JPH0640232U - 立体駐車装置のパレット昇降装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 立体駐車装置の車両を搭載するパレットの昇
降装置を、構造簡単で、小形軽量、経済的なものとす
る。 【構成】 パレット１０に連結した前側のチェーン１３
をスプロケット１１、駆動スプロケット６Ｂ、アイドル
スプロケット７に卷装したのち、同一チェーン１３のＢ
点で連結する。パレット１０の後側に連結したチェーン
１４をスプロケット１２、駆動スプロケット６Ａを卷装
したのちチェーン１３のＡ点に結合する。モータ４を作
動し、駆動スプロケット６Ａ、６Ｂを矢印方向に回転す
るとチェーン１３、１４は矢印方向に移動し、パレット
１０を上昇させ、巻き取り済みのチェーンは主桁３内に
引き込まれてコンパクトに収納される。構造簡単で、各
スプロケット径は小さくでき、小形軽量となる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、昇降機構を備えた格納施設、特には立体駐車装置のパレット昇降装 置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

図１は立体駐車装置の全体図であり、フレーム１に固着された横桁２にモータ ４を有する主桁３が搭載されており、モータ４によって昇降装置を作動させて車 両を搭載するパレット１０の昇降を行うようになっている。

【０００３】 従来のパレット引き上げ方法はワイヤ巻き上げ方式であり、チェン巻き上げ方 式は巻き取り済みのチェーンをコンパクトに収納することが困難であったため採 用されていない。

【０００４】 図６は従来の立体駐車装置のパレット昇降装置の片側の構成図であり、他の側 も同一構成である。２点鎖線で示す主桁３の後端にはモータ４により駆動される 駆動軸５が軸支されており、駆動軸５には２個の同一径のチェーンスプロケット ６Ａ、６Ｂが固着されている。主桁３にはスプロケット６Ａ、６Ｂに対応する位 置にスプロケット３０Ａ、３０Ｂが内設されており、主桁３の前端にはワイヤロ ープのシーブ３１、３２が軸着され、下面にはシーブ３３、３４が装着されてい る。

【０００５】 スプロケット６Ａと３０Ａおよび６Ｂと３０Ｂとはそれぞれ無端の環状チェー ン４０および４１によって連結されている。パレット１０の前側にはワイヤ４２ が連結され、シーブ３３および３１を経てチェーン４０とＣ点で連結しており、 パレット１０の後側にはワイヤ４３が連結され、シーブ３４および３２を経てチ ェーン４１とＤ点で連結している。

【０００６】 モータ４を作動させて駆動軸５を矢印方向に回転させると、チェーン４０およ び４１は移動を開始し、Ｃ点とＤ点とは矢印方向に移動し、パレット１０はワイ ヤ４２、４３によって引き上げられる。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記構成によれば、ワイヤでパレットを引き上げるため強度的 に十分な太いワイヤが必要となる。シーブの直径はワイヤ径の２０倍が必要であ り、そのためシーブ径が大きくなり巻き上げ装置が大型となり、重量増加をまね き、高減速機モータが必要となるなど経済的に不利であった。

【０００８】 また、公開特許、平１−２３０８６７で提案されたものがあるが、チェーン駆 動機構とワイヤ掛け回し機構とを同時にフレームに内蔵するようにしたため構造 が複雑であり、ワイヤも太くシーブ径も大きいため装置が大型となり、経済的に もメインテナンス上も不利である。

【０００９】 本考案は上記の問題点に着目してなされたもので、構造簡単で、小形軽量で、 経済的に有利な立体駐車装置のパレット昇降装置を提供することを目的としてい る。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

上記目的達成のため、本考案に係る立体駐車装置のパレット昇降装置の第１の 考案においては、車両を搭載するためのパレットを上下および横方向に多段多列 に配設し、各パレットを昇降できるようにした立体駐車装置のパレット昇降装置 において、昇降装置の左右両側にそれぞれ設けられた、各パレットの前側および 後側に連結された引き上げチェーンと、前記各チェーンの上方に配設されたスプ ロケットと、前記後側のスプロケットの後方に並列に配設された２個の駆動スプ ロケットと、前記前側のスプロケットの前方に配設された１個のアイドルスプロ ケットとよりなることを特徴としており、第２の考案においては、前記パレット の前側に連結されたチェーンが、前記上方のスプロケットと、前記並列に配設さ れた２個の駆動スプロケットの一方と、前記アイドルスプロケットとに卷装され たのち、前記パレットの前側に連結されたチェーンの所定の個所に連結し、前記 パレットの後側に連結されたチェーンが、前記上方のスプロケットと、前記並列 に配設された２個の駆動スプロケットの他方とに卷装されたのち、前記パレット の前側に連結されたチェーンの所定の個所に結合せることを特徴としており、第 ３の考案においては、車両を搭載するためのパレットを上下および横方向に多段 多列に配設し、各パレットを昇降できるようにした立体駐車装置のパレット昇降 装置において、昇降装置の左右両側にそれぞれ設けられた、各パレットの前側お よび後側に連結された引き上げチェーンと、前記各チェーンの上方に配設された スプロケットと、前記後側のスプロケットの後方に並列に配設された２個の駆動 スプロケットと、前記前側のスプロケットの前方に配設されたシーブと、ロープ とよりなることを特徴としており、第４の考案においては、前記パレットの前側 および後側に連結されたチェーンが、前記上方のスプロケットと、前記２個の駆 動スプロケットとに卷装されたのち所定の個所で結合され、前記結合部に前記ロ ープの一端を連結し、前記シーブに卷装したのち前記ロープの他端を前記パレッ トの前側に連結されたチェーンの所定の個所に連結せることを特徴としている。

【００１１】

【作用】

請求項１および２の構成によれば、パレットの前側に連結されたチェーンを上 方のスプロケットと、後方に並列に配設された２個の駆動スプロケットの一方と 、前方に配設されたアイドルスプロケットとに卷装したのち同一チェーンの所定 の個所に連結し、パレットの後側に連結されたチェーンを上方のスプロケットと 、２個の駆動スプロケットの他方とに卷装したのち、パレットの前側に連結され たチェーンの所定の個所に結合したため、駆動スプロケットを駆動してチェーン を巻き上げることによりパレットを引き上げ、巻き取り済みのチェーンは、アイ ドルスプロケットを介してパレットの前側に連結されたチェーンによって駆動ス プロケットと前側上方のスプロケットとの間に引き込まれる。

【００１２】 請求項３および４の構成によれば、パレットの前側および後側に連結されたチ ェーンを上方のスプロケットと、後方に並列に配設された２個の駆動スプロケッ トに卷装したのち所定の個所で結合し、結合部にロープの一端を連結し、ロープ を前方に配設されたシーブに卷装したのち、パレットの前側に連結したチェーン の所定の個所に連結したため、駆動スプロケットを駆動してチェーンを巻き上げ ることによりパレットを引き上げ、巻き取り済みのチェーンは駆動スプロケット と前側上方のスプロケットとの間に引き込まれる。

【００１３】

【実施例】

以下に本考案に係る立体駐車装置のパレット昇降装置の実施例について、図面 を参照して詳述する。図２は昇降装置の第１実施例の片側の構成図であり、他の 側も同一構成である。２点鎖線で示す主桁３の後端にはモータ４により駆動され る駆動軸５に固着された２個の駆動スプロケット６Ａ、６Ｂが並列に配設されて いる。駆動軸５は他の側の駆動スプロケットも駆動する。主桁３の前端にはアイ ドルスプロケット７が、下面の前後にはスプロケット１１、１２が装着されてい る。

【００１４】 パレット１０の前側に連結されたチェーン１３は、前側のスプロケット１１と 駆動スプロケット６Ｂとに卷装したのち、前方のアイドルスプロケット７に卷装 し、Ｂ点でチェーン１３に連結する。パレット１０の後側に連結されたチェーン １４はスプロケット１２と駆動スプロケット６Ａとに卷装したのち、Ａ点でチェ ーン１３に結合する。

【００１５】 図４はＡ点での結合方法の第１実施例を示す斜視図であり、チェーン１３とチ ェーン１４とをＡ点においてロングピン１５により結合する。図５は結合方法の 第２実施例を示す斜視図であり、チェーン１４のＡ点のリンクにねじ穴を有する フランジ２０を設ける。一端にボルト穴２２を有し、他端にピン穴２４を有する 一対のブラケット２３を設けた結合部材２１をねじ２５を用いてチェーン１４の フランジ２０に締着し、ブラケット２３にチェーン１３を挿入してピン２６によ り連結する。

【００１６】 つぎに作動について説明する。モータ４を作動して駆動軸５を矢印方向に回転 させると、スプロケット６Ｂ、６Ａはチェーン１３、１４を巻き取り、チェーン １３、１４は矢印方向に移動してスプロケット１１、１２を介してパレット１０ を上昇させる。巻き取り済みのチェーン１３はアイドルスプロケット７を介して 、Ｂ点の移動とともに駆動スプロケット６Ｂとスプロケット１１との間に引き込 まれ、チェーン１４はＡ点の移動とともにスプロケット１１の方向に引き込まれ る。駆動スプロケット６Ａ、６Ｂは下側が張り側になるため、作動中にチェーン が弛むことはない。

【００１７】 図３は昇降装置の第２実施例の片側の構成図であり、２点鎖線で示す主桁３の 後端には駆動スプロケット６Ａ、６Ｂが配設されており、主桁３の前端にはシー ブ８が装着されている。主桁３の下面には前後にスプロケット１１、１２が装着 されている。

【００１８】 パレット１０の前側および後側に連結されたチェーン１３および１４は、スプ ロケット１１および１２と、駆動スプロケット６Ａ、６Ｂとに卷装されたのち、 Ａ点で結合される。ワイヤ１６の一端はチェーン１３と１４の結合部Ａ点に連結 され、シーブ８に卷装されたのちチェーン１３にＢ点で連結される。

【００１９】 モータ４を作動させて駆動軸５を矢印方向に回転させると、チェーン１３、１ ４は矢印方向に移動し、パレット１０を上昇させる。このとき、駆動スプロケッ ト６Ａ、６Ｂの下側は張り側、上側はゆるみ側となるため、ワイヤ１６に加わる 荷重は小さく、従ってワイヤ１６は細くてよく、シーブ径も小さくなる。

【００２０】

【考案の効果】

以上詳述したごとく、本考案は、立体駐車装置のパレット昇降装置を、チェー ンとスプロケット、あるいはチェーンとスプロケットおよびワイヤとシーブとよ り構成し、巻き取り済みのチェーンを駆動スプロケットと前方のスプロケットと の間に引き込むようにしたため、巻き取り済みチェーンを主桁内にコンパクトに 収納することができる。また、チェーンとスプロケットを用いたため、スプロケ ットの直径を小さくでき、スプロケットの数も少なく、装置全体を小形にするこ とが可能となった。ワイヤとシーブを併用した場合でも、駆動スプロケットの下 側が張り側となるようにし、ワイヤをゆるみ側に用いたため、ワイヤ径を細くし 、シーブ径を小さくすることが可能となり、構造簡単で小形軽量な立体駐車装置 のパレット昇降装置を経済的に得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】立体駐車装置の全体図である。

【図２】本考案のパレット昇降装置の第１実施例の構成
図である。

【図３】本考案のパレット昇降装置の第２実施例の構成
図である。

【図４】本考案のパレット昇降装置の、チェーン結合方
法の第１実施例の斜視図である。

【図５】本考案のパレット昇降装置の、チェーン結合方
法の第２実施例の斜視図である。

【図６】従来のパレット昇降装置の構成図である。

【符号の説明】

１ フレーム ２ 横桁 ３ 主桁 ４ モータ ５ 駆動軸 ６Ａ、６Ｂ 駆動スプロケット ７ アイドルスプロケット ８ シーブ １０ パレット １１、１２ スプロケット １３、１４ チェーン １６ ワイヤ

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 車両を搭載するためのパレットを上下お
   よび横方向に多段多列に配設し、各パレットを昇降でき
   るようにした立体駐車装置のパレット昇降装置におい
   て、昇降装置の左右両側にそれぞれ設けられた、各パレ
   ットの前側および後側に連結された引き上げチェーン
   と、前記各チェーンの上方に配設されたスプロケット
   と、前記後側のスプロケットの後方に並列に配設された
   ２個の駆動スプロケットと、前記前側のスプロケットの
   前方に配設された１個のアイドルスプロケットとよりな
   ることを特徴とした立体駐車装置のパレット昇降装置。
2. 【請求項２】 前記パレットの前側に連結されたチェー
   ンが、前記上方のスプロケットと、前記並列に配設され
   た２個の駆動スプロケットの一方と、前記アイドルスプ
   ロケットとに卷装されたのち、前記パレットの前側に連
   結されたチェーンの所定の個所に連結し、前記パレット
   の後側に連結されたチェーンが、前記上方のスプロケッ
   トと、前記並列に配設された２個の駆動スプロケットの
   他方とに卷装されたのち、前記パレットの前側に連結さ
   れたチェーンの所定の個所に結合せることを特徴とする
   請求項１の立体駐車装置のパレット昇降装置。
3. 【請求項３】 車両を搭載するためのパレットを上下お
   よび横方向に多段多列に配設し、各パレットを昇降でき
   るようにした立体駐車装置のパレット昇降装置におい
   て、昇降装置の左右両側にそれぞれ設けられた、各パレ
   ットの前側および後側に連結された引き上げチェーン
   と、前記各チェーンの上方に配設されたスプロケット
   と、前記後側のスプロケットの後方に並列に配設された
   ２個の駆動スプロケットと、前記前側のスプロケットの
   前方に配設されたシーブと、ロープとよりなることを特
   徴とした立体駐車装置のパレット昇降装置。
4. 【請求項４】 前記パレットの前側および後側に連結さ
   れたチェーンが、前記上方のスプロケットと、前記２個
   の駆動スプロケットとに卷装されたのち所定の個所で結
   合され、前記結合部に前記ロープの一端を連結し、前記
   シーブに卷装したのち前記ロープの他端を前記パレット
   の前側に連結されたチェーンの所定の個所に連結せるこ
   とを特徴とする請求項３の立体駐車装置のパレット昇降
   装置。