JP2750642B2 - プロジェクタ型前照灯 - Google Patents

プロジェクタ型前照灯

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JP2750642B2
JP2750642B2 JP3349752A JP34975291A JP2750642B2 JP 2750642 B2 JP2750642 B2 JP 2750642B2 JP 3349752 A JP3349752 A JP 3349752A JP 34975291 A JP34975291 A JP 34975291A JP 2750642 B2 JP2750642 B2 JP 2750642B2
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正自 小林
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明プロジェクタ型前照灯は、
投影レンズの色収差に起因する色縞の抑制を目的とした
新規なプロジェクタ型前照灯を提供しようとするもので
ある。
【0002】
【従来の技術】車輌用前照灯として投影器の像映原理を
利用したプロジェクタ型前照灯が知られており、小径で
ありながら配光特性に優れ、ホットゾーンが広く均一に
分布する等の利点を有する。
【0003】図10はプロジェクタ型前照灯の構成を概
略的に示すものである。
【0004】プロジェクタ型前照灯aは、光源bから出
射した光のうち楕円反射鏡cによって反射した光lを、
遮光板dの上縁から前後方向のいずれかに僅かに変位し
た近傍位置に集光させて所定の光をカットした後、前方
に配置された投影レンズeによって遮光板dの倒立像を
遠方に投影する構造となっており、これによってすれ違
いビームに特有のカットライン(あるいはカットオフ)
が形成される。尚、図中に1点鎖線で示すx−x線は光
軸である。
【0005】投影レンズeは光源側の面が平坦で、出射
面が一般には非球面形状とされ、その焦点は遮光板dの
上縁近傍に位置している。
【0006】図11は投影レンズeの正面形状を示すも
のであり、投影レンズeは水平方向に延びるRH−LH
軸と鉛直方向に延びるUVーDV軸との交点Oを通りこ
れらに直交して前後方向に延びる光軸x−x(紙面に対
して垂直な軸)に関して回転対称性を有している。
【0007】ところで、上記したプロジェクタ型前照灯
のもつ問題点として、投影レンズeの色収差により近軸
領域から外れた光が分光してカットラインの近傍に虹模
様が現れてしまい、視認性の低下を招くことが知られて
いる。
【0008】これは図10に示すように投影レンズeの
周辺部に入射した光についてレンズの色収差により分光
現象が生じ、青色光lbの方が赤色光lrより光軸側に
屈折されるために起こるものである。
【0009】そこで、このような虹模様の配光への影響
を極力抑えるために、投影レンズe、遮光板dに関する
光学的な位置調整(焦点位置調整)を行い、カットライ
ン近傍が青味がかった状態又は赤味がかった状態のいず
れかの状態となるように設定する。
【0010】例えば、カットラインの近傍が青味がかっ
た状態となるように調整するには、投影レンズeの青色
に対する焦点位置を、遮光板dのレンズ寄りの上側縁近
傍に位置させ、青色光lbが投影レンズeを出たときに
光軸に対して平行光線となるように焦点合わせを行えば
良い。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような投影レンズの色収差の影響が目立たないように光
学的な調整操作を行っただけでは、車輌にピッチング
(前後方向の揺れ)が生じた時や、車輌が近づいてくる
時等において、ヘッドライト光が色味(赤や青)を帯び
るため、時には信号灯や標識灯に誤認される虞れがあり
走行安全性に問題があり、また、見る角度によってヘッ
ドライト光に赤や青の色変化が生じるため、道路利用者
(対向車の運転者や歩行者)に不快感や眩惑を与えてし
まうといった不都合を招く等の問題がある。
【0012】そこで、これらの不具合を解決するため
に、投影レンズの光源側の平坦面に部分的な凹凸状のフ
ロスト(艶消し)加工を施して近軸領域から離れた周辺
領域への入射光を散乱させてカットラインの近傍上方に
追いやる方法が採られるが、この方法では散乱光が対向
車に対するグレアの要因となったり、また、フロスト加
工による中心光度の低下を招く等、別の問題が残され
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は上記し
た課題を解決するために、反射鏡の第1の焦点位置に光
源を配置し、反射鏡の第2の焦点位置に反射光を集光さ
せ、第2の焦点位置の近傍に上縁が位置するように配置
された遮光板によってカットラインを限定して、前方の
投影レンズを介してパターン像を投影するプロジェクタ
型前照灯において、投影レンズの出射面を、光軸の回り
の回転対称性を有しない連続した曲面として形成すると
ともに、投影レンズの出射面を光軸に平行な方向から見
たときに、当該曲面を結像作用に関して複数の領域に区
分し、その第1の領域が遮光板の像を遠方において結像
させ、該領域を通る光が光軸と交差する集光ビームとな
るように制御するために焦点を遮光板の上縁近傍に位置
させ、また、第2の領域が、遮光板の像を遠方において
結像させずにこれを虚像とし、該領域を通る光を発散す
るように集光点を第1の領域に関する焦点位置より光源
側に偏位した光軸上に位置させたものである。
【0014】
【作用】本発明によれば、カットラインの形成に寄与す
る光は、投影レンズの第1の領域を通った光であり、第
2の領域に対しては遮光板に関する結像作用が付与され
ていないので、投影レンズの色収差がカットライン近傍
に与える影響は、第1の領域の面積を投影レンズの全出
射面積で割った値が小さい程その度合が小さくなる。
【0015】よって、照射光の色味が目立たなくなり、
誤認の可能性や不快感を招く可能性が減り、また、第2
の領域を通した光は発散するがレンズを通して制御され
た光であるから散乱光とはならず、また、中心光度の著
しい低下をもたらすことはない。
【0016】
【実施例】以下に、本発明プロジェクタ型前照灯を図示
した実施例に従って説明する。
【0017】図2はプロジェクタ型前照灯1を示すもの
である。
【0018】2は楕円反射鏡であり、光軸x−x回りの
回転楕円面を光軸方向において略半截した形状の反射面
3を有している。よって、この反射面3は内側の第1焦
点F1と外側の第2焦点F2とを有している。
【0019】4はコイル状のフィラメントであり、その
軸が前記反射面3の光軸x−xに沿うようにして配置さ
れるとともに、その略中心が反射面3の第1焦点F1の
近傍に配置されている。従って、このフィラメント4か
ら出射し反射面3で反射した光は第2焦点F2に集光
し、それから前方へ拡がって行く。
【0020】5は前方を向いて湾曲した形状の遮光板で
あり、反射面3の光軸x−xを横切るようにして配置さ
れ、かつ、その上端縁6の高さは光軸x−xを含む水平
面より僅かに下方とされている。そして、上端縁6を光
軸x−xを含む鉛直面で2分したときに片側の上端縁の
高さが他方の側に比べて稍低くされており、両者がつな
がる光軸x−xの近傍に斜面7が形成されている。
【0021】反射面3の第2焦点F2は、遮光板5の上
端縁6の左右方向における中央の真上から稍前方に寄っ
た光軸x−x上、つまり上端縁6の前端近傍に位置して
いる。
【0022】8は遮光板5の前方に配置された投影レン
ズであり、遮光板5側の面が平坦とされた平凸レンズ
(つまり、入射側の第1曲面が平面、出射側の第2曲面
が凸面である。)が用いられている。
【0023】図1は投影レンズ8の正面図であり、「R
H−LH」はレンズの頂点Oを通り水平方向に延びる
軸、「UV−DV」はレンズの頂点Oを通り鉛直方向に
延びる軸をそれぞれ表している。
【0024】投影レンズ8は、RH−LH軸に対して傾
斜した4軸AX1、AX2、AX3、AX4(図1に1
点鎖線で示す。)によって4つの領域9(1)、9
(2)、9(3R)、9(3L)に分けられており、よ
って光軸回りの回転対称性を有してはいないが、UV−
DV軸に関する面対称性を有する。尚、これらの領域は
境界において段差のない滑らかに連続した曲面として形
成されている。
【0025】RH−LH軸の上方に位置し軸AX1、A
X2によって区分される領域9(1)は、遠方にスクリ
ーンを配置したとき遮光板5によって規定されるパター
ン像を実像として結像する作用をもった領域(以下、
「結像作用領域」という。)とされており、この領域を
通った光は光軸x−xに交差して集光するビームとな
る。
【0026】図3は光軸x−xとUV−DV軸とを含む
平面によって投影レンズ8の第2曲面を切断したときの
交線の形状を示すものあり、光軸x−xをx軸とし、U
V−DV軸をz軸とするx−z座標系を設定して表わし
たものである。尚、x軸については光源側を正の向きに
選び、z軸については上方を正の向きに選んでいる。
【0027】図中、x−z平面の第1象限において破線
で示す円弧10はx軸上に中心点Cをもつ半径rの球面
を代表している。
【0028】結像作用領域9(1)は非球面形状をして
おり、図3に実線で示すようにz軸の正方向に行くにし
たがって円弧10とのズレが大きくなる曲線11によっ
て代表されている。
【0029】x、z軸に直交する座標軸をy軸とする
と、曲線11は非球面の方程式にy=0を代入すること
によって次式のように表される。
【0030】
【数1】
【0031】尚、[数1]式において、C2、C4、C
6、C8、C10は定数係数である。これらをゼロにし
たとき右辺第1項だけが残り、点C(r,0)を中心と
する半径rの円の方程式が得られることから分かるよう
に、zのベキ乗和の部分は球面からのズレの度合いを表
している。zの奇数乗の和が現れないのは、x軸に関す
る面対称性を考慮している(つまり、x=f(z)が偶
関数となる。)ためであり、また、[数1]式ではzの
10次の項より高次の項を無視している。
【0032】rの値を焦点距離の1/2程度に設定すれ
ば、無理のない形状を得ることができる。
【0033】図1においてRH−LH軸の下方に位置し
た軸AX3、AX4によって区分される領域9(2)
は、遮光板5の像を結像しない領域(以下、「非結像作
用領域」という。)とされており、遮光板5は虚像とな
り、この領域を通った光は発散する(光軸x−xから離
れる光ほど光軸からのズレが大きくなる。)ビームとな
る。
【0034】図3中、x−z平面の第4象限において1
点鎖線で示す曲線12が、非結像作用領域9(2)の第
2曲面を代表しており、球面や双曲面、非球面が用いら
れる。
【0035】つまり、第2曲面が球面の場合には曲線1
2は[数2]式のような円の方程式で表され、また、双
曲面の場合には曲線12は[数3]式のような双曲線の
方程式で表される。
【0036】
【数2】
【0037】尚、[数2]式中のrは半径であり、[数
1]式のrと同じものである。
【0038】
【数3】
【0039】尚、[数3]式中のa、bは定数係数であ
る。
【0040】また、第2曲面が非球面の場合には曲線1
2は次式のように表される。
【0041】
【数4】
【0042】尚、[数4]式において、r′は基本とな
る球面の半径であり、C′2、C′4、C′6、C′
8、C′10は定数係数である。zの奇数乗の和が現れ
ないことや、zの10次の項より高次の項を無視してい
る点については[数1]式と同様である。
【0043】また、非結像作用領域9(2)の焦点位置
は、結像作用領域9(1)の焦点位置と一致せず、前者
の方が光源に近い位置に設定されている。
【0044】9(3R)、9(3L)は、結像作用領域
9(1)と非結像作用領域9(2)との間にあって両者
を滑らかに連続させるための領域(以下、「移行領域」
という。)であり、図1に示すように移行領域9(3
R)が正面から見てUVーDV軸の右側に位置した扇状
の領域であり、また、移行領域(3R)が正面から見て
UVーDV軸の左側に位置した扇状の領域である。
【0045】図示するように、移行領域9(3R)、9
(3L)と結像作用領域9(1)との境界線は、AX
1、AX2軸をそれぞれ含み紙面に垂直な面と投影レン
ズ8の第2曲面との交線であり、また、移行領域9(3
R)、9(3L)と非結像作用領域9(2)との境界線
は、AX4、AX3軸をそれぞれ含み紙面に垂直な平面
と投影レンズ8の第2曲面との交線である。尚、各領域
を区分する境界線はあくまで説明の便宜上使用した仮想
上の線であり、これらがレンズの出射面上において明瞭
に現れる訳ではない。
【0046】2つの移行領域9(3R)、9(3L)
は、UV−DV線に関する面対称性を有するので、以下
ではその一方の移行領域9(3R)について説明する。
【0047】図4に示すように移行領域9(3R)の中
心角を「φ」とし、角度パラメータ「θ」の起点を移行
領域9(3R)と結像作用領域9(1)との境界線D1
上に選び、反時計回り方向をθの正の向きと定義する。
【0048】図4において原点Oからの距離ρだけ離れ
た境界線D1上の点Sから時計回りにθだけ回ったとこ
ろを点Mとし、これからさらに時計回りに進んだ移行領
域9(1)と非結像作用領域9(2)との境界線D2上
の点を点Eとする。
【0049】移行領域9(3R)の形状は、各場所につ
いて非結像作用領域9(2)からの差を与えて、境界線
D2上では差がなく、境界線D1上での差は非結像作用
領域9(2)と結像作用領域に移行するに足る差になる
ように指定することによって決まる。
【0050】つまり、投影レンズ8をx−z平面に平行
な平面で切断したときの断面形状において、非結像作用
領域9(2)の断面形状をx−y平面に関して対称に折
り返したものと、結像作用領域9(1)の断面形状との
差にある重み付けの関数を掛けたものを指定することに
よって移行領域9(3R)の形状が規定される。
【0051】図5は投影レンズ8をx−z平面で切った
ときの交線の形状を示すものであり、「Δx」は、非結
像作用領域9(2)を表す曲線12をx軸に関してx−
z平面の第1象限に折り返した曲線13(破線で示
す。)と、結像作用領域9(1)を表す曲線11との間
のx座標の差を示している。
【0052】Δxは、一般にy、zの関数であり、先に
定義した極座標ρ、θの関数として表される(Δx=Δ
x(ρ,θ))が、図4に示すようにρを固定して考え
るとθの関数Δx=Δx(θ)となる。
【0053】ρ=一定の下では、点Sと点Eとの間のx
座標の差はΔx=Δx(φ)と表すことができ、よっ
て、関数g(θ)を用いてΔx=Δx(φ)・g(θ)
とおくことができる。
【0054】但し、関数g(θ)は境界条件g(θ=
φ)=0及びg(θ=0)=1を満たす必要がある。
【0055】これは、境界線D2上の任意の点において
移行領域9(3R)と非結像作用領域9(2)との間に
ズレがあってはならず、また、移行領域9(3R)と結
像作用領域9(1)の間にズレが生じないようにするた
めには、ρの値が等しい境界線D1の点と境界線D2上
の点との間でΔx(φ)の差を必要とするからである。
【0056】このような関数g(θ)としては、例え
ば、g(θ)=(1+COS(π・θ/φ))/2を挙
げることができ、これを視覚化すると図6に示すグラフ
曲線14(|φ|=45゜の場合)のようになる。
【0057】尚、関数g(θ)に対する制約は上記の境
界条件に示すように比較的緩いものなので、図6のグラ
フ曲線15に示す関数g(θ)=1−SIN(π・θ/
(2・φ))等を適宜に用いることができることは勿論
である。
【0058】図7は、投影レンズ8の具体例を示すもの
であり、この例では結像作用領域9(1)と移行領域9
(3R)、9(3L)との境界が正面からみて丁度RH
−LH軸に一致するように選ばれており(このように設
定するとカットラインをより鮮明に形成することができ
る。)、移行領域9(3R)、9(3L)の中心角の大
きさは|φ|=45゜とされている。
【0059】尚、結像作用領域9(1)の第2曲面に関
する基本球面の半径や非球面係数等の値は[表1]に示
す通りである。
【0060】
【表1】
【0061】また、非結像作用領域9(2)の第2曲面
は、半径r=38(mm)の球面の一部とされている。
【0062】そして、移行領域9(3R)、9(3L)
を規定する関数g(θ)には(1+COS(180・θ
/φ))/2が用いられている。
【0063】しかして、プロジェクタ型前照灯1にあっ
てはフィラメント4から出射し反射面3の上半部で反射
された光は第2焦点F2に一旦集光して、遮光板5の上
縁部によって中間的なパターンが限定されてから投影レ
ンズ8によって前方に投影されることになるが、上記の
投影レンズ8に関する光路を示すと図8のようになる。
【0064】光軸x−x上の点Fは結像作用領域9
(1)についての焦点を示し、光軸x−x上の点Pは非
結像作用領域9(2)についての集光点を示しており、
点Pの方が点Fより後方(光源側)に位置している。
【0065】また、焦点Fは遮光板5の端面6の後縁近
傍に位置しており、この焦点Fを通って結像作用領域9
(1)を介して出射される光L1は、遠方のスクリーン
上に遮光板の投影像を結像させる集光状態のビームとな
り、他方、この焦点Fを通って非結像作用領域9(2)
を介して出射される光L2は発散光となり、配光パター
ンに関して水平線の下側に向けられる。
【0066】つまり、図8に破線で示すように非結像作
用領域9(2)は、遮光板の後方に虚像を作り出す。
【0067】配光パターンにおいてカットラインの形成
に寄与するのは結像作用領域9(1)であり、分光現象
はこの結像作用領域9(1)においてのみ関係し、非結
像作用領域9(2)については発散により広範囲に広が
ってしまうため分光現象が目立たなくなってしまう。
【0068】よって、カットラインの近傍における色ム
ラがかなり低減され、レンズの全面積に対して結像作用
領域が占める面積を小さくするほど分光現象が配光パタ
ーンに及ぼす影響を小さくすることができる。
【0069】図9は投影レンズの変形例8Aを示すもの
である。
【0070】この投影レンズ8Aにあっては、結像作用
領域16(1)がRH−LH軸の上部を占め、非結像作
用領域16(2)は線状(図では太線で示す。)とされ
てO−DV線上に限定されており、移行領域16(3
R)、16(3L)がRH−LH軸の下側部分を占めて
いる。
【0071】つまり、図1の投影レンズ8において丁度
φ=−90゜としたものになっている。
【0072】尚、結像作用領域16(1)と移行領域1
6(3R)、16(3L)との境界が正面から見てRH
−LH軸に一致するように移行領域の起点を設定する
と、より鮮明なカットラインを得ることができる。
【0073】
【発明の効果】以上に記載したところから明らかなよう
に、本発明によれば、投影レンズの第1の領域を通った
光のみがカットラインの形成に寄与する光となり、第2
の領域を通った光は発散するため、投影レンズの色収差
がカットライン近傍に与える影響は、第1の領域の面積
を投影レンズの全出射面積で割った値が小さい程その度
合が小さくなり、よって遠方から前照灯の光を見た場合
に照射光が色味を帯びて見えることに起因する誤認の可
能性や不快感を招く可能性を低減し、視認性の向上を図
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る投影レンズの領域区分を説明する
ための正面図である。
【図2】本発明に係るプロジェクタ型前照灯の構成例を
示す斜視図である。
【図3】本発明に係る投影レンズの縦断面形状について
説明するためのx−z図である。
【図4】投影レンズの移行領域について説明するための
正面図である。
【図5】投影レンズの移行領域の形状の形成方法につい
て説明するためのx−z図である。
【図6】Δxを規定する関数例を示すグラフ図である。
【図7】投影レンズの設計例を示すものであり、(a)
は正面図、(b)は側面図である。
【図8】投影レンズ及び遮光板からなる投影系について
示す光路図である。
【図9】本発明に係る投影レンズの変形例を示す正面図
である
【図10】従来のプロジェクタ型前照灯における問題点
を示す灯具の概略的な断面図である。
【図11】従来のプロジェクタ型前照灯の投影レンズを
示す正面図である。
【符号の説明】 1 プロジェクタ型前照灯 2 反射鏡 F1 第1の焦点位置 F2 第2の焦点位置 5 遮光板 8 投影レンズ 9(1) 第1の領域 9(2) 第2の領域 9(3R)、9(3L) 移行領域 8A 投影レンズ 16(1) 第1の領域 16(2) 第2の領域 16(3R)、9(3L) 移行領域 x−x 光軸

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反射鏡の第1の焦点位置に光源を配置
    し、反射鏡の第2の焦点位置に反射光を集光させ、第2
    の焦点位置の近傍に上縁が位置するように配置された遮
    光板によってカットラインを限定して、前方の投影レン
    ズを介してパターン像を投影するプロジェクタ型前照灯
    において、(1)投影レンズの出射面は、光軸の回りの
    回転対称性を有しない連続した曲面として形成されるこ
    と、(2)投影レンズの出射面を光軸に平行な方向から
    見たときに、当該曲面が結像作用に関して複数の領域に
    区分されていること、(3)第1の領域は、遮光板の像
    を遠方において結像させ、該領域を通る光が光軸と交差
    する集光ビームとなるように制御し、焦点が遮光板の上
    縁近傍に位置すること、(4)第2の領域は、遮光板の
    像を遠方において結像させずにこれを虚像とし、該領域
    を通る光を発散するように集光点が第1の領域に関する
    焦点位置より光源側に偏位した光軸上に位置すること、
    を特徴とするプロジェクタ型前照灯。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のプロジェクタ型前照灯
    において、光軸を含む水平面に関して投影レンズの上側
    の範囲に第1の領域が含まれ、光軸を含む水平面に関し
    て投影レンズの下側の範囲に第2の領域が含まれるよう
    にしたことを特徴とするプロジェクタ型前照灯。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載のプロジェ
    クタ型前照灯において、投影レンズの第1の領域から第
    2の領域へと滑らかに移行させるために移行領域を設け
    るとともに、光軸を含む水平面に関して投影レンズの下
    側の範囲に移行領域を配置したことを特徴とするプロジ
    ェクタ型前照灯。
JP3349752A 1991-12-10 1991-12-10 プロジェクタ型前照灯 Expired - Lifetime JP2750642B2 (ja)

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