等に示すように、本形態のドライブレコーダー10は、各種の処理を実行する本体部11と、本体部11に取り付けられるカメラ部12と、本体部11を車両1の所定位置に取り付けるためのブラケット13を備える。車両1の所定位置は、例えば車両のフロントガラス2の車室内側の上方側であって中央付近とするのが好ましい。本実施形態のドライブレコーダー10は、走行時等において車両1の前方や車室内等の所定のエリアを撮影し、記録するドライブレコーダー機能に加え、例えば駐車時等において車両1の前方や車室内等の所定のエリアを撮影し、記録するセキュリティ機能を備える。本体部11には各種のセンサを備え、ドライブレコーダー機能並びにセキュリティ機能のいずれの機能の動作中においてもそのセンサの検知出力に基づいて撮影・記録の動作を制御するイベント記録モードと、常時記録する常時録画モードがある。
このセキュリティ機能を実現するため、車両の駐車中などイグニッションスイッチがOFFで車両のバッテリーからの電源供給が受けられない車両の電源OFFの状態でも、ドライブレコーダー10は、車両とは別に用意した電源装置から電源供給を受け、動作するとよい。また、このように別途電源装置を用意すると、駐車中に車両のバッテリーから電源供給ができる場合でも、電源装置から電源供給を受けるようにし、車両のバッテリーが上がってしまうのを抑止するので良い。
ドライブレコーダー10は、撮影手段としてカメラを備え、そのカメラの撮影範囲は、車両の前方と、車室内というようにドライブレコーダー10を基準に車両の前方側と後方側のように反対方向を含む広い範囲に設定している。さらに、本実施形態では、半天球よりも広い範囲を撮影する一つのカメラを備えている。ブラケット13を介して本体部11を車両1の所定位置に固定し、車両1への設置状態における本体部11の下方にカメラ部12を位置させ、本体部11並びにカメラ部12の姿勢を適正にした状態では、カメラ部12は、ドライブレコーダー10の下側の半天球を含む当該半天球よりも広い範囲を撮影する。このカメラは、カメラ部12に実装している。
さらに本実施形態では、所定の検知領域内における人その他の物体の移動を検知するエリアセンサを備える。このエリアセンサは、本体部11に実装している。例えば駐車時にイベント記録モード中の場合、エリアセンサを動作させ、検知領域内への人等の物体の侵入や検知領域内での移動を検知した場合に、カメラを起動・撮影開始を行い、所定のイベント条件を満たした場合、撮影した映像等を記録する。このようにすると、常時撮影し、常時録画する駐車記録モードに比べてバッテリーの低下を削減し、駐車中における長時間の監視が可能となる。
走行中におけるドライブレコーダーとしての機能は、例えばカメラで撮影範囲内を常時撮影し、記録手段に記録する常時録画モードと、所定のイベント条件が発生した際にその発生の前後の所定時間の録画ファイルを作成し、記録手段に記録するイベント記録モードを備える。所定のイベント条件は、一定以上の衝撃を検知した場合と、記録ボタンが押された場合がある。また、常時録画モードで記録中に、所定のイベント条件が発生した場合、イベントに基づくイベント記録も行う。常時録画モードに基づく記録エリアと、イベント記録に基づく記録エリアを分けている。例えば上書き記録する場合には、同じモードの記録エリアに対して上書きをする。これらの機能は、一般的なドライブレコーダーと同様であるため、その詳細な説明を省略する。
本実施形態のドライブレコーダー10は、駐車中に撮影し録画するセキュリティ機能を備える。係る機能は、常時録画モードと、イベントのみ録画モードがある。常時録画モードは、常時撮影し、記録する駐車記録を行いつつ、駐車中に所定のイベント条件か発生した際にその発生の前後の所定時間の録画ファイルを作成し、記録手段に記録するイベント記録を行うモードである。所定のイベント条件は、例えば、「衝撃」、「傾斜」、「ドア開」等がある。「衝撃」は、車両に一定以上の衝撃があった場合であり、例えば加速度センサなどで検出する。「傾斜」は一定以上の車両の傾斜、ジャッキアップを検出した場合であり、例えば傾斜センサで検出する。この傾斜センサは、加速度センサであるが、衝撃検知のための加速度センサとは別のセンサである。「ドア開」は車両のドアが開いたことを検出するもので、例えば車室内の音圧の変化などをマイク等で検出する。この音圧を検出するドア開検知用のマイクは、記録用のマイクとは別のものであり、それら2つのマイクが、一つの筐体に実装される。
イベントのみ録画モードは、常時の駐車記録は行わず、上述したようにエリアセンサで接近監視を行い、接近を検知した場合に、カメラを起動・撮影開始を行い、所定のイベント条件が発生した際にその発生の前後の所定時間の録画ファイルを作成し、記録手段に記録するイベント記録を行うモードである。所定のイベント条件は、例えば、「近接近」、「衝撃」、「傾斜」、「ドア開」等がある。「近接近」は、エリアセンサを用いた接近監視モード中に人や車両が近づいたことを検知した場合であり、エリアセンサで検出する。「衝撃」はエリアセンサを用いた接近監視モード中に、車両に一定以上の衝撃があった場合であり、例えば加速度センサなどで検出する。「傾斜」はエリアセンサを用いた接近監視モード中に一定以上の車両の傾斜、ジャッキアップを検出した場合であり、例えば傾斜センサや加速度センサで検出する。「ドア開」はエリアセンサを用いた接近監視モード中に車両のドアが開いたことを検出するもので、例えば車室内の音圧の変化などをマイク等で検出する。
本実施形態のエリアセンサは、マイクロ波、ミリ波等の電波を放射し、その電波の反射波に基づき物体の移動を検知するセンサである。マイクロ波は、例えば、20〜30GHzの準ミリ波とするとよく、本実施形態では、24GHzとした。放射した電波が到達する範囲が、検知領域となる。係るエリアセンサの検知領域は、水平平面内で撮影範囲と同じか広い範囲とするとよく、本実施形態では、平面の方向に広がりがあり、その平面の方向と直交する方向には平面方向の広がりよりも小さい検知領域とした。
そして、当該平面が水平平面内になるように設定すると、車両1の外側の全周囲における所定範囲内がエリアセンサの検知領域となり、例えば車両1に接近する人等がいない場合には、バッテリーの電力消費を可及的に抑制でき、一方、人等の移動を検知した場合には、カメラの撮影を行うことで、実際に車両1に対する接触・侵入があった場合にその瞬間を含む範囲内の映像等を記録することができる。
本体部11は、筒状の筐体20内に各種の電子部品・回路等が実装される。筐体20は、車両1に取り付けた状態で上下に2分割された第一ケース21と第二ケース22とを突き合わせることで構成される。筐体20は、全体的に円筒状の外形状を有し、筐体20を構成する第一ケース21と第二ケース22は、その円筒を横たわった状態で上下に二分割して、断面が半円弧状になる。第一ケース21の周面21fの下端面と、第二ケース22の周面22jの上端面と、互いに付き合わせた状態で、第一ケース21と第二ケース22を連結して筐体20を形成する。
第二ケース22の上端面は、その外側半分の領域に上方に突出する壁部22kを形成する。この壁部22kの内周に、全周に渡って凹状に切欠かれた部分が形成される。一方、随省略するが、第一ケース21の下端面は、その内側判断の領域に下方に突出する壁部を形成し、この壁部の外周に、全周に渡って凹状に切欠かれた部分が形成される。第一ケース21と第二ケース22を接合するに際し、互いの壁部を相手の凹状に切り欠かれた部分に嵌め合わすことで、水平面方向の移動も抑止された状態でしっかり連結される。さらに、第二ケース22の周面22jの上端面の軸方向中央付近に上方に向けて起立形成した爪片22eを、第一ケース21の下端面近傍の内周面に形成した凹部(図示省略)に嵌め込むことで、上下方向の離脱が抑止される。
このように第一ケース21と第二ケース22を付き合わせた状態で、止めねじ88を用いて強固に固定する。すなわち、図1,図9(a)等に示すように、第一ケース21の周面21fの四隅付近には、内側に向けて突出する有底の円筒状部21eを備える。円筒状部21eの上端は、第一ケース21の周面21fに開口し、図示省略しているが、この円筒状部21eの底面は、第一ケース21の周面21fの下端面よりも上方に一段奥まった位置に配置し、底面の中央には貫通孔が形成される。組立時において第一ケース21の外側から円筒状部21e内に止めねじ88を挿入すると、止めねじ88のねじ部は底面に設けた貫通孔から下方に突出し、止めねじ88の頭部が円筒状部21eの底部に接触して留まる。
一方、第一ケース21に設けた円筒状部21eに対向する第二ケース22の内周面には、それぞれ円筒状部22iを設ける。この円筒状部22iの上端位置は、第一ケース21の周面22jの上端面よりも上方に突出した位置に位置させる。円筒状部22iの上端部位に雌ねじを形成し、この雌ねじに上記の止めねじ88を締結し、第一ケース21と第二ケース22が確実に固定される。
[ブラケット13と本体部11の取付のバリエーション]
図3等に示すように、第一ケース21,第二ケース22の一方端部21a,22aは、その外形寸法が一回り小さく形成され、その一方端部21a,22aと本体部11の軸方向の中央部位との間には段差が形成される。この段差を生じた壁面に鋸刃状の歯部23が形成されている。本実施形態では、歯部23は、第二ケース22側にのみ形成している。さらに、第一ケース21,第二ケース22の一方端部21a,22aの先端側外周面には、雄ねじ24が形成されている。
図4等に示すように、ブラケット13は、前記本体部11を保持するリング部16と、リング部16の外周面16a側に配置されフロントガラス2に貼付け固定する固定板部17を備える。固定板部17の取付面17aに両面接着テープの一方の接着面を貼付け、その両面接着テープの他方の接着面をフロントガラス2の所定位置に貼付けることでブラケット13をフロントガラス2に接着固定する。固定板部17の取付面17aは、リング部16の外周面16aの接線方向に対して所定角度に傾斜した配置となる。係る傾斜した配置になるようにリング部16と固定板部17との間に連結部18を有する。リング部16は、無端の環状からなり、その直径は第一ケース21,第二ケース22の一方端部21a,22aの外径に略一致するかやや大きくしている。
さらにリング部16と固定板部17との位置関係の構造が、固定板部17を車両1に固定するに際し、リング部16が固定板部17より上側にある第一姿勢(図7(b)参照)と、リング部16が固定板部より下側にある第二姿勢(図7(a)参照)をとれる構造とした。第一姿勢と第二姿勢をとれる構造は、リング部16の円周方向に沿った固定板部17の中心から偏心した位置にリング部16を接続するようにするとよい。また、例えば、リング部16の円周方向に沿った固定板部17の対辺の一方が、接線方向に多く突出するようにすると良い。
このようにすると、例えばカメラ部12で前方が撮影可能な位置でできるだけ上方に位置させることができる。例えばフロントガラス2の上方領域にマスク等されている車両があり、そのような所領にはマスクされた部分に第二姿勢で固定板部17を取付け、下側に下げた位置に本体部11を位置させて前方撮影可能とする。そのようなマスクがない車両では、第一姿勢で固定板部17を取付け、本体部11をできるだけ高い位置に配置し、前方をできるだけ高い位置まで撮影できるようにする等、状況に応じた取り付け態様がとれる。
リング部16の軸方向の両面には、その全周に渡って歯部25が形成されている。この歯部25は、第二ケース22に形成した歯部23と符合し合うように、同一寸法形状・同一ピッチに設定される。リング部16は、軸方向両端が開口しており、その両方の開口部側から本体部11を装着可能としている。
これにより、リング部16を第一ケース21,第二ケース22の一方端部21a,22aに装着すると、リング部16はその中心軸を回転中心として第一ケース21,第二ケース22の一方端部21a,22aに対して相対的に正逆回転可能となる。そして、第二ケース22側に設けた歯部23と、その歯部23に対向するリング部16に設けた歯部25とを噛み合わせることで、当該回転が抑止される。そして、本実施形態では、リング部16の両側に同形状の歯部25を設けたため、本体部11をリング部16のどちらの開口部側から装着しても、第二ケース22に設けた歯部23と噛み合わせ、リング部16と本体部11との相対角度位置の制御を行うことができる。
第一ケース21,第二ケース22の一方端部21a,22aを、リング部16の一方の開口部から差し込むと、一方端部21a,22aの先端部並びにそれに設けた雄ねじ24はリング部16の他方の開口部から外に突出する(図5等参照)。その突出した雄ねじ24にナット部材26を装着する。ナット部材26は、扁平な円盤状のキャップ形態からなり、その内周面に雄ねじ24に符合する雌ねじ27が形成されている。そして、ナット部材26の雌ねじ27と、本体部11の第一ケース21,第二ケース22の一方端部21a,22aの雄ねじ24とをしっかりと締結すると、リング部16は、本体部11の筐体20とナット部材26との間で所定の力で挟み付けられ、この状態では歯部23,25同士が噛み合ってリング部16ひいてはブラケット13の回転が抑止される。一方、ナット部材26をゆるめた状態では、当該回転が許容される。よって、本体部11とブラケット13との相対角度位置関係を任意の位置に調整し、その位置で固定することができる。
上述したように、リング部16に対し、本体部11を左右いずれの側からも挿入できるようにし、リング部16の両開口部に歯部25を設けたため、当該いずれの方向から挿入した場合も、リング部16と本体部11の相対角度位置関係を任意の位置に調整し、その位置で固定することができる(図6等参照)。左右いずれの側から取り付けたかは、モード設定により登録する。ドライブレコーダーの制御部は、左右のモード設定に伴い、動作を制御する。例えば、当該左右のモード設定に従い、本体部・カメラ部のどの面が車両の前方/車室内を向いているかを認識し、それに基づく制御を行う。係る制御は、例えば、カメラ部で撮影した映像の前後の向きを決定したり、後述するように例えば車両の前方側は発光しないというようなLEDの発光の有無の制御等を行ったりする。
このように、本体部11の取付けを、リング部16の両開口部の双方向から行い、リバーシブルにしたため、例えばドライブレコーダー10の取付位置がフロントガラス2のセンターに確保できない場合、ブラケット13に対する本体部11の取付方向を変えることで、カメラ部12をできるだけ中央にすることができる。本形態のカメラ部12は、その撮影範囲がカメラ部12を中心に下向きの半天球を含む斜め上方までの広い範囲としているため、カメラ部12がフロントガラス2ひいては車両1の中央付近に配置することで、が、車両1の外側を左右に偏ることなく均等な範囲を撮影できるのでよい。例えば、ブラケット13を運転席に取り付けた場合、本体部11は、助手席側から装着することで、カメラ部12をできるだけ中央側に配置する。
なお、ブラケット13に対する左右両側からの取付を可能にする構造は、上述したようにカメラ部12をできるだけ中央に持って行きたいという要求以外にも、例えば、右ハンドル/左ハンドルのいずれの運転者からもボタン操作・メモリカード脱着等の操作性を良くしたり、ドライブレコーダー10の多くの部分がルームミラーの陰になり見えなくし、前方の視認性を良くしたりすることに対応できる。
さらにブラケット13に対する左右両側からの取付を可能にする構造の利用態様としては、上述したようにカメラ部12を中央に持って行くものとは逆に、カメラ部12を左右の端の方に位置させ、片側を重点的に撮影したいという要求にも対応できる。片側が重点的とは、例えば、駐車場が片側壁の場合には、壁でない方に取付け、壁でない外側も広く撮れるようにすることなどがある。また、車室内の撮影において片側重点撮影の用途にも対応できる。
上述したように、ブラケット13に対する本体部11の装着方向の2パターンと、ブラケット13のフロントガラス2への固定姿勢の2パターンを適宜組み合わせることで、合計4パターンの取り付け姿勢をとることができる。
[エリアセンサの検知領域の平面の調整機能]
上述したように、エリアセンサの検知領域は、例えば円盤のように平面の方向に広がりがあり、ドライブレコーダー10を使用するにあたり、その平面を地面と平行な水平平面内に調整・セットする。この調整は、例えばナット部材26を緩めた状態で本体部11を回転させてエリアセンサの検知領域を水平にした状態でナット部材26を締めて固定する。
本形態では、本体部11の第一ケース21,第二ケース22の一方端部21a,22aの先端面側に、水平ライン30を設ける。この水平ライン30は、エリアセンサの検知領域の平面内に位置しており、水平ライン30が水平になるように角度調整すると、エリアセンサの検知領域も水平平面内になるように、エリアセンサを本体部11に実装している。
この水平ライン30は、本実施形態では、第一ケース21と第二ケース22を付き合わせて形成される接合面を利用している。図5等に示すように、ナット部材26の中央部には円形の貫通孔28が形成されている。この貫通孔28から本体部11の第一ケース21,第二ケース22の先端に形成した小半円状の凸部21b,22bが外部に露出する。第一ケース21の凸部21bと第二ケース22の凸部22bの突き合わせ部分には、水平ライン30が形成される。
ユーザは、水平ライン30の角度を見ながら本体部11の回転角度を調整し、水平ライン30が水平になった状態でナット部材26を締めて固定する(図8(a)等参照)ことで、エリアセンサの検知領域が水平平面内になるように本体部11を正しい角度位置に設定する。このようにエリアセンサの検知領域の平面方向の向きが、地面と水平になるように調整すると、一つのエリアセンサで車両前方と車室内という180度反対方向の撮影範囲での物体の移動を検知することができ、また、車両1の外側の全周囲のどの方向からの物体の接近やうろつくなどの移動を検知することができる。そして、物体の移動に基づきカメラの動作を制御することで、移動物体の撮影を適切に行える。
[カメラ部の回転機構]
図8(a)等に示すように、本実施形態のドライブレコーダー10は、本体部11に対しカメラ部12が回転可能に連係させる構成としている。本実施形態のカメラ部12の撮影範囲は、カメラ部12の視野方向を下向きにした場合に、下側の半天球を含み、その半天球よりも広い範囲とし、斜め上方まで撮影可能としている。よって、カメラ部12の視野方向を真下にした状態でも、例えば車両の前方斜め上のエリアも撮影可能となる。一方、半天球以上の撮影範囲を撮影するカメラでは、その解像度は、撮影して得られる円形の画像のうち、中央部分が最も良く、周縁部分が最も低くなる。そのため、車両前方、特に斜め上方の景色は、撮影して得られる円形の映像の周縁部分に位置するため、解像度が悪くなる。
そこで、走行中は例えばカメラ部12の視野方向を斜め前方に向け、前方斜め上方の撮影領域を広げ、前方景色を解像度が高く綺麗に撮影できるようにし、駐車中はカメラ部12の視野方向を真下に向け、ドライブレコーダーを中心に水平平面内で360度、垂直平面内で180度以上の角度の範囲で撮影でき、車両1に対するいたずら、衝突事故、盗難等の状況を撮影可能となる。
本実施形態では、本体部11内に水平360度の範囲を検知するエリアセンサを備え、そのエリアセンサの検知領域が水平平面内になるように調整して設置しており、本体部11はその設置した状態を維持する必要があり、設置後においてカメラの視野方向を変えるために本体部11を回転させることができない。そこで本実施形態では、上述したように本体部11に対してカメラ部12を回転可能にし、図8(a)に示すように、水平ライン30が水平に位置した状態を保持しながら、カメラ部12を前後に首振りするように回転可能に接続する構造にし、エリアセンサの検知領域は水平面内を維持しながらカメラでの撮影範囲を変更可能にした。
さらに本実施形態では、図8(a)に示すように、ドライブレコーダー10を車両1に取り付けた状態において、例えばカメラ部12が真下を向く姿勢を基準とすると、車両の前方側に向く姿勢と、後方側に向く姿勢のように、前後に首振りすることができるようにしている。このように前後に首振りできる構造としたため、例えば、本体部11をリング部16の左右いずれの側から装着し、本体部11の車両1の前方側を向く側が反転した場合でも、その設置した状態において車両の前方にカメラ部12を向かせることができる。
さらに、本実施形態では、エリアセンサの検知領域の向きは本体部11とリング部16との回転により調整し、カメラの向きの調整は本体部11に対するカメラ部12の回転角度を変更することを調整する。このように、エリアセンサの検知領域の向きと、カメラ部の視野方向の向きがそれぞれ独立して回転させて調整する調整機構を備えたことを特徴としている。これにより、エリアセンサとカメラ部12のそれぞれを所望の向きに設定できるので、エリアセンサの検知領域と、カメラ部12の撮影範囲の関係が適切な状態にすることができる。そして本実施形態では、本体部11の回転中心と、カメラ部12の回転中心は、同軸に配置している。これにより、本体部11を回転させてエリアセンサの向きを調整する際、本体部11と一体になってカメラ部12が本体部の回転中心を中心に回転移動したとしても、そのときの回転面は、本体ケースに対するカメラケースの回転面と等しい。よって、本体ケースの回転に伴いカメラケースが回転して撮影手段の撮影方向が変位しても、その後にカメラケースを単独で所定角度回転させ、撮影手段による撮影方向を所望の位置にすることができる。
カメラ部12の向きの調整は、例えば、ユーザがカメラ部12の向きを見ながら目視による確認により所望の方向を向くようにしても良いし、例えば、前方に向ける際には回転可能な角度範囲の最大角度まで移動するようにしても良い。このように目視に基づく調整は、簡単に行えるので好ましい。また、後述するように、本実施形態では、ドライブレコーダー10は、スマートフォン等の携帯端末と通信する機能を有し、例えばカメラ部12で撮影した映像をリアルタイムで送信する機能を有する。スマートフォン等の携帯端末は、受信した映像を表示部91に表示する(図8(b)等参照)。ユーザは、この表示された映像を見ながら、カメラ部12の向きを調整し、所望の撮影範囲になった状態でカメラ部12の向きを確定すると良い。このようにすると、より精度良く所望のエリアを撮影範囲に設定できるのでなお良い。
カメラ部12の調整可能な角度範囲は、例えば真下を向く姿勢を基準とし、片側に30度、前後方向であわせて60度の範囲とした。詳細は後述するが、カメラ部12に実装したカメラの画角は、ドライブレコーダー10を車両1に正しく取り付けた状態で、垂直面内で例えば220度としている。すると、真下を0度すると、前方の撮影範囲は110度となる。前方範囲が110度の範囲内だと、例えば、交差点において停止線の直前で一時停止した場合に、進行方向の信号機を十分に撮影することができない。従って、例えば、進行方向の信号機が青に変わってから発進した状態で横から追突されたような場合、青で発進したという自己の正当性を証明できないおそれがある。本実施形態では、そこで、カメラの向きを変更できるようにし、例えば30度傾けると、110+30で140度となり、信号機の信号の色を撮影し、記録することができるのでよい。なお、例えば片側に40度の範囲とすると、撮影範囲がより上方に広がり信号機をより確実に撮影範囲内に位置させるとともに、レンズの中央に近い箇所で撮影できるためよりクリアに撮影できるが、車室内の写らなくなる範囲が広くなるので好ましく無いし、30度で撮影できるので30度より大きくする必要性も低い。そこで本実施形態では、30度の範囲とした。係る角度は、例えば、例えば信号機などの撮影したい対象物が、第一姿勢のカメラでは撮影範囲外にあり、回転させてカメラ部の向きを第二姿勢に変位させて撮影範囲内になるように、カメラの画角と、回転角度の関係を設定すると良い。
ドライブレコーダーをフロントガラスに取り付けた状態で垂直平面内にてカメラユニットを回転可能にし、斜め前を向く姿勢にすると、前方斜め上方の撮影領域が広がり、信号機も撮影できるドライブレコーダー優先姿勢となる。この場合、室内の撮影エリアは狭くなる。一方、カメラを下向きにすると、車両の水平方向の周囲360度が 垂直平面内で180度以上の角度で撮影でき、車内の状況撮影優先や、車内外のセキュリティ監視優先姿勢となる。
[カメラ部12を回転させる具体的な構造等]
上述したように、本実施形態では、本体部11に対してカメラ部12を回転自在に取り付けているが、その具体的な構造は以下のようにしている。まず、本体部11の筐体20を構成する第一ケース21と第二ケース22は、上述したように円筒を上下に二分割し、一方端部21a,22a以外の部分は、全長に渡り同一径の半円弧状の周面となる。第一ケース21の一方端部21aの周面には、2つの窪み部21cを有する。この2つの窪み部21cの一方に技術基準適合証明ラベル31を貼付け、他方にシリアルナンバーのシールを貼付ける。この一方端部21aの部分には、ブラケット13のリング部16が装着される。本形態では窪み部21cを設け、一方端部21aの周面よりも一段低くしたため、例えばリング部16を回転させても、ラベル・シールが剥がれないし、使用状態ではラベル・シールはリング部16で覆われているので経年劣化や誤って剥がれることもない。
筐体20のリング部16・ナット部材26を装着する側と反対側の側面は、平坦面としている。本形態では、第二ケース22の他方端面が、軸方向に対して直交する方向に延びる円板状の側面22dとなり、第一ケース21の端縁21dは、その側面22dの周縁に接した状態となる。このように本形態では、筐体20の反対側の側面は、第二ケース22の側面22dが一枚で構成し、一方端部のように分割していないことを特徴としている。
この側面22d側には、その中央付近からやや上方位置に、矩形状の開口部22gを設け、その開口部22gの裏面側に電源コネクタ34を配置する。また、その開口部22gの下側には、2つの開口部22hを上下に並ぶように設け、側面22dの裏面側から開口部22hを介して外側に突出するように、録画ボタン33と、記録ボタン32を配置する。図9(c)に示すように、録画ボタン33は、左右側面にそれぞれ板バネ33aが一体に形成され、その板バネ33aの先端を側面22dの裏面に固定する。記録ボタン32は、左右側面にそれぞれ板バネ32aが一体に形成され、その板バネ33aの先端を側面22dの裏面に固定する。これらにより、各ボタンが押されると、筐体20の内方に押し込まれるが、押す力を解除すると、板バネ33a,32aの弾性復元力により各ボタンが押し戻されて側面22dの外側に突出する。また、側面22dの上方側には上下方向に延びる縦長のカード挿入口35を設け、そのカード挿入口35からメモリカード36を着脱するようにしている。
この録画ボタン33が単独で押下された場合、制御部は、録画の停止と再開を繰り返し行う。常時録画中に記録ボタン32が押下された場合、制御部は、ワンタッチ記録を実行する。さらに録画停止中に録画ボタン33と記録ボタン32が同時に押下された場合、制御部は設定モードへ移行する。
下側の第二ケース22には、その周面の軸方向の中央部位に、大きな開口部22cを設ける。開口部22cは、周方向に沿って帯状に開口した形状となり、ドライブレコーダー10を取り付けた状態における最下端を基準に前後方向に30度ずつ、全体で60度分だけ開口している。この開口部22c内に、カメラ部12を回転自在に装着する。
図11,図12等に示すように、カメラ部12は、カメラケース40と、そのカメラケース40内に実装されるカメラユニット87を備えている。カメラケース40は、上下に除下に二分割された第一レンズホルダー41と第二レンズホルダー42を、その上端縁と下端縁を付き合わせて連結して一体化する。第一レンズホルダー41は、上端が開口する略矩形状の箱体からなり、その上端縁の四角形の4つの各辺の中央部位に、凹状切欠き部41aを有し、その四角形の四隅にねじ穴41bを備える。ねじ穴41bの上端部分は、第一レンズホルダー41の上端縁よりも少し上方に突出している。
第二レンズホルダー42は、第一レンズホルダー41の上端縁の外形寸法と同一の寸法形状を有する矩形の枠体42aと、その枠体42aの上端に連続して形成される湾曲部42bを備える。湾曲部42bの横幅は、枠体42aの横幅よりも広くし、湾曲部42bの軸方向に沿った両側縁は、枠体42aの側面よりも外側に突出した形状となる。枠体42aと第一レンズホルダー41の端面同士を接合した状態では、第一レンズホルダー41に形成した凹状切欠き部41aの上方開放側が枠体42aの下端園で閉じられ、水平方向に延びる細長な開口部が形成される。枠体42aの内定面の四隅には、貫通孔42cが形成される。枠体42aと第一レンズホルダー41の端面同士を接合した状態では、その貫通孔42cと、第一レンズホルダー41に形成したねじ穴41bとが対向し、枠体42a側から貫通孔42c内に止めねじ85を挿入し、ネジ止めして第一レンズホルダー41と第二レンズホルダー42を一体化してカメラケース40を構成する。
係る構造のカメラケース40は、第二ケース22の開口部22cの内側から第一レンズホルダー41を外に突出するように挿入する。すると、第一レンズホルダー41並びに枠体42aは開口部22cから外側に突出するが、湾曲部42bの横幅を開口部22cの軸方向の横幅よりも広く設定しているため、湾曲部42bが第二ケース22の無い周面に接触し、それ以上外に離脱しない。
そして図10等に示すように、第二ケース22の内側にインナーケース38を配置し、カメラ部12のカメラケース40の湾曲部42bを、第二ケース22とインナーケース38で挟み込み、カメラ部12の離脱並びに本体部11内への入り込みを抑止する。そして、湾曲部42bの外周面並びに内周面の曲率半径は、対向する第二ケース22の内周面並びにインナーケース38の外周面とほぼ等しくし、その湾曲面に沿って回転が可能となる。
湾曲部42bと、インナーケース38との接触面には、回転を許容しつつ所望角度で回転を停止して姿勢を維持するように三角波状の凹凸の歯部を設けている。そしてその接触面に設けた歯部を噛み合わせた状態で回転方向の位置決がされ、その歯部が噛み合った状態でも回転方向に一定以上の付勢力が加わると、三角波形状であるので噛み合いが解除して回転するように構成している。そして本実施形態では、係る歯部は、軸方向の両サイドと、中央側の二箇所にした。
すなわち、図11,図12等に示すように、湾曲部42bの内面の軸方向両サイドの中央部位に、カメラ側第一歯部86aを設ける。また湾曲部42bの内面の軸方向中央部位には、周方向の両先端付近までカメラ側第二歯部86bを設ける。このカメラ側第一歯部86a、山が大きく、山の配列ピッチは例えば5度ピッチにしている。さらに湾曲部42bの周方向の両端には、カメラ側第二歯部86bの先に係止凸部86cを設ける。係止凸部86cは、カメラ側第二歯部86bよりも大きい突出部としている。
一方、インナーケース38は、上方開放した半円筒状であり、軸方向の長さは湾曲部42bの横幅・軸方向の長さよりも長くしている。そして、インナーケース38の軸方向中央部位は、表面側が削れた肉薄部38aとなる。肉薄部38aの軸方向の長さは、湾曲部42bの横幅とほぼ等しいか若干長くしている。さらに肉薄部38aの表面は、インナーケース38の軸方向両端側の表面よりも湾曲部42bの肉厚分だけ奥に下がった位置に設定されている。これにより、湾曲部42bをインナーケース38の肉薄部38a内に装着した状態では、湾曲面に沿って周方向に回転可能となる。
さらに肉薄部38aの中央部分には大きく開く開口部38eが形成される。開口部38eの軸方向の両側縁と、肉薄部38aの軸方向両側縁との間には、幅狭の領域が形成されており、その領域にカメラ側第一歯部86aに符合する本体側第一歯部38cを備える。カメラ側第一歯部86aと、本体側第一歯部38cの部分は、ともに山は浅く、山の配列ピッチをカメラ側第二歯部86bの半分とし、例えば2.5度ピッチにしている。浅くしているから、コトコトことと乗り越えながら回転方向に動く。
また、肉薄部38aの軸方向中央部位には、両先端から周方向内側に向けて切り込み部38gが所定間隔をおいて2本形成されている。同様に、開口部38eの周縁から周方向先端側に向けて切り込み部38gが所定間隔をおいて2本形成している。これら同じ側に設けた2本の切り込み部38gで挟まれた部位が板バネとなり、その板バネの先端に本体側第二歯部38dを設ける。本体側第二歯部38dは、インナーケース38の上端縁と、開口部38e近傍の二箇所にそれぞれ軸方向に延びる1本の突条となり、その突条の高さは、カメラ側第二歯部86bと等しくしている。またその一対の突条の山は、所定距離離れている。そして、図11(b),(c)に示すように、インナーケース38に対してカメラ部12を前後方向に30度回転させた状態では、湾曲部42bに設けた係止凸部86cが、インナーケース38に設けたカメラ側第二歯部86b間に位置する。
インナーケース38の内周面の四隅の所定位置には、上方に延びるボス38fを設ける。この所定位置は、インナーケース38を第二ケース22に実装した際に、第二ケース22の円筒状部22iに対向する位置である。ボス38fは、上下が開口する貫通孔を有し、その貫通孔の内径は、上端付近の内径は第二ケース22に設けた円筒状部22iの外径に対し若干小さくし、下方に行くに従い徐々に大きくなる形状としている。これにより、インナーケース38を第二ケース22に実装した状態では、ボス38fの貫通孔内に円筒状部22iが入り込むようになり、その円筒状部22iでボス38fが支持された状態となる。そして、ボス38fの貫通孔の上端は円筒状部21eの外径よりも小さいため、ボス38fの上端位置は、第二ケース22の円筒状部22iの上端位置よりも一段低い位置となり、下方すなわち第二ケース22の外側に少しずらした状態となる。
カメラケース40ひいては湾曲部42bと、インナーケース38の中心軸をずらしている。湾曲部42bのカーブと、インナーケース38のカーブを変え、インナーケース38側を小さくしている。これにより、例えば製造公差などでインナーケース38側が設計値よりも大きくなっても、湾曲部42bより大きくならないようにし、確実に湾曲部42bがインナーケース38の肉薄部38a内に嵌まる。そして、インナーケース38側を小さく設定してるため、そのまま中心軸が一致するようにするとガタ付きを生じるため、中心軸をずらしてインナーケース38が外側に位置するようにしている。この中心軸をずらすのを、上述したボス38fの貫通孔をテーパー面にして実装時に少し下方に位置させることを利用した。
このようにすることで、第二ケース22でカメラケース40の湾曲部42bをインナーケース38に押しつけるようになり、歯部同士の噛み合いをしっかりさせると共に、インナーケース38の板ばねの弾性復元力と、広いピッチ(例えば5度ピッチ)に大きい山の噛み合いによりしっかりと固定する。
上述したように、エリアセンサの向きを調整するための本体部11とブラケット13,リング部16との間の回転角度の調整並びに調整後の角度の保持機構は、ナット部材26を緩めて本体部11とリング部16の側面同士で接触する歯部の噛み合いを解錠することで調整し、調整後はナット部材26を締め付けることで、しっかりと固定できるようにした。ナット部材をしっかり締めることで、例えば本体部11やカメラ部12に誤って触れたとしても、本体部11の回転角度ひいてはエリアセンサの向きが変わることがない。
一方、本体部11とカメラ部12は、互いの周面同士で接触する凹凸・歯部が噛み合ってカメラ部12の向きを保持しているが、その噛み合った状態まま回転も可能とする必要から、凹凸・歯部の山が小さくなったり、板バネ等を用いた弾性変形力を利用したりして固定するので、エリアセンサの向きの固定力に比べると緩やかな固定となる。
このように、エリアセンサを回転させる手段は、カメラ部を回転させる手段よりもしっかり固定できるように構成したので、センサの向きはしっかり固定することができ、所望の向き、例えば地面と水平を維持できるのでよく、カメラの向きはエリアセンサの固定よりはゆるい固定であり、車室内で設置した状態でも回転させて撮影範囲の調整がしやすくなるので良い。特にカメラの向きは、例えば、走行中は前方を向かせてドライブレコーダーとして使用し、駐車時は下向きにして車両の全周囲を撮影可能としてセキュリティとして使用する場合、エリアセンサは一度向きを設定するとそのままで良いが、カメラの向きは頻繁に変えるので、緩やかな固定の方が好ましい。調整の頻度が少ない方がしっかり固定できるように構成すると良い。
[本体ケース等は、映りにくい構成]
カメラケース40内に実装するカメラユニット87は、本形態では第一レンズホルダー41内に実装する。カメラユニット87の上側の回路基板87aは、その四隅が凹状に切り欠かれている。カメラユニット87を実装した状態では、その切り欠かれた部分が、ねじ穴41bの外周面に近接した状態にセットされる。上側の回路基板47aの各辺の下面には、撮影用ランプ44や、録画ランプ45が配置される。録画ランプ45は、ドライブレコーダー10を車両に設置した状態での前後の両辺の中央にそれぞれ1個ずつ配置し、撮影用ランプ44は各辺に2個ずつ配置する。それらランプは、凹状切欠き部41aにより形成される開口部に対向する位置に配置され、外部から視認可能となる。また第一レンズホルダー41の底面41cの外側中央には、環状の突条41dが設けられ、その突条41dの下端にカメラユニット87が備えるレンズ43が突出するように配置される。本実施形態では、カメラの撮影範囲は、半天球以上の範囲であり、レンズ43をカメラケース40の底面側で配置したので、垂直平面内で180度以上となり、レンズ43の斜め後ろ側の上方側も撮影範囲となる。
そして本実施形態では、カメラ部12で撮影した映像の範囲内に、カメラケース40と本体部11・ブラケット13が写り込みにくくなるように、カメラケース40上でのレンズ43の位置並びに向きと、本体部11等との関係性が設定されている。本体部11やカメラケース40が、カメラで撮影する映像に映り込みにくくなるので、車外の景色や、車室内の様子を見やすく採ることができる。映り込みにくくなる関係性は、例えば、カメラケースの回転に伴うカメラの撮影範囲内に、本体部11等が写らないか、影響が少ない範囲で写るような関係に設定すると良い。カメラの撮影範囲に存在する部分をできるだけ少なくする形状にすると良く、例えば、本体ケース・カメラケースの寸法形状をできるだけ小さくしたり、カメラの死角は円錐形になるので、カメラケースをその円錐形に近い形状や内接する矩形状等にしたりするとよい。本実施形態では、本体部11は横長な円筒形であるので、例えば本体部11の軸方向両側の側面等も映り込まないか、映り込みにくいようにしている。カメラケース40は、第一レンズホルダー41の底面41cの下側にリング状の突条41dを突出させ、レンズ43はその突条41dの下方に突出・露出するようにしたので、レンズ43の斜め後ろに撮影範囲内に、第一レンズホルダー41の矩形状のケース部分が映り込まない設定としている。
また、上述したようにカメラケース40内にはカメラユニット87が実装される。この実装するカメラユニット87の構成要素は、上記のようにカメラの撮影範囲内に、カメラケース40が写らないか、影響が少ない範囲で写るような関係に設定した空間内に実装可能な部品の量を決定し、それをカメラユニットとして実装した。
[ランプ]
上述したように、カメラ部12は、カメラケース40の矩形状のケース部分の4面に撮影用ランプ44を配置し、車両に取り付けた状態での前後面に録画ランプ45を備えた。撮影用ランプ44は、白色LEDである。例えば、駐車中に撮影する際に周囲が暗い場合、ドライブレコーダーの制御部は、4面の全ての撮影用ランプ44を点灯する。これにより、夜間等で撮影に十分に明るさがない状況でも確実に接近等してくる人などの物体を撮影し、記録できる。周囲の明るさは、例えば本体部11に実装した照度センサの出力に基づき判定する。
4面の全ての撮影用ランプ44を点灯するのではなく、一部の方向を発光させ、その部分を撮影するようにしても良い。例えば、撮影用ランプ44は、走行中は少なくとも前面等の車両の外に向かって発光するものは点灯しないようにすると良い。また、走行中であっても、例えば進行方向後面側のランプは点灯し、車室内の状況を綺麗に撮影できる良いにすると良い。
また、例えば、駐車している車両の片側、例えば助手席側の外に壁等が近接していて、その助手席側からの侵入や、衝突のおそれが内場合には、設定によりそれ以外の方向のみを点灯させ、電力消費を抑えるようにしても良い。
さらに、周囲の物体の検知等に伴う撮影時以外に、適宜のタイミングで発光させるといよ。このようにすると、周囲に対する威嚇・接近警告や、監視動作中であることをアピールし、いたずら等に対する抑止効果を発揮するので良い。
録画ランプ45は、インジケータ用として動作し、本実施形態では、赤色と緑色の二色を発光するLED等を用いる。例えば走行時の通常の常時録画中は赤色が点灯し、録画停止中は緑色が点灯し、各種のイベント録画中は赤色が点滅するように制御部が制御する。また、走行中は、車両の前側の録画ランプ45は消灯するようにすると良い。
[本体部11の筐体20内に実装する構成]
図9(b),図13,図14等に示すように、筐体20内には上述したドライブレコーダー機能やセキュリティ機能を実現するための各種の処理回路や電源回路等を実装する。図9(b)等に示すように、第一回路基板46と第二回路基板47は、それぞれ立てた状態で筐体20内に実装する。第一回路基板46と第二回路基板47は、それぞれ対向する面に設けたコネクタ同士を接続し、電源並びに信号の送受を行う。第一回路基板46の上方に、GPS・WiFi基板53を水平状態で配置する。これら各基板は、プリント基板ホルダ57により支持されて筐体20内に実装される。第一回路基板46は、電源コネクタ34が実装され、電源コネクタ34の端子ピン34aはL字型に曲げられて、その先端が第一回路基板46に形成されたプリント配線に直接接続される。また、第一回路基板46には、2つのスイッチ素子60が取り付けられる。このスイッチ素子60は、記録ボタン32と録画ボタン33により操作される。第二回路基板47には、CPU、メモリカード36を装着するカードスロットその他の部品やセンサが実装され、その前面側は、シールドケース58に覆われている。GPS・WiFi基板53の上面には、GPSアンテナ54,WiFiアンテナ56,電池55等が実装される。GPS・WiFi基板53の下面側には、GPSモジュールやWiFiモジュールなどが実装され、第二回路基板47に実装したCPUとデータの送受を行う。また、筐体20内には、マイク61やスピーカー62や、加速度センサその他各種のセンサ等を実装する。
[エリアセンサ]
第一ケース21,第二ケース22の一方端部21a,22a側にエリアセンサ48を配置する。エリアセンサ48は、特定方向に電波を出力し、その出力した電波の反射波に基づき前記物体の移動を検知するセンサモジュール50と、そのセンサモジュール50から出力される電波を、所定の平面方向の周囲に向けて放射するアンテナ51を備える。電波は、本実施形態では準ミリ波を含むマイクロ波を用いるが、ミリ波などの周波数帯を用いても良い。波長によりアンテナの寸法も変わるが、このエリアセンサ48を実装するドライブレコーダー10の本体部11の外寸法は、軸方向の長さが88mm、直径が50mm程度であるので、マイクロ波を用いると良い。また、使用するマイクロ波は、例えば24GHzとした。
センサモジュール50は、縦に配置される所定形状の第一モジュールケース50aと第二モジュールケース50bとで、回路基板50cを挟み込んだ状態で、第一モジュールケース50aと第二モジュールケース50bをネジ止めして一体化する。第一モジュールケース50aと第二モジュールケース50bは、共に金属からなる筐体である。図示省略するが、第一モジュールケース50aと第二モジュールケース50bは、当該一体化した際に、回路基板50cのグランド配線パターンに接触する。これにより、第一モジュールケース50aと第二モジュールケース50bの表面も接地される。
回路基板50cの外部に露出した部位から、端子ピン50dが起立形成されている。このセンサモジュール50は、第一回路基板46に取り付けており、端子ピン50dが第一回路基板46の回路パターンに接続され導通する。センサモジュール50は、この端子ピン50dを経由して第一回路基板46側から電力供給を受けて電波を出力し、反射波に基づく検知出力を第一回路基板46側に送る。センサモジュール50は、導波管を構成し、電波の出力側に縦長の出射口50eを有し、この出射口50eの給電点から図中矢印方向の特定方向・給電方向に向けて電波を出力する。この出射口50eは、長手方向が回路基板50cと平行となる。この回路基板50cと平行な長手方向と平行な面が磁界面(E−平面)で、短手方向が電界面(H−平面)となる。さらにセンサモジュール50は、出力側に特定方向と直交する方向に延びるフランジ部50fを備える。このフランジ部50fは、規格で決まった寸法形状であり、全体で矩形状の外形を有し、各辺の中央付近に凹状切欠き部50gを設ける。
この出射口50eの電波の出力方向の前方にアンテナ51を装着する。アンテナ51は、反射と偏波変換を利用したリフレクトアンテナであり、反射・回り込み等の電波の性質を使い、センサモジュール50からの電波の出力方向は特定方向の一つにしつつ周囲に向かって電波を放射するように設定している。周囲は、エリアセンサ48を中心に、その周囲に対して平面の方向に広がりがあり、その平面の方向と直交する方向には広がりが小さい放射領域を有する。センサモジュールからの出力方向は特定方向に一つですむので、エリアセンサ48は、小型でコンパクトとなる。
センサモジュール50は、出射した電波の直接波に対する反射波の変動をドップラー効果を利用して物体を検知する機能と、出射した電場の直接波と、それに対する反射波で形成される合成波に基づき、電圧定在波比が変動することも利用して動体を検知する機能を有する。センサモジュール50は、それら機能を複合して物体を検出する。
従来から一般にこの種のセキュリティ監視に使用する物体検知は、マイクロ波ドップラーセンサが良く用いられている。ドップラーを利用して検知する受信回路とすると、例えば大きい車両の場合、反射波が小さくなり検知できないおそれがあるが、定在波比を利用することで、車両の大小に関係なく検知できるのでよい。
[アンテナ]
アンテナ51は、センサモジュール50のGND(金属筐体または回路基板GND)と、高周波的にショート(接地)するように接続する。アンテナ51は、以下に説明する所定形状の金属ダイカストや誘電体に金属メッキまたは金属蒸着することで形成される。誘電体の表面に金属膜を成膜する構造とするのが複雑な形状でも簡単かつ精度良く安価に形成できるので良い。
アンテナ51は、略矩形状で前後が開口する矩形状の枠体65を備える。この枠体65の内周面の寸法形状は、フランジ部50fの外周面の寸法形状とほぼ等しくしている。また、枠体65の一方の開口部側に、各辺の中央部位に内側に向けて突出する突片73を一体に形成する。突片73は、上下方向に配置する一組は幅広で、残りの一組は幅狭にしている。各突片73の寸法形状は、センサモジュール50のフランジ部50fの各辺の中央部位にそれぞれ設けた凹状切欠き部50gと等しくしている。
そして、この枠体65に対し、突片73を形成していない開口部側からフランジ部50fを挿入し、枠体65の最深部まで位置させる。すると、突片73と凹状切欠き部50gが嵌まり合って、アンテナ51とセンサモジュール50が所定の位置関係で固定される。特に、小型で軽量であるので、係る嵌め合いによる固定でネジ止めしなくても位置ズレすることがない。このようにネジ止めが不要な構造であるので、取り付け取り外しの工数が削減できるのでよい。また、アンテナ51は、その全体が金属ダイカスト或いは全面が金属膜で成膜されており、枠体65の内周面とフランジ部50fが接触することで、固定とともに金属筐体と電磁的に接続されるのでよい。
枠体65の上下面の突片73を設けた側には、その前方に突出するように遮断用プレート66を配置する。遮断用プレート66は、給電ポイントPでの電界に対して垂直となる方向の電磁波放射を抑制し、その抑制された電波は前方へ集中させる。この遮断用プレート66を配置することで、電波の放射領域を上下から押しつぶして水平方向に広がる。遮断用プレート66の横幅t3、すなわち、電波の出力方向と直交する方向の長さが短いと放射される電波の利得が下がるので、適宜の長さを設定する。本実施形態では、係る横幅t3の長さは、約4/5λの約15.5mmとした。
上下に配置した一対の遮断用プレート66を跨ぐように遮蔽板67を配置する、この遮蔽板67は、センサモジュール50から出力される電波を遮る位置に配置され、出力方向へ進む電波を遮断し、適宜の方向に反射する。遮断用プレート66の先端は、遮蔽板67よりも前方に突出するようにし、その先端部分の長さt2は、約2mmとした(図17(a)等参照)。
この遮蔽板67の裏面、すなわち、出射口55eに対向する面には、センサモジュール50から出力される電波の一部を反射してその進行方向を、特定方向と直交し相反する電界面の2方向に振り分ける反射体68を設ける。上下の遮蔽板67で反射体68を挟む構造となる。反射体68は、円錐型であり、その円錐型の頂点が、給電ポイントPから所定の距離t1を離した位置になるように配置する。所定の距離t1は、例えば1/16λから1/8λの範囲とすると良く、本実施形態では、1.15mmとした(図17(a)等参照)。
電界面の2方向の先には、開口部70を設ける。反射体68の頂点からそれぞれの開口部70までの距離は、約3/4λ程度とし10.4mmとした。この開口部70は、ドライブレコーダー10を正しい姿勢である水平ライン30が水平になるように車両1に取り付けた状態で、車両1の前方と後方を向く。反射体68で反射され、電界面の2方向に向けて進む電波は、その開口部70からそれぞれアンテナ51の外部に向けてメインローブ放射する。そして、上述したように遮断用プレート66により上下方向への進路が遮断され押さえ込まれた電波の電界成分は、反射体68で2方向に振り分けられ、一対の開口部70からメインローブ放射される電波に加わり、より遠くまで電波が届くようになる。反射体68と、開口部70との距離で反射損(VSWR:Voltage Standing Wave Ratio(電圧定在波比))を調整する。
円錐型の反射体68は、その側面が複数段に傾きを変えている。本形態では、頂点付近の急角度の部分と、裾の部分の緩やかな部分の2段階に分けている。このように2段階とすることで、第一フィン71,第二フィン72との協働もふまえ、一方の開口部70から放射する電波を180度近くの広範囲に広げることができる。シミュレーションをした結果、傾きが1つの単純な円錐形の場合、当該角度やフィンの長さを調整しても180度近くまでの広い範囲に放射することはできなかった。二段階にすることで、反射角度が異なり、広い範囲に反射するためと思われる。このように円錐の側面が2段階となっている傾き形状を変更することで、電界面の2方向に進む電波の放射角度を制御でき、当該2方向からのメインローブ放射の高い利得方向を所望の状態に設定できる。
反射体68には、円錐の頂点を含む上下方向のライン上の所定区間に、スリット69を設ける。このスリット69は、反射体68の頂点部分には設けず、当該頂点から上下方向に所定距離だけ離れた位置から、それぞれ上下方向に延びるように配置する。スリット69の向きは磁界面と一致しており、センサモジュール50から出力する電波の一部、主に磁界がスリット69を通過する。そして本実施形態では、反射体68を円錐型にしたので、磁界が進行方向の前に倒れるようになり、スリット69で共振しやすくなり前方へ放出されやすくなるのでよい。
スリット69の通過後の磁界が進むにつれて、電界も生じて一定距離離れた遠方界に至ると通常の電磁波として特定方向と同一方向に電波が放射する。この特定方向と同一方向に向かう電波は、ドライブレコーダー10の水平ライン30を設けた一方端部21a,22aの端面から外に向かって放射される。検知領域内で物体に当たると反射波が戻ってくる。
また、スリット69の幅が広くなるほど、そこを通過する電界成分が増え、それに伴い反射体68で振り分けられる電界成分が相対的に減る。車両の前後方向に向けて放射する電波並びにエリアセンサ48を設けない反対側の側面に向けて放射する電波は、反射体68で振り分けられる電界成分に基づくものである。よって振り分けられる電界成分に基づく放射の電波の届く範囲とのバランスで、スリット幅を設定する。
さらに本実施形態では、反射体68の頂点部分はスリット69がなく、途中から上下方向に延びるスリット69を設けたことを特徴としている。仮に頂点までスリットを設けると、その円錐の頂点部分のスリットで反射して2方向に振り分ける電界が均等にでず、両開口部70から放射する電波のバランスが悪くなる。これに対し、本実施形態のように頂点部分は円錐の頂点があることでそこにぶつかった電界がバランス良く両側に反射して振り分けられるのでよい。さらに、頂点までスリットを設けるの形状にすると、製造が難しいが、頂点を設けることで製造が容易になる点でも良い。
さらに、円錐の頂点にスリットを設けず、円錐の側面の中腹からスリット69があるので、磁界成分が前に進みやすくなり、遠くまで電波を飛ばせるようになるので好ましい。これは、シミュレーションの結果、上のスリット69と下のスリット69で進む磁界成分の位相が逆になっていることが確認でき、頂点を含め上下に全てスリットを設けると、逆相にはならないことが確認できた。2方向に振り分けられる電界成分が、逆相(両電界の向きは、図18中、黒矢印方向)になることと同様の現象が生じており、この逆相が影響して電波の伝達距離が伸びるものと推定する。また、頂点付近のスリット69を設けない部分の寸法は、例えば図17(e)に示すように、一方のスリット69の頂点側の一端から頂点を通り、他方のスリット69の頂点側の一端に至る円錐の側面に沿った距離t6が、例えば約1/2λにするとよい。頂点から、各スリット69の一端までのそれぞれの距離は、約1/4λとなる。
さらに電界面の2方向の先に設けた開口部70の周縁から特定方向と平行な方向に延びる金属製の第一フィン71と、開口部70の周縁から逆方向に延びる金属製の第二フィン72を備える。本実施形態では、第二フィン72は枠体65と兼用する。兼用するのは、枠体65の開口部70に繋がる壁面である。
第一フィン71と第二フィン72は、開口部70より放射される電界を45度の方向に回し込む機能を発揮する。係るフィンが無いと電界の広がりが小さくなり、開口部70から広い範囲に電波を放射できず、開口部70の部分からそのまま放射され広がるだけで指向性が出てくる。これに対し、第一フィン71と第二フィン72を設けた場合、各フィンの先端まで電波が回り込みそこから放射が始まるため、広い範囲に放射できる。第一フィン71と第二フィン72の長さは、特定方向と直交する2方向に向けて放射する電波の広角範囲が基準角度以上になるように設定する。フィンの長さを長くすると、広角範囲が広がり、開口部70から広い範囲に向けて放射が行われるが、あまり広げすぎるとメインローブ放射の到達距離が短くなり、適切な範囲でエリア検知をしにくくなる。また、長さが適切でないと、利得も落ちる。例えば係る長さは、1/2λ〜1/4λなどとすると良い。さらに第二フィン72には、そこを伝搬し逆方向への放射・後方放射を行う機能を備えるように長さを設定する。係る長さは、第二フィン72の部分で共振させて後方に伝搬させる。上記の範囲をベースとしてさらに共振も考慮して適宜設定する。本実施形態では、第一フィン71の長さt5は約3/8λの約5mmにし、第二フィン72の長さt4は約3/4λの約9mmとした。本実施形態では、エリアセンサ48は、本体部11の一方端部側に偏心させているため、第一フィン71の長さを短くし、第二フィン72の長さを長くすることで、第二フィン72側の放射角度を大きくしドライブレコーダー10を基準に前方・後方が広い範囲で放射できるようにした。
また、スリット69を通過後の磁界とは逆に、開口部70から放射される電波は、近傍界では電界が優位であるが、ある程度進み遠方界になると電界・磁界が均等になり、検知領域内で物体に当たると反射波が戻ってくる。
このようにすることで、メインローブ程ではないが、一定の利得をそれぞれ45度以上の放射エリアを確保でき、入力に対して直交した2方向に高い利得を確保でき、且つ広角に一定範囲の利得を確保可能となる。さらに、2段階円錐形状の反射体68における傾斜角度を適宜に設定することで開口部70から放射される2方向の電波に対し、高い利得方向を得ることができる。
上述したとおり、センサモジュール50から出力される電波は、特定方向と同一方向には、スリット69を通過して放射し、特定方向と直交する2方向と、逆方向には、反射体と第一フィン71・第二フィン72により放射するので、平面の周囲に向けて放射することができる(図18中、白抜き矢印参照)。簡単な構造のアンテナを用いて、アンテナ51から放射する電波は、水平方向の360度の周囲に向けて放射され、エリアセンサ48の周囲に平面の方向に広がりがある検知領域を形成できる。
本実施形態のアンテナ51は、誘電体の一例であるプラスチックを射出形成し、上述した所定形状の本体を形成し、その本体の表面にメッキ処理して所定の金属膜を成膜して形成する。特に、本形態のアンテナは、数センチ角の小さい形状で複雑な形状なため板金等では製造できない。プラスチックの射出形成をすることで、簡単に製造できる。しかも、表面に金属メッキするだけでよく、金属ダイカスト品と同等の性能のものが、軽くて比較的安価にできるので良い。しかも性能がバラツキにくいため良い。また、特にプラスチック等の樹脂は、金属ダイカスト品に比べて弾性力があり、上述したようにネジ止めすることなくセンサモジュール50のフランジ部50fを嵌め込むだけで密着して固定することができる。そして、軽量であることも相まってネジ止めしていなくてもアンテナ51がセンサモジュール50から外れることがないので良い。
金属膜は、例えばニッケルメッキ、ニッケルクロムメッキを用いて成膜すると良い。そして、金属膜の膜厚は、通常に計算して求める設計値よりも厚くすると良い。例えば、通常の膜厚は3〜4μmのところ例えば1.5倍程度で5〜6μm程度とすると良い。また、プラスチックの厚さは1mm程度とした。メッキ処理は、プラスチックの表面をざらざらにして金属を成膜する。膜厚が薄いと、プラスチックの表面のざらざらな凹凸の状態の影響が出ているものと思われる。そのため表面に流れる放射電流が安定せず、膜の内部も流れるためと思われる。これに対し、本実施形態では、膜厚を厚くしたため、プラスチック表面のざらざらが埋められ、金属膜の表面が均一になり、放射電流がほぼ表面付近を流れるため、所望の特性を発揮できる。膜厚は1.5倍程度としたが、例えば、表面のざらざらが埋められた状態で、そこから目的の厚さを成膜すると良い。メッキ処理に変えて蒸着しても良いが、メッキ処理が簡単に製造できるので良い。
[エリアセンサの駆動制御]
上述したように、エリアセンサ48は、駐車時においてイベントのみ録画モードで動作中に、起動し接近監視等を行う。このとき、連続してエリアセンサ48を動作させ、常時監視を行うようにしても良いが、バッテリー容量の関係から間欠動作させるようにしている。
本実施形態では、例えば1秒周期で間欠動作させ、500ms動作で500ms停止を繰り返し行う。従来の各種のセンサ等を間欠動作する場合、もっと短いサイクルで切り替えていたが、エリアセンサ48は起動後一定期間不安定な状態なり、物体検知に利用できない区間を有する。そこで、短いサイクルで切り替えると、動作中において実際に検知できる実働時間が短くなり適切な接近検知ができなくなる。そこで、少なくとも不安定期間と同程度の動作期間を持たせて周期的に間欠動作させるようにした。エリアセンサ4 8は、立ち上げから250msは乱れるので、同じ250msの実動作期間を持たせ、合計で、上述したように500ms動作で500m停止とした。
接近監視の対象を例えば人にした場合、人の動き以外を拾わないように周波数の高い領域はカットするようにする。カット周波数は、数10Hzとする。例えば、のぞき込みの動作は、5kHz程度の低い周波数程度であり、人の移動も走り寄ってきた場合でも数10kHz以下に収まる。そこで、上記のよう高い周波数領域を不感帯にすることで、人以外の誤検出に伴うカメラの撮影が開始することでのバッテリーの消費を抑制するようにした。なお、例えば、隣に駐車した車両のドアが開き、衝突するような場合、係るドアの開きに伴う動きが数10Hz以下となると検知できる。
[ドライブレコーダーにおける放射特性パターン]
上述したように、エリアセンサ48は、所定の平面内・電界面の方向にエリアセンサ48を基準に全周囲に向けて電波を放射する。このように全周囲に向けて放射された電波は、筐体20内を通過してドライブレコーダー10の外に放射される。エリアセンサ48から放射された電波は、一部はそのまま筐体20を通過して外部に放射する。例えば、アンテナ51のスリット69を通過した磁界成分に基づく電波は、そのまま筐体20の一方端の側面である凸部21b,22bから、軸方向外側に向けて放射する。アンテナ51の一対の開口部70から広範囲に向けて放射された電波は、その大部分は筐体20を透過してその放射された方向に向けて進む。
図13(b)等に示すように、アンテナ51の第二フィン72の一方のそばには、第二回路基板47に取り付けたシールドケース58が所定距離を置いて近接している。第二フィン72から特定方向と逆方向に向けて放射される電波は、共振により電流が最大になっているため、周囲に金属があっても伝搬しやすくなる。すなわち、本来はギャップがあると金属との間で反射を起こし伝達できないが、電流が最大になっているので、シールドケース58が電磁波の伝送路も構成し伝搬できる仕組みとなり、筐体20の他方の側面22dの直近まで至る。そして、そのままシールドケース58の端面から側面22d側に向けて放射され、その放射された電波は側面22dを透過して外部に放射される。
なお、シールドケース58は片側だけ配置され、図13(a)等に示すように、他方の第二フィン72側にはシールドケースに相当する金属板はない。そのため、当該片側だけ電波が効率よく後方に進む。仮に片側だけでも伝搬・放射でも目的のレベルは出て所望範囲のエリアに電波を届かすことができる。そして、両側に遮蔽板に相当する金属板を配置するとより検知領域が広がるので良い。広がるのは例えば1.8倍くらいである。
本実施形態では、片側のみに配置したシールドケース58の影響で、側面22dと直交する方向のピークがズレてしまい真横に来ない。また、使用時は電源コネクタ34に電源ケーブルを連結するが、側面22dから外部に放射される電波が電源ケーブルに引き寄せられ、放射パターンに影響を与えるおそれがある。この場合、電源ケーブルは、金属板・シールドケース58より中央側に配置すると、電波の放射方向を中央に戻す方向の力が働くので良い。本実施形態では、電源コネクタ34を側面22dの中央付近に配置したため、それに接続される電源ケーブルも中央付近に引き回されるので良い。
また、カメラ部12,カメラユニット87は、本体部11の下方で、エリアセンサ48からの放射パターンが水平面内であることも相まって、カメラ部12,カメラユニット87は離れているので放射パターンに影響しない。
アンテナ51の開口部70に対向するように、その近くに第一ケース21,第二ケース22があり、放射面に対して垂直もしくは曲面になっている状態において電波の一部をケースに放射する。すると、図18中、矢印で示すようにケース表面を表面波として伝搬する高周波電流が側面22dに設けた金属素子75に流れた際に、エリアセンサ48から直接放射される電磁波に対して遅れて電磁波を放射させることが可能となる。
このように筐体20から放射される電磁波と、金属素子75から放射される電磁波からも遅らせることを可能にすることを特徴とし、搭載アンテナの放射特性にも影響を与えない配置とするとよい。このようにすると、筐体20やシールドケース58等の複雑な形状により放射パターンが乱された場合に、アンテナ形状を大幅に変更せずにケースにて補正をかけることができる。すなわち、搭載したアンテナの特性に影響を与えることなく、例えばアンテナ51から直接放射される電磁波で電波のレベルが極端に低く或いはゼロになった場合、金属素子75から遅れて電磁波を放射させる直接放射で届かない検知領域が合った場合に、当該検知領域に金属素子75からの電波を合わせる。よって、時間軸で補正できる。
また放射特性で電界に基づく車両の前後方向と、磁界に基づく左右方向等に落ち込むところがあるが、落ち込む方向にはピラーがあるので実用上影響がない。そして、放射特性のパターンは、車両の平面形状に合うようにしている。
(第2実施形態)
通常のドライブレコーダーは、前方、後方、サイドなどをスポット的に撮影する。最近は、半球レンズを使い、1つのカメラで垂直方向180度+水平方向360度の半球の領域を撮影するドライブレコーダーもある。この種の半球の領域を撮影するドライプレコーダーは、ドライブレコーダーを天井に装着し、取り付面を基準に下側の半球部分を撮影する。180度は天井から天井までで上が映らない(図20中、180度で示す範囲参照)。すると、図20(a)から明らかなように、天井よりも上方にある信号機80なとは撮影範囲外になる。
一方、現在普及している所定方向をスポット的に撮影するドライブレコーダーの場合、正面を見たときに垂直方向の画角が70〜90度程度ある。すると、上側半分では40度前後なので、天井から40度前後上までの範囲が撮影できれば良い。また、信号機80を撮影する対象物とした場合、例えば交差点で一時停止中や、交差点を通過中に接触事故が発生した場合に、青信号で走行した等の自己の正当性を証明する場合に有効である。青信号で交差点内に進入したことを証明するためには、例えば交差点の手前の停止線等の位置から進行方向の信号機80が信号の色とともに撮影する必要がある。すると、信号機80の高さ、停止線前の道路81の道幅、ドライブレコーダーの取り付け高さ等を条件に信号機80を撮影するためには、図20に示すように30度〜40度の斜め上の範囲まで撮影できれば良い。本実施形態では、そこで、レンズの視野角を水平360度、垂直240度とした。垂直240度とすると、ドライブレコーダー10を車両に取り付けた状態で、レンズを真下に向けた場合、前側が120度の範囲が撮影可能となり、上記の天井から30度の下限に含まれる。
解像度は、撮影して得られる円形の画像のうち、中央部分が最も良く、周縁部分が最も低くなる。よって、240度レンズを用いても、周縁は小さくなって良く映らず、実質的に映像として認識できるのは、220度の範囲となる。本実施形態のカメラは、等距離射影を採用しているため、220〜240の領域は、有効画素に入っていても光学的に引き延ばされてしまい、人が見たときに認識しづらい。また、撮影範囲が180度よりも広い範囲であるのでレンズの後ろ側からの光を受光しづらく、係る点に鑑みても10度位、両側で20度位は撮影した映像を見ても内容を視認するのが難しい。従って、仮に220度レンズを使うと、実際に有効に撮影できる範囲は200度の範囲となりほぼ半球となる。本実施形態では240度レンズを用いることで、220度の範囲までは、問題なく撮影できる。
そして、220度の範囲とすると、前方斜め上が30度の範囲となり、信号機80を撮影できる。よって、上述した実施形態のように、カメラの向きを変える機構を必ずしも備えなくても良いが、向きを変える機構を備えるとなお良い。そして、カメラの向きを変えることで、信号機80のレンズ上の撮影位置をより解像度の高い中心側に位置させ、よりはっきりと撮影できるので良い。
[カメラのレンズを通った光が結像する円形の範囲(以下、「イメージサークル」と称する)と撮影素子の撮影領域の関係設定]
図21に示すように、レンズで撮影した画像は、円形のイメージサークルとなる。カメラユニット87が備える撮影素子であるC−MOSのイメージセンサは、長方形の撮影領域となる。通常、180度カメラでは、図21(a)に示すイメージサークルの直径と、C−MOSセンサの短辺の長さが等しい関係で映像を撮影している。これにより、180度全周が撮影できるが、イメージサークルの外側の領域は撮影に使用せず、無駄である。
実際の撮影に利用しない領域は、アスペクト比によっても異なるが半分程度が無駄な部分となる。センサで実際に撮影する有効エリアを広げたいという課題がある。
そこで本実施形態で、イメージサークルの直径が、C−MOSの撮像素子の長方形状の撮影領域における長辺の長さ以下で、短辺の長さより短くした。さらに、車両1の前後方向を撮影した画像が、撮像素子の長辺に沿った方向に結像するように構成した。具体的には、本実施形態では短手方向は180度として従来の既存の半球カメラと同じようにし、長手方向は240度としてイメージサークルの直径にした。さらにイメージセンサもアスペクト比が3:2の撮像素子を用いると良い。
イメージセンサの撮影領域よりもレンズで撮影して得られたイメージサークルの方が大きいと重なった範囲内の映像が、実際にC−MOSのイメージセンサに取り込まれる。イメージサークルの中の一部が切り出された態様となる。これにより、C−MOSのイメージセンサの撮影に使用しない無駄な領域を小さくし、センサを有効利用する。また、このようにすると、イメージサークルの外側の無駄になるエリアが削減でき、被写体も大きく撮影できるのでよい。
さらに車両の前後方向を撮影した画像が、C−MOSのイメージセンサの長辺に沿った方向に結像するため、車両の前後方向の画像は全てイメージセンサの撮影領域に入り、車両の前方の風景や車室内の状態が撮影できる。またイメージサークルの撮像素子の撮影領域外になる部分は、車両の左右方向の斜め上方向のエリアであるので、さほど問題は無い。すなわち、例えば従来の2つのカメラで前方景色と後方車室内を撮影していたドライブレコーダーとは同程度或いはそれ以上の範囲が撮影でき、また、例えば半天球よりも広い範囲範囲を撮影する場合には、撮像素子の撮影領域外になり受光できない部分は、車両の天井が撮影されてしまい、外の景色が写らない領域であるので、記録できなくても問題は無い。左右方向の一部が撮影できないデメリットよりも、撮像素子を有効利用できて大きく撮影できるメリットの方が大きいのでよい。さらに長手方向が240度あれば、前方の景色から車室内も全部映るのでよい。
C−MOSセンサのアスペクト比、16:9、4:3、3:2等各種のものがあるが、本実施形態では、3:2のセンサを用いた。この3:2のサイズのセンサを用いた場合、C−MOSセンサの短手方向を180度に割り当てると、長手方向は270度まで対応できる。そして240度レンズを用いるので、C−MOSセンサの長手方向の全長を240度に割り当てると、短手方向は160度位となり、実際には140度くらいが撮影できる。140度くらいだと、車外の撮影までは難しいが車室内がとれるので、例えば、2つのカメラで前方景色と後方の車室内を撮影するドライブレコーダーと同じ或いはそれ以上の範囲を1つのカメラで撮影できるメリットあり、C−MOSセンサの撮影領域を有効利用できるので良い。このように短手方向が180度未満としても良く、上記のケースではほぼ100%に近い利用率となる。
但し、140度の場合には、ドライブレコーダーを運転席側或いは助手席側に寄せて取り付けた場合には、反対側が見づらくなるので、それを回避するためには中央付近に取り付けるようにすると良い。例えば助手席側に取り付けた場合には、運転席の座面が映るくらいで、少なくともドライバーの顔は映らない。運転席側に取り付けた場合には、その逆である。従って、一方側のみを撮影したい要求にはかえって都合が良いドライブレコーダーとなる。一方のみ撮影したいという要求は、例えば、「一般ユーザは、自分は映りたくないが、それ以外の車室内の状況は撮影したい」、「タクシーなどの防犯上の観点から乗客は撮影したい」「運行管理からドライバーを撮影したい」等がある。
また、セダン系の背の高い車両の場合、運転席側/助手席側に取付位置をずらしても全体が映りやすくなり、スポーツカータイプの車高の低い車両の場合には、より映りにくくなる。バスなどであれば、140度でも問題ない。
また、C−MOSセンサの撮影領域の短手方向に、イメージセンサの横方向の170度の範囲を割り当てると、どの位置に取り付けても車内を写すことができるので良い。さらに、上述したように、180度であれば天井付近まで映るので全体を撮影できるが、そこまで必要かは微妙である。そこで、車両の左右方向の撮影範囲は、170度くらいに下げ、車両の前後方向の角度を広くする方が良い。
イメージセンサのピクセル数は、C−MOSの一番小さいものでVGAだと0.3Mピクセル、4Kテレビは8Mピクセル、16Kは16Mピクセルである。C−MOSの同じ寸法サイズの撮像領域に映る映像は、従前の光学レンズを用いて前方のみのスポット的に撮影したドライブレコーダーに比べて、半球レンズさらには240度の広い範囲を撮影するレンズで撮影した映像の方が実空間で広い範囲のものが集約されることになる。そのため、解像度の高いC−MOSセンサを使用しないと、再生表示した際に従来と同じ解像度で見ることができない。仮に同じC−MOSを使用した場合、例えば、従来のドライブレコーダーでは見えていたものが、本実施形態のドライブレコーダーでは点になり視認できなくなることがある。そこで、例えば4Kさらには8Kなどの高解像度のセンサを用いると良い。
一例を示すと、図21(a)に示すイメージサークルの全体が入るパターンとすると、VGAを用いた場合のイメージサークルは2Mで1080であるのに対し、4Kを用いた場合のイメージサークルは1920ピクセルとなるので面積比は1.7倍程度となる。また、8Kを用いた場合のイメージサークルは12Mで2976ピクセルとなり面積比は2.7倍程度に増す。そして本実施形態では、6.8Mのセンサで4Mの解像度に圧縮して記録する。
[スマートフォンとの連係:設定]
ドライブレコーダー10は、Bluetooth(登録商標)を用いた近距離無線通信機能を備えており、その通信機能を用いてスマートフォンとペアリングをする。スマートフォンには、予めドライブレコーダーに対応するアプリをダウロードしておき、そのアプリを起動し、スマートフォンの表示部に設定画面を表示する。ユーザは、設定画面を操作し、エリアセンサ48の検出感度(10段階)の設定、衝撃の感度設定、傾斜センサのON/OFF、ドア開のON/OFF等の設定を行う。設定のためにドライブレコーダーに電源を入れると電力を消費するため、ドライブレコーダー10側を駆動せずにセキュリティ動作を行えるようにする。このため、マイクセンサや傾斜センサをセキュリティ監視用に別途設けた傾斜センサ(Gセンサ)はエンジンOFFでONし、ドライブレコーダーのGセンサはエンジンONでONする。
スマートフォンとの連係を行う具体的な処理・機能は、以下の通りである。例えばスマートフォンに、予めドライブレコーダーに対応するアプリをダウロードする。ペアリングを行うに際し、スマートフォンが備えるBluetooth(登録商標)をONにし、当該アプリを起動する。この起動に伴い、アプリは、ペアリングを行うための接続のための操作ボタンを表示部に表示する。その操作ボタンがタッチされたことを検知すると、アプリは、ペアリングのための信号を送信し、それに対するドライブレコーダー10からの信号を受信し、ペアリングが確立を図る。アプリは、ペアリングが成功すると所定の結果メッセージ(例えば「ペアリングに成功しました。」)を音声で報知し、例えば図23(a)に示す操作画面を表示部91に表示する。一定時間経過してもペアリングが確立しない場合、アプリは所定の結果メッセージ(例えば「ペアリングに失敗しました。」)を音声で報知する。これを受けてユーザは、再度、接続のための操作ボタンをタッチし、ペアリングの確立を図る。
図23(a)に示すように、設定画面は、設定内容表示部92a、録画モード設定ボタン92b、停止ボタン92c、エリア感度設定ボタン92d、バージョン情報確認ボタン92eを備える。さらに設定画面の下方位置には、レコーダ接続ボタンと、スマホ内映像ボタンを備える。
設定内容表示部92aは、表示項目として「動作状態」、「車両バッテリー電圧」、「エリア感度レベル」、「イベント記録履歴件数」の4つを表示する。「動作状態」の欄には、現在の映像記録の状態を示す。図では、設定中の動作トリガの種類を示す「エリアAUT」と、接近監視モードへ移行中を示す「監視待ち」を表示している。「車両バッテリー電圧」は現在の車両バッテリー電圧(図の例では、「12.7V」)を表示するエリアである。このバッテリー電圧は、例えば、ドライブレコーダー10から送られてくる情報に基づき表示する。「エリア感度レベル」は、現在設定されているエリア感度を表示するエリアである。図では、7/10と表示され、10段階中のレベル7であることを示している。「イベント記録履歴件数」は、接近監視モード時のイベント記録の件数を表示するエリアである。
録画モード設定ボタン92bは、左右に「常時録画ボタン」と「イベント記録ボタン」を備える。これらのボタンは、駐車記録中に一時的に録画モードを変更する場合に使用する。例えば駐車記録中に録画モードを「イベント記録」から「常時録画」に変更する場合、「常時録画ボタン」をタッチする。係るタッチを検知したアプリは、図示省略する「録画モード切替確認画面」を表示し、確認ボタンがタッチされたことを条件として常時録画に切り替える。また、駐車中に「イベント記録」で駐車記録を行う場合、「イベント記録ボタン」をタッチする。係るタッチを検知したアプリは、図示省略する「録画モード切替確認画面」を表示し、確認ボタンがタッチされたことを条件としてイベント記録で駐車記録を開始する。変更は今回のみ反映され、次回の駐車記録時にはモード設定で登録されたモードを実行する。
停止ボタン92cがタッチされた場合、それを検知したアプリは、駐車記録を停止する。停止した状態で「常時録画ボタン」か「イベント記録ボタン」のいずれかがタッチされた場合、対応する駐車記録を開始する。
ユーザは、設定画面を操作し、エリアセンサ48の検出感度(10段階)の設定、衝撃の感度設定、傾斜センサのON/OFF、ドア開のON/OFF等の設定を行う。感度の設定は、以下のようにして行う。エリア感度設定ボタン92dがタッチされた場合、それを検知したアプリは、図23(b)に示すように、感度レベル表示部93と、感度レベル調整部94と、決定ボタン95を備える感度設定画面を表示す。感度レベル表示部93は、車両の周囲に監視エリアを模式化して表す円領域を表示し、上方に現在の感度レベルをテキスト表示する。感度レベル調整部94は、円形の操作ボタン・スライダーを指でタッチした状態で左右にスライドすることでレベル調整する。本実施形態では、1(近)〜10(遠)のレベル範囲で調整する。スライダーが左端に位置すると、レベルは1となり、スライダーが右端に位置するとレベルは10となる。スライダーの左右の移動に伴い、アプリは対応する感度レベルの数値を変化させる。また、感度レベルの変更に応じて車両の周囲を囲む円領域の直径を変えるとよい。このようにすると、レベルが小さいほど直径も小さくなるように表示し、感度が直感的に理解できるので良い。決定ボタン95がタッチされると、そのときの感度レベル調整部94により設定されている感度レベルに決定され、以後、決定した感度でエリアセンスを行う。
ドライブレコーダー10で撮影し、メモリカードに記録した録画ファイルは、例えば、パーソナルコンピュータで扱い可能となる。例えばパーソナルコンピュータに接続したリーダーライターにメモリカードをセットした状態で、パーソナルコンピュータからメモリカードにアクセスし、所望の録画ファイルをパーソナルコンピュータに取り込んだり、その取り込んだ録画ファイルをスマートフォンに転送したりすることができる。
アプリは、スマートフォンに転送され、スマートフォン内に保存した録画ファイルを再生する機能を備える。例えば、図23(a)等に示す設定画面の下方に配置した「スマホ内映像ボタン」がタッチされたことを検知すると、アプリは、スマートフォン内に保存された録画ファイルを検索し、一覧リストを表示する(図23(c)参照)。ユーザは、この一覧リストから再生したい録画ファイルをタッチする。係るタッチを検知したアプリは、対応する録画ファイルを読み出し、表示部91に再生表示する(図23(d)参照)。このスマートフォンに保存した録画ファイルの再生に際し、後述するドライブレコーダー内に保存された録画ファイルの映像に対する処理と同様の処理が行える。
スマートフォンにダウンロードしたアプリは、ドライブレコーダー10と無線LAN接続することにより、ドライブレコーダー10で撮影した映像や保存した録画ファイルを再生等する機能を備える。録画ボタン33を押下してドライブレコーダー10における録画を停止する。この録画を停止した状態で、スマートフォンが備えるWiFi接続機能を用い、ドライブレコーダー10と無線LAN接続を行う。
アプリを起動すると、スマートフォンとドライブレコーダー10がBluetooth接続されている場合には、図23(a)に示す設定画面を表示し、Bluetooth接続されていない場合には接続を促す画面を表示する。いずれの画面も、表示部91の下方には、レコーダ接続ボタンと、スマホ内映像ボタンを備える。そして、ユーザは、レコーダ接続ボタンをタッチする。そのタッチを検知したアプリは、図24(a)に示すレコーダ接続対象一覧リストを表示する。
ユーザは、リスト一覧から接続対象のドライブレコーダー10をタッチする。そのタッチを検知したアプリは、図24(b)に示す確認メッセージを重ねて表示し、「OK」または「次回から表示しない」がタッチされたたら、現在カメラ部12で撮影しているライブ映像を受信し、スマートフォンの表示部91に表示する(図24(c)等参照)。このライブ映像の表示機能を利用し、例えば、図8を引用して説明したカメラ部12の角度調整を行う。
また、図24(d)に示すように、ライブ映像を表示するエリアに下の左側に、「本体録画ボタン」を配置し、右側に「スマートフォン録画タン」を配置する。そして、本体録画ボタンが押下された場合、アプリはドライブレコーダー10に対して録画指示を送り、それを受けてドライブレコーダー10の制御部は、メモリカードに録画ファイルを保存する。また、スマートフォン録画タンが押下された場合、アプリは撮影した動画を直接スマートフォンの記憶メモリに保存する。このとき、ドライブレコーダー10には保存しない。このようにスマートフォンを操作して撮影した映像の記録を指示できる。係る操作は、ユーザの手元で、しかも、ドライブレコーダー10のボタンに比べて大きい画面に対する処理のため、操作性が向上するので良い。
さらに、スマートフォンを横に向けると、図24(e)に示すようにアプリは撮影した映像を全画面表示に切替る。アプリは、数秒で録画時間などの情報表示を消し、映像のみを表示する。全画面表示で映像のみを表示中に、画面がタッチされた場合、アプリは当該録画時間などの情報を再表示する。
図25は、ドライブレコーダー10の設定変更画面の一例を示している。図25(a)は、録画条件の設定画面である。図は、初期値を示しており、録画コマ数は15コマ/秒で、各種の動作設定はONとなり、Gセンサ感度は各軸とも1.00G以上で動作する設定にしている。ON/OFFの切替は、対応する項目をタッチする都度、ONとOFFを交互に切り替える。録画コマ数は、例えば「30コマ/秒、15コマ/秒10コマ/秒、5コマ/秒」のように、選択可能なコマ数が決まっており、タッチする都度切り替わる。また、長押しにより選択可能なコマ数を示すプルダウンメニューリストを表示し、そこからタッチして選択するようにしてもよい。Gセンサ感度は、「○」のスライダーを左右に移動することで軸毎に感度を0.1ステップで設定する。
図25(b)はエリアセンサ48を用いた接近監視モードの設定画面である。図は、初期値を示しており、各項目をそれぞれタッチし、変更する。録画コマ数は、接近監視モード時の録画コマ数を設定するもので、30コマ/秒、15コマ/秒、10コマ/秒、5コマ/秒、1コマ/秒から選択する。接近監視モード移行時間は、車両のエンジンOFF(ACC OFF)から駐車記録開始までの時間を設定するもので、3分後と5分後から選択する。カメラ待機時間は、カメラを起動してから停止するまでの時間を設定するもので、1分間、2分間、3分間、4分間から選択する。記録時間(マルチバッテリー未接続時)は、外部バッテリー・外聞電源装置を接続していないときの駐車記録時間を設定するもので、30分、1時間から選択する。記録時間(マルチバッテリー接続時)は、外部バッテリー・外聞電源装置を接続しているときの駐車記録時間を設定するもので、使用しない、30分、1時間、2時間、3時間、4時間、6時間、12時間から選択する。検出電圧設定は、車両バッテリーの電圧が設定以下になった場合に電源OFFする機能における当該電圧を設定するもので12.6V、12.3V、12.2V、11.9Vから選択する。傾斜センサやドア開センサは、それぞれのセンサによる検知を行うか否かを選択するものである。衝撃感度は、イベント記録開始の衝撃感度を設定するもので、OFF、1〜10で設定する。マイクロ波センサエリア検出感度は、エリアセンサによる検知エリア内への人等の侵入を検知するためのエリア検出感度を設定するもので、OFF、1〜10の間で設定する。マイクロ波センサ近接近感度は、イベント記録開始の近接近を検知するための感度を設定するものでOFF、1〜10の間で設定する。
ドライブレコーダー10で録画した映像は、パーソナルコンピュータにインストールした専用ビューアソフトを用いることで、例えばGoogle Mapsなどの地図と連動させて表示することができる。パーソナルコンピュータの記憶部にインストールされているアプリケーションプログラム(本実施形態では、「PCビューア」と称する)を起動することで、パーソナルコンピュータがドライブレコーダー用表示装置として動作する。ドライブレコーダー10は、走行中や駐車中等において撮影した映像や音声並びに日時情報・速度情報等の記録映像に関連する各種の情報をメモリカード36に記録する。ユーザは、メモリカード36に記録した映像等を再生する場合、メモリカードスロットからメモリカード36を取り出し、パーソナルコンピュータのリーダーライターにセットする。起動したPCビューアを実行し、走行中等において記録した映像等を表示部に表示する。PCビューアの具体的な機能は、以下の通りである。
図26は、PCビューアを起動し、記録した映像を選択し、再生実行した状態のパーソナルコンピュータの表示部に表示した表示レイアウトの一例を示している。表示画面100の左側には、上からメニューバー、カレンダー表示部、再生リスト表示部102、地図表示部103などを有し、その右横の大きな領域に、選択したデータの映像を表示する映像表示エリア101を配置する。映像表示エリア101の下側には、情報表示部105や、加速度センサーグラフ・加速度プロット図表示部104等を備える。
読み込まれた映像の自車位置情報に基づき、周辺の地図、例えばGoogleMaps等を取得するとともに地図表示部103に表示し、その地図に連動して自車位置アイコンを移動する。インターネットに接続されていないと、周辺の地図は表示しない。
加速度センサーグラフ・加速度プロット図表示部104は、記録した加速度に関するデータを表示するエリアであり、図26(b)に示す加速度センサーグラフ或いは図26(c)に示す加速度プロット図を表示するエリアである。加速度センサーグラフは、記録したデータを加速度(縦軸)と時間(横軸)でグラフ表示するものである。+ボタンをクリックすると加速度センサースケールが拡大し、−ボタンをクリックすると加速度センサースケールが縮小する。上部の拡大縮小ボタンは時間の拡大縮小を行い、横部の拡大縮小ボタンは加速度の拡大縮小になる。加速度プロット図は、記録したデータをX軸とY軸のプロット図で表示する。+ボタンをクリックすると加速度プロット図が拡大し、−ボタンをクリックすると加速度プロット図が縮小する。
映像表示エリア101の右側には、再生画面ツールを表示する。PCビューアは、この再生画面ツールの各アイコンをクリックすることで表示態様を変える機能を有する。例えば、図27(a)に示す「魚眼表示」は、録画した画像をそのままそのまま(魚眼状態)表示する表示態様である。図27(b)に示す「拡大フラット表示」は、一部を拡大して平面上に表示する表示態様である。図27(c)に示す「パノラマ表示」は、水平360度方向を横長に一枚の画像で表示する表示態様である。図27(d)に示す「リング型表示」は、パノラマ画像をリング状態の画像で表示する表示態様である。図27(e)に示す「ドーム型表示」は、ドーム状の画像で表示する表示態様である。図27(f)に示す「180°VRパノラマ表示」は、パノラマ画像をVRで表示する表示態様である。
[変形例]
上述した実施形態では、エリアセンサは、準ミリ波等のマイクロ波を用いた電波センサを用いたが、使用する電波は、準ミリ波以外のマイクロ波やミリ波等も使用して良い。物体の移動等を検知する電波式モーションセンサや準ミリ波モーションセンサ等と称されるもでも良い。
リング部16は、実施形態では連続した環状としているが、例えばCリングのように一部が切り欠かれたものでも良い。但し連続した環状の方が本体部11をしっかり保持できるので好ましい。また、リング部16に対して本体部11が着脱可能としているが、着脱不能に連携されていても良い。
上述した実施形態では、カメラケース40には、カメラユニット87を実装し、メモリカードスロット、メインCPU・電源回路等は、本体部の筐体20に実装したが、一部をカメラケース40側に設けても良い。
上述した実施形態では、撮影用ランプ44を設け、その撮影用ランプの制御は、点灯/消灯とし、ランプの明るさ・輝度は固定としたが、周囲の明るさに対応し発光する明るさを変えると良い。変える場合、ダイナミックに変えるとよい。点滅・PWM制御を行うとLEDが映り込んでしまうので、電流値を変えて制御すると良い。
上述した実施形態では、反射体68は、二段階に変化したが、三段階以上やラッパ状の曲面としても良く、係る構成にすると放射する範囲を広範囲にしつつ、特定の方向の放射レベルを強くするなど放射パターンを調整することができるので好ましい。また、180度近くの広い範囲まで放射しなくて良い場合には、側面の傾斜角度が1つの単純な円錐形としても良い。但し、水平面内で均一に検知し、どの方向から接近してきても検知する接近監視を行うためには、実施形態のように2段階とすると良い。
上述した実施形態では、本体部11のブラケット13に対する装着方向のバリエーションは、カメラを中央に位置させることを目的とし、また、操作しやすい場所に位置させることも別の目的とした。これに以外にも、例えば赤外センサのように向きがあるものを実装する場合に適用しても良い。また、ドライブレコーダー10の軸方向に検知エリアを備えた場合、ブラケットの左右いずれからも取り付ける構造にすると、状況に応じた取り付け態様がとれるので良い。また、センサに限らずアンテナなどの他、非対称性があるものについて適用すると良い。例えばワイファイを飛ばすアンテナの場合、自宅の駐車場の位置と自宅の位置から、片側に指向性が強いアンテナがあると、その指向性が強い側に自宅が来るように取り付ける。また、センシングや伝達に限らず、例えば、発光部を備え、発光量や、設置した種類が非対称の場合に取り付け方法を調整すると良い。例えば、運転席側を光量を大きくして助手席側を光量を小さくしたり、或いはその逆にしたり、駐車時のセキュリティの威嚇等を想定した場合、外に見えやすい側に向けて発光することなどに対応できる。
また、上述した実施形態では、アンテナ51・エリアセンサ48から平面内の全周囲に電波が放射するような放射パターンとしたが、本発明はこれに限ることはなく、周囲の一部分で放射が弱かったり放射されなかったりする部分があっても良い。その場合、車両に取り付けた場合に当該部分の方向に、ピラー等の車内から車外を見た場合の障害物が存在するようにすると良い。このようにすると、当該方向は元々ピラー等により車外を撮影できないので、電波が放射されなくても影響が少なく、また、当該方向に電波が放射されないことで他の方向への電波を遠くまで飛ばせるので良い。
上述した実施形態では、アンテナ51の形状を所望に設定し、センサモジュール50から出力された電波をアンテナ51の各部で反射等させ、所望の方向に電波を放射するようにした。本発明はこれに限ることはなく、アンテナ51とは別に適宜位置に反射素子等を配置し、放射パターンを調整すると良い。
例えば、上下に配置した上下に配置した遮断用プレート66から外側に所定距離離れた位置に、反射素子を配置する。このようにすると、遮断用プレート66からの放射を反射素子により戻し、上下方向以外の放射利得を、向上させることができる。所定距離は、例えば1/2λや1/4λとすると良い。
開口部70の一方を、その開口部70から外側に所定距離だけ離した位置に反射素子を追加するとよい。このようにすると、反射素子を追加した側の開口部から放射された電波は、その反射素子により戻され、反対側の開口部70に向けて進む。そして、反射体68で振り分けられてもとから当該反対側の開口部70に向けて進む電磁波の同相合成を行い、当該反対側の開口部70から放射される電波の利得を向上させることができるのでよい。
係る反射素子は、例えばリング部16の所定位置に金属テープを貼ることで実現できる。特に上述した実施形態では、アンテナ51の開口部70の外にリング部16が配置されているため、リング部16の所定位置に貼付けることで開口部70〜所定距離離れた位置に反射素子を配置した構成を撮れる。金属テープは、リング部16の内周面に貼ると良い。
また、リング部16における金属テープを貼る位置を変えることで、例えば、車両の前方に向けての放射の利得を高くしたり、車室内に向けての放射の利得を高くしたりすることができる。また、上述した遮断用プレート66の外側に配置する反射素子も、リング部16の所定位置に金属テープを貼ることで実現可能となる。そして、リング部16の所望位置に金属テープを貼り付けたブラケットを複数種用意しておく。例えば、「前後撮りたい用ブラケット」、「前中心撮りたい用ブラケット」、「後中心撮りたい用ブラケット」を用意し、ユーザは、自分の好みに合ったブラケットを用いてドライブレコーダー10を取り付けるようにすると良い。
また、上述した実施形態では、センサモジュール50の電波の出射口50eは縦長の長方形としたが、円形としても良く、偏波は直線偏波と円偏波のいずれも可能である。但し、実施形態のように矩形状にすると、スリット69との対応もとりやすく好ましい。
センサモジュール50の電波を出力する機能を、導波管を用いて構成したが、本発明はこれに限ることはなく例えばマイクロストリップパッチ構造やスロット構造などを用いて給電を行うようにしても良い。その場合、磁界方向は上下一対の遮断プレート間を結ぶ上下方向とすると良い。パッチの形状は矩形状その他任意の形状とする。但し、実施形態のように導波管タイプにすると、例えばフランジ部50fを枠体65にセットすることで、アンテナ51とセンサモジュール50・給電点との相対位置関係の設定、固定並びに接地がとれるのでよい。
上述した実施形態では、撮影手段は、カメラ部12に実装した半天球或いは半天球よりも広い範囲を撮影する一つのカメラのように半天球カメラ或いは半天球カメラよりもさらに広い範囲を撮影できるカメラとしたが、本発明はこれに限ることはなく、例えば、水平方向に360度、垂直方向に360度の全天球を撮影可能な全天球カメラや、周囲360°の検出・撮影範囲を全方位カメラや、2つのカメラを視野方向逆向きに配置して前方と後方を撮影するというように、180度反対方向を含む撮影範囲を備えるものであれば良いが、特に実施形態で用いた半天球カメラ(半天球以上の範囲を撮影できるカメラを含む)、全天球カメラとするとよい。
全方位カメラは、例えば上部に取り付けられた全方位ミラーに周囲の風景を反射させ、上向きに取り付けられたカメラよりその映像を撮影することで、周囲360°の撮影範囲を備えるものである。全方位ミラーの形状は、例えば円錐、半球、放物曲面など各種のものを用いることができる。ミラーの下方頂点付近は、上向きに配置したカメラが写ってしまうので、垂直方向には水平面に対し、上方約10〜15°、下方約55°の範囲となり、真下の方向の景色が撮影できない。そのため、例えば車室内を撮影するのに適さない。
これに対し、実施形態に示す半天球或いは半天球よりも広い範囲を撮影する一つのカメラのような半天球カメラ或いは半天球カメラよりもさらに広い範囲を撮影できるカメラや、全天球カメラは、例えば水平360度、垂直180度以上の画角を持つレンズと、そのレンズで集光した光を撮影する撮像素子を備えて構成される。そして、360度の周囲と、その周囲の方向に直交する方向に対して連続した180度以上の空間が撮影範囲となるので、例えば車室内を含め前後方向にも連続した空間を撮影できるので良い。
上述した実施形態では、エリアセンサをドライブレコーダーに実装した例を説明したが、このエリアセンサは、ドライブレコーダー以外の各種の装置・システムに実装すると良い。適用例としては、例えば、コミュニケーションをとる機器等に適用できる。
例えばコミュニケーションをとる機器の一例であるコミュニケーションロボットの場合、エリアセンサ48を平面が水平面になるようにロボット本体の所定位置に取り付ける。所定位置は、例えば下方や頭の所定位置とすると良い。特に下方に配置すると、目立たずに実装できるので良い。ロボットを中心に水平方向の全周囲の検知ができ、例えば部屋に人が進入してきたり、部屋からいなくなったことなどを検知できる。自走式と固定式のいずれのロボットにも適用できる。自動搬送ロボットは、通常、ライダーを用いて移動方向の1次元方向しか見られないが、これを使うと全周囲が見られるので良い。アンテナなので、装着するシステム・検知アルゴリズムを変え、物体検知に変えて物体までの距離がわかるようにすればよく、障害物にぶつからないための検知に使える。
また、例えば固定式のロボットにおいて、ドライブレコーダーのように前後ではなく
アンテナ51の一対の開口部70がロボットの左右に向くようにし、左右方向にメインローブ放射を行い、検知範囲を広くするように設置すると良い。
また、ロボット以外のコミュニケーション機器にセンサを実装し、人の移動・接近・離反等の検知出力に基づいて応答をするようにすると良い。
また、例えばセンサの検知範囲を適宜に設定し、寝たきりの老人の動きを検知し、動きが無くなったら報知したり、ベッドからの転落を検知したら報知したり、徘徊で部屋から出て行くなど検知範囲から外れた場合に報知することなどに利用すると良い。監視エリアが広いので、一つのセンサで監視できるのでよい。
また、センサの検知領域の平面の方向を垂直平面にし、当該垂直平面内を監視エリアにする。放射パターンは、鏡餅のように潰れているので、水平方向の広がりは少ない。よって、ゲートに配置すると、直前までは検知せず、ゲートを通過しようとすると検知できる。
また上述した実施形態では、全周囲に向けて電波を放射するのを基本としたか、放射方向を例えば2方向のように絞り込み、複数のアンテナを珠々つなぎに配置し、エリア全体をカバーする。隣接するペアとなるアンテナは、送受信タイプで周波数を変え、差の周波数を検知し対向型検出器にかえる。このときずらすのは1MHz以上がよい。そして、アンテナ間を通過すると、それを検知することができ、どの箇所から侵入/脱出があったかを検出することができる。
以上、本発明の様々な側面を実施形態並びに変形例等を用いて説明してきたが、これらの実施形態や説明は、本発明の範囲を制限する目的でなされたものではなく、本発明の理解に資するために提供されたものであることを付言しておく。
本発明の範囲は,明細書に明示的に説明された構成に限定されるものではなく,本明細書に開示される本発明の様々な側面の組み合わせをも,その範囲に含むものである。本発明のうち,特許を受けようとする構成を,添付の特許請求の範囲に特定したが,現在の処は特許請求の範囲に特定されていない構成であっても,本明細書に開示される構成を,将来的に特許請求の範囲とする意思を有する。本願出願人は、そのような箇所・組み合わせについて、補正・分割出願・意匠登録出願への変更出願等により権利を取得する意思を有する。
本願発明は上述した実施の形態に記載の構成に限定されない。上述した各実施の形態や変形例の構成要素は任意に選択して組み合わせて構成するとよい。また各実施の形態や変形例の任意の構成要素と,発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素または発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素を具体化した構成要素とは任意に組み合わせて構成するとよい。これらについても本願の補正または分割出願等において権利取得する意思を有する。
また,意匠出願への変更出願により,全体意匠または部分意匠について権利取得する意思を有する。図面は本装置の全体を実線で描画しているが,全体意匠のみならず当該装置の一部の部分に対して請求する部分意匠も包含した図面である。例えば当該装置の一部の部材を部分意匠とすることはもちろんのこと,部材と関係なく当該装置の一部の部分を部分意匠として包含した図面である。当該装置の一部の部分としては,装置の一部の部材としても良いし,その部材の部分としても良い。全体意匠はもちろんのこと,図面の実線部分のうち任意の部分を破線部分とした部分意匠を,権利化する意思を有する。