JPH0639991Y2 - 記入情報を遮蔽し得る往復葉書 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、記入情報を遮蔽し得る機能を備えた往復葉書
に関する。

［従来技術］ 送り先側から送り元へ所要事項を書き込んで書類を返送
するような書簡の往復にあって、例えば預金口座振替依
頼書のように、その記入情報中に他人に知られてはまず
い秘密事項が含まれているものがある。

［考案が解決しようとする課題］ このような場合に、往復葉書を用いて返送すると秘密事
項が漏洩する。または記載内容中に印影を含む場合は、
該印影が露出状態で郵送されるから、書面の汚れや印影
の不鮮明を生じ易い。

このような問題を解決する一般的手段として、往信用封
書内に返信用封筒を同封して送り先に郵送し、該返信用
封筒内に所要秘密事項を書き込んだ紙片を同封して返送
する手段が考えられる。

ところで、このような手段であると、往復共に郵送費が
高くつき、紙片が多くなって封書代が高価となり、かつ
かさばるという大きな問題がある。

そこで、この問題を幾分でも解決し得るものとして、往
信用封書内に返信用葉書と、該葉書の書き込み欄を隠蔽
するラベル用紙を同封したものが実開昭63-113677号で
提案されている。

しかるにこの手段であると、返信用にのみハガキを用い
ているものであるから、郵送代の低廉化を充分に果たし
得るとは言い難い。また同封する紙片の枚数も多く、同
封作業が面倒である等の問題点を有する。

本考案は、係る従来の問題点を除去することを目的とす
るものである。

［課題を解決するための手段］ 本考案は、 葉書の紙面上に剥離紙を貼設し、 前記剥離紙よりも大きな隠蔽ラベルの下面に、透視可能
な保護フィルムを、再接合不能な結合層を介して接合
し、さらにその内側に閉環状のハーフカットを施して、
その内側を隠蔽被覆層としたものを、保護フィルム下面
に塗着した接着糊層により、その周縁を食出させて剥離
紙上に貼着して、該周縁を葉書に接合するための接合保
持縁とし、 返信葉書に、隠蔽被覆層によって遮蔽可能な隠蔽情報欄
を設け、 前記紙面上の剥離紙から、前記隠蔽被覆層を、接着糊
層、保護フィルム及び隠蔽ラベルを一体的にしてハーフ
カットに沿って剥離し、該隠蔽被覆層を隠蔽情報欄上に
転着し得るようにした ことを特徴とする記入情報欄上を遮蔽し得る往復葉書に
関するものである。

ここで再接合不能な結合層は、例えば隠蔽ラベルの下面
に形成したポリエステルフィルム等からなるラミネート
フィルムと、保護フィルムの上面に形成されたポリエチ
レン等からなる接着層とで構成され得る。

［作用］ 返信人は、往復葉書の返信欄に、秘密事項を含む所要事
項を記入し、又は必要により押印した後に、葉書の紙面
にあらかじめ貼着された隠蔽ラベルをはがす。このとき
剥離紙の作用により、接着糊層と、透視可能な保護フィ
ルムと、隠蔽ラベルとは一体的に剥離される。

そして、記入情報中の少なくとも秘密事項の上にラベル
を接着糊層の作用により貼着する。

この返信葉書を入手した送り元は、隠蔽ラベルをはがし
て透視可能な保護フィルム上から分離する。このため、
秘密事項は保護フィルムにより覆われた状態となるが、
該保護フィルムの透過作用により秘密情報の視認が可能
となる。また印影等転着しやすいものは保護フィルムに
より保護される。

かかる構成にあって、隠蔽ラベルを剥離しよりも大きく
し、その周縁を食出させて、該周縁を葉書に接合するた
めの接合保持縁としたから、郵送中等に生ずる外的擦過
力により隠蔽ラベルがはがれることがない。

また上記隠蔽ラベルと、保護フィルムは再接合不能な結
合層により接合されているから、一旦隠蔽ラベルと、保
護フィルム相互が分離されると、再接合が不能であり、
このためもし郵送途中で誰かが隠蔽ラベルを剥した場合
には、元に戻すことができずその郵送中に誰かが見たこ
とが確認され得る。

［実施例］ 添付図面について本考案の一実施例を説明する。

第１図において、１は本考案に係る往復葉書であって、
往信葉書２と、返信葉書３とが折り込み線４で連続して
いる。

前記往信葉書２は、その表に往信先住所等を記入する差
出人欄５が設けられ、その裏面の通信欄６に説明文等と
共に隠蔽ラベル14が貼着されている。

また返信葉書３には返信先住所等を記入する差出人欄７
が設けられ、その裏面には秘密事項を含む情報記入欄８
が設けられている。

前記通信欄６に設けられた隠蔽ラベル等の構成をさらに
説明する。

第２図に示すように紙面上には矩形状の剥離紙10が接合
され、その上に接着剤層11を介して透視可能な熱可塑性
樹脂からなる保護フィルム12が配設されている。さらに
該保護フィルム12上には隠蔽ラベル14が貼着されてい
る。前記隠蔽ラベル14は、第３図で拡大して示すように
紙シート又は合成樹脂フィルムを基材14aとしてその下
面にアルミ蒸着を施したり、アルミホイルを付着する
か、またはインクペーストを塗着することにより遮蔽層
14bを形成して遮蔽処理し、透かしても透視不能として
いる。

また遮蔽層14bの下面にはポリエステルフィルムまたは
ポリエチレンフィルムからなるラミネートフィルム13a
が形成されている。さらに、保護フィルム12上にはポリ
エチレンからなる接着層13bが形成され、このラミネー
トフィルム13aと接着層13bとで、一旦隠蔽ラベル14を接
着層13bから分離すると再接合不能とする結合層13を構
成している。

この保護フィルム12,隠蔽ラベル14は、剥離紙10よりも
大きく、周縁が剥離紙10から食出すようにし、その周縁
を接着剤層11により、通信欄６の紙面上に直接接合し、
該周縁を接合保持縁16としている。そして、剥離紙10の
周縁の内側で閉環状のハーフカット15を施している。そ
して、該保護フィルム12及び接着剤層11と共に隠蔽ラベ
ル14を接合保持縁16を残して一体的に分離可能とし、か
かるハーフカット15の内側を隠蔽遮蔽層20としている。
また前記ハーフカット15により囲まれた隠蔽ラベル14
は、少なくとも前記情報記入欄８の秘密事項を遮蔽し得
る大きさとする。この構成により剥離紙10があっても、
その接合保持縁16で隠蔽ラベル14等が紙面に保持され、
郵送中等に生ずる外的擦過力により隠蔽ラベル14がはが
れることがない。

かかる構成にあって、返信人は、所要事項を情報記入欄
８に記入した後に、第２図鎖線のようにハーフカット15
を利用して隠蔽遮蔽層20を剥して分離する。このとき、
剥離紙10の作用により、隠蔽ラベル14と共に保護フィル
ム12,接着剤層11が一体的に剥離される。

そして、第4,5図に示すように隠蔽遮蔽層20を、接着剤
層11により情報記入欄８の秘密事項の上に被着する。こ
れにより秘密事項は隠蔽される。

返信葉書３を入手した発信元は、隠蔽遮蔽層20の隠蔽ラ
ベル14を剥すと、保護フィルム12のみが情報記入欄８上
に残り、該保護フィルム12を介して所要事項が読取り可
能となる。また保護フィルム12により、印影等が保護さ
れ、郵送中での汚れが防止される。

前記隠蔽ラベル14は第５図鎖線に示す様に保護フィルム
12から剥離すると接着層13bがラミネートフィルム13aと
分離して、再貼着は不能となる。従って、郵送途中で第
三者が隠蔽ラベル14を剥して、情報を読取ってから元の
状態に戻すことができず、知らない間に情報が漏洩され
るような事態を避けることができる。

上述の実施例にあっては、隠蔽遮蔽層20を往信葉書２の
通信欄６に保持したが、該隠蔽遮蔽層20の保持面は往復
葉書１のいずれの面でも良い。

［考案の効果］ 本考案は、上述のように、往復葉書を用いながらも、隠
蔽遮蔽層20により返信葉書に記入された秘密情報を隠蔽
して、その情報保護を施し得るようにしたものであるか
ら、郵送代が低廉となり、しかも秘密情報を充分に保護
し得る。

また隠蔽ラベルを剥離紙よりも大きくし、その周縁を食
出させて、該周縁を葉書に接合するための接合保持縁と
したから、郵送中等に生ずる外的擦過力により隠蔽ラベ
ルがはがれることがなく、該隠蔽ラベルを安定的に保持
し得ることとなる。

さらには、本考案は隠蔽ラベルと、透視可能な保護フィ
ルムとを、再接合不能な結合層を介して接合したから、
秘密情報を隠蔽処理した後に、隠蔽ラベルを保護フィル
ムから剥離すると再接合不能な結合層により再貼着は不
能となり、このため、郵送途中で第三者が隠蔽ラベルを
剥して、情報を読取ってから元の状態に戻すことができ
ず、知らない間に情報が漏洩されるような事態を避ける
ことができる等の優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

添付図面は本考案の実施例を示し、第１図Ａは往復葉書
１の平面図、第１図Ｂは同裏面図、第２図は第１図Ｂイ
−イ線断面図、第３図は隠蔽ラベル14の拡大横断面図、
第４図は隠蔽遮蔽層20を情報記入欄８に転着した状態の
一部の平面図，第５図は第４図ロ−ロ線断面図である。 １……往復葉書 ２……往信葉書 ３……返信葉書 ８……情報記入欄 10……剥離紙 11……接着剤層 12……保護フィルム 13……結合層 13a……ラミネートフィルム 13b……接着層 14……隠蔽ラベル 14a……基材 14b……遮蔽層 15……ハーフカット 16……接合保持縁 20……隠蔽遮蔽層

フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−78280（ＪＰ，Ａ) 特開 昭64−36491（ＪＰ，Ａ) 実開 平２−36884（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭57−147069（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭52−98535（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭51−5150（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭64−11775（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭63−116375（ＪＰ，Ｕ) 実開 平２−108070（ＪＰ，Ｕ) 実公 昭56−21587（ＪＰ，Ｙ２)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】葉書の紙面上に剥離紙を貼設し、 前記剥離紙よりも大きな隠蔽ラベルの下面に、透視可能
   な保護フィルムを、再接合不能な結合層を介して接合
   し、さらにその内側に閉環状のハーフカットを施して、
   その内側を隠蔽被覆層としたものを、保護フィルム下面
   に塗着した接着糊層により、その周縁を食出させて剥離
   紙上に貼着して、該周縁を葉書に接合するための接合保
   持縁とし、 返信葉書に、隠蔽被覆層によって遮蔽可能な隠蔽情報欄
   を設け、 前記紙面上の剥離紙から、前記隠蔽被覆層を、接着糊
   層、保護フィルム及び隠蔽ラベルを一体的にしてハーフ
   カットに沿って剥離し、該隠蔽被覆層を隠蔽情報欄上に
   転着し得るようにした ことを特徴とする記入情報を遮蔽し得る往復葉書。