JP2011015203A - 曲面反射鏡アンテナ及びそれを用いた位置計測システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明の曲面反射鏡アンテナは、放物線の焦点を通り該放物線の中心軸に直交する直線を回転軸として該放物線の頂点から遠い側の曲線の一部を回転して形成される曲面の全部又は一部を反射鏡とし、該焦点の位置に給電部を設けたことを特徴とする。また、このような等方性をもつ複数の曲面反射鏡アンテナにおける受信電波の干渉結果に基づいて電波送信源の位置を特定する。
【選択図】 図1
Description
これらのアンテナは、広帯域な受信特性を持つと同時に、水平面内における無指向性を兼ね備えているが、水平方向からの上下角に対する放射特性は比較的広く、水平方向への利得を一定以上高くすることが困難であった。また、いずれも垂直偏波の電波の受信には適しているが、水平偏波の受信には適していなかった。
具体的には、放物線の一部分を、放物線の中心軸に直交する直線を回転軸として回転させたときにできる二次曲面を反射鏡とし、放物線の焦点にあたるところに給電部を設置することにより、アンテナを構成する。これは、放物線には固有の焦点があり、放物線の中心軸に平行な任意の直線に対し、放物線との交点を通る放物線の接線に線対称な直線は常に焦点を通るという性質を利用したものである。この性質により、放物線を、その中心軸を中心にして回転させたときにできる放物面を反射材で形成すれば、高利得な指向性アンテナが実現できることがよく知られている。
すなわち、放物線の焦点を通り放物線の中心軸に直交する直線を回転軸として放物線の頂点から遠い側の曲線の一部を回転して形成される曲面の全部又は一部を反射鏡とし、放物線の焦点の位置に給電部を設ける。もちろん、このときの放物線、中心軸、回転軸はいずれも反射鏡を設計するための仮想線であって、曲面反射鏡アンテナは反射鏡及び給電部とからなり、必要に応じて給電部や反射鏡を支持する支持部材や、配線材などを含む。
本発明の上記給電部に、キャビティバック型スパイラルアンテナ、又は導波管の断面が円形のホーンアンテナのいずれかを放射器として用いて電波を送信する構成でもよい。
送受信共に可能な曲面反射鏡アンテナとして提供してもよい。
すなわち、放物線の焦点を通り中心軸と直交する直線を回転軸として放物線を回転させることで、放物線の中心軸を含む平面に平行に入射する電波はすべて放物線の焦点に集束する。このような構造にすると、平面に平行な電波は効率よく焦点で受信可能であり利得を高められる一方、平面と平行でない電波は受信しないので、平面から上下方向には強い指向性をもたせることができる。
また、単一の反射鏡を備えるだけでよいので、構造が簡単で故障しにくく、製造コストも抑制できる。
このような特性は、本発明を送信用のアンテナとして用いる場合も同様である。
給電部が上空を仰ぐ向きに設置すれば、反射鏡以外から直接給電部に入射する電波を抑制することができ、ノイズの低減に寄与する。
(実施例1)
まず、本発明に係る曲面反射鏡アンテナ(以下、本アンテナ)(1)の斜視図を図1に示す。上部には本発明の特徴である曲面を側面に有する略円錐形の反射鏡(10)と、該反射鏡で反射する電波が焦点を結ぶ位置に設けられる給電部(11)を備える。その他、給電部(11)を支える設置台(12)と、設置台(12)から延設されて反射鏡(10)を支持する支持部材(13)を有する。
x−y座標系(2)において、
(数1)
x = y2 /60
で表される放物線(20)において、その焦点(21)の座標(15,0)を通り、中心軸(x軸上)(22)に直交する直線(23)を考える。
この直線(23)を回転軸として放物線の一部(x=15〜60の範囲)を360度回転させたときにできる凸型の立体曲面を実施例1の反射鏡(10)とする。
このようにして形成した反射鏡(10)は、直径が90cm、高さが30cmの略円錐形の側面となる。
本発明のような放物曲面を用いると回転軸(23)に直交する、すなわち元の放物線の中心軸に平行に入射する電波(30)は反射鏡(10)に反射して、いずれも焦点(21)に到達する。
そこで、焦点(21)の位置に給電部を設ければ、略円錐形の全周方向からの電波を均等な感度により受信することのできるアンテナ(1)を構成することができる。
同時に、アンテナ(1)の高さ分に相当する平行に入射する電波(30)だけが焦点(21)に反射するため、それ以外の向きから入射する電波は受信せず、水平方向には強い指向性を有するものである。これによりノイズや反射波などを除去する性能に優れる。
本アンテナ(1)を受信アンテナとして用いる場合、焦点(21)位置には、キャビティバック型スパイラルアンテナのように、広角のビームを有して、かつ広帯域な特性を持つ給電フィードを用いる。導波管の断面が円形の円錐形のホーンアンテナを給電フィードとして用いることも可能である。
いずれの場合でも、給電フィードのビーム幅に合わせて、反射鏡(10)の見込み角を合わせるようにすれば、反射された電波だけを受信する効率の良い受信アンテナを実現することができる。
また、直線偏波の電波に対しては、偏波面がどの方向に向いていても同じ利得で受信できるという特性も持つ。利得は、反射鏡(10)の高さの見込み長を長くすることで大きくなるため、必要な利得に応じて反射鏡(10)の大きさ、放物線曲線のパラメータを適宜設計することが可能である。
本発明のアンテナ(1)を受信用としても、送信用としても、あるいは両方兼用としても、本質的な特徴は変わらないので、以下の実施例でも特に断ることなく送受信いずれの場合にも用いることができるものとする。
例えば、回転軸から放射方向に平行な平板とすれば、強度を保ちつつ、電波を遮断するのは平板の厚みだけに抑えることができる。素材は樹脂、金属など任意であり、アルミニウムなど軽量の金属も好ましい。
図4には本発明の第2の実施形態に係るアンテナ(4)を示す。
本実施例では実施例1と異なり、反射鏡(10)を下方に、給電部(11)を上方に配置している。本構成では、より軽量な給電部(11)を上方にすることで全体の支持がしやすい利点がある。一方、上記のように地面からの反射波を受信する問題があるが、給電部(11)のビーム幅を反射鏡(10)に合わせて絞ることで反射波の影響を低減することもできる。
反射鏡(10)の円周部両側から支持部材(43)が上方に延び、給電部(11)を支持している。反射鏡(10)の頂点(10a)から給電部(11)までの長さは上述したように焦点距離(L)に等しい。
なお、給電部(11)の位置を微調整できるようにネジ部(41)で給電部(11)を固定し、ネジを回すことで給電部(11)の高さを調整できるようにしている。
電波吸収体としては、電波吸収作用を有するものであれば、特に制限はない。単層、多層、ピラミッド形、グリッド形及びタイル形などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
電波吸収体の材料としては、電波吸収作用を有するものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、誘電損失材、磁性損失材などが挙げられるが、吸収特性の点で焼結フェライト、塩化ビニリデン系合成繊維などの誘電損失材が好ましい。
本発明に係る曲面反射形アンテナを異なる複数の位置に配置して電波送信源の位置計測システムを提供することもできる。本システムについて図5に示す図を用いて説明する。
本実施例では、図5(a)に示すように4基のアンテナ(5)を各地点A,B,C,Dに設置する。そして、各地点における電波源からの受信電波を測定する。電波源1(51)から発信される電波は距離の違いによって異なる位相で各アンテナ(5)に到達する。同様に、電波源2(52)から発信された電波も異なる位相で到達する。
干渉計画像において、電波強度が高い2地点(54)(55)が電波源の位置と推定することができる。本発明における電波送信源位置計測システムは以上の構成により実現される。
すなわち、本発明のアンテナ(5)は上述したように無指向性で全方向に均等な利得が得られる特徴があるため、電波強度に基づいて位置計測を行う際に、電波送信源の位置に関わらず正確な測定を行うことができる。特に、電波送信源が動く場合にも本発明アンテナの無指向性により誤差が生じない利点がある。また、水平方向の指向性が強いため、不要な電波により測定結果が乱されることも防止できる。
さらに、従来のダイポールアンテナは周波数に対する依存が大きく、広い周波数帯域に対応することが困難であったが、本発明のアンテナでは周波数帯域が広い。そのため、違法電波の発見など様々な周波数帯域の電波発信源の特定に汎用的に利用することができる。
本発明によれば、1つのアンテナで全方位をカバーできるため、装置構成を単純化することができる。
簡便な構成で、ある一定の距離より内側に物体が近づいたときに警告をするような衝突防止レーダを提供することが可能である。
上記実施例では無指向性であることを特徴として挙げてきたが、本実施例では正確な指向性を持つアンテナも提供できることを説明する。
図6は本アンテナ(6)の反射鏡(60)上方から見たときの電波の入射を説明する図である。アンテナ(6)には様々な方角からの電波(61)〜(66)が入射する。
これに入射した電波のうち、反射鏡(60)がある部位に入射した電波(61)(62)(63)はいずれも反射鏡上の各点(61a)(62a)(63a)で反射し、給電部(11)で受信できる。しかし、それ以外の方角から入射した電波(64)(65)(66)は反射鏡(60)がないことから受信しない。
本実施例では、反射鏡(60)を中心角90度の扇形に形成する構成を示したが、中心角を任意に設定できることはもちろん、例えば0度〜90度の他に120度〜150度の範囲にも反射鏡(60)を備えるなど、複数の範囲に指向性をもつアンテナを提供することもできる。
逆にアンテナ全体を電波反射性の素材で構成して、送受信を避けたい方角の範囲だけ電波吸収体を形成してもよい。
また、中心角度の小さい上記電波反射素材のカバーを1周させることで、電波強度の高くなった方角が電波の到来方向として電波方向の測定方法として利用することもできる。
本発明では放物線の焦点位置に給電フィードや放射器を設置する構成の他、放物線の回転軸上に副反射鏡を設ける構成でもよい。図7には本構成の一例を示す。
本アンテナ(7)の反射鏡(70)は頂点部に反射鏡内方に孔部(71)を設けると共に、回転軸(72)上の焦点(73)より反射鏡側に凸型の副反射鏡(74)を設置する。
図示に明らかなように、アンテナ(7)に入射した水平方向の電波は、焦点(73)に向けて反射した後、副反射鏡(74)に再度反射して孔部(71)から給電フィード(75)に伝播する。
10 反射鏡
11 給電部
12 設置台
13 支持部材
Claims (7)
- 放物線の焦点を通り該放物線の中心軸に直交する直線を回転軸として該放物線の頂点から遠い側の曲線の一部を回転して形成される曲面の全部又は一部を反射鏡とし、該焦点の位置に給電部を設けたことを特徴とする曲面反射鏡アンテナ。
- 前記給電部に、キャビティバック型スパイラルアンテナ、又は導波管の断面が円形のホーンアンテナのいずれかを給電フィードとして用いて電波を受信する
請求項1に記載の曲面反射鏡アンテナ。 - 前記給電部に、キャビティバック型スパイラルアンテナ、又は導波管の断面が円形のホーンアンテナのいずれかを放射器として用いて電波を送信する
請求項1又は2に記載の曲面反射鏡アンテナ。 - 前記放物線の前記回転軸上に、前記反射鏡の方向に電波を反射する副反射鏡を備える構成であって、
該副反射鏡によって焦点を結ぶ位置に給電フィード又は放射器を備える
請求項1ないし3のいずれかに記載の曲面反射鏡アンテナ。 - 前記給電部に対して前記反射鏡を上方に配置し、前記回転軸を略鉛直にして直立させる設置手段を備えた
請求項1ないし4のいずれかに記載の曲面反射鏡アンテナ。 - 前記曲面反射鏡アンテナにおいて、所望の指向角度に応じた中心角を有する部位を反射鏡として構成する
請求項1ないし5のいずれかに記載の曲面反射鏡アンテナ。 - 請求項1ないし6のいずれかに記載の曲面反射鏡アンテナを複数配置し、各曲面反射鏡アンテナにおける受信電波の干渉結果に基づいて電波送信源の位置を特定する
ことを特徴とする曲面反射鏡アンテナを用いた電波送信源位置計測システム。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009157798A JP2011015203A (ja) | 2009-07-02 | 2009-07-02 | 曲面反射鏡アンテナ及びそれを用いた位置計測システム |
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2009
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