JPH0639713B2 - 表面金属化熱可塑性ポリエステル樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

表面金属化熱可塑性ポリエステル樹脂成形品の製造方法

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JPH0639713B2
JPH0639713B2 JP60093796A JP9379685A JPH0639713B2 JP H0639713 B2 JPH0639713 B2 JP H0639713B2 JP 60093796 A JP60093796 A JP 60093796A JP 9379685 A JP9379685 A JP 9379685A JP H0639713 B2 JPH0639713 B2 JP H0639713B2
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    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C18/00Chemical coating by decomposition of either liquid compounds or solutions of the coating forming compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating; Contact plating
    • C23C18/16Chemical coating by decomposition of either liquid compounds or solutions of the coating forming compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating; Contact plating by reduction or substitution, e.g. electroless plating
    • C23C18/18Pretreatment of the material to be coated
    • C23C18/20Pretreatment of the material to be coated of organic surfaces, e.g. resins
    • C23C18/22Roughening, e.g. by etching

Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、難燃性を有する熱可塑性ポリエステル樹脂成
形品をメツキ処理により、表面金属化する方法に関する
ものである。さらに詳しくは、良好な難燃性および機械
的性質を有し、かつメツキ膜接着力がすぐれた、表面金
属化熱可塑性ポリエステル樹脂成形品の製造方法に関す
るものである。
<従来の技術> 近年、要求が高まつているEMIシールド用途などにお
いて、表面金属化樹脂成形品は、良好なシールド効果と
生産性の点から非常に期待されている。これらのシール
ド用途において、最近では、安全性の点からさらに樹脂
自体に難燃性が要求されるケースが増えつつある。この
ような場合には、有機ハロゲン系難燃剤を添加した熱可
塑性ポリエステルが難燃性のほかに良好な機械的性質、
耐熱性を有するために期待できるが、メツキ処理が困難
であるという問題があつた。
一般にプラスチツクのメツチ処理は、(1)前処理、(2)粗
表面化処理(エツチング)、(3)感応性付与処理(センシタイジング)
またはキヤタリスト処理、(4)活性化処理(アクチベ-チング)
またはアクセレート処理、(5)無電解メツキおよび(6)電
気メツキの各工程を順次経ることにより行なわれてお
り、上記(3)工程以降が通常メツキ工程と呼ばれてい
る。なかでも上記(2)の粗表面化処理は以降のメツキ工
程で付与される金属メツキ膜の密着性を左右する重要な
工程で、プラスチツクの種類に応じて種々の手段が用い
られている。
熱可塑性ポリエステル樹脂のメツキにおける粗表面化手
段として、例えば予めポリエステル樹脂に充填剤を含有
せしめたものをアルカリ溶液で粗表面化処理後メツキす
る方法(特開昭54-15977号公報)、ガラス繊維・炭酸カ
ルシウムで強化されたポリエステル樹脂を酸化剤を含有
する水酸化アルカリ溶液で粗表面化後メツキする方法
(特開昭53-6374号公報)、ガラス繊維で強化されたポ
リエステル樹脂を硝酸水溶液に浸漬し、次いで水酸化ア
ルカリ水溶液に浸漬して粗表面化後メツキする方法(特
開昭53-6376号公報)、樹脂フイルムをアルカリ溶液で
処理し、次いでクロム酸混液で処理後メツキする方法
(特開昭58-149924号公報)が知られている。しかしな
がら、有機ハロゲン系難燃剤により難燃化された熱可塑
性ポリエステルに対して、これらの方法を適用した場
合、メツキ膜の接着性がいくらか改善されるものの、実
質的に有効なレベルに達せず、しかも樹脂自体の機械的
強度が低下し、実用的にすぐれた表面金属化熱可塑性ポ
リエステル樹脂成形品を得ることができない。
<発明が解決しようとする問題点> 本発明の課題は、有機ハロゲン系難燃剤により難燃化さ
れた熱可塑性ポリエステルのメツキに対する従来技術の
上述のような欠点を解消し、良好な難燃性および機械的
強度を有し、かつ実用的にメツキ膜の接着力がすぐれた
表面金属化熱可塑性ポリエステル樹脂成形品を提供する
ことにある。
<問題点を解決するための手段および作用> 本発明者らの検討によれば、充填剤および有機ハロゲン
系難燃剤を含有せしめた熱可塑性ポリエステルの成形品
に酸性クロム酸溶液による処理、次いでアルカリ溶液に
よる処理を施して粗表面化した後、メツキ処理を施すこ
とにより本発明が解決しようとしている問題点が解決し
得ることが判明した。
すなわち、本発明は熱可塑性ポリエステル100重量部
に対し、充填剤を5〜250重量部および有機ハロゲン系
難燃剤3〜80重量部を含有せしめてなる熱可塑性ポリ
エステル樹脂組成物の成形品を酸性クロム酸溶液による
処理、次いでアルカリ溶液による処理を施して粗表面化
した後、メツキ処理を施すことを特徴とする表面金属化
熱可塑性ポリエステル樹脂成形品の製造方法であり、ま
た、特に好ましい態様として、この製造方法にあつて、
充填剤として酸化アンチモンおよび/または酸化ジルコ
ニウムか、あるいはさらにこれらにガラス繊維、ガラス
ビーズ、二酸化チタン、酸化アルミニウム、マイカおよ
びタルクから選ばれた一種以上を加えて使用する表面金
属化熱可塑性ポリエステル樹脂成形品の製造方法を提供
するものである。
本発明に用いる熱可塑性ポリエステルとしては、通常9
0モル%以上がテレフタル酸成分であるジカルボン酸成
分とジオール成分を縮重合して得られる重合体が使用さ
れる。
ここでいうテレフタル酸成分としては、テレフタル酸お
よびそのエステル形成性誘導体であり、また、テレフタ
ル酸成分とともに用いられる他のジカルボン酸成分とし
てはイソフタル酸、オルトフタル酸、2・6−ナフタレ
ンジカルボン酸、1・5−ナフタレンジカルボン酸、ビ
ス(P−カルボキシフェニル)メタンアントラセンジカ
ルボン酸、4・4′−ジフェニルジカルボン酸、1・2
−ビス(フエノキシ)エタン−4・4′−ジカルボン
酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などの芳香族ジ
カルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、
ドデカンジオン酸などの脂肪族ジカルボン酸、1・3−
シクロヘキサンジカルボン酸、1・4−シクロヘキサン
ジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸およびこれらの
エステル形成性誘導体などが挙げられる。また、ジオー
ル成分としては炭素数2〜20の脂肪族グリコールすな
わち、エチレングリコール、プロピレングリコール、1
・4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1・
5−ペンタンジオール、1・6−ヘキサンジオール、デ
カメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、
シクロヘキサンジオールなど、およびそれらのエステル
形成性誘導体が挙げられる。
これらの重合体ないしは共重合体の好ましい具体例とし
ては、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレン(テ
レフタレート/イソフタレート)、ポリブチレン(テレ
フタレート/アジペート)、ポリブチレン(テレフタレ
ート/セバケート)、ポリブチレン(テレフタレート/
デカンジカルボキシレート)、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリエチレン(テレフタレート/イソフタレー
ト)、ポリエチレン(テレフタレート/アジペート)、
ポリブチレン(テレフタレート/5−ナトリウムスルホ
イソフタレート)、ポリエチレン(テレフタレート/5
−ナトリウムイソフタレート)などが挙げられ、ポリエ
ステル樹脂組成物の成形性からポリブチレンテレフタレ
ート、ポリブチレン(テレフタレート/アジペート)、
ポリブチレン(テレフタレート/デカンジカルボキシレ
ート)、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン
(テレフタレート/アジペート)、ポリブチレン(テレ
フタレート/5−ナトリウムスルホイソフタレート)な
どが特に好ましく使用される。また、これら熱可塑性ポ
リエステルは0.5%のo−クロロフエノール溶液を25
℃で測定したときの相対粘度が1.2〜2.0、特に1.3〜1.8
5の範囲にあるものが好適である。
また、これらは2種以上混合して用いることができる。
本発明に用いる充填剤とは、繊維状、粒状、針状、リン
片状、板状等の形態を有する充填剤であつて、ガラス繊
維、チタン酸カリウムウイスカ、炭素繊維、アラミド繊
維、金属繊維、アスベスト、セラミツクフアイバー、二
酸化チタン、酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウ
ム、マイカ、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、
石コウ、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、酸化ジル
コニウム、クレー、シリカ、セリサイト、酸化マグネシ
ウム、カオリン、珪藻土、炭酸マグネシウム、長石、蛭
石、カーボンブラツク、ガラスビーズ、シラスバルー
ン、およびサイロイドなどが挙げられる。これらのう
ち、ガラス繊維、ガラスビーズ、二酸化チタン、酸化ア
ルミニウム、メタケイ酸カルシウム、マイタ、タルク、
炭酸カルシウム、酸化アンチモンおよび酸化ジルコニウ
ムが好ましく用いられ、径2〜20μのガラス繊維、平均
粒径3〜50μのガラスビーズ、平均粒径0.8〜9μの二
酸化チタン、平均粒径0.5〜10μの酸化アルミニウムお
よびマイカを酸化アンチモンおよび/または酸化ジルコ
ニウムと併用して用いることが特に好ましい。
これらの充填剤は、シラン系、チタネート系などのカツ
プリング剤、その他の表面処理剤で処理されていてもよ
く、また、2種以上混合して用いてもよい。
充填剤の添加量は熱可塑性ポリエステル100重量部に対
し、5〜250重量部必要であり、20〜100重量部が好まし
い。5重量部未満では、メツキ膜の接着性を改良する効
果が不十分である。250重量部を越えると逆にメツキ
膜接着力が失われ、また熱可塑性ポリエステル樹脂自体
の機械的性質が低下するため好ましくない。
なお、本発明において、酸化アンチモンおよび/または
酸化ジルコニウム以外の充填剤を用いる際には、難燃化
効果の点から、酸化アンチモンおよび/または酸化ジル
コニウムを併用するのが好ましい。他の充填剤と併用す
る酸化アンチモンおよび/または酸化ジルコニウムの添
加量は、熱可塑性ポリエステル100重量部当り、1〜
40重量部、好ましくは3〜20重量部である。
さらに本発明において用いる有機ハロゲン系難燃剤は、
分子中に塩素原子および/または臭素原子を有するもの
であり、通常難燃剤として使用されている公知の有機ハ
ロゲン化合物を意味し、特にハロゲン含有量20重量%
以上のものが好ましい。具体的には、ビス(2・4−ジ
クロロフエニル)エーテル、2・4−ジブロモ−2′・
4′−ジクロロジフエニルエーテル、ビス(2・4・6
−トリクロロフエニル)エーテル、オクタクロロジフエ
ニルエーテル、デカクロロジフエニルエーテル、次式で
示される脂環状塩素化合物 ヘキサブロモベンゼン、ペンタブロモトルエン、ヘキサ
ブロモビフエニル、デカブロモビフエニル、ヘキサブロ
モシクロデカン、デカブロモジフエニルエーテル、オク
タブロモジフエニルエーテル、ヘキサブロモジフエニル
エーテル、ビス(ペンタブロモフエノキシ)エタン、エ
チレンビス−(テトラブロモフタルイミド)、テトラブ
ロモビスフエノールA等の低分子量有機ハロゲン化合
物、臭素化ポリカーボネート(例えば臭素化ビスフエノ
ールAを原料として製造されたポリカーボネートオリゴ
マー)、臭素化エポキシ化合物(例えば臭素化ビスフエ
ノールAとエピクロルヒドリンとの反応によつて製造さ
れるジエポキシ化合物)、ポリ(臭素化ベンジルアクリ
レート)、臭素化ポリフエニレンエーテル、臭素化ビス
フエノールA、塩化シアヌルおよび臭素化フエノールの
縮合物、臭素化ポリスチレン等のハロゲン化されたポリ
マーやオリゴマーあるいは、これらの混合物が挙げら
れ、なかでもテトラブロモビスフエノールAからの臭素
化ポリカーボネートおよびそのビスフエノールAとの共
重合体、テトラブロモビスフエノールAからの臭素化エ
ポキシオリゴマー、ポリ(2・6−ジブロモフエニレン
エーテル)、ポリ(トリブロモスチレン)、テトラブロ
モビスフエノールA/塩化シアヌル/トリブロモフエノ
ール縮合物が好ましく使用できる。
本発明における有機ハロゲン系難燃剤の添加量は、熱可
塑性ポリエステル100重量部に対して、3〜80重量
部、好ましくは5〜60重量部、より好ましくは10〜50
重量部である。添加量が3重量部未満では難燃性の付与
効果が十分でなく、80重量部を越えた場合には、熱可
塑性ポリエステルの機械的性質を損うため好ましくな
い。
なお、本発明において特定の熱可塑性樹脂、すなわち脂
肪族ジカルボン酸共重合ポリエステル、ポリエステルエ
ラストマーおよびグリシジル基含有オレフイン系共重合
体から選ばれた一種以上を、本発明の熱可塑性ポリエス
テルおよび充填剤に添加すれば、本発明のメツキ品の機
械的性質、メツキ接着力をさらに向上させることが可能
である。
これらの脂肪族ジカルボン酸共重合ポリエステル、ポリ
エステルエラストマーおよびグリシジル基含有オレフイ
ン系共重合体から選ばれた一種以上の熱可塑性樹脂の添
加量としては、芳香族ポリエステル100重量%に対し
て0.5〜80重量%、好ましくは5〜50重量%であ
る。
ここでいう、脂肪族ジカルボン酸共重合ポリエステルと
は、10〜50モル%、好ましくは15〜40モル%が脂肪族ジ
カルボン酸成分であるジカルボン酸およびジオール成分
からなる共重合体である。
これら共重合体の具体例としては、ポリブチレン(テレ
フタレート/アジペート)、ポリブチレン(テレフタレ
ート/セバケート)、ポリブチレン(テレフタレート/
デカンジカルボキシレート)、ポリブチレン(テレフタ
レート/イソフタレート/セバケート)、ポリブチレン
(テレフタレート/イソフタレート/デカンジカルボキ
シレート)、ポリエチレン(テレフタレート/アジペー
ト)、ポリエチレン(テレフタレート/セバケート)な
どが挙げられる。
また、脂肪族ジカルボン酸共重合ポリエステルは0.5%
のo−クロロフエノール溶液を25℃で測定したときの
相対粘度が1.2〜2.0、特に1.3〜1.85の範囲にあるもの
が好適である。
また、これらは2種以上混合して用いることができる。
本発明に用いるポリエステルエラストマーとは、ポリエ
ステルをハードセグメントとして、ポリ(アルキレンオ
キシド)グリコールおよび/または脂肪族ポリエステル
をソフトセグメントとするポリエーテルエステルブロツ
ク共重合体、ポリエステル・エステルブロツク共重合
体、ポリエーテルエステル・エステルブロツク共重合体
である。
ここでハードセグメントを構成する芳香族ポリエステル
とは、60モル%以上がテレフタル酸成分であるジカル
ボン酸成分とジオール成分を縮重合して得られる重合体
である。テレフタル酸以外のジカルボン酸成分およびジ
オール成分は、前記熱可塑性ポリエステルの場合と同様
であるのでここでは省略する。
芳香族ポリエステルの具体例としては、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチ
レン(テレフタレート/イソフタレート)、ポリブチレ
ン(テレフタレート/イソフタレート)などが好ましく
挙げられる。
また、ここでソフトセグメントを構成するポリ(アルキ
レンオキシド)グリコール、および脂肪族ポリエステル
の具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリ(1
・2−および1・3−プロピレンオキシド)グリコー
ル、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、エチ
レンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体、エチレ
ンオキシドとテトラヒドロフランの共重合体、ポリエチ
レンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリ−ε−
カプロラクトン、ポリエチレンセバケート、ポリブチレ
ンセバケートなどが好ましく挙げられる。
ポリエステルエラストマーのソフトセグメント対ポリエ
ステルハードセグメントの占める割合は、重量比で95/5
〜10/90、特に90/10〜30/70であることが好ましい。
具体的なポリエステルエラストマーとしては、特にポリ
ブチレンテレフタレート・ポリ(テトラメチレンオキシ
ド)グリコールブロツク共重合体、ポリブチレンテレフ
タレート/イソフタレート・ポリ(テトラメチレンオキ
シド)グリコールブロツク共重合体、ポリブチレンテレ
フタレート・ポリ(プロピレンオキシド/エチレンオキ
シド)グリコールブロツク共重合体、ポリブチレンテレ
フタレート/イソフタレート・ポリ(プロピレンオキシ
ド/エチレンオキシド)グリコールブロツク共重合体、
ポリブチレンテレフタレート・ポリブチレンアジペート
ブロツク共重合体、ポリブチレンテレフタレート・ポリ
−ε−カプロラクトンブロツク共重合体が、ポリエステ
ル樹脂組成物のメツキ品の物性改善効果が大きいため好
ましく用いられる。
また、これらのポリエステルエラストマーの前記熱可塑
性ポリエステルと同様に測定した相対粘度は1.4〜4.0、
特に1.6〜3.0範囲にあるものが好適である。
これらのポリエステルエラストマーは、2種以上混合し
て用いることができる。
本発明に用いるグリシジル基含有オレフイン系共重合体
とは、α−オレフイン50〜99.5重量%とα・β−不飽和
カルボン酸のグリシジルエステル50〜0.5重量%および
酢酸ビニル0〜49.5重量%とからなる共重合体である。
ここでいうα−オレフインとはエチレン、プロピレン、
ブテン−1などであり、エチレンが好ましく使用され
る。また、α・β−不飽和カルボン酸のグリシジルエス
テルとは一般式 (式中のRは水素原子または低級アルキル基を示す)で
表わされる化合物であり、具体的にはグリシジルアクリ
レート、グリシジルメタクリレート、グリシジルエタク
リレートなどが挙げられ、なかでもグリシジルメタクリ
レートが好ましく使用される。
グリシジル基を有するオレフイン系共重合体におけるα
・β不飽和カルボン酸のグリシジルエステルの共重合量
は0.5〜50重量%、特に1〜20重量%が適当であり、
0.5重量%以下では本発明の効果が得られず、また、5
0重量%以上では溶融混練時に組成物がゲル化し易くな
るため好ましくない。
グリシジル基を有するオレフイン系共重合体の好ましい
具体例としては、エチレン/グリシジルメタクリレート
共重合体、エチレン/グリシジルメタクリレート/酢酸
ビニル共重合体が挙げられる。これらは2種以上混合し
て用いることができる。
なお、グリシジル基含有オレフイン系共重合体を用いる
際には、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムやドデ
シルスルホン酸ナトリウム塩のような有機スルホン酸金
属塩およびラウリル硫酸エステル・ナトリウム塩のよう
なアルコールの硫酸エステル塩などを少量併用添加する
ことができる。
また、他の添加剤、例えばステアリン酸アルミニウム、
ステアリン酸バリウムなどの滑剤、モンタンロウ、モン
タン酸ワツクス金属塩などの離型剤、可塑剤、熱安定
剤、紫外線吸収剤、顔料、染料など、および他の熱可塑
性樹脂などを添加することができる。
本発明の熱可塑性ポリエステルと充填剤、有機ハロゲン
系難燃剤およびその他の添加剤の配合手段は特に限定さ
れないが、例えば熱可塑性ポリエステル、粉末状充填
剤、有機ハロゲン系難燃剤および他の添加剤を一緒に配
合した原料をスクリユー型押出機に供給し、溶融押出混
合する方法などが採用できる。
本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物成形品として
は、射出成形品、押出成形品、吹込成形品などの任意の
樹脂成形品を採用することができる。
本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂成形品をメツキ処理
に供する前に熱処理する方法も、表面金属化成形品の物
性を向上させる上で好ましい方法である。このような熱
処理温度としては70〜170℃の範囲が好ましい。
本発明の方法により表面金属化成形品を製造するに際
し、メツキ膜の接着性を左右する、粗表面化処理工程は
酸性クロム酸溶液で処理し、その後アルカリ溶液で処理
して粗表面化することが重要である。
これらの工程を経ることによりメツキ膜の接着力が飛躍
的に向上する原理は必ずしも明確でないが、酸性クロム
酸溶液が充填剤と熱可塑性ポリエステルの界面部分に選
択的に浸透し、その部分のポリエステルを膨潤せしめ、
その後アルカリ溶液でポリエステルが加水分解を受ける
とき、この膨潤化された部分が他より速く加水分解さ
れ、充填剤が離脱されやすくなり、底の深いアンカー効
果のすぐれた凹凸が成形品表面に形成されるためと推定
される。
一方、アルカリ溶液のみで粗表面化した場合は上記のよ
うな浸漬の選択性がないため、また難燃剤による妨害効
果があることから、充填剤の離脱が遅く底の浅い凹凸し
か得られず、メツキ膜接着力が十分得られないものと思
われる。
本発明の酸性クロム酸溶液とは、原子価が6価であるク
ロム化合物、硫酸、水を主成分とし、必要に応じて他の
鉱酸類を含有した酸性の酸化性溶液である。
該溶液の組成は、原子価6価のクロム化合物0.02〜50重
量%、硫酸10〜99.95重量%、水0〜97重量%、他の
鉱酸類0〜50重量%、特に、原子価6価のクロム化合
物0.2〜20重量%、硫酸20〜98.8重量%、水0〜80重
量%が好ましく使用される。
原子価6価のクロム化合物とは、三酸化クロム、クロム
酸塩(例えばクロム酸カリウム、クロム酸ナトリウムな
ど)、重クロム酸塩(例えば重クロム酸カリウム、重ク
ロム酸ナトリウムなど)などを挙げることができる。三
酸化クロム、重クロム酸カリウム、重クロム酸ナトリウ
ムが好ましく使用できる。
また他の鉱酸としてはリン酸、硝酸などを挙げることが
できる。
また本発明の酸性クロム酸溶液での処理条件は5〜95℃
の該酸性クロム酸溶液に成形品を0.25〜60分間の範囲
で浸漬処理することが好ましく、特に40〜90℃、1〜4
0分間の範囲で浸漬処理することが最適である。
次いで、水にて洗浄することが望ましい。
本発明のアルカリ溶液とは、水酸化カリウム、水酸化ナ
トリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ成分を、水、
フエノール類、アルコール類などの溶媒に、またはこれ
らの混合溶媒に5〜50重量%濃度に溶解した溶液であ
り、なかでも水酸化ナトリウムおよび/または水酸化カ
リウム10〜40重量%の水溶液が好ましく用いられる。
また必要に応じ、界面活性剤などを添加することもでき
る。
また本発明のアルカリ溶液での処理条件は、5〜95℃の
該アルカリ溶液に成形品を1〜120分間の範囲で浸漬処
理することが好ましく、特に40〜90℃、2〜60分間の
範囲で浸漬処理することが望ましい。
次いで十分洗浄することが望ましい。
酸性クロム酸溶液による処理とアルカリ溶液による処理
は、この順序に従つて行なうことが必要である。逆の順
序または各一方のみの処理では、本発明の目的を達する
ことができない。
アルカリ溶液による処理が終了後、成形品を十分水洗し
た後、さらにPH3以下の酸性水溶液で表面処理を行な
つてもよい。この場合の酸成分としては硫酸、塩酸など
の鉱酸が用いられ、処理条件は5〜70℃で2〜60分が
適当である。
このように粗表面化処理した樹脂成形品に次いで通常の
メツキ処理を施すことにより、メツキ膜接着力が著しく
すぐれた表面金属化熱可塑性ポリエステル樹脂成形品を
得ることができる。
メツキ処理もたとえば塩化第1スズ溶液によるセンシタ
イジング−塩化パラジウム溶液によるアクチベーチング
−無電解銅またはニツケルメツキ−電気メツキの各工程
またはキヤタリステイング−アクセレーテイング−無電
解メツキ−電気メツキの各工程からなる通常の化学メツ
キ方法を適用することができる。
本発明の表面金属化熱可塑性ポリエステル樹脂成形品は
すぐれた耐熱性、難燃性、機械的特性、メツキ膜接着性
を有するので、種々の自動車部品、電気部品および機械
部品として有用である。
以下、実施例を挙げて本発明の効果をさらに説明する。
<実施例1〜12、比較例1〜13> 0.5%オルトクロロフエノール溶液を25℃で測定した
ときの相対粘度が1.55のポリブチレンテレフタレート1
00重量部に対し、第2表に示した充填剤、臭素化ポリ
カーボネート系難燃剤(帝人化成社製“フアイヤガー
ド”FG-7500)30重量部および三酸化アンチモン10
重量部を250℃に設定した40mmφスクリユーを有したベ
ント付押出機により溶融混練してペレツト化した。次い
で得られたペレツトを250℃に設定した5オンスの射出
成形機に供し、金型温度80℃の条件で100φ×3mmの円
板成形品、厚み1/16″の燃焼試験片および1/8″幅のノ
ツチ付衝撃試験片を成形した。
次にUL-94規格に従い、垂直燃焼試験を行なうと共に、
衝撃試験片および円板成形品について第1表に示した酸
性クロム酸溶液およびアルカリ溶液による処理を含む以
下に示す方法でメツキ処理を施した。
メツキ膜の接着力は上記(9)電気メツキ(光沢銅メツ
キ)まで施した試験片のメツキ膜を10mm幅で長さ20
mmにわたつてT剥離する際の力量(g)を測定することに
よつて評価した。
また、上記(9)まで施した衝撃試験片については、ASTM
D256に従い、アイゾツト衝撃試験を行なつた。
これらの結果を第2表に示した。
第2表の結果から明らかなように、本発明の表面金属化
熱可塑性ポリエステル樹脂成形品は、良好な難燃性およ
び機械的性質を有し、かつ従来の方法によるメツキ成品
に比較し、メツキ接着力が均衡してすぐれている。
<比較例14〜16> 実施例1で臭素化ポリカーボネート系難燃剤30重量部
を除き、その分ポリブチルテレフタレートを添加した組
成にした他は実施例1と同様にして評価を行なった。な
お酸性クロム酸溶液およびアルカリ溶液による処理は第
3表に示した方法で行ない結果を第3表に示した。
<実施例13〜15> 実施例1のポリマ組成物に対して、さらにポリブチレン
(テレフタレート/デカンジカルボキシレート)80/20
モル比共重合体(以下PBT/Dと略す)、エチレン/グリ
シジルメタクリレート90/10重量比共重合体(以下E/GMA
と略す)およびポリブチレンテレフタレート・ポリ(テ
トラメチレンオキシド)グリコール40/60重量比ブロツ
ク共重合体(以下PBT-PTMGと略す)の各1種を各々、1
0重量部添加した組成物3種について、実施例1と同様
にして溶融混練、射出成形、特性評価を行なつた。結果
を第4表に示す。
第4表の結果から明らかなように、脂肪族ジカルボン酸
共重合ポリエステル、ポリエステルエラストマーおよび
グリシジル基含有オレフイン系共重合体から選ばれた一
種以上を本発明の組成物に添加すれば、本発明の成形品
の機械的性質およびメツキ接着力をさらに向上させるこ
とが可能である。
<発明の効果> 本発明方法により得られる表面金属化熱可塑性ポリエス
テル樹脂成形品は、良好な難燃性および機械的性質を有
し、かつすぐれたメツキ膜接着力を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C25D 5/56 B (56)参考文献 特開 昭54−28370(JP,A) 特開 昭53−6376(JP,A) 特開 昭58−149924(JP,A) 特開 昭58−157826(JP,A) 特開 昭59−210950(JP,A) 特公 昭53−19628(JP,B2)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性ポリエステル100重量部に対し
    充填剤5〜250重量部および有機ハロゲン系難燃剤3〜
    80重量部を含有せしめてなる熱可塑性ポリエステル樹
    脂組成物の成形品に酸性クロム酸溶液による処理、次い
    でアルカリ溶液による処理を施して粗表面化した後、メ
    ツキ処理を施すことを特徴とする表面金属化熱可塑性ポ
    リエステル樹脂成形品の製造方法。
  2. 【請求項2】充填剤が酸化アンチモンおよび/または酸
    化ジルコニウムであるか、もしくは酸化アンチモンおよ
    び/または酸化ジルコニウムと、ガラス繊維、ガラスビ
    ーズ、酸化アルミニウム、マイカおよびタルクから選ば
    れた一種以上とからなるものである特許請求の範囲第1
    項記載の表面金属化熱可塑性ポリエステル樹脂成形品の
    製造方法。
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