JPH0640130A - インクリボンカセット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 インクリボンに適切なバックテンションを与
え、かつ、インクリボンのたるみが生じないようにする
ことによって、プリンタの印字動作及び印字品位を安定
させることを目的とする。 【構成】 インクリボンカセット本体１内に、当接部７
でインクリボン５を押圧する第１の板バネ８と、リボン
供給側ボビン５に巻かれたインクリボン５のロール部６
の外周に接して押圧する第２の板バネ９を設ける。イン
クリボン５の巻き取り始めでは、第２の板バネ９がイン
クリボン５のロール部６の外周に接して押圧するため、
インクリボン５のたるみを抑えるとともに大きなバック
テンションがかかるが、インクリボン５の巻き取り終わ
り付近になると、インクリボン５のロール部６の外径の
減少にともなって第２の板バネ９がインクリボン５のロ
ール部６の外周から離間し、バックテンションが減少す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ワードプロセッサのプ
リンタやパーソナルコンピュータのターミナルプリンタ
等に使用される、印字用インクリボンを収納したインク
リボンカセットに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、ワードプロセッサやパーソナルコ
ンピュータの普及とともに熱転写プリンタとその消耗品
である熱転写インクリボンを収納したインクリボンカセ
ットの需要が大きくなっている。

【０００３】以下、従来のインクリボンカセットの一例
について、図面を参照しながら説明する。

【０００４】図３は従来のインクリボンカセットを熱転
写プリンタのキャリッジに装着し、印字を行っている状
態を示す平面図である。図３において、１は印字用のイ
ンクリボンを収納するインクリボンカセット本体、２は
インクリボンカセット本体１からインクリボン５が引き
出され印字が行われる印字部、３はリボン巻き取り側ボ
ビン、４はリボン供給側ボビンで、それぞれインクリボ
ンカセット本体１に回動自在に支持されている。インク
リボン５は一端がリボン供給側ボビン４に巻かれロール
部６を形成し、他端が印字部２を経てリボン巻き取り側
ボビン３に巻きつけられている。７は印字部２とリボン
供給側ボビン４の間で印字用インクリボン５を案内する
当接部、８は当接部７で印字用インクリボン５を押圧し
ている板バネである。１０は印字用紙、１１は熱転写プ
リンタのキャリッジ、１２はキャリッジ１１に軸支され
キャリッジ１１内に設けられた回転駆動系（図示せず）
によって回転することのできるリボン巻き取りリール
台、１３はキャリッジ１１内に設けられた離間駆動系
（図示せず）によって、印字部２でインクリボン５を印
字用紙１０に押圧しインクを転写、かつ離間されるサー
マルヘッドである。リボン巻き取り側ボビン３はリボン
巻き取りリール台１２と連動して回転するような構成に
なっている。

【０００５】以上のように構成されたリボンカセットに
ついて、以下その印字動作について説明する。まず、プ
リンタの印字が開始されると、図３のようにサーマルヘ
ッド１３が印字部２のインクリボン５を印字用紙１０に
押圧し、押圧したままの状態でキャリッジ１１が図示Ａ
方向に移動する。また、キャリッジ１１の移動開始と同
時に、リボン巻き取りリール台１２が図示Ｂ方向に回転
し、それと連動してリボン巻き取り側ボビン３が図示Ｂ
方向に回転する。キャリッジ１１の移動にともない、サ
ーマルヘッド１３の発熱によってインクが印字用紙１０
に転写され、転写済みとなったインクリボン５はリボン
巻き取り側ボビン３に巻き取られる。プリンタの印字が
終了すると、キャリッジ１１が停止し、サーマルヘッド
１３が印字部２のインクリボン５と共に印字用紙１０か
ら離間する。また、キャリッジ１１の停止と同時に、リ
ボン巻き取りリール台１２とリボン巻き取り側ボビン３
の回転も停止し、インクリボン５はリボン巻き取り側ボ
ビン３に巻き取られなくなる。以上のような印字動作を
くり返して、最終的にリボン供給側ボビン４に巻かれて
いたインクリボン５がすべて転写済みとなってリボン巻
き取り側ボビン３に巻き取られる。

【０００６】以上のような印字動作において、当接部７
で板バネ８がインクリボン５を押圧することによって、
印字部２のインクリボン５にバックテンションがかか
り、常に印字部２のインクリボン５に張力をかけてい
る。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、プリン
タの印字動作において、インクリボン５にかかるバック
テンションは印字動作及び印字品位に大きな影響を与え
る。例えばバックテンションが小さいと、印字部２でイ
ンクリボン５が上下に蛇行するという現象が起きたり、
逆にバックテンションが大きすぎると、リボン巻き取り
リール台１２で巻き取られたインクリボン５が巻き締ま
りを起こすと同時に、回転駆動系の負荷を増大させる。

【０００８】また、インクリボン５のたるみも印字品位
に影響し、図４のように印字動作中にインクリボン５に
たるみが生じると、巻き取りが行われてインクリボン５
のたるみがなくなり張力がかかった瞬間にサーマルヘッ
ド１３やリボン巻き取りリール台１２の回転駆動系に負
荷変動が生じ印字位置がずれるという現象が起きる。こ
の現象は高速印字動作時に特に顕著となる。

【０００９】ここで、リボン巻き取りリール台１２はイ
ンクリボン５の巻き取り量によって回転数が変化するた
め、一般にスリップ機構を有しており、常に一定のトル
クでインクリボン５を巻き取るようにしている。このた
め、インクリボン５の巻き取り始めではリボン巻き取り
側ボビン３の巻き取り径が小さく、フロントテンション
が大きくなり、反対にインクリボン５の巻き取り終わり
ではリボン巻き取り側ボビン３の巻き取り径が大きく、
フロントテンションが小さくなる。前述した印字部２で
インクリボン５が上下に蛇行するという現象は、特にフ
ロントテンションの大きい巻き始めで顕著となる。従っ
て、インクリボン５の巻き取り始めで、このフロントテ
ンションに抗して大きなバックテンションを加えれば、
インクリボン５が蛇行する現象を抑えることができる。
前述した負荷変動による印字位置のずれという現象も、
巻き取り始めでインクリボン５のロール部６の外径が大
きいとき、回転慣性が大きくインクリボン５のたるみが
生じやすいため、巻き取り始めで顕著となる。これらの
理由から、インクリボンカセットの巻き取り始めに大き
なバックテンションをかけ、巻き取り終わり付近では巻
き締まりによる回転駆動系の負荷の増大を防ぐため、逆
にバックテンションを少なくすることが望ましい。かつ
インクリボン５がたるまないようにすることが必要であ
る。

【００１０】しかしながら、従来のインクリボンカセッ
トはインクリボン５を板バネ８が当接部７で押圧するこ
とによって、インクリボン５に張力をかけているため、
インクリボンカセットの巻き取り始めから巻き取り終わ
りまで常に一定のバックテンションしかかけることがで
きず、また、インクリボン５がたるまないようにするこ
ともできないという問題点を有していた。

【００１１】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、インクリボンカセットの巻き取り始めには大きなバ
ックテンションをかけ、巻き取り終わりにはバックテン
ションを少なくし、かつリボンがたるまないようにする
ことのできるインクリボンカセットを提供することを目
的とする。

【００１２】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明のインクリボンカセットは、印字用のインクリ
ボンを収納しかつ前記インクリボンが引き出され印字が
行われる印字部を有するインクリボンカセット本体と、
前記インクリボンカセット本体に回動自在に支持され前
記インクリボンの両端をそれぞれ巻きつけたリボン巻き
取り側ボビン及びリボン供給側ボビンと、前記リボン供
給側ボビンと前記印字部との間で前記インクリボンを案
内する当接部と、前記当接部で前記インクリボンに一定
の押圧を加える第１の板バネと、前記リボン供給側ボビ
ンに形成された前記インクリボンのロール部の外周に接
して押圧する第２の板バネとを備え、また、前記インク
リボンの巻き取り終わり付近では前記第２の板バネが前
記ロール部より離間するようになっている。

【００１３】

【作用】本発明は上記した構成により、第２の板バネが
リボン供給側ボビンに巻かれたインクリボンのロール部
の外周に接して押圧することによって、印字品位上必要
なインクリボンの巻き取り始めに大きなバックテンショ
ンをかけることができ、かつリボンのたるみを防止する
ことができる。さらにインクリボンの巻き取り終わり付
近では第２の板バネがインクリボンのロール部の外周か
ら離間するため、回転駆動系の不必要な負荷の増大等を
防ぐこともできる。

【００１４】

【実施例】以下、本発明の一実施例のインクリボンカセ
ットについて、図面を参照しながら説明する。

【００１５】図１は本発明の一実施例であるインクリボ
ンカセットを、熱転写プリンタのキャリッジに装着し印
字を行っている状態の平面図である。図１において、従
来例と同じものは同一番号を付し説明を省略する。従来
例と異なるところは、インクリボン５のロール部６の外
周に接して押圧する第２の板バネ９が追加されている点
である。

【００１６】以上のように構成されたインクリボンカセ
ットについて、以下その印字動作について説明する。

【００１７】プリンタの印字が開始されると、図１のよ
うにサーマルヘッド１３が印字部２のインクリボン５を
印字用紙１０に押圧し、押圧したままの状態でキャリッ
ジ１１が図示Ａ方向に移動する。また、キャリッジ１１
の移動開始と同時に、リボン巻き取りリール台１２が図
示Ｂ方向に回転し、それと連動してリボン巻き取り側ボ
ビン３が図示Ｂ方向に回転する。キャリッジ１１の移動
にともない、サーマルヘッド１３の発熱によってインク
が用紙１０に転写され、転写済みとなったインクリボン
５はリボン巻き取り側ボビン３に巻き取られる。プリン
タの印字が終了すると、キャリッジ１１が停止し、サー
マルヘッド１３が印字部２のインクリボン５と共に用紙
１０から離間する。又、キャリッジ１１の停止と同時に
リボン巻き取りリール台１２とリボン巻き取り側ボビン
３の回転も停止し、インクリボン５はリボン巻き取り側
ボビン３に巻き取られなくなる。図２は以上のような印
字動作をくり返して、リボン供給側ボビン４に巻かれて
いたインクリボン５のロール部６がすべて転写済みとな
ってリボン巻き取り側ボビン３に巻き取られ、使用済み
の状態となったインクリボンカセットの平面図である。

【００１８】以上のような印字動作において、インクリ
ボンカセットの巻き取り始めでは図２のようにインクリ
ボン５を第１の板バネ８が当接部７で押圧し、かつ第２
の板バネ９がインクリボン５のロール部６の外周に接し
て押圧するため、印字部２のインクリボン５にバックテ
ンションがかかり、印字部２でインクリボン５がたるむ
事なく常にインクリボン５に張力がかかった状態で印字
動作が行われる。インクリボンカセットの巻き取り終わ
りになると、図２のように第１の板バネ８は当接部７で
インクリボン５を押圧した状態のままであるが、インク
リボン５のロール部６の外径の減少にともなって、第２
の板バネ９はインクリボン５のロール部６の外周から離
間する。このようにして、本実施例においては、大きな
バックテンションの必要なインクリボンカセットの巻き
取り始めでは、第１の板バネ８と第２の板バネ９の両方
がインクリボン５を押圧し、インクリボン５に大きなバ
ックテンションを付加し、大きなバックテンションを必
要としないインクリボンカセットの巻き終わりでは、第
２の板バネがインクリボン５のロール部６の外周から離
間し押圧しなくなることによってバックテンションが減
少する。また、本実施例においては、インクリボンカセ
ットの巻き取り始めでは、第２の板バネ９がインクリボ
ン５のロール部６の外周に接して押圧しているため、リ
ボン供給側ボビン４の回転が規制されるので、図４のよ
うにリボンがたるむことがない。

【００１９】

【発明の効果】以上の通り、本発明はインクリボンのロ
ール部の外周に接して押圧する第２の板バネをインクリ
ボンカセット内に設けることにより、インクリボンカセ
ットの巻き取り始めにはインクリボンに大きなバックテ
ンョンをかけることができ、かつ、インクリボンがたる
む事なく巻き取り動作が行えるため、印字部におけるイ
ンクリボンの上下の蛇行や特に高速印字時の印字精度の
悪化等の不良を起こしにくくすることができる。また、
巻き取り終わり付近では第２の板バネは離間するため、
回転駆動系の不必要な負荷の増大等を招くことがない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例のインクリボンカセットをプ
リンタのキャリッジに装着し、印字を行っている状態を
示す平面図

【図２】本発明の一実施例のインクリボンカセットの巻
き取り終わりの状態を示す平面図

【図３】従来のインクリボンカセットをプリンタのキャ
リッジに装着し、印字を行っている状態を示す平面図

【図４】従来のインクリボンカセットのインクリボンに
たるみが生じた状態を示す平面図

【符号の説明】

１ インクリボンカセット本体 ２ 印字部 ３ リボン巻き取り側ボビン ４ リボン供給側ボビン ５ インクリボン ６ インクリボンのロール部 ７ 当接部 ８ 第１の板バネ ９ 第２の板バネ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阪本 憲一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】印字用のインクリボンを収納しかつ前記イ
   ンクリボンが引き出され印字が行われる印字部を有する
   インクリボンカセット本体と、前記インクリボンカセッ
   ト本体に回動自在に支持され前記インクリボンの両端を
   それぞれ巻きつけたリボン巻き取り側ボビン及びリボン
   供給側ボビンと、前記リボン供給側ボビンと前記印字部
   との間で前記インクリボンを案内する当接部と、前記当
   接部で前記インクリボンに一定の押圧を加える第１の板
   バネと、前記リボン供給側ボビンに形成された前記イン
   クリボンのロール部の外周に接して押圧する第２の板バ
   ネとを備えたことを特徴とするインクリボンカセット。
2. 【請求項２】インクリボンのロール部の外周に接して押
   圧する第２の板バネは、前記インクリボンの巻き取り終
   わり付近ではロール部より離間することを特徴とする請
   求項１記載のインクリボンカセット。