JPH0641005U - プロジェクタ型前照灯 - Google Patents

プロジェクタ型前照灯

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JPH0641005U
JPH0641005U JP8196492U JP8196492U JPH0641005U JP H0641005 U JPH0641005 U JP H0641005U JP 8196492 U JP8196492 U JP 8196492U JP 8196492 U JP8196492 U JP 8196492U JP H0641005 U JPH0641005 U JP H0641005U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 プロジェクタ型前照灯におけて像面湾曲によ
るカットラインの湾曲を補正する。 【構成】 プロジェクタ型前照灯1は、反射面3による
反射光を反射面3の第2焦点F2近傍に配置した遮光板
5の上縁近傍に集光し、カットラインを有するパターン
像を規定してから投影レンズ8を介して投影する。投影
レンズ8はその鉛直断面において光軸を含む鉛直面より
上側のレンズ部分の焦点F12が遮光板5の上縁前端に
位置し、また、光軸を含む鉛直面より下側のレンズ部分
の焦点14が焦点F12より後方の光軸上に位置する。
そして、投影レンズ8の水平断面におけるレンズ部分
は、その焦点16が焦点F14よりさらに後方の光軸上
に位置する。また、遮光板5の上縁6を湾曲させること
によって配光パターン上でカットラインが水平線H−H
寄りに湾曲するのを防ぐ。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案プロジェクタ型前照灯は、投影系(レンズ及び遮光部)について焦点距 離や形状に工夫を凝らすことによって像面湾曲の度合を低減することができるよ うにした新規なプロジェクタ型前照灯を提供しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】
車輌用前照灯として投影器の像映原理を利用したプロジェクタ型前照灯が知ら れており、小径でありながら配光特性に優れ、ホットゾーンが広く均一に分布す る等の利点を有する。
【0003】 図21はプロジェクタ型前照灯の構成を概略的に示すものである。
【0004】 プロジェクタ型前照灯aは、光源bから出射した光のうち楕円反射鏡cによっ て反射した光lを、遮光板dの上縁から前後方向のいずれかに僅かに変位した近 傍位置に集光させて所定の光をカットした後、前方に配置された投影レンズeに よって遮光板dの倒立像を遠方に投影する構造となっており、これによってすれ 違いビームに特有のカットライン(あるいはカットオフライン)が形成される。 尚、図中に1点鎖線で示すL−L線は光軸である。
【0005】 投影レンズeは光源側の面が平坦で、出射面が一般には非球面形状とされ、そ の焦点は遮光板dの上縁近傍に位置している。
【0006】 図22は投影レンズeの正面形状を示すものであり、投影レンズeは水平方向 に延びるRH−LH軸と鉛直方向に延びるUVーDV軸との交点Oを通りこれら に直交して前後方向に延びる光軸L−L(紙面に対して垂直な軸)に関して回転 対称性を有し、単一の焦点を有する。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、上記したようなプロジェクタ型前照灯aにあっては、投影レンズe が短焦点距離の厚肉レンズであるため像面湾曲が著しいという問題があり、遮光 板dを平板状にした場合において、光軸を含む水平面から離間した方の遮光板上 縁に対応したカットラインが湾曲してしまい、加減速時等における車輌の姿勢変 化に伴って対向車や歩行者に対してグレアを与える結果となる等の不都合を招く 。
【0008】 また、カットライン自体も配光パターンの周辺部に行くにしたがってボケが顕 著になってくるという問題がある。
【0009】 これは図23に示すように平板状をした遮光板dを使った場合を想定したとき 、光軸L−Lから離れた光、つまり、遮光板上縁の端寄りの位置を通る光ほどレ ンズの収差(コマ収差等)の影響が大きくなるためである。
【0010】 図23において曲線qは、光軸L−Lに対する光線の傾斜角を変化させたとき の集光点の集合であり、光軸Lに対してある角度をもって傾斜した光線g、g、 ・・・が投影レンズeに入射した場合の集光点pは曲線q上に位置し、遮光板d の上縁からレンズ側に大きく寄った位置にずれるため、遮光板上縁の端寄りのと ころから発した光線が投影レンズeを通過した後に互いに平行な光線とならず、 よって、明瞭なカットラインを得ることができない。
【0011】
【課題を解決するための手段】
そこで、本考案は上記した課題を解決するために、反射鏡の第1の焦点位置に 光源を配置し、反射鏡の第2の焦点位置に反射光を集光させ、第2の焦点位置の 近傍に上縁が位置するように配置された遮光部によってカットラインを限定した 後、前方の投影レンズを介してパターン像を投影するように構成されたプロジェ クタ型前照灯において、投影レンズの鉛直断面において光軸を含む水平面の上側 に位置するレンズ部分の焦点を遮光部の上縁近傍に位置させ、また、投影レンズ の鉛直断面において光軸を含む水平面の下側に位置するレンズ部分の焦点を上記 焦点に等しいか又はこれより後方の光軸上に位置させ、投影レンズの水平断面に おけるレンズ部分の焦点を上記2焦点よりさらに後方の光軸上に位置させるよう にしたものである。
【0012】
【作用】
本考案によれば、光軸を含む水平断面におけるレンズ部分の焦点を遮光部より 後方に位置させることによって斜光線に関する集光曲線を後方にずらし、遮光部 の上縁のうち光軸から離れたところを通過する光線を投影レンズの通過後に略平 行光線とすることができるので、明瞭なカットラインを得ることができる。
【0013】
【実施例】
以下に、本考案プロジェクタ型前照灯を図示した各実施例に従って説明する。
【0014】 図1乃至図14は本考案の第1の実施例を示すものである。
【0015】 図1はプロジェクタ型前照灯1の構成を示しており、図示するように反射鏡の 前方に遮光板が配置され、さらにその前方に投影レンズが配置された構成とされ ている。
【0016】 図中2は楕円反射鏡であり、光軸L−L回りの回転楕円面を光軸方向において 略半截した形状の反射面3を有している。よって、この反射面3は内側の第1焦 点F1と外側の第2焦点F2とを有する。
【0017】 4はコイル状のフィラメントであり、その中心軸が前記反射面3の光軸L−L に沿うようにして配置されるとともに、その略中心が反射面3の第1焦点F1に 配置されている。従って、このフィラメント4から出射した後反射面3で反射し た光は第2焦点F2に集光し、それから前方へ拡がって行く。
【0018】 5は薄い平板状の遮光板であり、反射面3の光軸L−Lを横切るようにして配 置され、その上縁6の高さは光軸L−Lを含む水平面に近接されている。
【0019】 そして、図5に示すように、上端縁6はこれを光軸L−Lを含む鉛直面で2分 したときに片側の上縁6aの高さが他方の上縁6bに比べて稍低くされており、 両者がつながる光軸L−Lの近傍に斜面7が形成されている。
【0020】 上縁6bは湾曲しており、光軸から離れるに従って斜面7の上端からの高さh が徐々に高くなっている。
【0021】 反射面3の第2焦点F2は、遮光板5の上縁6の左右方向における中央から稍 前方に寄った光軸L−L上、つまり上縁6の前端近傍に位置している。
【0022】 8は遮光板5の前方に配置された投影レンズであり、遮光板側の面が平坦とさ れた凸平レンズ(つまり、入射側の第1曲面が平面、出射側の第2曲面が凸面で ある。)が用いられている。尚、投影レンズ8の周縁部8aはレンズ据え付け部 とされており、光学的作用を持たない。
【0023】 図2は投影レンズ8の正面図であり、光軸L−Lに一致するz軸(図2では紙 面に垂直な軸であり、光源に向かう方向を正方向とする。)に直交して水平方向 に延びる軸をx軸(右方を正方向とする。)とし、このx軸に直交して鉛直方向 に延びる軸をy軸(上方を正方向とする。)とするとともに、これら直交座標軸 の原点が投影レンズ8の頂点Oに一致するように座標系を設定している。
【0024】 図に破線で示すように、投影レンズ8は正面からみて楕円状の等高線によって 特徴付けられた形状を有する。
【0025】 図7はレンズ形状の決定方法を示すものであり、図7(a)に示す投影レンズ 8の正面図において1点鎖線の円は原点Oを中心とする直径rの円である。
【0026】 また、図7(b)のグラフ図は投影レンズ8のx−z平面での断面形状を示す グラフ曲線9と投影レンズ8のy−z平面での断面形状を示すグラフ曲線10と を示している。
【0027】 x−y平面の第1象限において他の象限との境界となるx−z平面、y−z平 面での断面形状が図7(b)のグラフ曲線9、10に示すように決定されている 場合、先ずz座標軸z=zhに対するx軸、y軸上の位置a、bを求める。
【0028】 つまり、aはグラフ曲線9においてz=zhに対応するx座標であり、また、 bはグラフ曲線10においてz=zhに対応するy座標である。
【0029】 そして、第1象限内においてz=zhの等高位置(z軸方向を高さ方向とみる 。)が楕円の軌跡((x^2)/(a^2)+(y^2)/(b^2)=1、但 し、「^」は2乗を意味する。)を描くものとしてレンズ形状を決定する。
【0030】 レンズ形状が光軸に関して非回転対称性を有する場合には、このような操作を 各象限に対して行ってレンズ形状を決定して行けば良い。
【0031】 図3はy−z平面によってプロジェクタ型前照灯1の前寄りの部分を切断した ときの光路図を示すものである。
【0032】 光線11、11に示すように、x−z平面の上側に位置するレンズ部分12で は、その焦点F12(後方焦点距離を「Bf12」とする。)が遮光板5の上縁 前端の光軸上に設定されており、また、光線13、13に示すようにx−z平面 の下側に位置するレンズ部分14では、その焦点F14(後方焦点距離を「Bf 14」とする。)が上記焦点F12より後方(光源側)の光軸上に位置されてい る(Bf14>Bf12)。
【0033】 尚、本実施例では、x−z平面の下側のレンズ部分14について焦点距離が固 定されているが、一般には焦点距離を可変することが可能であり、レンズの周縁 部に行くにしたがって焦点距離が徐々に大きくなるようにレンズ設計を行っても 良い。
【0034】 図4はx−z平面によってプロジェクタ型前照灯1の前寄りの部分を切断した ときの光路図である。
【0035】 光線15、15、・・・に示すように、水平断面におけるレンズ部分16につ いては、焦点F16(後方焦点距離を「Bf16」とする。)が上記焦点F14 よりさらに後方の光軸上に位置している(Bf16>Bf14)。
【0036】 図4に破線で示す光線17、17、・・・は投影レンズ8に外からある角度を もって入射する斜光線を示しており、2点鎖線で示す曲線Qは、斜光線の光軸に 対する傾斜角を変化させたときの集光点の集合を示している。
【0037】 図示するように、光線17、17、・・・についての集光点Pは遮光板5の上 縁近傍に位置し、曲線Q上の他の集光点についても遮光板5の上縁6の前後に亘 って位置する。
【0038】 つまり、焦点F16から点Pまでにかけての曲線Q上の集光点が遮光板5の上 縁6より後方に位置し、点Pを通り過ぎて光軸から離れた曲線Q上の集光点が遮 光板5の上縁6より前方に位置する。
【0039】 図23において説明したように、従来の曲線qでは、その最後方の集光点が遮 光板5の上縁6に位置するため、曲線q上を光軸から離れるにつれて集光点が遮 光板5の上縁6から前方に大きく寄った位置へとずれていったが、本実施例では 上述のようにレンズの水平断面での焦点F16を遮光板5の上縁6より後方に位 置させることによって曲線Qが平面で見て遮光板5の上縁6と交差するように位 置されるため、遮光板5の上縁6のうち光軸から離れた点Pの付近を通過した光 線が投影レンズ8を通った後に略平行な光線となり、周辺部がボケないカットラ インを形成することができる。
【0040】 図6はプロジェクタ型前照灯1によって得られる配光パターンと、回転対称性 を有する非球面レンズを投影レンズ8に用いた従来のプロジェクタ型前照灯によ って得られる配光パターンとを対比させて両者の違いを概略的に示したものであ り、実線の等カンデラ線で示すパターン18が本実施例に係る配光パターンを示 し、破線の等カンデラ線で示すパターン19が従来の配光パターンを示している 。尚、図中「H−H」は水平線、「V−V」は鉛直線をそれぞれ示し、「CL」 はカットラインを示す。
【0041】 既述のように後方焦点距離Bf16が大きいことに起因してカットラインが明 瞭となるとともに、パターン18は従来に比して水平方向への拡散の度合が大き くなる。
【0042】 また、投影レンズ8の鉛直断面において下側部分の焦点F14が上側部分の焦 点F12の後方とされているため、点F12から出てレンズの下側部分を通った 光が下向きに制御され(カットラインの下方に向けられる。)、カットライン近 傍での色収差の影響が低減される。
【0043】 図8乃至図14は遮光板5の上縁6を湾曲させることの光学的効果について説 明するためのものである。
【0044】 図8(a)において実線で示す遮光板20は、その上縁が直線的に延びた従来 の遮光板であり、また、2点鎖線で示す遮光板21は、前方を向いて凹状に湾曲 をした遮光板(その上縁が像面湾曲曲線に適合する形状とされている。)である 。尚、図8(b)に両遮光板20、21を対比して示す。
【0045】 図9は各遮光板を用いた場合に得られるパターン像を概略的に示すものであり 、実線で示すカットライン22が遮光板21を用いた場合に対応し、1点鎖線で 示すカットライン23が遮光板20を用いた場合に対応する。
【0046】 図示するように、湾曲状の遮光板21を用いた場合にはカットライン22が水 平線H−Hに平行に延びる直線状であるのに対して、平板状の遮光板20の場合 にはカットライン23のうち水平線H−Hの下側に延びるライン23Rが右方に いくにつれて水平線H−Hに接近してくる。
【0047】 これは、図10に示すように投影レンズ8の主点(これを点「H」とする。) から見たときに、遮光板の上縁が光軸に対してなす角度が2つの遮光板20、2 1について異なるためである。
【0048】 尚、図10は図8(a)のN−N線で切断したときの遮光板20、21の断面 とレンズとの位置関係を概略的に示すものである。
【0049】 図中の角度「θ」は、遮光板21の上縁のうち高い方の上縁と主点Hとを通る 直線が光軸に対してなす角度を示し、また、角度「θ′」は、遮光板20の上縁 のうち高い方の上縁と主点Hとを通る直線が光軸に対してなす角度を示しており 、遮光板21のほうが投影レンズ8寄りに位置することから明らかなように「θ >θ′」となり、よって平板状の遮光板20による一方のカットライン23Rが 水平線H−Hに近づく側に湾曲することになる。
【0050】 このような不都合を避けるためには、図11に示すように遮光板20の上縁を 上げて「θ′=θ」となるようにすれば良い。
【0051】 つまり、湾曲状の遮光板21の上縁と等価な位置となるように平板状の遮光板 20の上縁の高さを規定する(遮光板の上縁は一般に2次曲線状となる。)こと によって、カットライン23Rをカットライン22に一致させることができる。
【0052】 図12は投影レンズ8を通して見た遮光板5の形状を示すものであり、遮光板 5の上縁は光軸から離れるにつれてその高さが高くなって湾曲した形状となる。 尚、図中に湾曲状の遮光板21の上縁を2点鎖線によって対比して示す。
【0053】 本実施例では、遮光板5の上縁6のうち高い方の上縁6bを上方に湾曲させた 例を示したが、図13に示す遮光板24のように高さの低い方の上縁6aを下方 に湾曲させても良い。但し、この場合には対向車側のカットラインを、光軸を含 む水平面に合せており、図6の配光パターン18を得るにはランプのエイミング 調整によって対向車線側のカットラインが水平線H−Hより下方となるように設 定する必要があることに注意する。
【0054】 従って、走行車線側のカットラインが周辺にいくにつれて水平線H−H側に下 がるのを防ぐために、遮光板のうち高さが低い方の上縁を光軸から遠ざかるにつ れて低くなるように設計する。
【0055】 図14は水平線H−Hに対して傾斜したカットラインを有する配光パターンを 得ることができるプロジェクタ型前照灯の遮光板25を投影レンズ8を通して見 たときの形状を示すものである。尚、図中に湾曲状の遮光板の上縁を2点鎖線に よって対比して示す。
【0056】 遮光板25の上縁のうち対向車線側のカットラインを規定する上縁は光軸から 離れるにつれてその高さが徐々に高くなることによって湾曲しており、また、走 行車線側のカットラインを規定する上縁は左斜め下方向に延びる直線に対してそ の高さが徐々に低くなることによって湾曲している。
【0057】 これによって上縁が直線状をした平板の遮光板を使ったときに比べて傾斜カッ トラインの周辺部をもち上げ、水平カットラインの周辺部を下げる効果を得るこ とができる。
【0058】 次に本考案の第2の実施例に係るプロジェクタ型前照灯1Aを図15乃至図1 7に従って説明する。
【0059】 尚、この第2の実施例に示す投影レンズ8Aが前記第1の実施例に示す投影レ ンズ8と相違する点は、投影レンズの焦点距離について領域区分を設けたことで ある。
【0060】 従って、以下では両者の相違点を中心にして説明し、第1の実施例1と機能上 相違しない部分についてはその各部に第1の実施例1における各部に付した符号 と同じ符号を付することによって説明を省略する。
【0061】 8Aは遮光板5の前方に配置される投影レンズであり、遮光板側の面が平坦と された凸平レンズが用いられている。
【0062】 投影レンズ8Aは正面からみて外形形状が楕円状をしており、頂点Oを中心と する直径Rの円(同図に破線で示す。)内に属する範囲Aでは後方焦点距離が一 定とされ、その外側の範囲Bでは周縁部に行くにしたがって後方焦点距離が大き くされている。
【0063】 尚、図15では、光軸L−Lに一致するz軸(紙面に垂直な軸であり、光源に 向かう方向を正方向とする。)に直交して水平方向に延びる軸をx軸(右方を正 方向とする。)とし、このx軸に直交して鉛直方向に延びる軸をy軸(上方を正 方向とする。)とするとともに、これら直交座標軸の原点が投影レンズ8Aの頂 点Oに一致するように座標系を設定している。
【0064】 また、2つの範囲AとBとを分ける境界において段差はなく、投影レンズ8A の出射面は滑らかな連続曲面として形成されている。
【0065】 図16はy−z平面によってプロジェクタ型前照灯1Aの前寄りの部分を切断 したときの光路図を示すものである。尚、図では頂点Oから距離R/2の範囲( つまり|y|≦R/2)が範囲Aを示し、その外側の範囲が範囲Bを示す。
【0066】 範囲Aの部分においては、光線26、26に示すようにその焦点が点F12に 置かれ、遮光板5の上縁前端の光軸上に設定されている。
【0067】 範囲Bの部分のうち上側(y>0)の領域においては、光線27に示すように その焦点が点F12に一致する。
【0068】 また、範囲Bの部分のうち下側(y<0)の領域においては、光線28、28 に示すようにレンズ周縁部にいくに従って徐々に後方焦点距離が長くなり、その 最大値がBf14となる。
【0069】 図17はx−z平面によってプロジェクタ型前照灯1の前寄りの部分を切断し たときの光路図である。尚、図では頂点Oから距離R/2の範囲(つまり|x| ≦R/2)が範囲Aを示し、その外側の範囲が範囲Bを示す。
【0070】 図示するように、範囲Aに属するレンズ部分においては、光線29、29に示 すように、その焦点が点F12に設定されている。
【0071】 また、範囲Bに属するレンズ部分においては、光線30、30に示すように頂 点Oから離れるにつれて焦点位置が点F12から徐々に後方に変位していき、後 方焦点距離が最大値Bf16となる。
【0072】 以上のように範囲Aでは焦点位置が定焦点F12に選ばれているが、外側の範 囲Bでは焦点が常に焦点F12より後方に配置され、かつ頂点Oから離れるにつ れて後方焦点距離の変化量が徐々に増加するようにレンズ設計がなされている。
【0073】 本実施例においても投影レンズ8Aの水平断面での焦点位置が遮光板5の上縁 6より後方とされているため、斜光線に関する集光曲線Qが遮光板5の上縁6と 交差し、上縁6によって規定されるカットラインが周辺部において明瞭となる。
【0074】 尚、本実施例及び前記第1の実施例では、凸平状の投影レンズを示したが、図 18に示す投影レンズ8Bのように、入射面側を2次曲面の両凸状に設計したり 、あるいはメニスカス状にしても良いことは勿論である。
【0075】 また、上記の各実施例では遮光板5を平板状としたが、図19、図20に示す ように略円柱形の遮光部を用いても良い。尚、この例では遮光部を回転可能とす ることでその上縁の高さを可変することができるようになっている。
【0076】 5Aは略円柱形状をした遮光部であり、反射面3の光軸L−Lを横切るように して配置され、カットラインのうち高い方のラインを規定する回動部31と、低 い方のラインを規定する回動部32とからなり、これらが光軸L−Lに直交して 水平方向に延びる回動軸33に関して各別に回動し得るように構成されている。
【0077】 即ち、回動部31は回動軸33に直交する断面形状が回動軸33に関して偏心 した円柱状をなし、その端部に設けられたギヤ34がモータ35の軸に固定され たギヤ36とが噛み合っており、モータ35の回転に伴って回動部31が回動す るとその上縁の高さが可変されるようになっている。
【0078】 また、回動部32は回動軸33に直交する断面形状が回動軸33に関して偏心 した円柱状をなし、その径が上記回動部31のそれに比して大きくされるととも に回動部31寄りの部分が小径となって回動部31に連続されることによってテ ーパー部37が形成されており、テーパー部37の径は回動部31から遠ざかる につれて徐々に大きくなっていく。そして、その端部に設けられたギヤ38がモ ータ39の軸に固定されたギヤ40とが噛み合っており、モータ39の回転に伴 って回動部32が回動するとその上縁の高さが可変されるようになっている。
【0079】 つまり、本実施例では回動部32が先太になっていることでその上縁が端部に 近づくにつれて上がり、前記遮光板5の上縁6bと同等の湾曲形状を生みだして いる。
【0080】 尚、反射面3の第2焦点F2は、テーパー部37と回転部31との境界の光軸 L−L上に位置している。
【0081】
【考案の効果】
以上に記載したところから明らかなように、本考案によれば、光軸を含む水平 断面におけるレンズ部分を遮光部より後方に位置させることによって斜光線に関 する集光曲線が平面で見て遮光板と交差するように後方にずらし、遮光部の上縁 のうち光軸から離れたところを通過する光線を投影レンズの通過後に略平行光線 とすることができるので、カットラインの周辺部でのボケを抑えることができる 。
【0082】 また、遮光部の上縁を湾曲した形状にすることによって平板状又は略円柱状の 遮光部を使った場合でも湾曲状の遮光板を使った場合と同様の効果(つまり、カ ットラインが水平線H−Hに近接して湾曲しないこと。)を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1の実施例に係るプロジェクタ型前
照灯の構成例を概略的に示す斜視図である。
【図2】第1の実施例に係る投影レンズの正面図であ
る。
【図3】第1の実施例に係る投影レンズの鉛直断面での
光路図である。
【図4】第1の実施例に係る投影レンズの水平断面での
光路図である。
【図5】遮光板の正面図である。
【図6】第1の実施例による配光パターンを従来例によ
る配光パターンと対比して示す概略的な配光パターン図
である。
【図7】投影レンズの形状決定についての説明図であ
り、(a)は正面図、(b)はグラフ図である。
【図8】(a)はプロジェクタ型前照灯の前半部の水平
断面図であり、(b)は平板状の遮光板と湾曲状の遮光
板とを対比して示す斜視図である。
【図9】上縁が直線状をした平板の遮光板を用いた場合
におけるカットラインについて説明するための図であ
る。
【図10】図7(a)のN−N線の沿う断面における投
影レンズと遮光板との位置関係を示す図である。
【図11】図10において平板状の遮光板の上縁を上げ
た場合の投影レンズと遮光板との位置関係を示す図であ
る。
【図12】投影レンズを通して見た遮光板の上縁形状を
示す概略図である。
【図13】投影レンズを通して見た遮光板の上縁形状の
別の例を示す概略図である。
【図14】傾斜カットラインを有する配光パターンに係
る遮光板を投影レンズを通して見たときの上縁形状を示
す概略図である。
【図15】第2の実施例に係る投影レンズの正面図であ
る。
【図16】第2の実施例に係る投影レンズの鉛直断面で
の光路図である。
【図17】第2の実施例に係る投影レンズの水平断面で
の光路図である。
【図18】投影レンズの変形例を示す図である。
【図19】遮光板の変形例を示す斜視図である。
【図20】図19の要部を示す正面図である。
【図21】従来のプロジェクタ型前照灯の構成の概要を
示す図である。
【図22】従来のプロジェクタ型前照灯の投影レンズを
示す正面図である。
【図23】従来のプロジェクタ型前照灯における問題点
を示す灯具の概略的な水平断面図である。
【符号の説明】
1 プロジェクタ型前照灯 2 反射鏡 F1 第1の焦点位置 F2 第2の焦点位置 4 光源 5 遮光部 6 遮光部の上縁 8 投影レンズ F12、F14、F16 焦点 1A プロジェクタ型前照灯 8A 投影レンズ 8B 投影レンズ 5A 遮光部

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反射鏡の第1の焦点位置に光源を配置
    し、反射鏡の第2の焦点位置に反射光を集光させ、第2
    の焦点位置の近傍に上縁が位置するように配置された遮
    光部によってカットラインを限定した後、前方の投影レ
    ンズを介してパターン像を投影するように構成されたプ
    ロジェクタ型前照灯において、 (1)投影レンズの鉛直断面において光軸を含む水平面
    の上側に位置するレンズ部分の焦点が遮光部の上縁近傍
    に位置すること、 (2)投影レンズの鉛直断面において光軸を含む水平面
    の下側に位置するレンズ部分の焦点が上記(1)の焦点
    に等しいか又はこれより後方の光軸上に位置すること、 (3)投影レンズの水平断面におけるレンズ部分の焦点
    が上記(1)及び(2)の焦点より後方の光軸上に位置
    すること、を特徴とするプロジェクタ型前照灯。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のプロジェクタ型前照灯
    において、遮光部が平板状又は略円柱状に形成されると
    ともに、その上縁が湾曲した形状を有することを特徴と
    するプロジェクタ型前照灯。
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