JPH0662402U - プロジェクタ型前照灯 - Google Patents

プロジェクタ型前照灯

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JPH0662402U
JPH0662402U JP875393U JP875393U JPH0662402U JP H0662402 U JPH0662402 U JP H0662402U JP 875393 U JP875393 U JP 875393U JP 875393 U JP875393 U JP 875393U JP H0662402 U JPH0662402 U JP H0662402U
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optical axis
lens
projection lens
focal length
light
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正自 小林
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Koito Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 プロジェクタ型前照灯を構成する投影レンズ
において色収差に起因する色縞が配光パターン上で目立
たないようにするとともに、水平方向に充分拡散された
配光パターンを得る。 【構成】 プロジェクタ型前照灯1は、反射面3による
反射光を反射面の第2焦点F2近傍に配置された遮光板
5の上縁近傍に集光し、カットラインを有するパターン
像を規定してから投影レンズ8を介して投影する。投影
レンズ8を正面から見たときに光軸を含む鉛直面に沿っ
て2次曲面領域9を設ける。光軸を含む鉛直断面におい
てレンズの上半部の焦点Fu(後方焦点距離=Bfu)
を遮光板5の上縁前端に位置させ、レンズの下半部の焦
点Fd(後方焦点距離=Bfd)を焦点Fuの後方に位
置させる。そして、光軸を含む水平断面でのレンズ部分
について2次曲面領域9の両側部分のそれぞれの後方焦
点距離Bfl、BfrをBfuよりも長くする。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案プロジェクタ型前照灯は、投影レンズの色収差に起因する色縞の抑制と レンズによる配光パターンの水平方向への拡散を目的とした新規なプロジェクタ 型前照灯を提供しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】
車輌用前照灯として投影器の像映原理を利用したプロジェクタ型前照灯が知ら れており、小径でありながら配光特性に優れ、ホットゾーンが広く均一に分布す る等の利点を有する。
【0003】 図12はプロジェクタ型前照灯の構成を概略的に示すものである。
【0004】 プロジェクタ型前照灯aは、光源bから出射した光のうち楕円反射鏡cによっ て反射した光lを、遮光板dの上縁から前後方向のいずれかに僅かに変位した近 傍位置に集光させて所定の光をカットした後、前方に配置された投影レンズeに よって遮光板dの倒立像を遠方に投影する構造となっており、これによってすれ 違いビームに特有のカットライン(あるいはカットオフライン)が形成される。
【0005】 尚、図中に1点鎖線で示すL−L線は光軸である。
【0006】 投影レンズeは光源側の面が平坦で、出射面が一般には非球面形状とされ、そ の焦点は遮光板dの上縁近傍に位置している。
【0007】 図13は投影レンズeの正面形状を示すものであり、投影レンズeは水平方向 に延びるRH−LH軸と鉛直方向に延びるUVーDV軸との交点Oを通りこれら に直交して前後方向に延びる光軸L−L(紙面に対して垂直な軸)に関して回転 対称性を有し、単一の焦点を有する。
【0008】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、上記したようなプロジェクタ型前照灯の問題点として、投影レンズ eの色収差により近軸領域から外れた光が分光してカットラインの近傍に虹模様 が現れてしまい、視認性の低下を招くことが知られている。
【0009】 これは図12に示すように投影レンズeの周辺部に入射した光についてレンズ の色収差により分光現象が生じ、青色光lbの方が赤色光lrより光軸側に屈折 されるために起こるものであり、その結果カットラインの近傍に色縞が生じるこ とになり、車輌のピッチング(前後方向の揺れ)時等において、ヘッドライト光 が色味を帯びるため、時として信号灯や標識灯に誤認される虞れがあり走行安全 性に問題を生じ、また、見る角度によってヘッドライト光に赤や青の色変化が生 じるため、道路利用者(対向車の運転者や歩行者)に不快感や眩惑を与えてしま うといった不都合を招く等の問題がある。
【0010】 尚、図13の斜線部に示すように、レンズの下縁寄りの領域gにおいて青色収 差が目立ち、レンズの上縁寄りの領域fにおいて赤色収差が目立つことになるが 、特に青色収差の方が著しく違和感が大きいため、レンズの下半部の形状につい ての改善を必要とする。
【0011】 また、プロジェクタ型前照灯を構成するリフレクタが光軸回りの回転対称性を 有する場合に、レンズによってビームの水平方向への拡散を十分に得ることがで きないため、反射鏡に複合面構造等を採用する必要が生じ、金型加工上の困難性 や成形精度に起因する配光性能への影響を考慮しなければならないという煩わし さがある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
そこで、本考案は上記した課題を解決するために、反射鏡の第1の焦点位置に 光源を配置し、反射鏡の第2の焦点位置に反射光を集光させ、第2の焦点位置の 近傍に上縁が位置するように配置された遮光板によってカットラインを限定した 後、前方の投影レンズを介してパターン像を投影するように構成されたプロジェ クタ型前照灯において、投影レンズを正面からみたときに2次曲面領域を、光軸 を含む鉛直面に沿うように配置させるとともに、光軸を含む鉛直面によって切断 した投影レンズの断面において光軸を含む水平面の上側に位置するレンズ部分の 焦点が遮光板の上縁近傍に位置するようにし、また、光軸を含む鉛直面によって 切断した投影レンズの断面において光軸を含む水平面の下側に位置するレンズ部 分の後方焦点距離が上記焦点に係る後方焦点距離より長くなるように規定し、さ らに、光軸を含む水平面によって切断した投影レンズの断面におけるレンズ部分 の後方焦点距離が上記焦点に係る後方焦点距離より長くなるように規定したもの である。
【0013】
【作用】
本考案によれば、投影レンズにおいて光軸を含む鉛直断面でのレンズ部分の後 方焦点距離がレンズの上半部とレンズの下半部とで異なるように設定され、上半 部の後方焦点距離に比して下半部の後方焦点距離が長いため、レンズの下半部を 通る光が周縁部に近づくにつれて下方に大きく向けられ、色収差による配光パタ ーンへの影響が低減され、特にカットライン近傍において色縞が目立たないよう に改善することができる。
【0014】 また、光軸を含む鉛直面に沿って2次曲面領域を配置するとともに光軸を含む 水平断面でのレンズ部分の後方焦点距離を長くすることによって水平方向に充分 に拡散された配光パターンを得ることができる。
【0015】
【実施例】
以下に、本考案プロジェクタ型前照灯を図示した各実施例に従って説明する。
【0016】 図1乃至図6は本考案の第1の実施例を示すものである。
【0017】 プロジェクタ型前照灯1は図4に示すように、反射鏡の前方に遮光板が配置さ れ、さらにその前方に投影レンズが配置された構成とされている。
【0018】 図中2は楕円反射鏡であり、光軸(L−L)回りの回転楕円面を光軸方向にお いて略半截した形状の反射面3を有している。よって、この反射面3は内側の第 1焦点F1と外側の第2焦点F2とを有する。
【0019】 4はコイル状のフィラメントであり、その中心軸が前記反射面3の光軸L−L に沿うようにして配置されるとともに、その略中心が反射面3の第1焦点F1に 配置されている。従って、このフィラメント4から出射した後反射面3で反射し た光は第2焦点F2に集光し、それから前方へ拡がって行く。
【0020】 5は前方に向って凹状に湾曲した形状の遮光板であり、反射面3の光軸L−L を横切るようにして配置され、かつ、その上端縁6の中央が光軸L−Lを含む水 平面に近接されており、上端縁6を光軸L−Lを含む鉛直面で2分したときに片 側の上端縁6の高さが一定とされ、他方の上端縁の高さが周縁に行くにつれて低 くなりカットライン角(15゜)に対応した傾斜を有する斜面7が形成されてい る。
【0021】 反射面3の第2焦点F2は、遮光板5の上端縁6の左右方向における中央の真 上から稍前方に寄った光軸L−L上、つまり上端縁6の前端近傍に位置している 。
【0022】 8は遮光板5の前方に配置された投影レンズであり、遮光板5側の面が平坦と された凸平レンズ(つまり、入射側の第1曲面が平面、出射側の第2曲面が凸面 である。)が用いられている。
【0023】 図1は投影レンズ8の正面図であり、光軸L−Lに一致するz軸(図1では紙 面に垂直な軸であり、光源に向かう方向を正方向とする。)に直交して水平方向 に延びる軸をx軸(右方を正方向とする。)とし、このx軸に直交して鉛直方向 に延びる軸をy軸(上方を正方向とする。)とするとともに、これら直交座標軸 の原点が投影レンズ8の頂点Oに一致するように座標系を設定している。
【0024】 図に2点鎖線で示すように、投影レンズ8は焦点距離に関して複数の部分に区 分されており、光軸に関して非回転対称の形状とされている。
【0025】 y軸に沿って上下に延びる縦長の長方形状の領域9は2次曲面領域(つまり、 x、y、zの2次方程式で表すことができる曲面状をなす。)とされ、その両側 には、所定の中心角をもった扇形の4領域10UL、10UR、10DL、10 DRが配置されている。
【0026】 領域10UL、10URはいずれもx軸の上側に位置し、2次曲面領域9の左 側に位置する領域が10ULとされ、2次曲面領域9の右側に位置する領域が1 0URとされている。
【0027】 つまり、領域10ULは点L(2次曲面領域9の左側境界線とx−z平面との 交点)を中心とする扇形の領域であり、またy−z平面に関して領域10ULと 対称的に配置された領域10URは点R(2次曲面領域9の右側境界線とx−z 平面との交点)を中心とする扇形の領域である。
【0028】 領域10DL、10DRはいずれもx軸の下側に位置し、2次曲面領域9の左 側に位置する領域が10DLとされ、2次曲面領域9の右側に位置する領域が1 0DRとされている。
【0029】 つまり、領域10DLは点Lを中心とした扇形の領域であり、またy−z平面 に関して領域10DLと対称的に配置された領域10DRは点Rを中心とした扇 形の領域である。
【0030】 領域11L、11Rはx−z平面に近接してその上下に位置するとともにy− z平面に関して対称的に配置された領域であり、y軸に関して左側に位置する領 域11Lは点Lを中心として所定の中心角をもった扇形の領域とされ、また、y 軸に関して右側に位置する領域11Rは点Rを中心として所定の中心角をもった 扇形の領域とされている。
【0031】 領域10ULと領域11Lとの間に位置する領域12UL、領域10UDと領 域11Lとの間に位置する領域12DL、領域10URと領域11Rとの間に位 置する領域12UR、領域10DRと領域11Rとの間に位置する領域12DR はすべて移行領域とされ、これらの領域は隣接する領域との境界において後方焦 点距離を連続させるために各位置での後方焦点距離が徐々に変化するように設計 されている。
【0032】 図2はy−z平面によってプロジェクタ型前照灯1の前寄りの部分を切断した ときの光路図を示すものである。
【0033】 2次曲面領域9において、x−z平面の上側の部分と下側の部分とでは異なる 焦点距離を有する。
【0034】 光線13に示すようにx−z平面の上側部分の焦点Fu(後方焦点距離を「B fu」とする。)が遮光板5の上縁前端の光軸上に設定されている。
【0035】 また、光線14、14に示すようにx−z平面の下側部分の焦点Fd(後方焦 点距離を「Bfd」とする。)が上記焦点Fuの後方の光軸上に設定されている (つまり、BFd>BFu)。
【0036】 尚、後方焦点距離Bfdに関してはこれを一定した値とせずに、投影レンズ8 の周縁に近づくにつれて増加させるようにしても良い。
【0037】 図3はx−z平面によってプロジェクタ型前照灯1の前寄りの部分を切断した ときの光路図である。
【0038】 図示するようにy−z平面の左(x<0)側の領域11Lに属するレンズ部分 は、光線15Lに示すように点Lを通りx軸に平行な直線x=c(<0)上であ って遮光板5の上縁の後方に焦点Fl(後方焦点距離を「Bfl」とする。)を 有する。
【0039】 また、y−z平面の右(x>0)側の領域11Rに属するレンズ部分は、光線 15Rに示すように点Rを通りx軸に平行な直線x=c′(>0)上であって遮 光板5の上縁の後方に焦点Fr(後方焦点距離を「Bfr」とすると「Bfr< Bfl」である。)を有する。
【0040】 つまり、各領域ともにその後方焦点距離が上記領域の後方焦点距離Bfuより 長くされ、レンズ形状がx−y平面に関して非対称とされている。
【0041】 図6は本実施例における色収差の低減作用について説明するためのグラフ図で あり、投影レンズ8をy−z平面で切断した場合におけるレンズの高さ、つまり y座標と、その高さに対応した出射光線の方向が光軸に対してなす角度(これを 「θv」とし、上向き光をθv>0、下向き光をθv<0と定義する。)との関 係を一例として示すものである。
【0042】 この例では、Bfu=30(mm)、Bfd=34(mm)とした場合の特性 曲線を示しており、図中BV(30)は後方焦点距離30(mm)の回転対称非 球面レンズ(本実施例と対比する意味で図2、図3に破線で示す。)についてそ の焦点に遮光板5の前端が位置するようにレンズ系を設置するとともに、焦点に 青色光源(486nm)を置いて光線追跡を行ったときの特性曲線を示しており 、また、RV(30)は、同レンズ系において焦点に赤色光源(656nm)を 置いて光線追跡を行ったときの特性曲線を示している。
【0043】 そして、BV(34)は後方焦点距離34(mm)の回転対称非球面レンズに ついて焦点F(BF=30)に遮光板5の前端が位置するようにレンズ系を設置 するとともに、焦点に青色光源(486nm)を置いて光線追跡を行ったときの 特性曲線を示しており、また、RV(34)は、同レンズ系において焦点に赤色 光源(656nm)を置いて光線追跡を行ったときの特性曲線を示している。
【0044】 投影レンズ8の特性曲線は図に実線で示すようにレンズの上側では曲線BV( 30)、RV(30)に一致し、レンズの下側では曲線BV(34)、RV(3 4)に一致する。
【0045】 よって、レンズの周縁部に行くに従って光が光軸から遠ざかるように逸らされ ることになり、特にレンズの下縁に近づくにつれて、光がθv<0の方向、つま り下側に大きく向けられるため、色収差が目立たなくなる。
【0046】 図7は投影レンズ8の水平方向への拡散作用について説明するためのグラフ図 であり、投影レンズ8をx−z平面で切断した場合におけるx座標と、x座標の 示す位置において出射光線の方向が光軸に対してなす角度(これを「θh」とし 、光軸から離れる方向を正とする。)との関係を一例として示すものである。
【0047】 この例では、Bfu=30(mm)、Bfr=35(mm)、c′=5(mm )、とした場合を示しており、図に特性曲線Mに示すように0<x<c′の2次 曲面領域9においてθhが著しく変化してピーク値を示し、x>c′ではxの値 が大きくなるにつれてθhが次第に小さくなっていく。
【0048】 尚、図7ではx−z断面におけるx≧0側のレンズ部分について特性曲線を示 したが、x≦0側についてもBflの値が異なるだけで同様の傾向をもった特性 曲線がえられることは明らかである。
【0049】 図5はプロジェクタ型前照灯1によって得られる配光パターンと、回転対称性 を有する非球面レンズを投影レンズ8に用いた従来のプロジェクタ型前照灯によ って得られる配光パターンとを対比させて両者の違いを概略的に示したものであ り、実線の等カンデラ線で示すパターン16が本実施例に係る配光パターンを示 し、破線の等カンデラ線で示すパターン17が従来の配光パターンを示している 。
【0050】 尚、図中「H−H」は水平線を示し、「V−V」は鉛直線を示す。
【0051】 図中パターンにおいて領域10UL、10URによる2つのカットライン18 L、18Rが現れるが、領域10ULによるカットライン18Lが領域10UR によるカットライン18Rの下側に重なり合うようにして覆い隠され、また移行 領域12UL、12URによって光がぼかされるため色収差が目立たなくなる。
【0052】 しかして、投影レンズ8はその鉛直断面においてレンズの下側部分の後方焦点 距離Bfdがレンズの上側部分の焦点距離Bfuに比して大きくされているため 、レンズの下縁寄りところを通る光ほど大きく発散され、カットラインの近傍に おける色収差が低減される。
【0053】 また、投影レンズ8の子午断面近辺に2次曲面領域9が設けられており、光軸 を含む水平断面での後方焦点距離が長くなっているため、2次曲面領域9とその 隣接領域との境界近傍で大きな水平拡散角を得ることができ、配光パターンの水 平方向への拡がりを大きくすることができる。
【0054】 次に本考案の第2の実施例に係るプロジェクタ型前照灯1Aを図8乃至図10 に従って説明する。
【0055】 尚、この第2の実施例に示す投影レンズ8Aが前記第1の実施例に示す投影レ ンズ8と相違する点は、第2の実施例の投影レンズ8Aが正面から見て十字状の 2次曲面領域を有し、その他の領域については格子状、縦又は横のストライプ状 に区分された面素毎に焦点距離を指定することで全体として連続した曲面を形成 した点である。従って、以下では両者の相違点を中心にして説明し、第1の実施 例1と機能上相違しない部分についてはその各部に第1の実施例1における各部 に付した符号と同じ符号を付することによって説明を省略する。
【0056】 図8は投影レンズ8Aの正面図であり、光軸L−Lに一致するz軸(光源に向 かう方向を正方向とする。)に直交して水平方向に延びる軸をx軸(右方を正方 向とする。)とし、このx軸に直交して鉛直方向に延びる軸をy軸(上方を正方 向とする。)とするとともに、これら直交座標軸の原点が投影レンズ8Aの頂点 Oに一致するように座標系を設定している。
【0057】 投影レンズ8Aはx−z平面に関して上側(y>0)の部分がx−z平面に関 して下側(y<0)の部分に比して稍潰れた形状を有しており、図示するように レンズの出射面を正面から見て格子状の微小な面素に分割したとき、各面素につ いて異なる焦点距離を有するように設計されている。
【0058】 投影レンズ8Aは焦点距離に関して複数の部分に区分されており、光軸に関し て非回転対称の形状とされている。
【0059】 x軸、y軸に沿って延びる十字状の領域19は2次曲面領域(つまり、x、y 、zの2次方程式で表すことができる曲面状をなす。)とされ、x−y平面の各 象限には、90°の中心角をもった4つの領域20、21、22、23が配置さ れている。
【0060】 尚、2次曲面領域19のうち水平方向に延びる領域はy座標が−Δd≦y≦Δ uの範囲に限定されており、また、鉛直方向に延びる領域はx座標が−ΔA≦x ≦ΔAの範囲に限定されている。
【0061】 4領域のうち第1象限における領域20や、第2象限における領域21には図 示するようにいずれも縦割りストライプ状の面素毎に異なる後方焦点距離が割り 付けられている。
【0062】 また、第3象限における領域22や、第4象限における領域23には図示する ようにいずれも格子状分割の面素毎に異なる後方焦点距離が割り付けられている 。
【0063】 これらの領域の面素に係る後方焦点距離の決定法には、例えば、焦点距離の分 布表を用いる方法を挙げることができ、各面素を特定する指標xi、yiを用い て表されるx軸に沿う面素の焦点距離「Fxi」と、y軸に沿う面素の焦点距離 「Fyi」とから、x−y平面での任意の位置の面素について焦点距離を所定の 定義式に従って決定することができる。
【0064】 つまり、x軸やy軸に沿うレンズ形状を決定した後、これらの2軸から外れた 部分、つまり、指標xi、yiの組によって特定される任意の面素における焦点 距離「Fxi,yi」をFxiやFyiを用いた数式に従って規定していけば良 い。
【0065】 このような計算をx軸やy軸の近傍領域から次第にレンズの周縁部へと行って いけば、Fxi、FyiやFxi,yiを要素とするマトリックスによって焦点 距離の分布を規定することができ、レンズ形状を決定することができる。
【0066】 図9はy−z平面によってプロジェクタ型前照灯1Aの前寄りの部分を、光軸 を含む鉛直断面で切断したときの光路図である。
【0067】 光線24、24に示すように2次曲面領域19のうちy≧Δuの範囲のレンズ 部分については、y=Δu上に後方焦点距離Bfuの定焦点Fuを有し、該焦点 Fuは遮光板5の上縁前端の上方に位置されている。
【0068】 また、y<−Δdの範囲のレンズ部分については、焦点Fdが常にy=−Δd 上に位置するとともに、光線25、25に示すように光軸から周縁に向かって遠 ざかるにつれて後方焦点距離Bfdが次第に長くなり、レンズの周縁部で最大と なる。
【0069】 図10はx−z平面によってプロジェクタ型前照灯1Aの前寄りの部分を、光 軸を含む水平断面で切断したときの光路図である。
【0070】 2次曲面領域19のうちy−z平面の左側(X<0)の範囲では焦点が常にx =−ΔA上に位置し、光線26、26に示すように光軸から周縁に向かって遠ざ かるにつれて後方焦点距離Bfl(>Bfu)が次第に長くなり、レンズの周縁 部で最大となる。
【0071】 また、y−z平面の右側(X>0)の範囲では焦点が常にx=ΔA上に位置し 、光線27、27に示すように光軸から周縁に向かって遠ざかるにつれて後方焦 点距離Bfr(>Bfu)が次第に長くなり、レンズの周縁部で最大となる。
【0072】 尚、この例では後方焦点距離BfrとBflの最大値が等しくなるように規定 されているが、前述した第1の実施例のときのように両者の値が異なっていても 良い。
【0073】 しかして、投影レンズ8Aにおける鉛直断面のレンズ部分については、レンズ の下側部分の後方焦点距離が周縁部に行くに従って大きくなっていくため、周縁 寄りを通る光ほど発散され、特にカットラインの近傍での色収差の影響が低減さ れる。
【0074】 また、2次曲面領域19のうち鉛直方向に延びる領域を設け、光軸を含む水平 断面での後方焦点距離を長くすることによって光を水平方向に拡散することがで きるので、拡散角がさらに大きい配光パターンを得ることができる。
【0075】 尚、この第2の実施例では2次曲面領域19が正面から見て十字状に配置され た例を示したが、図11(a)に示す投影レンズ8Bのように2次曲面領域を鉛 直方向に沿って配置するようにしても良い。この例では2次曲面領域19Bの両 側の非球面領域を幅の細いストライプ状の面素に区分けしており、図11(b) に示すように光軸を含む鉛直断面においてレンズの上半部の焦点Fuが遮光板5 の上縁前端に位置し、レンズの下半部の焦点FdがFuより後方に位置している 。
【0076】 また、本実施例及び前記第1の実施例ではともに凸平状の投影レンズを示した が、出射面を半径rの球面とし、入射面について後方焦点距離が場所毎に異なる ように設計することでレンズをメニスカス状に形成する等、各種のレンズ形態を 採用することができる。
【0077】
【考案の効果】
以上に記載したところから明らかなように、本考案によれば、投影レンズにお いて光軸を含む鉛直断面でのレンズ部分の後方焦点距離がレンズの上半部とレン ズの下半部とで異なるように設定され、上半部の後方焦点距離に比して下半部の 後方焦点距離が長くされているため、レンズの下半部を通る光が周縁部に近づく につれて下方に大きく向けられ、配光パターンに対する色収差の影響が低減され 、特にカットライン近傍に色縞が目立たないように改善することができる。
【0078】 また、光軸を含む鉛直面に沿って2次曲面領域を配置するとともに光軸を含む 水平断面でのレンズ部分の後方焦点距離を長くすることによって水平方向に充分 に拡散された配光パターンをレンズ形状の改善のみによって得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1の実施例に係る投影レンズの正面
図である。
【図2】第1の実施例に係る投影レンズの焦点距離につ
いて説明するための前照灯の鉛直断面での光路図であ
る。
【図3】第1の実施例に係る投影レンズの焦点距離につ
いて説明するための前照灯の水平断面での光路図であ
る。
【図4】プロジェクタ型前照灯の構成例を概略的に示す
斜視図である。
【図5】第1の実施例による配光パターンを従来例によ
る配光パターンと対比して示す概略的な配光パターン図
である。
【図6】第1の実施例に係る投影レンズについて鉛直断
面における色収差の低減作用について説明するためのグ
ラフ図である。
【図7】第1の実施例に係る投影レンズについて水平断
面での拡散作用について説明するためのグラフ図であ
る。
【図8】本考案の第2の実施例に係る投影レンズを示す
正面図である。
【図9】第2の実施例に係る投影レンズの焦点距離につ
いて説明するための前照灯の鉛直断面での光路図であ
る。
【図10】第2の実施例に係る投影レンズの焦点距離に
ついて説明するための前照灯の水平断面での光路図であ
る。
【図11】第2の実施例の変形例を示すものであり、
(a)は正面図、(b)は前照灯の鉛直断面での光路図
である。
【図12】従来のプロジェクタ型前照灯における問題点
を示す灯具の概略的な断面図である。
【図13】従来のプロジェクタ型前照灯の投影レンズを
示す正面図である。
【符号の説明】
1 プロジェクタ型前照灯 2 反射鏡 F1 第1の焦点位置 F2 第2の焦点位置 5 遮光板 8 投影レンズ 9 2次曲面領域 Bfu、Bfd、Bfl、Bfr 後方焦点距離 L−L 光軸 1A プロジェクタ型前照灯 8A 投影レンズ 19 2次曲面領域 8B 投影レンズ 19B 2次曲面領域

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反射鏡の第1の焦点位置に光源を配置
    し、反射鏡の第2の焦点位置に反射光を集光させ、第2
    の焦点位置の近傍に上縁が位置するように配置された遮
    光板によってカットラインを限定した後、前方の投影レ
    ンズを介してパターン像を投影するように構成されたプ
    ロジェクタ型前照灯において、 (1)投影レンズを正面からみたときに2次曲面領域が
    光軸を含む鉛直面に沿って配置されること、 (2)光軸を含む鉛直面によって切断した投影レンズの
    断面において光軸を含む水平面の上側に位置するレンズ
    部分の焦点が遮光板の上縁近傍に位置すること、 (3)光軸を含む鉛直面によって切断した投影レンズの
    断面において光軸を含む水平面の下側に位置するレンズ
    部分の後方焦点距離が(2)の焦点に係る後方焦点距離
    より長くされていること、 (4)光軸を含む水平面によって切断した投影レンズの
    断面におけるレンズ部分の後方焦点距離が(2)の焦点
    に係る後方焦点距離より長くされていること、を特徴と
    するプロジェクタ型前照灯。
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