JPH0640380B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH0640380B2
JPH0640380B2 JP13430486A JP13430486A JPH0640380B2 JP H0640380 B2 JPH0640380 B2 JP H0640380B2 JP 13430486 A JP13430486 A JP 13430486A JP 13430486 A JP13430486 A JP 13430486A JP H0640380 B2 JPH0640380 B2 JP H0640380B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、脂肪族イソシアネートと芳香族イソシアネー
ト、ならびに脂肪酸および炭化水素系潤滑剤を含む磁性
層が形成された磁気記録媒体に関する。
〔発明の背景〕
一般に、磁気記録媒体は、磁性粉とバインダー樹脂等を
含む磁性塗料を支持体上に塗布、乾燥することによって
製造される。
こうした磁気記録媒体の磁性層に含有される磁性粉は、
一般に、強磁性粉が使用されており、大きな磁気モーメ
ントを有しているため、粒子間に相互作用を生じ易く、
粒子凝集を起してバインダー樹脂中に均一に分散できな
い。その結果、得られた磁気記録媒体は、角型比等の磁
気特性において著しく劣ったものとなるばかりでなく、
表面性、走行性、耐摩耗性などの性質でも劣り、粉落
ち、ドロップアウト等が起り、再生出力の低下、スチル
特性の低下を招く。
一方、磁性粉としては、酸化鉄磁性粉とメタル磁性粉と
が知られているが、角型比、飽和磁化、抗磁力等の点
で、メタル磁性粉の方が酸化鉄磁性粉より優れ、その結
果、高密度記録用としては、メタル磁性粉が使用されて
いる。
ところで、磁性層は、磁性粉とバインダーとが良好に結
着していることが特性上、必須である。しかるに、電子
スチルやビデオテープ用の高密度記録の場合、前述のよ
うに、メタル磁性粉の使用が要求されるけれども、メタ
ル磁性粉は粒径がきわめて小さく、かつ活性であるた
め、酸化鉄磁性粉よりバインダーと良好に結着し難い。
また、磁性層を形成する場合、硬化剤(硬膜剤)として
イソシアネートを使用することが知られている。
従来から磁性層に用いられる硬化剤としては、芳香族イ
ソシアネート、例えばトルイレンジイソシアネート 混合物で使うことが多い。
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート や、これら芳香族イソシアネートと活性水素化合物(例
えばトリメチロールプロパン等)との付加体等が多く使
用されている。また、脂肪族イソシアネートの使用も知
られていた。
しかし、いずれにしても、イソシアネートを使用する場
合、たとえば、脂肪族イソシアネートのみの使用である
と、磁性塗液の停滞安全性が悪いなどの欠点がある。
磁気記録用媒体に要求された耐久性は、使用条件が常温
のみでないため、低温および高温高湿下での耐久性も要
求される。そこで、イソシアネートの使用に際して、一
種のみであると、特に常温外での耐久性、特に高温高湿
下での耐久性に問題があった。
また、従来、磁性層中に潤滑剤を混入することが知られ
ているが、それらの多くは常温時を考慮したものであっ
て、常温外の使用条件をあまり考慮していなかった。
そこで、本発明の主たる目的は、高温高湿下あるいは低
温下であっても優れた耐久性を示すとともに、磁気特性
および磁性塗料の安定性にも優れた磁気記録媒体を提供
することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
上記目的は、メタル磁性粉およびバインダーを含む磁性
層を形成してなる磁気記録媒体において;前記磁性層は
芳香族イソシアネートおよび脂肪族イソシアネートを含
み、それらの合計量が前記バインダー100重量部に対
して30〜100重量部で、かつ芳香族イソシアネート
100重量部に対して脂肪族イソシアネートが20重量
部を超え150重量部以下であり、さらに磁性層中に前
記メタル磁性粉100重量部に対して脂肪酸および炭化
水素系潤滑剤を2.0〜8.0部含有させることによって達成
される。
〔発明の具体的構成〕
以下本発明をさらに詳説する。
本発明では、磁性層の硬化剤として、一種のイソシアネ
ートを使用するのではなく、芳香族イソシアネートと脂
肪族イソシアネートとを併用している。
本発明に従って、芳香族イソシアネートと脂肪族イソシ
アネートとを併用し、特に前者が100重量部に対し
て、後者を20重量部を超え150重量部以下の量とす
ると、硬化に際して適切な速度を維持し、また磁性塗液
の停滞安定性に優れ、さらに得られる磁性層は、適度な
硬度を有し、粘着性のない、表面性の良いものとなる。
しかも、バインダーとして粘着性の悪いメタル磁性粉を
使用するとしても、前記両種のイソシアネートが良好な
相溶性を示し、バインダーと好適に反応するため、その
際、メタル磁性粉をバインダーに良好結着させることが
できる。
ところで、芳香族イソシアネート100重量部に対し
て、脂肪族イソシアネートが20重量部以下では、脂肪
族イソシアネートに基く、膜強度向上効果が小さく、ま
た芳香族イソシアネートの含有率が高いため、硬化速度
が速いことによって不均一な硬化となりがちである。ま
た、脂肪族イソシアネートの割合が150重量部を超え
ると、膜強度向上を図ることができても、主として磁性
塗液の停滞安定性が悪くなる欠点がある。
一般に、高温高湿下では、バインダーが軟化し、かつダ
レを示すようになる。こうなると、磁気ヘッドとの関係
で、磁性層の耐久性が悪くなる。これに対して、芳香族
および脂肪族イソシアネートを併用し、かつ上記配合割
合にすると、バインダーが適切に硬化し、しかも脂肪族
イソシアネートの配合割合が高いため、高い膜強度を示
すようになるため、高温高湿下でも優れた耐久性を示
す。
本発明によれば、上記両種のイソシアネートの合計量
が、バインダー100重量部に対して、30〜100重
量部の範囲で配合される。
30重量部未満では、磁性層の硬化が不充分となり、所
望の膜強度が得られず、100重量部を超えると、「べ
とつき」を生じ易く、層強度が劣る結果となる。
本発明においては、潤滑剤を選択するのが重要である。
すなわち、既述のように、本発明に係る磁気記録媒体
は、常温以外の低温や高温高湿下においても使用される
ことがある。低温下では磁性層が硬くなり、高温高湿下
で磁性層があまりにも軟くなり、また粘着性を生じたり
して、望ましい性能が得られない。
そこで、潤滑剤としては、脂肪酸および炭化水素系潤滑
剤の混合物を選定するのが望まれる。とりわけ、脂肪
酸、および融点0℃以下の炭化水素系潤滑剤、たとえば
スクワランが好適に使用できる。
本発明において用いられる融点0℃以下の炭化水素系潤
滑剤としては、具体的にn−ドデカン、n−トリデカ
ン、2,4,5,7−テトラメチルオクタン、2,4,8,9−テトラ
メチルデカン、2,4−ジメチルデカン、2,9−ジメチルデ
カン及びスクワランが挙げられるが、好ましくは、スク
ワランが用いられる。
この種の脂肪酸および炭化水素系潤滑剤は、低温で磁性
層を軟くする、あるいは適当な摩擦計数を与えるととも
に、高温高湿下については、磁性層の軟化を引き締める
効果がある。また、特に高温高湿下でも優れた耐久性、
特にシーク耐久性を増すために使用する脂肪族イソシア
ネートの添加量を増そうとするとき、これと相互に効果
的に作用して、磁性層の硬度を適度に保つ効果が認めら
れる。
上記潤滑剤の配合量は、メタル磁性粉100重量部に対
して、2.0〜8.0重量部が望ましく、2.0重量部未満では
上記効果が少く、またあまり多いと、磁性層が軟化し、
ヘッドに対する走行耐久性などが悪くなる。
さらに、脂肪酸と炭化水素系潤滑剤との混合比は、脂肪
酸100重量部に対して炭化水素系潤滑剤50〜300
重量部が好ましい。
ところで、本発明に使用される芳香族イソシアネート
は、例えばトリレンジイソシアネート(TDI)、4,4′−ジ
フェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジ
イソシアネート(XDI)、メタキシリレンジイソシアネー
ト(MXDI)、及びこれらイソシアネートと活性水素化合物
との付加体などがあり、平均分子量としては100〜3,
000の範囲のものが好適である。具体的には、住友バイ
エルウレタン(株)社製の商品名スミジュールT80、
同44S、同PF、同L、デスモジュールT65、同1
5、同R、同RF、同IL、同SL:武田薬品工業社製
商品タケネート300S、同500:三井日曹ウレタン
社製商品「NDI」、「TODI」:日本ポリウレタン社製商
品デスモジュールT100、ミリオネートMR、同M
T、コロネートL:化成アップジョン社製商品PAPI-13
5、TDI65、同80、同100、イソシアネート125
M、同143L、三菱化成工業社製商品名マイテックA
D−30などを挙げることができる。
好ましい芳香族イソシアネートを以下に例示する。
(1) (2) との混合物 (3) 一方、脂肪族イソシアネートとしては、ヘキサメチレン
ジイソシアネート(HMDI)、リジンイソシアネート、トリ
メチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)及びこれ
らイソシアネートと活性水素化合物の付加体等を挙げる
ことができる。これらの脂肪族イソシアネート及びこれ
らイソシアネートと活性水素化合物の付加体等の中で
も、好ましいのは分子量が100〜3,000の範囲のもの
である。脂肪族イソシアネートのなかでも非脂環式のイ
ソシアネート及びこれら化合物と活性水素化合物との付
加体が好ましい。具体的には、例えば住友バイエルウレ
タン社製商品スミジュールN、デスモジュールZ427
3、旭化成社製商品デュラネート50M、同24A−1
00、同24A−90CX、日本ポリウレタン社製商品
コロネートHL、ヒュルス社製商品TMDI等がある。
また脂肪族イソシアネートのなかの脂環式イソシアネー
トとしては、例えば、メチルシクロヘキサン−2,4−ジ
イソシアネート 〔構造式: 〕、 4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネー
ト) 〔構造式: イソホロンジイソシアネート及びその活性水素化合物の
付加体等を挙げることができる。具体的には、ヒュルス
化学社製商品「IPDI」、IPDI-T1890、同−H2921、同−B
1065等がある。
好ましい脂肪族イソシアネートは次のものである。
(1) (2) (3) (4) 具体的には、日本ポリウレタン社製商品名コロネートE
H等がある。
本発明の磁気記録媒体は、例えばメタル磁性粉とバイン
ダー樹脂と各種添加剤を有機溶媒と混合分散して磁性塗
料を調整し、前記の芳香族イソシアネートと脂肪族イソ
シアネートを添加した後にこれを支持体(例えばポリエ
ステルフィルム)上に塗布、必要に応じて乾燥し、作製
する。
本発明に係るメタル磁性粉としては、Fe-Co-Ni合金、Fe
-A合金、Mn-Bi合金、Fe-A−P合金、Fe-Co-Ni-Cr
合金、Fe-Ni-Zn合金、Fe-Co-Ni-P合金、Fe-Ni合金、Co-
Ni-P合金、Co-Ni合金、Co-P合金、Fe-Mn-Zn合金、Fe-Ni
-Mn合金、Fe-Ni-Cr-P合金、Fe-Ni-Co-Zn合金等、Fe、Ni、
Co、Crを主成分とするメタル強磁性粉、あるいはそれら
の混合物を使用できる。
また、磁性層のバインダーとしては、熱可塑性樹脂、熱
硬化性樹脂、反応型樹脂または電子線照射硬化型樹脂
や、これらの混合物を使用できる。好適には、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン
共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合
体、アクリル酸ブチル−アクリロニトリル共重合体、セ
ルロース系樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フ
ェノキシ樹脂等を使用できる。
上記のポリウレタンは、耐摩耗性、耐久性および接着性
を高める点で好適である。これはポリオールとポリイソ
シアネートとの反応によって合成できる。使用可能なポ
リオールとしては、フタル酸、アジピン酸、二量化リノ
レイン酸、マレイン酸などの有機二塩基酸と、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコー
ル、ジエチレングリコールなどのグリコール類もしくは
トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、グリセ
リン、ヘキサントリオール、トリメチロールエタン、ペ
ンタエリスリトールなどの多価アルコール類もしくはこ
れらのグリコール類および多価アルコール類の中から選
ばれた任意の2種以上のポリオールとの反応によって合
成されたポリエステルポリオール;または、s−カプロ
ラクタム、α−メチル−1−カプロラクタム、s−メチ
ル−s−カプロラクタム、γ−ブチロラクタム等のラク
タム類から合成されるラクトン系ポリエステルポリオー
ル;またはエチレンオキサイド、プロピレンオキサイ
ド、ブチレンオキサイドなどから合成されるポリエーテ
ルポリオール等が挙げられる。
これらのポリオールは、トリレンジイソシアネート、ヘ
キサメチレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネ
ート、メタキシリレンジイソシアネート等のイソシアネ
ート化合物と反応せしめ、これによってウレタン化した
ポリエステルポリウレタン、ポリエーテルポリウレタン
が合成される。これらのポリウレタンは通常は主とし
て、ポリイソシアネートとポリオールとの反応で製造さ
れ、そして遊離イソシアネート基及び/又はヒドロキシ
ル基を含有するウレタン樹脂またはウレタンプレポリマ
ーの形でも、あるいはこれらの反応性末端基を含有しな
いもの(例えばウレタンエラストマーの形)であっても
よい。
また、次のポリカーボネート系ポリウレタンを使用して
もよい。このポリウレタンは、例えば次式に基づいてポ
リカーボネートポリオール と上述した如き多価イソシアネート(例えばOCN-R′-NC
O)とのウレタン化反応によって合成される。
(但、R,R′は脂肪族若しくは芳香族炭化水素基であ
る。はTgの低下及びべた付き防止のために50以下が
よく、1〜30が望ましい。mは膜形成能を保持しかつ
溶媒溶解性を良くするために5〜500がよく、10〜
300が望ましい。とmは、このポリカーボネートポ
リオールポリウレタンの平均分子量が望ましくは5万〜
20万となるように選定する。) ここで使用可能なポリカーボネートポリオールは、ポリ
オールをカーボネート結合で連鎖せしめてなるものであ
って、例えば従来公知の多価アルコールとホスゲン、ク
ロルギ酸エステル、ジアルキルカーボネート又はジアリ
ルカーボネート等との縮合によって得られる。上記多価
アルコールとしては、1,10−デカンジオール、1,6−ヘ
キサンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジ
オール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオ
ール等が挙げられる。
こうしたポリカーボネート系ポリウレタンは、カーボネ
ート成分の存在により耐熱性(Tg)が向上し、摩擦係数の
減少による走行安定性が得られ、かつ溶媒への溶解性が
良好となってウレタン濃度を高くして膜強度を大きくで
きる。この場合、上記の如くポリウレタンの分子中にエ
ステル結合が存在しないことが望ましいが、これは高温
多湿条件下での長時間使用によってもエステル結合の加
水分解による経時変化が生じないから、層にキズが付い
たり膜剥れが生じることはなく、スムーズな走行性を保
持できる。但、エステル成分の含有によって耐熱性は充
分に向上する。ここで、上記「エステル結合」の意味す
るところは、特に、通常のカルボン酸とアルコールとの
反応によって生成する結合のことであり、カルボニル結
合を形成している炭素原子に(通常の場合は)隣接炭素
原子が直接結合しているものを指す。
−NHCOO−(ウレタン結合)や (カーボネート結合)はここでいうエステル結合には含
まれないものとする。
また、上記ポリカーボネート系ポリウレタンは、膜強度
や磁性粉等の分散性を高めるために併用することができ
る他のポリマー(たとえば塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、フェノキシ樹脂)との相溶性が良いので、膜物性
が変動し難く、得られた媒体の走行性が良くなる。ま
た、イソシアネートの添加量の調整、ポリカーボネート
ポリオール(後述)以外のポリオールの添加によって、
媒体のカールを矯正して再生画面に乱れ(スキュー)を
防ぎ、あるいはスチル特性を良くすることができる。
本発明では、バインダー樹脂として上記のポリウレタン
と共に、フェノキシ樹脂及び/又は塩化ビニル系共重合
体も含有せしめれば、磁性層に適用する場合に磁性粉の
分散性が向上し、その機械的強度が増大する。但、フェ
ノキシ樹脂及び/又は塩化ビニル系共重合体のみでは層
が硬くなりすぎるがこれはポリウレタンの含有によって
防止でき、支持体又は下地層との接着性が良好となる。
使用可能なフェノキシ樹脂には、ビスフェノールAとエ
ピクロルヒドリンの重合より得られる重合体であり、下
記一般式で表わされる。
(但、n82〜13) 上記磁性層を形成するのに使用される塗液には必要に応
じて分散剤、潤滑剤、研摩剤、帯電防止剤等の添加剤を
含有させてもよい。
使用されてもよい分散剤としては、レシチン、カプリル
酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチ
ン酸、ステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノ
ール酸、リノレン酸等の炭素原子数8〜18個の脂肪酸
(R−COOHで表わされたRは炭素原子数7〜17個の飽
和または不飽和のアルキル基);前記の脂肪酸のアルカ
リ金属(Li,Na,K等)またはアルカリ土類金属(Mg,Ca,B
a等)から成る金属石鹸等があげられる。この他に炭素
原子数12以上の高級アルコールおよびこれらの他に硫
酸エステル等も使用可能である。また市販の一般の界面
活性剤を使用することもできる。これら分散剤は1種類
のみで用いても、あるいは2種類以上を併用してもよ
く、磁性粉100部に対し20部以下添加するのがよ
い。
潤滑剤としては、他の潤滑剤、たとえばシリコーンオイ
ル、グラファイト、二硫化モリブデン、脂肪酸エステ
ル、二硫化タングスン等を併用してもよい。
他方で、使用してもよい研磨剤としては、一般に使用さ
れる材料で溶融アルミナ、炭化ケイ粗、酸化クロム、コ
ランダム、人造コランダム、ダイヤモンド、人造ダイヤ
モンド、ザクロ石、エメリー(主成分:コランダムと磁
鉄鉱)等が使用される。これらの研磨材は平均粒子径0.
05〜5μの大きさのものが使用され、特に好ましくは、
0.1〜2μである。これらの研磨材は磁性粉100部に
対して1〜20部の範囲で添加されるのがよい。
使用してもよい帯電防止剤としては、カーボンブラック
のほか、グラファイト、酸化スズ−酸化アンチモン径化
合物、酸化チタン−酸化スズ−酸化アンチモン系化合物
などの導電性粉末;サニポンなどの天然界面活性剤;ア
ルキレンオキサイド系、グリセリン系、グリシドール系
などのノニオン界面活性剤;高級アルキルアミン類、第
4級アルミニウム塩類、ピリジン、その他の複素環類、
ホスホニウムまたはスルホニウム類などのカチオン界面
活性剤;カルボン酸、スルホン酸、燐酸、硫酸エステル
基、燐酸エステル基等の酸性基を含むアニオン界面活性
剤;アミノ酸類、アミノスルホン酸類、アミノアルコー
ルの硫酸または燐酸エステル類等の両性活性剤などがあ
げられる。
磁性塗料の溶媒または磁性塗料塗布の際に使用する溶媒
としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;メタノ
ール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアル
コール類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブタル、乳酸
エチル、エチレングリコールモノアセテート等のエステ
ル類;エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレ
ングリコールモノエチルエーテル、ジオキサン、テトラ
ヒドロフラン等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キ
シレン等の芳香族炭化水素;メチレンクロライド、エチ
レンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロル
ベンゼン等のハロゲン化炭化水素等のものが使用でき
る。
支持体上へ前記磁性塗料を塗布し磁性層を形成するため
の塗布方法としては、エアードクターコート、ブレード
コート、エアーナイフコート、スクイズコート、含浸コ
ート、リバースロールコート、トランスファーロールコ
ート、グラビアコート、キスコート、キャストコート、
スプレイコート等が利用でき、その他の方法も可能であ
る。
このような方法により支持体上に塗布された磁性層は必
要により層中の磁性粉末を配向させる処理を施したの
ち、形成した磁性層を乾燥する。また必要により表面平
滑化加工を施したり所望の形状に裁断したりして、本発
明の磁気記録媒体が製造される。
一方、本発明に係る支持体としては、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等のポ
リエステル類、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、
セルローストリアセテート、セルロースダイアセテート
等のセルロース誘導体、ポリカーボネートなとのプラス
チック、A、Znなどの金属、ガラス、BN、Siカーバイ
ド、磁器、陶器等のセラミックなどが使用される。
〔実施例〕
以下、本発明を具体的な実施例にもとづき説明する。
第1表に示す成分を、サンドミルにて分散させた後、こ
の磁性塗料を1μmフィルターで濾過後、第1表の多官
能イソシアネートを添加し、32μmの支持体上に5μ
m厚みに両面塗布して、スーパーカレンダーをかけ、直
径47mmに打抜き、ビデオフロッピーを作製した。ただ
し、第1表の第2欄以後の数字は重量部を表わす。
次いで、上記の各ビデオフロッピーについて次の測定を
おこない、耐久性および電気特性の評価、ならびに磁性
塗料の安定性を調査した。
(1)オントラック耐久性 50トラックにヘッドを固定し、静止画像が2dB低下す
るまでの時間を時間単位で示す。この値が大きい程、磁
気記録媒体の耐久性、耐摩耗性が高い。
測定温湿度;低温:5℃ 常温常湿:23℃,50% 高温高湿:40℃,80% (2)スタートアンドストップ耐久性 50トラックにヘッドを固定し、静止画像を1分間再
生、30秒停止を繰返し、静止画像が2dB低下するまで
の、回数で示す。回数の多い程、磁気記録媒体の耐久
性、耐摩耗性が高い。
測定温湿度;低温:5℃ 常温常湿:23℃,50% 高温高湿:40℃,80% (3)シーク耐久性 1トラックから50トラックまで静止画像を記録し、連
続シークを繰返した。静止画像が2dB低下するトラック
が発生するまでの日数で示す。この値が大きい程、磁気
記録媒体の耐久性、耐摩耗性が高い。
測定条件;常温常湿:23℃,50% 高温高湿:40℃,80% (4)ルミナンスS/N(dB) カラービデオノイズメーター、芝測機(株)社製「Shib
asoku925D/1」により、25トラックのルミS/
Nを測定した。リファレンスディスクに対する相対値を
値で示す。
(5)クロミナンスS/N(dB) 上記(4)と同じ (6)磁性塗料の安定性 硬化剤添加直後の粘度、および硬化剤添加後、5時間経
過後の粘度を、B型粘度計にて測定し、粘度上昇をポア
ズで示した。この値が大きい程、磁性塗料が不安定であ
ることを示す。
結果を第2表に示す。
比較例6は、磁性塗料が不安定で、サンプルが作製でき
なかった。
〔発明の効果〕
以上のごとく、本発明の構成による磁気記録媒体は耐久
性、特に高温高湿下での耐久性が向上するとともに、画
質特性および磁性塗料の安定性も充分に実用に適するも
のであることが判る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メタル磁性粉およびバインダーを含む磁性
    層を形成してなる磁気記録媒体において; 前記磁性層は芳香族イソシアネートおよび脂肪族イソシ
    アネートを含み、それらの合計量が前記バインダー10
    0重量部に対して30〜100重量部で、かつ芳香族イ
    ソシアネート100重量部に対して脂肪族イソシアネー
    トが20重量部を超え150重量部以下であり; さらに前記磁性層は脂肪酸および融点0℃以下の炭化水
    素系潤滑剤を含み、その合計含有量が前記メタル磁性粉
    100重量部に対して2.0〜8.0重量部である、 ことを特徴とする磁気記録媒体。
JP13430486A 1986-06-10 1986-06-10 磁気記録媒体 Expired - Lifetime JPH0640380B2 (ja)

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JP13430486A JPH0640380B2 (ja) 1986-06-10 1986-06-10 磁気記録媒体

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